OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

空港模様

2022-09-20 17:36:30 | 歌謡曲

国際線 / 三田悠子 (テイチク)

海外からの賓客を迎えに、久々に成田空港へ行ってきましたが、コロナ禍対策が緩和されたとはいえ、今度は故・安倍晋三の国葬があるんで、それなりの警戒でザワザワしていましたですねぇ…… (-_-)

まあ、それも国内の鉄道主要駅と変わらぬ風景という普通の感じに思えるんですが、しかし昭和50年代の国際線空港って場所は、なかなか華やかで哀愁も漂うという、人間模様の縮図的な色合いの濃い空間だった様な気がしています。

つまり出会いと別れの其々に喜怒哀楽や諸行無常が必要以上に強く演出されそうな雰囲気があった様に思うんですよ。

何故ならば、行き来する場所が、国内鉄道駅よりも遥かに遠方という条件もありましたし、島国の日本に生まれ育った我々にしてみれば、外国って所への闇雲な憧れみたいなものが、確かにあったのが「昭和」という時代…… (^^;

ですから、国際空港を舞台にした歌謡曲も夥しく制作発売され、その極一部は拙ブログでも例えば「雨のエアポート / 欧陽菲菲」とか、「国際線待合室 / 青江三奈」「最終フライト05便 / ばんばひろふみ」等々を以前ご紹介させていただいた次第ですが、三田悠子が昭和50(1975)年に出した本日掲載のシングル盤A面曲「国際線」も、なかなか素敵な仕上がりですよ (^^♪

それは橋本淳が綴った男女の別れと新しき出発の心象風景に中村泰士が十八番のオシャレ系ソフトロック歌謡なメロディを附した、これがなかなかにキャッチーな歌と演奏であり、あかのたちおの編曲が、これまたグッとグルーヴィなリズムアレンジを入れているのですから、三田悠子のネチッした声質による湿りっ気のある節回しがジャストミートの名曲快唱 ♪♪~♪

リアルタイムでは小ヒットに留まっていた記憶しか残っていませんが、音源そのもののクオリティは決して低いものでは無いと思いますし、殊更ポップス歌謡がお好みの皆様には、お楽しみいただきたい1曲です。

ということで、ふっと思い出したのが、昭和53(1978)年から鶴田浩二の主演で放送されていた「大空港(フジテレビ)」というアクションメロドラマ!?

これにはレギュラーで石川さゆりも出ていたんですが、それはそれとして、1年半ほど放送されていましたから、様々なドラマ展開が作られる要因が、やはり国際空港という舞台設定にあったんじゃ~ないでしょう。

もちろん、そこが当時の日本人にとっては、知っている様で、あまり知らない非日常的な空間だった事が大きいと思われます。

そして今では、そんな場所なんか、普通になってしまい、それゆえに面白い映画演劇が作れなくなっているとしたら、寂しいものがありますねぇ…… (^^;

最後になりましたが、ジャケ写に登場している三田悠子、やっぱりイイ女ですっ!

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聴いて納得の大門弓子

2022-09-19 18:16:09 | 歌謡曲

どうだっていいわ c/w 貴方がすべて / 大門弓子 (ミノルフォン)

掲載したのは、以前ご紹介させていただいた波純子の前身である大門弓子のディープ歌謡な傑作シングル盤で、長年の探索から、ついにゲット出来たんですよ (^^♪

いゃ~~、その出来栄えの面白さや魅力については各方面から教えを乞うておりましたし、楽曲そのものもカセットコピー等々で以前から耳にはしていたんですが、確かに針を落としてみれば、作詞:幸田栄&作曲:越純平とクレジットされたA面曲「どうだっていいわ」が、なかなか深い味わいに溢れた仕上がりで、極言すればキワモノ寸前演歌っ!?!

なにしろイントロから場末感が滲む咽び泣きサックスにディストーションの効いたギター、さらには濃いめのストリングスにお膳立てされ、いよいよ歌い出す大門弓子の節回しは、いきなりの大袈裟が全開!?!

