OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ヴァレンタイン・ディの雑念

2017-02-14 17:56:30 | Singer Song Writer
ブルー・ヴァレンタイン・ディ / 大滝詠一 (ナイアガラ / 日本コロムビア)

何かと好き嫌いの多いサイケおやじが、年中行事の中で最もソリが合わないのが本日、ヴァレンタイン・ディであります。

もちろん、それは今に至るも心の通った思い出がひとつも無いからで、具体的には現在の我が国で蔓延している所謂「義理チョコ」なぁ~んていうのが、殊更面白くありません。

以前から度々書いた事ではありますが、この日に本当に欲しかった青少年期には全く貰えなかったチョコレートが、中年者になって以降は黙秘的に仕事場の机上に置いてあったり、メール便で届いたりするんじゃ~、本来の目的がどうであれ、違和感が飽和状態ですよ……。

さて、そこで本日取り出したのは、大滝詠一が昭和53(1978)年に出した、そのものスバリのシングル曲「ブルー・ヴァレンタイン・ディ」であります。

皆様ご存じのとおり、この時期の大滝御大は何をやってもセールス的には惨敗続きだった頃で、実は同曲にしても前年末に起死回生を狙って出したと云われる自画自賛のアルバム「ナイアガラ・カレンダー ’78」に収録されていた本人自作の胸キュンポップスバラード♪♪~♪

そのアメリカンオールディズがモロ出しの曲メロで歌われるのは、もちろんヴァレンタイン・ディに好きな女の子からチョコレートが貰えない野郎どものロンリーな気分であって、個人的にはそこにある独善的な我儘に共感しかねる部分もあるんですが、ハーモニカやスティールギターが彩るサウンドの素晴らしさ、そして山下達郎がアレンジした事でも有名なストリングスのせつない響きが琴線に触れるんですねぇ~~♪

また、当然ながら、何時もは局地的に「なめくじ」と酷評される大滝御大の節回しと声質が、ここではこれ以上無いほどにジャストミートしているんですから、結果的に空振りになったのは大滝詠一という存在のマニアック性感度の高さを逆説的に証明してしまったように思います。

ただし、この「ブルー・ヴァレンタイン・ディ」は明らかに後のメガヒットアルバム「A LONG VACATION」の世界に直結している事は確定的でしょう。

また、例によって、このシングル盤に収録されているのは前述したLP「ナイアガラ・カレンダー ’78」からのストレートなカットではなく、独自のミックスが施された仕様になっているそうですが、サイケおやじとしては、両者聴き比べても、それほどの差異に感銘を受ける事はありませんでした。

ところが、これが如何にも大滝御大らしい遣り口なんですが、ここにもうひとつ、プロモ盤オンリーのモノラルミックスが作られていて、後にそれを友人から聴かせてもらったサイケおやじは、その何とも言えない味わいの深さにシビレた記憶が今も鮮明です。

ただし、それはあくまでも業界内のお楽しみというか、マニアとかコアなファンに向けての大滝御大からの憎らしいプレゼントですから、カセットコピー等々は出回っていても、現物はウルトラ級の高嶺の花!

しかし、ご安心下さいっ!

近々、掲載盤を含む初期ナイアガラ期に発売されたアナログのシングル盤がボックス仕様で復刻され、当時のレア音源の数々を収録したCDアルバムも付属されるという朗報が♪♪~♪

う~ん、御大のマニアックな心意気を継承&伝承してくれるスタッフの姿勢には、素直に拍手ですよ♪♪~♪

ということで、話は戻りますが案の定、義理チョコの洗礼をありがたくいただきました。

基本的に甘い物を積極的に食さないサイケおやじは、送り主の御尊名だけをチェックして、私物ロッカーに収めてしまうだけですが、何が困ると言って、貰いっぱなしには出来ないお返しの現実が待っている事でしょう。

明らかに「百円ショップ」みたいなものから、手作り仕様の豪華版まで多種多様にあっても、それに差異をつける事が不可避なんですから、結局は毎年、シンプルな食事会を開いて早々に退出したり、所謂女子会への賛助金を出す事で格好をつけているんですから、なんだかなぁ……。

まさに青春時代の懊悩が何倍にもなって跳ね返って来たような気もするほどです。

でも……、サイケおやじの様な天邪鬼な変態に心底愛を伝えるチョコレートを贈ってもらえるはずが無い事は、しっかり自覚しておりますし、やっぱり急に1個も貰えなくなったら寂しいですから、ここは素直に感謝という広い心を持つと決めております。

もちろん、これが若い頃であったらなぁ~~~、というのが本音なんですけどねぇ~~~。
コメント (1)
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