■卒業 / 小沢なつき (CBSソニー)
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巷では清水富美加と名乗る人気(?)女優が突然の引退~出家という芸能ニュースで湧いているようですが、普段それほどテレビを見ないサイケおやじにしてみれば、そんなに大騒ぎなのか?
という印象でしかありません。
もちろん、今回の彼女の騒動によって大迷惑の関係者や業界全体のショックは、それなりに推察出来るものがありますから、信仰の自由という大義名分、そして損害賠償の諸々を含めて、全ては彼女の今後の生き様次第でありましょう。
さて、そこで思い出したのが、本日掲載のシングル盤の主役たる小沢なつきです。
彼女の流転(?)については皆様ご存じのとおりだと思いますが、あらためて述べさせていただければ、最初に我々の前に登場した昭和61(1986)年には正統派アイドルであり、忽ちドラマやバラエティ等々のテレビ出演、そして翌年にはレコードデビューも果たすという第一線での活躍は、そのキュートなルックス同様に輝かしいものでした。
掲載したシングル盤は、おそらくは昭和63(1988)年春先に発売された、これがA面曲のタイトルどおりに「卒業シーズン」を狙った企画物なのでしょう。とにかく作詞:佐藤純子&作曲:馬飼野俊一が提供したのはミディアムテンポの典型的な胸キュン爽やかアイドル歌謡で、サビでちょっぴり「ユーミン節」が出てくるところも、本人の微妙に不安定な歌唱力にはジャストミートしていると思いますし、渡辺博也のアレンジにしても、キーボード類を多用したサウンド作りが、如何にも時代にマッチしていたんじゃ~ないでしょうか。
ただし、これは決してサイケおやじが自腹で購入したものじゃ~なくて、実は当時、サイケおやじの仕事場にバイトで来ていた大学生から頂戴したものでして、もちろん件のバイト君は彼女の熱烈なファン&親衛隊みたいな活動からレコードを大量買いしては、あちらこちらに配っていたという健気さにサイケおやじが共鳴したというわけです。
う~ん、おそらくはその時のバイト代も、そんな行動に遣われていたんでしょねぇ~。
ところが全国のそ~した熱烈なファン、そして関係者を裏切るように小沢なつきは突然の引退!?
というよりも、既にリアルタイムでの噂や憶測も含む報道によれば、不倫や妊娠から駆け落ち未遂までやらかしてしまい、必然的に主演していたテレビドラマが打ち切りになる等々の騒動は、如何にもと云えば、それまででしょう。
しかし彼女が凄かったのは、その後の芸能界復帰における更なるブレイクの根性であり、まずは平成5(1993)年にヘアヌード写真集を出して爆発的に売り上げ、次いでキワドイ描写も多々あったイメージビデオやVシネ作品に出演する等々の頑張りで、前述した突然の騒動による損害倍賞金を支払ったと言われています。
そして再び芸能界から退いた後は「お水系」の仕事、結婚~離婚を経て、今度はAV女優として華々しくカムバックしたのが平成16(2004)年だった事は記憶に新しいところでしょう。
ここまでの経緯や裏事情についは以前、彼女がマスコミのインタビューで語っていた事も多く、また幾つかの真相は、それこそ「芸能界の闇」なんでしょうが、ひとつ言えるのは、ファンを嘆かせ、関係者に多大な迷惑を及ぼした償いは、自分にある芸能的な資質で果したという事実です。
そりゃ~確かにAVが「芸能」か?
という賛否はあるでしょう。しかし、現実としてそれ以前のヘアヌード写真集も含め、彼女の文字どおり「裸一貫」の姿勢は似た様なスキャンダルから落ち目になった女性タレントやアイドルには、なかなか真似出来ない境地だと思いますねぇ~~。
もちろん、あえて名前は挙げませんが、それをやろうとしても需要が見込めない問題児(?)も確かに存在していますし、そんな哀しさよりは自分への決着のつけ方が大切だとっ!
未だ十代だった小沢なつきがトップアイドルから全てを棄てる行動にどれだけの覚悟があったのか、また裏切られた時の気持は如何ばかりか……、等々の本当のところは決して本人以外には分かりようもありません。
しかし、そこから追いつめられていた末の決断だったとしても、自分でケリをつけた事は大いに認められますし、サイケおやじとしては、現在の彼女の幸せを信じるばかりです。