いゃ~~、ここまで捨て鉢な歌詞の世界を鬱陶しく歌ってしまう彼女の泣き節には、こ~ゆ~只野通泰のゴッタ煮的アレンジがジャストミートしていますし、逆に言えば、それがあるからこそのギリギリフィーリングが成り立っている様に思えるんですが、いかがなものでしょう (^^;

発売時よりも後年になって再発見・再評価される歌や演奏の面白さは、後追い組の特権だっ!?

なぁ~んて、各方面から揶揄される事も多いんですが、それがあるからこそ、中古猟盤活動は止められないし、評論家の先生方よりは所謂草の根系のリスナーから魅力が喧伝される歌手や楽曲のひとつの例として、大門弓子の「どうだっていいわ」は外せないところでしょうか (^^;

ですから、その意味においても、同じ制作スタッフが手掛けたB面曲「貴方がすべて」にも捨て難い魅力がありまして、曲調はミディアムテンポのマイナーメロディに、せつない歌詞が乗せられた秀作だと思いますし、発売された昭和43(1968)年の流行をナチュラルに取り込んだ薄めのGS歌謡的なアレンジは、ちょっぴりニクイところですよ (^^♪

また、それをネチネチと節回すという味わいは、大門弓子ならでは個性なんでしょうが、当時と現代では、その聴き方が異なっている感じを認めるとすれば、これはこれで、なかなかの名曲名唱かもしれませんし、サイケおやじは世評の高いA面曲「どうだっていいわ」よりも、こちらが本音で好きです (^^;

ということで、話は変わりまして、トンデモ台風の襲来で外は大雨という日曜日に明日からは、お彼岸というので、ちょいと準備に勤しみましたけれど、まあ……、お寺参りは明後日早朝かなぁ…… (^^;

これ以上、被害が拡大しないように祈るばかりですし、被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます <(_ _)>

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この人だぁ~れ part-104:森村美沙 ~ この名曲をありがとう

2022-09-18 17:32:36 | 歌謡曲

おんな道 / 森村美沙 (RCA / ビクター)

特段のヒットには至らずとも、長年様々な歌手によって歌い継がれ、刷り込まれている名曲の夥しさは言わずもがな、例えば本日掲載のシングル盤A面に収録された浜圭介の作詞作曲による「おんな道」は、その曲名は知らずとも、歌謡曲ファンならば、一度ならず耳にした事があるにちがいない、これが哀切盛り場演歌の決定版かと思います。

実は、この「おんな道」は、売れない歌手時代の浜圭介が「浜真二」の芸名で昭和45(1970)年に出した自作自演のシングル曲だったんですが、残念ながら……。

しかし、やはり業界では名曲としての支持が高かったらしく、今日まで幾つかのカバーバージョンが制作されていますし、正式にレコーディングしてはいなくとも、ステージでの持ち歌にしているグループや歌手は相当に多く、近年では神野美伽が十八番にしておりますし、確か以前には藤圭子や八代亜紀、日吉ミミ等々の大物歌手もステージでの演目に入れていたと記憶しているんですが、そこで本日ご紹介するのは、サイケおやじにとっては「この人」シリーズに分類するしかない森村美沙が昭和48(1973)に出した、これがグッとディープな仕上がりという人気バージョン (^^♪

――と、思っているのはサイケおやじだけかもしれませんが、ここではイントロからソプラノサックスやギターを演歌王道の手法で用いた竜崎孝路のアレンジにも安定感がありますから、森村美沙の歌いっぷりにも落ち着きと芝居っ気が程好く発揮され、やるせい歌謡世界とマイナー調の曲メロを活かしきった節回しが冴えまくりなんですねぇ~~♪

正直、彼女は藤圭子フォロワーかもしれませんが、サビからの熱気を滲ませた歌唱力は、好きな人には好き! としか言えないんですよ (^^♪

それでも冒頭で述べたとおり、結局は森村美沙のバージョンもヒットしたとは言い難く、この掲載盤にしても、白抜きレーベルの見本盤を中古ゲットしたのが本当のところではありますが、楽曲そのものは知っていたので、この仕上がりの良さは嬉しかったですねぇ~♪

そして森村美沙の他の音源も探索はしているのですが、もしかしたら、これっきり……?

