ジャケ良し、歌良しのマーガレット・アン

■ポスター / マーガレット・アン (日本コロムビア)

所謂エロジャケ物のレコードだと、中身が肩すかしだったりする場合が少なくないのは、ひとつの「掟」かもしれませんが、本日掲載したマーガレット・アンのシングル盤は、殊更作詞：いまいずみあきら＆作曲：井上かつお、そして編曲：馬飼野俊一が提供したＡ面曲「ポスター」が本当に秀逸で、期待を裏切りません。

もちろんジャケ写に登場しているマーガレット・アンはアメリカ人ながら、これが発売された昭和46(1971)年当時までの数年間は日本に在住していたと云われているんですが、とにかく歌唱力が素晴らしく、所謂カタコトではありますが、その節回しには昭和歌謡曲ならではのコブシがしっかり効いているんですねぇ～～♪

しかも、それでいて当然ながら日本人には持ち合わせていない洋楽フィーリングがあるもんですから、井上かつおが書いたアンニュイなヨーロピアンポップス調の前半から、サビは演歌系歌謡曲というメロディの妙がしっかりと表現されているんですよっ！

このあたりは聴くほどに相当難しいと思われる息継ぎを普通に聴かせているわけですから、声量そのものが凄いはずです。

実は知る人ぞ知る、彼女は決してルックス優先のアイドルシンガーではなく、五木ひろしや八代亜紀、青山ミチや天童よしみ等々と同じく、あのテレビオーディション番組「全日本歌謡選手権」を堂々と勝ち抜いてのデビューでしたから、本気で納得させられてしまいます。

ところが、リアルタイムでは思ったほどのブレイクもなく、残したレコードにしても、サイケおやじは、もう１枚のシングル盤を確認しているだけですし、テレビで歌った記憶も薄くなるばかりで、むしろリアルタイムのラジオから、この名曲名唱の「ポスター」が流れていた事ばかりを覚えているわけでして……。

それが最近、オムニバス盤収録の１曲としてＣＤ復刻されたらしいので、皆様にもぜひ、お楽しみいただきたく、ご紹介させていただきました。

最後になりましたが、もちろんサイケおやじは、このジャケットを自室の壁に飾っておりました。

そ～ゆ～実用性も、スリーブが当たり前に付いている日本盤アナログシングルの良さだと思うばかりでございます。