OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

サイレンに耳を奪われ

2023-04-20 18:03:38 | 歌謡曲

サイレン / 平山みき (invitation / ビクター)

音楽を大雑把に分類すれば、演奏主体の所謂「インスト物」、そこにボーカルやコーラスの入れた「歌物」という2パターンが成立すると思うんですが、すると殊更後者においてはメロディと歌詞の微妙にして絶妙の関係性がリスナーに訴えかける大きな要素じゃ~なかろうか?

そんなこんなが漠然と心に浮かんでみれば、昭和59(1984)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「サイレン」は、なかなか味わい深い楽曲かもしれません。

まず、歌っている「平山みき」は「平山三紀」と同一人物であり、つまりは芸名を変更しての、おそらくは最初のレコードかと推察しておりますが、当時の彼女を取り巻く諸々としては、ばんばひろふみと昭和52(1977)年頃に結婚した事もあり、一時的に家庭に入っていたのでしょうか、本人名義のレコーディング活動が2年ほど無く、ようやく昭和54(1979)年に会心のシングルヒット「マンダリンパレス」を出したものの、誰の差し金か、ニューウェイヴっぽいアルバムを制作したりする、サイケおやじからすれば、迷い道に踏み込んで、またまた遠回りした挙句(?)、ようやく発表してくれたヒット狙いの一撃が作詞:売野雅勇&作曲:筒美京平、そして編曲:佐久間正英から提供された、この「サイレン」でありました。

なにしろ、これはジャケットスリーブにも記載があるとおり、某飲料メーカーのCMイメージソングという扱いでしたから、なんたってキャッチーさが優先されるとなれば、さもありなんの仕上り、と書きたいところなんですが……。

そりゃ~確かに、アップテンポでビシバシのリズム&ビートを前面に出した曲調は如何にも当時最先端のサウンドでしょうし、ファンキー歌謡王道のメロディラインは筒美京平ならではの作風でありましょう。

ところが売野雅勇が綴った歌詞がほとんど、日本語と英語が半々の割合であり、加えて平山みきの節回しが例の十八番とも云える「鼻声」チックなロック歌唱とあっては、当時のアナログサウンドでは英語詞のパートばっかりがクッキリ聞えてくるという物凄さ!?!

もちろん、その頃のラジオ放送じゃ~、そのあたりが尚更に増幅されていた記憶があり、それを狙っていたとしたら、正に確信犯!?

だって、日本語のパートで何が歌われているのか、リスナーは相当なエネルギーを耳に集中しなけりゃ~なりませんからねぇ~~ (^^;

曲タイトル「サイレン」が、ますます意味深に思えたりもしますし、ご丁寧に「Siren Girl」というサブタイトルまでもが用意されているんじゃ~、納得するしかありませんかねぇ~~ (^^;

でも、言うまでもなく、サイケおやじは大好きなんですよ、「サイレン」を歌う「平山みき」がねぇ~~ (^^♪

ここまで、歌詞とメロディラインを企図されたサウンドプロデュースで表現出来るボーカリストは、それなりに大勢存在しているとは思いますが、そこに唯一無二の個性を出せるのは、ほんの一握りであり、平山みきの天性の資質を痛切に感じてしまうばかりです (^^♪

ということで、「歌物」音楽は、そこで何が歌われているのか、歌詞の内容を知りたくなるのが自然の流れだとしたら、必然的に「語学」を勉強する道もあり、また直感・語感を楽しむ素直さも否定されるべきではありません。

そのあたりを逆手に活かし、拡大解釈(?)した天才がボブ・ディランであり、ほとんど意味不明な歌詞の世界は英語を普通に生活言語にしている人達にとっても、何を歌っているのか、それを知りたくて、自分の耳に神経を集中させられるという術中に落とし込まれるらしく、それを詐術と決め付けられないところに音楽の魅力の一端があるんじゃ~なかろうか?

そんな屁理屈に凝り固まっているのが、本日のサイケおやじというわけです

失礼いたしました <(_ _)>

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