まあ……、だからこそ、この1枚を必要以上に愛聴してしまうのも、これまたサイケおやじの本性というわけです (^^;

ということで、今日では巨匠の浜圭介も下積み時代の苦労があればこそ、人の心に染み入る歌も作れるというのは短絡過ぎるとは思いますが、決して発表した楽曲の全てがヒットしていたはずもなく、これからは、むしろ埋もれた名曲の数々の再発見が望まれるんじゃ~ないでしょうか。

個人的には山本譲二が歌手の駆け出し時代、「伊達春樹」として吹き込んだ公式デビューのシングル曲「夜霧のあなた」が、大好きなんですよ (^^♪

そして、もちろん、浜圭介が様々な芸名で吹き込んできた自身の音源も、纏まった復刻を期待しているのでした。

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思い込んで、すれ違っていた名盤

2022-09-17 17:54:40 | 歌謡曲

すなおのブルース c/w すなおな花園 / 大形久仁子 (東芝)

掲載したのは、サイケおやじが長年探索を続け、それなりに苦労して、ようやく入手出来たシングル盤なんですが、結論から述べさせていただければ、レコード現物には中古屋で度々邂逅しており、それなのに…… (^^;

実は……、サイケおやじが探索していたのは、ここに収録のA面曲「すなおのブルース」だったんですが、その作業に勤しんでいた時には標的になる曲名も、また演じている歌手さえも、女性が歌っているR&B歌謡!?

と、それだけしかサイケおやじには手掛かりが無く、つまりはラジオで、ほぼ1回だけ聞いて気に入り、それを何の情報も得ないままに闇雲に希求していたというわけでして、その始まりは昭和45(1970)年末でありました。

そして月日が流れ、時代が「平成」となっての11年目、何時もの習性で入った某中古屋で鳴らされていたのが、サイケおやじが長年探し求めていた、あの曲にして、あの歌であり、速攻で店主に尋ねたところ、目の前に出されたのが、この掲載盤 (^^)

つまり、大形久仁子が歌う「すなおのブルース」でありました (^^)

あぁ~~、それは作詞:川内康範&作編曲:曽根康明という、実に輝かしい制作クレジットが確認出来る、如何にも発売された昭和45(1970)年の雰囲気が横溢したミディアムテンポのR&B演歌であり、タメの利いたギターやホーンセクション、恣意的にバタついていると思えるドラムスの存在感に泣きメロのストリングスというアレンジの素晴らしさに加えて、自らの生き様や恋愛感情をマイナスのベクトルで見つめてしまうという諦観滲む歌詞の世界に附されたメロディラインの熱血ソウル節は最高ですし、また、それを唸りを交えたエグ味歌唱で演じてしまう大形久仁子は、改名後の内田あかり時代にも隠し気味だった裏技的魅力に満ちているんですねぇ~~~ (^^♪

だからこそ、この「すなおのブルース」を歌っていたのが内田あかり=大形久仁子だったなんて、全く想像も出来なかったのがサイケおやじの素直な気持ちでありました (^^;

いゃ~~、聴くほどにグッと惹きつけられますねぇ~~♪

演奏パートにおけるピアノやアコースティックギター(?)の彩りもイイ感じ ♪♪~♪

これこそっ、サイケおやじが皆様に激オススメの昭和歌謡曲の傑作であります。

そして同じソングライターコンビから提供のB面曲「すなおな花園」が、これまたニクイ仕上がりで、こちらは正統派の昭和歌謡曲がド真ん中のメロディラインに、生きていれば誰しもが願う幸せの最大公約数的希望が綴られた歌詞が附されているもんですから、大形久仁子も芯が強くてソフトな声質による得意の節回しを全開させ、なかなかの快唱だと思いますし、こちらでアレンジを担当した荒木圭男の仕事も程好い泥臭さと申しましょうか、ジャストミートの相性ですよねぇ~~♪

