■スプリンクラー / 山下達郎 (Moon / アルファ)
「雨の歌」というと、ど~しても古い選曲になりがちなサイケおやじではありますが、本日は幾分新しいなぁ~、と自分でも思ってしまう山下達郎の人気曲「スプリンクラー」を出してきました。
しかし、思えばこの歌にしても、発売されたのが昭和58(1983)年ですから、充分に古いわけですが、まあ、いいか、例え皆様にサイケおやじの姿勢を失笑されようとも。
で、この「スプリンクラー」は都市の象徴である地下鉄、その地上から地下への風景を男女の破綻した恋愛模様に加えて、ゲリラ豪雨(?)みたいな久々の雨に流れていく弱気な男の怨み節!?
そんな感じのせつない歌詞とフュージョン系アーバンソウルな曲展開が、如何にも山下達郎の「節」で演じられるんですから、リアルタイムのサイケおやじは一発で気に入って、当時はシングルオンリーの発売だった掲載盤をゲットしたんですが、歌の主人公の自己憐憫な心情にも大いに共感を覚えた次第です。
もちろん「雨の音」のSEが使われ、しかも今となっては有名過ぎる「大正琴」を使ったパートも含め、演奏の主要部分を山下達郎本人が「人力」でやっている真相も、なかなか曲全体に湿っぽさと人間らしさを表出させたポイントかと思います。
ちなみにそれ以外ではヘヴィでシャープな青山純のドラムス、井上大輔のシビれるようなテナーサックス、堅実にグルーヴする伊藤広規のペースが、やはり同等の比重で貢献している事も、流石は山下達郎のプロデュースの成せるところでしょう。
そして当然ながら、作詞作曲が本人ということもありましょうが、ライプの現場で披露される時の「力の入り方」についても、サイケおやじは大好き♪♪~♪
賛否両論はあるにせよ、そういう「正直さ」も、山下達郎の魅力かもしれません。
ということで、サイケおやじは、こういう男の女々しさを描いた歌が好きでして、現実世界での精一杯のツッパリも、既に周囲から裏を読まれている身としては、尚更に感情移入させられるんですねぇ……。
それと今では遠い世界になっている、サウンド作りのアナログな感覚とでも申しましょうか、この「スプリンクラー」にしても、多種多様なキーボード類が使われているにも関わらず、ドラムスやベースも含めた人間味の強い演奏こそが、血の通った歌に繋がると思うわけですよ。
まあ、そのあたりがサイケおやじの OLD WAVE な体質と心情の表れなぁ~んていう話は、これまで何度も書いておりますが、これからもよろしく、おつきあい下さいませ。