OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

あい杏里は幻なのか?

2012-06-13 15:45:55 | 歌謡曲

恋が食べたいわ / あい杏里 (日本コロムビア)

度々書いてきたように、洋楽の世界では所謂「実態の無いバンド」のヒット曲が多数あって、つまりは楽曲優先で作られた結果、流行った後付けとして巡業用に結成されるグループが、それに該当するわけです。

もちろん、それが成立していたのは当時、欧米で売られていたアナログ盤シングルレコードは、本体が紙袋に入れただけという無愛想な販売方法が普通であった為かと思います。

ですから我国のように、昔っから、例えシングル盤であろうとも、きっちり写真かイラストを用いたピクチャースリーヴという形態が用いられていれば、それはなかなか難しかろう!?

前述した洋楽での「実態の無いバンド」によるヒット曲にしても、なんとか流行った後の巡業用バンドの宣材写真を使ったり、それが無理な場合は「らしい」イラストを使ったジャケットを付けていたのですから、我国の音楽ファンは幸せでした。

さて、そこで本日掲載の1枚は、お色気歌謡曲の愛好者には必須のコレクターズアイテムとして各方面で紹介され続けてきた人気盤であり、ジャケ写からも一目瞭然♪♪~♪ 濃厚なセクシームードは「お約束」以上のシロモノです。

しかし内容は決してイージーな作りでは無く、発売された昭和45(1970)年7月の流行をドンズバに意識したポップス歌謡の王道に沿ったもので、作詞:石坂まさを、作曲:森川範一、そして編曲:森岡賢一郎の仕事に手抜きは感じられません。

率直に言えば、その頃にセクシー路線で人気を集めていた奥村チヨを意識しまくった企画でしょう。

とにかくエグイばかりの悶え声で歌ってくれる、その刹那のエロスは、大袈裟とか下品とか、そんな在り来たりの言葉で表現出来るものではありませんっ!? そのあまりの演技(?)は、笑ってしまっても許されるほどなんですよねぇ……。

そして中身以上に強烈な印象を焼きつけてくれるのが、ほとんど当時のエロ本の表紙の如きジャケ写であって、あい杏里本人のルックス、ドギツイ化粧と衣装、激ヤバのポーズをつけさせたキメのショット等々、狙いが凄すぎますよっ!

ですから、サイケおやじはリアルタイムで本人が歌っている場面に接した事が、テレビでもラジオでも生ステージでも全くありませんし、歌そのものだって聞いたこともありませんでした。

結局、このアイテムが広く知られるようになったのは、かなり後の「廃盤アワー」のブーム、あるいは「セクシージャケット」のブームがあっての事でしょう。

極言すれば、サイケおやじは、果たして「あい杏里という歌手」は実在したのか!?

とさえ、疑念を抱くほどなんです。

なにしろ往年の業界には明らかに「エロテープ」紛いの企画商品が堂々と作られていた歴史がありますからねぇ~♪ そこでもしかしたら、この「あい杏里」も、このシングル盤だけの存在であって、ジャケ写に登場しているのは、モデルさんか、あるいは成人映画の女優さん??

なぁ~んて事まで想像してしまうのですが、まあ、それほどモロにエロ狙いの一発としか思えないのです。

ということで、あい杏里は結局、この1枚だけの存在のようですし、果たして実際にジャケ写に登場している女性が歌っているのかの確証を持てないのが、サイケおやじの本音です。

どうか皆様には、もしも彼女の生歌に接する幸運に恵まれていたならば、お話を聞かせていただきとうございます。

しかし、こういうジャケ写を眺めつつ、濃厚なエロスの歌声を楽しめる日本の愛好者は恵まれていますねぇ~♪ それもまた本音なのでした。

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3 コメント

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実在します (昭和世代)
2016-12-15 17:07:41
あい杏里は、
赤坂の芸映プロに所属してました。
いしだあゆみ、渚ゆう子、西城秀樹などと一緒。
今でも、あまり変わらない声です。
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昭和の良き象徴 (サイケおやじ)
2012-06-14 11:29:03
☆秀和様
ありがとうございます♪

まあ、歌謡曲もプロレスも「昭和」、それも50年代までが最高だと思っています。
当時のテレビだって、そのふたつがゴールデンだったですよね。
良い時代でした(笑)♪
返信する
Unknown (秀和)
2012-06-13 17:17:39
こんにちは。アクシデントによるものとは言え…、待たせに待たせて?の結果がこの記事!!さすがサイケおやじさんは只者ではない!?ですね~。
『昭和プロレス掲示板』でも私=アルゼンチン・ズマのフォロー投稿みたいな形で…毎回楽しい記事共々どうもありがとうございます。いや素晴らしいです。

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