ちなみに、このシングル盤に収録の両面2曲に共通する「すなお」という言葉こそは、簡単そうで、実は相当に難しいのが、この世の習い……。

自分に正直で、素直に生きられれば、それこそ幸せと思うサイケおやじにしてみれば、事ある毎に文句はっかり垂れ流す野党の連中にこそ、この「すなおの花園」を聴いていただきたいもんですよっ!

いゃ~~、流石は川内康範!

素晴らしい「詩」を書きますねぇ~~ (^^♪

ということで、サイケおやじと本日の掲載盤の如き、思い込み&すれ違いは、それこそ巷に溢れている日常ではありますが、それが積み重なっていくほどに、求める何かとの繋がりも強くなるわけで、その我ながらの執念深さには宿業さえ感じております (^^;

でも、イイじゃ~ないですか、胸に魂を抱き続けていればっ!

そんな居直りも、素直さに繋げていきたいものです <(_ _)>

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この人だぁ~れ part-103:安井千代美 ~ 昼ドラ主題歌は宝の山か?

2022-09-16 17:51:47 | 歌謡曲

■冬子のブルース / 安井千代美 (クラウン)

掲載したのは昭和42(1967)年2月に発売された、日本テレビの所謂昼ドラ「有料道路」の主題歌「冬子のブルース」を収録したシングル盤なんですが、もちろん、サイケおやじにとって、歌っている安井千代美は「この人」シリーズに分類するしかありませんし、掲載盤にしても、中古ゲットした1枚であり、それも決して自ら率先しての猟盤ではありませんでした。

実は、この件は学生時代の友人が「昼ドラ」を卒論にするという、サイケおやじにとっては、共感とか親和性なんか、全く心に覚えのない分野ですから、ほとんど暴挙としか思えなかったんですが、ある行掛りから、前述「昼ドラ」関連の主題歌音源集めを手伝う事になり、そんなこんなでサイケおやじの手元に今も残っているのが、この1枚というわけです (^^;

ちなみに、今は絶滅状態ですが、テレビが家庭に普及した昭和30年代後半からの10年間ほど、真昼間の正午から午後2時の時間帯は各局が挙って 15 ~ 30分放送枠の連続ドラマを連日放送しており、そのほとんどが白黒作品ではありましたが、如何にも主婦層にウケそうな恋愛よろめき物や女性立志伝、そして家族や働く女性の諸問題等々を今にして思えば、それなりのエグ味を入れて制作していましたので、昼帯放送とはいえ、スポンサーも洗剤会社や食品会社の大手がついていたという、欧米で云うところの「ソープオペラ」的な物語だったというのは、前述した友人からの受け売りです (^^;

で、この安井千代美が歌う「冬子のブルース」は既に述べたとおり、昭和42(1967)年に放送されていたらしい「有料道路(日本テレビ)」の主題歌として、作詞:星野哲郎&作曲:鏑木創が書いたスローテンポの哀切ムード歌謡で、当然ながら咽び泣くテナーサックスやチープなオルガン、程好くドラマチックで薄めのオーケストラ伴奏をバックに節回される歌謡世界は、どうやら「銀座の夜の街」で生きる冬子という女の物語なんでしょうか、安井千代美のアルトボイスが、なかなかにイイ感じ ♪♪~♪

残念ながら、件の昼ドラ「有料道路」に一度も接した記憶が無いサイケおやじにとっては、あくまでも音楽だけの印象ですから、それほどのヒット性感度は覚えないんですが、逆もまた真なり!?

