■恋のフーガ / ザ・ピーナッツ (キングレコード)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/aa/612929afff0498f440a4f5bcfe063107.jpg)
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ザ・ピーナッツの伊藤ユミの訃報に接しました。
芸能界を引退して長い時間が流れている所為もあり、5月に他界し、四十九日の法要も執り行われた後の今になって公にされた現実ではありますが、先に亡くなっていた姉の伊藤エミと披露してくれたボーカル&ハーモニーの唯一無二の素晴らしさが自然に蘇ってくるばかり……。
それはもう、何を聴いても最高というレコードの中にあって、あえて本日は昭和42(1967)年夏から晩秋に流行りまくった説明不要の大ヒット「恋のフーガ」に朝から針を落としてしまいました。
とにかく作詞:なかにし礼&作曲:すぎやまこういちが企図した悲しい恋の歌が、大胆に打楽器=ティンパニーを用いた爆発的なイントロに導かれて歌われるという、何か確信犯的な宮川泰のアレンジとザ・ピーナッツならではの個性的なボーカルコンビネーションが見事に融合した仕上がりは、レコードばかりか、むしろテレビ出演も含めたライブの現場で尚更に魅力を発散させていたと思いますし、実際、テレビ放送などでは前述したティンパニーの演奏場面を意図的に映し出していた記憶も鮮明で、サイケおやじは当時、そのイントロだけでシビレが増幅させられていたほどです。
だからこそ、今日まで幾つかのカバーバージョンが作られていますし、彼女達にしても英語バージョン、また一説によるとドイツ語バージョンまでもが吹き込まれたという秘話も残されているわけで、こういう名曲名演にして名唱にリアルタイムで接する事が出来た幸運にも、深く感謝するところであります。
ということで、ザ・ピーナッツは永久に不滅!
そんな定番フレーズを用いなければならない時代になってしまったのは、諸行無常のせつない現実であり、しかしだからこそ、忘れられない素晴らしさだと自分に言い聞かせているのでした。