■ラブ・イズ・イリュージョン (日本コロムビア)
さてさて、昨日の続きのような気も致しますが、「地下鉄」が都市の象徴ならば、もうひとつ、「ハイウェイ」だって、そうかもしれません。
もちろん、それを「高速道路」と言ってしまえば、ローカルな雰囲気が強くなると言うのはサイケおやじの思い込みでありまして、あぁ、またまた独断と偏見で聴いてしまうのが、本日掲載のシングル盤A面曲「ラブ・イズ・イリュージュン」です。
どうです、まずは都市の夜の雰囲気が濃厚なジャケ写の中で、ビシッとキメのポーズで登場しているのが、しばたはつみ!
ですから演じられるのは、これが世に出た昭和54(1979)年秋の流行最先端だったフュージョン系AORの歌謡曲展開であって、そこに披露される彼女のボーカルの素晴らしさは筆舌に尽くし難いとは、この事かっ!?
と、思うばかりですよ♪♪~♪
それは作詞:小林和子&作曲:小田裕一郎という、如何にも当時の俊英ソングライター陣が狙いを定めたアップテンポなソウル歌謡であり、同時に既に述べたとおりのフュージョン味は信田かずおのアレンジがジャストミート♪♪~♪
ラテンビートも包括して叩き出されるリズム隊のグルーヴは、ライトタッチのリズムギターやシャープなパーカッションが心地良く、加えてホーンセクションのキレの良さ、さらには都会派ソウル風味を増幅させるバックコーラスの鮮やかさが本当にたまりません♪♪~♪
う~ん、しばたはつみも、これだけの演奏パートが出来上がっているのですから、思わず入れ込んでしまいそう!?
と、言うなかれ!
実は見事に抑制された節回しと歌いっぷりは、フィ~ル・ソ~・グッ~♪
あぁ~~、思わずアッパーな気分が全開させられてしまうサイケおやじです。
ということで、すっかり華やかな都市グルーヴにどっぷりと浸ってしまいますが、これも近づくバルブの足音、その予兆だったなぁ……、なぁ~んて回想もしみじみとです。
つまり、この頃の高揚感は、社会全体の歪みがどんどん目立って増えた時期でありながら、それでも普通に前を向いていられたんですから、現在の日本にも、夢よ、もう一度!
そんな願いを抱きつつ、こういう歌と演奏を聴くのは幸せなのかもしれません。