と申しましょうか、こ~ゆ~哀切ムード歌謡も、時には心に響く時もあろうかと……、そんなふうに思い込んで幾年月……。

今となっては、すっかり「ワイドショー」に駆逐されてしまった「昼ドラ」という、それはそれで強い印象を残した「お楽しみの時間」を回想するには映像の復刻は無理が大きいという現実問題がありますから、やはり当時の主題歌を聴くしかないわけで、ならばっ!

「昼ドラ主題歌傑作選」みたいな復刻盤が編まれるのも待望であり、「冬子のブルース / 安井千代美」が入っていれば、尚更に良しっ!

ということで、最後になりましたが、冒頭に述べた友人の卒論テーマ「昼ドラ」は目出度く完成し、その勢いで本人もテレビ制作に関わる仕事に就いたものの、リタイアまで、ひとつも連続ドラマに携わる事が出来ず……。

そんなこんなの現実の厳しさも、一篇のドラマじゃ~ないんでしょうかねぇ~。

不遜にも、生意気な事を考えてしまうのでした (^^;

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渇望するラリルレロなエネルギー

2022-09-15 18:11:14 | 歌謡曲

ラリラリ東京 / 三浦正弘とアロハ・ブラザーズ (ポリドール)

昭和40年代の所謂「昭和元禄期」には、とにかく世の中に破天荒な勢いがあり、それは高度経済成長と大衆文化の爛熟が相互作用していたのかもしれませんが、欧米からの流行を躊躇無く受け入れられる様になった我々日本人の雑食性の高さも大きな要因であったんじゃ~ないでしょうか?

なぁ~んて、そんな高尚な分析よりは、今となっては、その時代に青少年時代を過ごせたサイケおやじは幸運を感じるばかりなんですが、中でも「サイケデリック」という、ちょいと常軌を逸したが如き新しい文化には、大いに影響され、親近感を覚えましたですねぇ~~ (^^)

もちろん、そんな世界的流行には忽ち日本も浸食されていたわけで、極言すれば、意味不明な快感が、そこにあるっ!?

―― みたいな感覚が、全てにおいて優先されていたという、なかなか恵まれた時代だったとすれば、それに真っ先に飛びつくのが芸能界というのは、さもありなん (^^;

例えば昭和43(1968)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「ラリラリ東京」は、その曲タイトルからしても言わずもがな、しかも演じているのがハワイアン・ムードコーラスが十八番だった三浦正弘とアロハ・ブラザーズだというあたりが、その極北を証明していると思うばかり (^^;

なにしろ、説明不要とは思いますが、「ラリラリ」っていう言葉からして、一般的な認識としては、ちょいとアブナイ薬物を使っての酩酊&朦朧状態を指す意味合いがあったんですから、作詞作曲を担当した信楽順が企図した歌詞の世界の意味不明な不条理さは当然が必然なんでしょうが、それでいて附されたメロディが正統派の歌謡曲であり、しかも早川博二の編曲にはイントロから誰もが知っている「あの旋律」が用いられ、また随所にアダプトされている中近東モードや強いロックビートの存在が、真っ当なムードコーラス歌謡を演じている三浦正弘とアロハ・ブラザーズの生真面目さを逆手に活かした秀逸な面白さっ!

全く、サイケデリックとムードコーラス歌謡の幸せな結婚じゃ~ないでしょうか、これはっ!

ちなみに三浦正弘とアロハ・ブラザーズは三浦正弘(vo,stg) をリーダーに、悦夫(vo,b)、貞夫(vo,g)、春男(vo,g)、久雄(vo,ukulele) の全員兄弟が集ったファミリーバンドで、後に妹の三浦礼子を加入させ、三浦弘とハニー・シックスに発展したのは皆様ご存じのとおりなんですが、その三浦礼子が三浦京子と改名して加入後の同グループが出したトンデモ傑作のひとつとして、昭和45(1970)年の「イライラ東京」がありますので、これも近々ご紹介したく思っております <(_ _)>

ということで、何も彼も真偽が入り乱れている現代において、もう一度、あの「昭和元禄期」の出鱈目でも前向きなエネルギーの集約発散を願っているのは、決してサイケおやじだけではありますまいっ!

