OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

輝きの中へ復興しょう!

2011-03-15 16:54:24 | 歌謡曲

輝きの中から / くらもと恵子 (日本コロムビア)

日を追う毎に悲惨な現状が浮かび上がる大震災の被害……。

全く予断を許さない事態が続出しておりますが、運良く被災を免れた我々にしても、日々の生活や今後の状況も先が見えません。

さて、そんな中でサイケおやじは、この天災の数日前に被災地の人から某ネットオークションで落札したブツの行方を気にするという、本当に我ながら姑息で卑小な思いに囚われている情けなさです。

正直、それなりの高額代金を支払い完了済みでありながら商品は届かず、もちろん出品者との連絡がとれるはずもありません。

潔く諦めるのが人の道だと、分かっているのですが……。

こんな事を書いている自分が、せつなくなるばかりです。

さて、そんな気分の中で思い出したのが本日ご紹介のシングル盤で、これも以前、東北地方に在住の某コレクター氏から譲り受けた1枚です。

主役のくらもと恵子は今日、ちょいと忘れられた存在かもしれませんが、昭和40年代後半にはモデルやタレントとして活動しており、大きな目が魅力的で、少し新藤恵美に似ていた人でした。

作詞:羽切美代子、作曲:穂口雄右、そして編曲:高田弘によるこの曲は、昭和48(1973)年に発売されたもので、「どうにもとまらない」以降の山本リンダのセンを狙ったものと思われるスピード感が爽快な歌謡ポップスです。

タイトなリズム・セクション、歯切れの良いブラス、泣きまくるギター、そしてツボを外さないメロディ!

彼女の歌声はやや金属的で好き嫌いが分かれるところですが、これもまた様々な洋楽のエッセンスと歌謡曲本来の味が非常に上手くミックスされた、どの真似でもない昭和歌謡曲の最高の高みに達している名曲と言えましょう。

ちなみに曲を書いた穂口雄右は、現在再評価されているGSのアウト・キャストでキーボードを担当していた人で、その時は高校生でした。グループ解散後の19歳の時からスタジオ・ミュージシャンとして活動し、さらに作編曲家への道を歩みましたが、発表する作品はいずれもヒット曲マニアの琴線を刺激するものばかりで、例えば「年下の男の子 / キャンディーズ」「ポケットいっぱいの秘密 / アグネス・チャン」等があります。

また、穂口雄右と共に活動していたスタジオ・ミュージシャンには水谷公生(g)、後藤次利(b)、林立夫(ds)等々の名手が揃っており、この曲のバックにも彼等が参加している可能性が大きいと推察される事から、このシングル盤も相当な人気があって、中古盤市場では高値安定!?

それが前述したように、ひょんな事から知り合ったコレクター氏から超安値で譲られるという縁が出来たのはラッキーでした。

ただし残念ながらというか、当然ではありますが、B面が何かの薬品による酷いダメージで、全く針も落とせないという状態なんですよ。

でも、それだって人の世のあれこれのひとつかと思います。なによりも初対面の時からウマが合ったんですよねぇ、件のコレクター氏とは。忽ちに友人関係となり、ブツのトレードばかりでなく、家族ぐるみで付き合うようになりました。

それが昨年来、病の床にあって入院中と知ったのは、今年の年賀状でしたから、もしやこの大災害で……。

そんな悪い予感を打ち消す連絡手段も無く、そんなこんなで本日も暗い話になってしまいましたが、くらもと恵子の「ヘソ出しルック」に免じて、ご容赦下さい。

少しでも良い方向へ事態が推移するように願うばかりです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 発掘されたマイルス初来日時... | トップ | 聴いて安心の名盤シングル »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歌謡曲」カテゴリの最新記事