■雨に消えた想い c/w 04:38発 / 絵夢 (SEE・SAW / キャニオン)
「まがりかど」を出して以降、映画出演や映画の主題歌「熱愛者」を出す等々、特に後者は職業作家からの提供曲でしたから、小ヒットにはなっていたんですが、やはり絵夢には自作自演のレコードを出して欲しいなぁ~~、と願っていた昭和53(1978)年7月に発売されたのが本日掲載のシングル盤でして、これがなんとっ!
ゴタイゴとのコラボ作品だったんですから、たまりません (^^♪
しかも、時代を反映したというか、これまでの些か情念優先みたいな作風から、ニューミュージック寄りへとシフトした感じは、確かに賛否両論があったと記憶しているんですが、サイケおやじ的には結果オ~ライ (^^♪
それは作詞:絵夢&作曲:タケカワユキヒデ、そして編曲:ミッキー吉野というクレジットも眩しいA面曲「雨に消えた想い」からして、それまでの彼女のイメージから脱却したとまでは言えませんが、ドラマのラストシーンっぽい情景が歌われていますし、何よりもミディアムテンポで素晴らし過ぎるタケカワユキヒデの附したメロディにムーグシンセを用いたミッキー吉野のアレンジを演奏するゴダイゴのハイセンスな音楽性が絵夢のボーカルをしっかりサポートしているんですねぇ~~♪
いゃ~~、なんともウルッとさせられる名曲・名唱でありますね、この「雨に消えた想い」は (^^♪
そしてB面収録の「04:38発」は作詞作曲:絵夢&編曲:浅野孝巳が作り上げたファンキーな歌謡ロックであり、何時になく伸びやかに歌う絵夢のボーカルが実にイイんですよっ!
もちろん、収録両面2曲共々にバックの演奏はゴダイゴですから、全く抜かりはありません。
そして翌月には新作アルバム「夜から朝への流れの中で」が世に出るという美しき流れが用意されているんですが、そのLPにしても、A面はスタジオミュージシャンがバックを務め、B面は掲載シングル盤のコラボ完全版というゴダイゴが関わった仕上がりになっておりますので要注意です。
ということで、ここからブレイクしていくと思っていた絵夢だったんですが、翌年になるとニューミュージックと歌謡曲の狭間で揺れ動いた感じの楽曲を出していくという、個人的には些か肩透かし……。
なんか……、ロックぽさを薄めてしまったのは本人の意向なのか、それともレコード会社の方針だったのか……?
そのあたりは今でも判然としておりませんが、残してくれた音源の復刻状況も芳しくない現在、このシングル曲「雨に消えた想い」あたりから、シティ・ポップ的な視点も含めての再評価を強く望んでいるのでした。