そりゃ~、世の中、安寧と平和が最も渇望されるのは真実でありましょうが、なかなか上手く収斂しないのが、人の世の喜怒哀楽……。

そして、であればこそ、サイケおやじは自らのハンドルネームに素直に準じてみたいと思うばかりでございます <(_ _)>

う~ん、この掲載盤のジャケ写のムードこそが、その象徴でしょうかねぇ~~ (^^♪

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不平不満もあればこそ

2022-09-14 17:28:28 | 歌謡曲

霧の灯り c/w 愛のエンジェル / 和泉雅子 (東芝)

我が国の歌謡曲は雑食性が強いので、殊更洋楽を汎用吸収した楽曲の多さについては、拙ブログでも度々述べてきたところですが、就中GSブーム期に流行ったのが、欧州クラシック風味を入れたロマンチック路線の歌謡曲で、例えばタイガースの「花の首飾り」やアダムスの「眠れる森の美女」等々、どっさりとヒット&人気曲が制作発売されていたのは、今や歴史でありましょう。

尤も、そんなこんなの流行は欧米の大衆音楽からの影響があった事は言わずもがな、ムーディ・ブルースプロコル・ハルムレフト・バンク等々のロックバンドがブレイクしていましたからねぇ~、温故知新という言葉の有用性を再認識させられてしまうわけですが…… (^^;

さて、そこで本日取り出したのは、そんな流行がド真ん中だった昭和44(1969)年2月に発売された和泉雅子のシングル盤で、収録両面2曲共に作詞:ほんだせいじ&作編曲:森岡賢一郎が手掛けた、同一風味の歌謡曲???

なにしろA面「霧の灯り」がマイナー調でミディアムテンポの曲展開にチェンバロやストリングスが象徴的に用いられた、もしも、これが歌詞を変えれば、タイガースあたりが演じても不思議ではない雰囲気が滲み出ているんですが、肝心の和泉雅子のボーカルが中途半端なアニメ声というか、あんまり歌心が伝わって来ない白々しさが、それはそれで狙いどおりなんでしょうかねぇ…… (^^;

う~ん、所謂ラララのスキャットコーラスも面映ゆいですよ (^^;

また、B面「愛のエンジェル」は、ほとんどA面「霧の灯り」と似て非なるメロディ展開で、テンポも似た様な感じなんですが、こちらは無理やりにエレキギターや強いビートを入れ込んでいながら、それが……、ちっとも成立していないというか、失礼ながら発注された仕事を「やっつけた」んでしょうか……、如何にも量産体制にあった当時の歌謡曲業界の日常を覗いてしまった気さえしますが、いかがなものでしょう (^^;

ただし、楽曲そのものは決して悪いわけじゃ~なくて、特にB面「愛のエンジェル」につていは、アレンジを練り直して、他の歌手かグループに演じさせれば、なかなか結果も残せた気がするんですよねぇ~、僭越ながら (^^;

それでも、このシングル盤は和泉雅子のファンにとって、「燃える真珠」と「小さな恋の物語」の間に出された、大切なコレクターズアイテムでありましょう。

シンプルなジャケ写デザインも、件の2枚とは異なるイイ雰囲気がありますし、やっぱり彼女はスタアだったんですよねぇ~~♪

現在は芸能界の表舞台からは遠ざかっているわけですが、仕事が来ないだけで、女優業は辞めていないと公言している和泉雅子ですから、サイケおやじは密かに、今後の彼女の同行を楽しみにしております。

ということで、本日は特段のオチもありませんが、あえて……、最近強く思っているのは、故・安倍晋三の国葬について、あれやこれやとケチをつけたり、不満をふっつけている連中の品性の無さは、それこそ情けないですよ……。

例え何であろうとも、人の葬儀に参列もしないうちから、難癖をつけるなんてのは、人間失格じゃ~ないですかねぇ~~??!?

