■涙のビーチ・ラブ / 沢チエ (キャニオン)
如何にも「ありがちな」ところを狙うのも大衆流行の作り方のひとつだとしたら、「夏の終わりの失恋ソング」は、それこそポップス歌謡定番の中の大定番ということで、ご紹介するのは、沢チエが昭和48(1973)年7月に出した本日掲載のシングル盤A面曲「涙のビーチ・ラブ」ですから、いゃ~~、これなんか、あんまりにもベタで、ちょいと気恥しくなりそうですよ (^^;
もちろん、阿久悠の綴った歌詞の世界は曲タイトルどおり、夏の浜辺で知り合った男に去られた女の刹那の未練なんですが、微妙に滲む「生臭み」を感じてしまうのは、サイケおやじだけでしょうか (^^;
そのあたりは当時の沢チエが既に二十代前半の大人の女性としての実在があるのですから、所謂アイドル歌謡とは一線を画すものがあって当然とはいえ、川口真が附したメロディが如何にものオールディズ調であり、ミディアムアップの編曲が、これまた凝りすぎというか…… (^^;
なにしろ、イントロからの「ヤンヤンコーラス」は置いておくにしても、急速にテンポアップするサビでの譜割は、丸っきり早口言葉での節回しを強要されるという、これじゃ~~、リスナーは正直、何を歌っているのか聞き取れないと思うんですが、いかがなものでしょう (^^;
まあ、そのあたりは当該レコードのジャケットスリーブ裏に歌詞が記載されているので、それなりに何とかなるわけですが、実際のステージギグやテレビ出演時じゃ~~、いやはやなんとも…… (^^;
ですから、ヒットに至らなかったのも納得するしかないのかもしれませんが、そのサビのパートのバックの演奏はドライヴしまくったエレキベースとか、なかなかに熱いんですから、これまた夏の歌謡曲ってなもんでしょうか (^^;
ということで、本日は否定的な事ばっかり書き連ねてしまいましたが、サイケおやじがそ~であるとおり、沢チエのファンにとってはマストなコレクターズアイテムであり、それは彼女がリアルタイムで出してくれたレコードが極端に少ないという現実に鑑みても、このシングル盤は「聴く」よりも「持つ」、つまりは持っていると安心出来る1枚だと思っております (^^;
あぁ……、我ながら、嫌~~な性格・性癖だなぁ…… (^^;
最初は素敵な夏の歌謡曲をご紹介しようとして、このレコードを取り出し、拙文を書き出していながらのテイタラク、ご容赦ください <(_ _)>
明日は、スカッといきたいものです <(_ _)>