■霧のマウンテン / Donovan (Epic / 日本コロムビア)
これはサイケおやじが初めて買ったドノバンのレコードで、当然ながら後追いの中古盤ゲットでした。
というのも、A面収録曲「霧のマウンテン / There Is A Mountain」がオールマンズによって「Mountain Jam」という強烈なライプバージョンに変奏され、それにシビレきっていたサイケおやじが、ど~してもオリジナルバージョンを聴きたくなったのは皆様がご推察のとおりです。
で、そのドノバンというミュージシャンは、1960年代中頃から英国フォークの貴公子とか、イギリスのボブ・ディランと呼ばれた人気のシンガーソングライターであり、またサイケデリックポップスの味わいが非常に強いヒット曲や濃密なアルバムが、特にアメリカでウケまくっていたのが、全盛期とも言える1970年代前半までの経歴になっています。
しかしサイケおやじの認識では、今やフォークロックやサイケデリックロックの古典になっている「Sunshine Superman」や「Mellow Yellow」等々の代表曲が、リアルタイムの我国でヒットしていたという記憶がどうにもありません。
ただし、ドノバンという名前は実に強い印象であり、それはビートルズのジョンとポールにギターのフィンガービッキング奏法を手ほどきしたとか、前述のヒット曲を含む全盛期のレコーディングセッションには、ジミー・ペイジやジョン・ポール・ジョーンズといった後のゼップ勢が参加しているとか、さらに来日公演ではアコースティックギターだけで武道館のソロライプを押し切ったというウルトラ級の伝説が、今も鮮烈!?!?
そして追い撃ちになったのが、既に述べたようにオールマンズのジャムバンド的カパーだったんですから、今更ながらと自覚しつつも……、というわけです。
そこで実際に聴いてみると、これがなかなか気持の良い浮遊感に満ちた名曲なんですねぇ~~♪ 例のオールマンズが拡大解釈していた基本の曲メロとフワフワしたドノバン本人の歌唱の不思議な化学変化は、所謂ミスマッチの面白さもあると思います。
そういえばドノバンのオリジナル演目は、例えばバニラ・ファッジやアル・クーパー等々にもジャムネタにされているほど、基本的にやってみたくなるモードで作られているんでしょうか? ついついハイな気分にさせられるものが多く、結局はベスト盤までゲットさせられたのが、ドノバンの魅力という事でしょう。
どうやら現在は復刻CDにしても、いまひとつ統一感のある再発にはなっていないようですから、ここらあたりで丁寧な作りのボックスセットでも出して欲しいと願っています。