出席しないのならば、それをわざわざ言いふらすなんて、実に故人や遺族に対して失礼な仕儀であり、また、国葬を取り止めるべきという発言にしても、無理を承知の戯言にしか聞こえないんですから、バカ丸出しって事を自覚していただきたいものです。

誰であれ、葬儀とは厳粛であるべきですし、どんなに憎らしい相手が亡くなったとて、であればこそ、黙しているのが人間の道だと、強く思っているのでした。

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小西まち子はウルフカット

2022-09-13 17:15:26 | 歌謡曲

なみだの理由 c/w 唇づけまかせ / 小西まち子 (日本コロムビア)

今となってはメジャーなアングラ漫画家という、ちょいと相反したイメージでブレイクした谷岡ヤスジの賢夫人としての存在感が大きい小西まち子は、しかし、サイケおやじと同世代の皆様にとっては、なかなかキュートな女優さん (^^♪

詳らかな芸歴は知る由もありませんが、昭和44(1969)年前後からテレビドラマでは「キイハンター(TBS)」「プレイガール(東京12ch)」「フラワーアクション009ノ1(フジテレビ)」あたりの人気アクション作品へのゲスト出演も度々ありましたし、加えてバラエティ番組、特に若者向けの朝のワイドショウとして絶大な人気を集めていた「ヤング720(TBS)」では、昭和45(1970)年3月から、確か木曜日の司会担当として、土居まさると絶妙のコンビネーションを展開していた事は、なかなか忘れられるものではありません。

また、強烈だったのはテレビ特撮ドラマの異色作にして、これまた今でも人気が高いとされる「宇宙猿人ゴリ(フジテレビ)」にもレギュラー出演しており、そこでの所謂ウルフカットの金髪姿は、彼女のイメージの代名詞になっているんじゃ~ないでしょうか (^^♪

ですから、当時の芸能界の流れとして、当然ながらの歌手デビューも既定路線であり、掲載したのは、小西まち子が人気絶頂時の昭和46(1971)年2月に発売された、おそらくは唯一のシングル盤かもしれない人気作!?!

なにしろ、作詞作曲:中村泰士&編曲:馬飼野俊一が提供のA面曲「なみだの理由」は、イントロから泣き節のトランペットにニクイ音選びのエレピというお膳立てのソフトなR&B歌謡であり、じっくりとしたミディアムスローの曲展開を節回す小西まち子の歌唱力は決して上手いとは言い難いんですが、丁寧に演じられる歌謡世界の味わいは、なかなかに感度良好♪♪~♪

そして意外なほど、あっさりと終わってしまう仕上がりの妙があればこそ、繰り返し針を落としたくなるんですよ、これがっ!

また、作詞:中村小太郎&作曲:田辺信一のB面曲「唇づけまかせ」は、なかなか難しい譜割が入ったミディアムテンポのポップス歌謡でして、きっちりとこれを歌ってしまう彼女の努力は凄いものがある気がするんですよねぇ~~、サイケおやじにはっ!

曲展開やメロディの起伏を覚えて、通しで歌える様になるには、それ相応の歌唱力が必要だと思えば、やっぱり小西まち子の歌の実力は侮れないのでしょうか (^^;

A面曲「なみだの理由」だけ聴いていれば、既に述べたとおり、そんなに彼女の歌唱力は心に響かなかったんですが、それは実に失礼千万でありました <(_ _)>

ちなみに、ここに附された中川昌のアレンジには和風&ニューソウルと申しましょうか、カラオケパートだけ聴いていると、当時流行り始めたブラックなアクションシネマ等々を想起させられる雰囲気が濃厚で、なかなかのクセモノ的仕上がりかもしれません。

ということで、ある意味、こ~ゆ~「しