OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

演目買い

2007-02-15 18:20:34 | Weblog

最近、ちょっと疲れが溜まり気味……。

というか、布団に入ると、アッという間に奈落の底に引きこまれる感じで、寝るというよりは、意識を失うと感じでしょうか……。

で、朝は、ハッと気がついて目が覚めるという、まあ、完全熟睡と言えば、それまでなんですけど……。

ということで、本日は――

The Gilbert Castellanos Hammond B-3 Quartet (Webster's)

全く知らないメンツが、全く知らないレーベルで作ったCDですが、ジャケがイカシているのと、演目が最高なんで、思わずゲットした1枚です。

内容はオルガントリオをバックにしたトランペットのワンホーン演奏で、録音は1999年11月1日、メンバーは Gilbert Castellanos(tp)、Joe Bagg(org)、Anthony Willson(g)、Mark Ferber(ds) となっていますが、演目が琴線に触れるんです――

01 Roll Call
 ハードバップの聖典ともいうべき、ハンク・モブレー(ts) 畢生の名曲名演に果敢に挑戦する、まずは、その意気ごみに拍手喝采です。
 イントロは定石どうりドラムスから入りますが、もちろんオリジナルに比べればトホホです。しかし続くテーマ演奏~アドリブパートは、なかなか熱気溢れる展開です。
 先発の Anthony Willson のギターはパット・マルティーノ系の溌剌フレーズと刺激的な伴奏を聞かせて合格点ですし、Gilbert Castellanos は小型フレディ・ハバードという、好ましいトランペッターです。またドラムスの Mark Ferber も熱演ですねぇ~♪ ただしオルガンの Joe Bagg がイマイチ、調子が出ていない雰囲気です。

02 Essex
 Gilbert Castellanos のオリジナル曲ですが、爽やかに快適なハードバップの名曲♪ もちろん演奏も溌剌として歌心のある良質のアドリブに終始しています。
 特にギターの Anthony Willson が良いですねぇ。けっして万全のテクニックでは無いんですが、ミスを恐れない果敢な姿勢が素敵です。またロックっぽいノリを聞かせるオルガンの Joe Bagg も憎めません。

03 Mamacita
 ジョー・ヘンダーソンが書いた人気ジャズロック曲ですから、ワクワクしてきますが、期待を裏切らない演奏になっています。ドラムスの Mark Ferber が敲き出す重たいビートが躍動的ですし、Gilbert Castellanos のトランペットからは、お約束のフレーズが、これでもかと飛び出します。
 またギターの Anthony Willson が良いんです♪ 正統派のフレーズをロック系グルーヴで弾きまくり! 太くて硬めの音色も好ましく、ドラムスとの相性も最高です。
 そして Joe Bagg のオルガンがクールで熱い伴奏&アドリブに撤して、これまた快演という、いささか褒めすぎかもしれませんが、私は大好きです。

04 Para Mi Madre
 なんだかフリープログレのような出だしで、嫌な予感に満たされる Gilbert Castellanos のオリジナル曲です。しかし途中から優しいメロディが奏でられますから、ご安心下さい。ただし、そのまんま終わってしまうという短い曲です。

05 Why I Don't ?
 これもソニー・ロリンズがオリジナルのハードバップ名曲に無謀な挑戦を試みた演奏です。もちろん結果はそれなりですが、全員のハッスルぶりは好ましく、特に Gilbert Castellanos はダーティなフレーズまでも繰り出して必死の吹奏です。
 また Joe Bagg のオルガン、Anthony Willson のギターも大健闘! しかし冒頭の「Roll Call」でもそうでしたが、ドラムスの Mark Ferber は、どうしてもアート・ブレイキーと比較されてしまうので……。

06 Tres Palabras
 幻想ラテン系の和み曲ですが、ツボを押えすぎて、キャバレーモードになっているのが憎めません♪ 仄かなエコーも良い味ですし、オルガンの Joe Bagg は自分で楽しんでいる雰囲気がミエミエです。
 ただし、Gilbert Castellanos のトランペットからは真摯な雰囲気が漂いますので、侮れない仕上がりになっています。 

07 Night Flight
 リー・モーガンの隠れ人気曲ですから、同系列のトランペッターとして Gilbert Castellanos も張り切らざるをえません! ビシバシ迫るリズム隊を逆に叱咤激励する雰囲気で、全篇をブッ飛ばします。
 あぁ、演奏時間が短いのが勿体無いです! これも日活ニューアクションのサントラのようなカッコ良さに満ちているのでした。

08 Edda
 う~ん、このバンドの選曲センスは私の感性にジャストミートです♪
 これはウェイン・ショーターが書いた隠れ名曲なんですが、オリジナルよりもテンポを速めた解釈が、痛快なハードバップになっています。もちろんバックがオルガントリオですから、微妙なレアグルーヴ感覚が素敵ですねぇ♪
 まず Mark Ferber のドラムスがクールで熱く、ハードロックっぽい Joe Bagg のオルガンもイケてます。
 ただしアドリブにイマイチ精彩が無い Gilbert Castellanos は減点……。

09 Manny Brown
 オーラスは Gilbert Castellanos が書いたオリジナル曲で、やや煮え切らないテーマメロディが残念ですが、演奏そのものも4ビートとロックビートの不思議な混在が特徴的なので、知らず知らずのうちに惹き込まれてしまいます。Mark Ferber のドラムスが妙に刺激的なんですねぇ。
 そしてアドリブパートでは Anthony Willson のギターがハードボイルドな熱演! ドラムスとのコンビネーションも冴えています。
 また Gilbert Castellanos が、ここでは「イン・ザ・スカイ」の頃のマイルス・デイビスっぽいノリを聞かせてくれますから、嬉しくなります♪ しかも後半は熱い4ビートに突入ですからねぇ。いいぞっ! と思わず歓喜のサイケおやじです。
 するとオルガンがライフタイム期のラリー・ヤングみたいになるのは、ご愛嬌でしょうか♪ なかなかクールで素敵です。

ということで、けっして独創的な演奏ではありませんし、演奏者にも決定的な個性はありませんが、気楽に聴いて楽しい作品だと思います。

個人的にはもっとエレクトリックな雰囲気を追求して欲しかったところではありますが、実は数年前のバーゲンで新品5百円でゲットしたブツなので、思わぬ拾物にニヤリとしたのが本音でした。

しかし、これ、馴染みのないレーベルなんですが、自主制作なんでしょうか?

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