■手紙 / 由紀さおり (東芝)
しかしイケイケな気分になりたくても、やっぱり独りになると癒しが欲しくなってしまうのは、生きていて当然の心理なのでしょう。
そこで聴きたくなるのが、由紀さおりの歌声である事も、また然り!?
本日掲載したのは、昭和45(1970)年に発売されたシングル盤で、もちろん収録A面曲「手紙」は説明不要、彼女の代表的な歌謡ヒットの決定版ですから、その安心感も今となっては癒しの大切なポイントかと思います。
ところが朝イチ、これを久々に聴いて吃驚仰天!
結論から言えば、作編曲を担当した川口真の天才性、特にアレンジの凄さには心の平静を失ってしまいましたよっ!
なんとっ! 全篇のベースライン、リズムアレンジが16ビートじゃ~ないのかっ!?
いゃ~、もう、ベースをメインにリズム隊だけ聴いても、全身の血液が沸騰してしまいそうです♪♪~♪
もちろん皆様ご存じのとおり、それは決して派手なプレイでは無く、楽曲の表層はエキゾチックな彩りが施された哀愁系のメロディは大いなる魅力なんですが、それにしてもねぇ~、リアルタイムよりは今頃になってハッとさせられる仕掛の妙は、まさに昭和歌謡曲の醍醐味のひとつと痛感させられました。
そして由紀さおりの素直なようでいて、実は奥深い歌唱表現は、本来の持ち味である癒し系の声質があればこそ、さらに輝く絶妙のフェイクが冴えまくり♪♪~♪
特にサビラストのキメになっている――
なぁ~みだでぇ~ つづりぃ~おえた
おわかぁれぇ~のぉ てがみぃ~~
――一その「ひとり芝居」の多重コーラスパートの素晴らしさは最高ですねぇ~♪
ちなみに作詞はなかしに礼なんですが、ここまで意図的にズラした川口真の作編曲にはご本人、どのような感慨を御持ちなのか、ちょっぴり気になるところでもあります。
極言すれば、これは隠れたニューソウル歌謡曲なのかもしれませんねっ!
ということで、所期の目的は癒しを求めていたはずが、すっかり気分が高揚モードに入ってしまいました。
うむ、やっぱりこうやっていくのが、今のサイケおやじには必要なんでしょうねぇ~。それを歌謡曲の神様が教えてくれたにちがいありません。
最後になりましたが、先ほど病院で医師から、当面のOKサインをいただきました。
もちろん自分でも体調が回復している事は実感していますし、気になる指の動きの「ぎごちなさ」も、なんとかなりそうな気配です。
そしてこの間の皆様のご厚情には、心から感謝しております。
さあ、心機一転、行けるところまでは、いきますよ。