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サイケおやじの生活と音楽

これがコルトレーンの初ヒット!?

2021-07-17 17:09:55 | Jazz

My Favorite Things / John Coltrane (Atlantic / 日本ビクター)

本日は偉大なるジャズの巨匠、ジョン・コルトレーンの命日です。

説明不要かとは思いますが、故人はR&B~モダンジャズのバンドでプロ活動を本格的にスタートさせ、広く注目されたのはマイルス・デイビス(tp) のレギュラーバンドメンバーに起用された1955年頃だったと云われていますが、当時の評判はターヘ!?

そのギクシャクして起承転結が上手くないアドリブスタイルは、殊更玄人筋からはウケが悪かったそうですが、ハードで黒っぽいテナーサックスの音色は、それなりに評価されていたとか……?

そのあたりが好転したのが、悪いクスリに耽溺した末にマイルス・デイビスのバンドを馘になった1957年で、今度はセロニアス・モンク(p) のバンドに加わると、ボスから様々な薫陶を受けた結果、ようやく独自のスタイルを模索出来るまでに成長(?)、同時に自身のリーダー盤を含む様々なセッションで録られた音源は、なかなか興味深く、またモダンジャズの神髄に迫る名演も数多く残されている事は言わずもがなでしょう。

そして、1960年頃には、ついに自らのバンドを組み、クラブ出演やレコーディング契約も結ぶ事が出来たのですが、今日の評価とは裏腹に肝心のレコードは全く売れず、その要因はジョン・コルトレーンならではの音数の多い、というよりも多過ぎる音符の羅列としか思えなかった、その歌心の欠如したアドリブスタイルによる長尺演奏が、一般のジャズファンには理解の範疇では無かったからでしょう。

しかし、故人は頑なに自らのスタイルを探求し続け、ついに最初のヒット盤になったのが、1961年3月に発売されたLP「マイ・フェバリット・シングス」で、中でもソプラノサックスで三拍子の愛らしいメロディを吹きつつも、結局は嵐の様なアドリブ地獄に誘うアルバムタイトル曲「My Favorite Things」でした。

もちろん、これはご存知、ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中で歌われ、巷では知られたメロディであった事が大きなポイントでしょうか。

それを演目に取り入れたのが誰のアイディアかは定かではありませんが以降、ジョン・コルトレーンと云えば、「My Favorite Things」が出なければ収まらないという、決定的な代名詞になりました。

なにしろ当時から、この人気演奏は世界各国でシングルカットされ、本日掲載したのは、昭和36(1961)年に我が国のビクターレコードから発売されたものですが、もちろん長尺演奏をA&B面に分断して収録してありますし、ジャケ写そのものも、前述のLP「マイ・フェバリット・シングス」からではなく、同時期に制作発売されていたアルバム「コルトレーン・ジャズ」からの転用デザインとなっているのが、コレクター魂を揺さぶるところでしょうか。

ただし、サイケおやしは、そんな気分は全くありませんで、なんとなく珍しかったのと、盤質が悪いがゆえに安値だったもんですから、かなり以前にゲットした1枚です。

ちなみに演奏メンバーはジョン・コルトレーン(ts) 以下、マッコイ・タイナー(p)、スティーヴ・デイビス(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) という、これがレコーディングされた1960年10月時点におけるレギュラーのバンドメンバーですから、流石に纏まりは素晴らしいと思いますが、後々まで故人の重要なステージ演目になっていたもんですから、もっともっと激しく、強烈なライブバージョンが数多聴ける現在では、聊か物足りなく感じるのも、また事実でしょう。

しかし、それはそれとして、ジョン・コルトレーンは、このヒットで目覚めたかの如く、例えば「Greensleeves」とか「Afro Blue」等々、キュートなメロディをワルツテンポで演じるという、ソプラノサックスの魔法(?)を繰り返し使い、ファンを喜ばせていくのです。

ということで、本日は偉大なるジョン・コルトレーンの最初のヒット作について、簡単にご紹介させていただきましたが、とてもとても、故人については、不肖サイケおやじに、ど~のこ~の言えるはずもありません。

最近はジャズから遠ざかっている自らの不明を顧みて、本日は久々にジョン・コルトレーンのレコードでも、じっくり鳴らしてみようかなぁ~~。

現在は、ど~なっているのか、全く分かりませんが、少なくとも昭和50年代中頃までのジャズ喫茶全盛期における7月17日は、1日中ジョン・コルトレーンのレコードを鳴らす店が多数あり、大盛況でありました。

ジョン・コルトレーン! 永遠なれっ!

合掌。

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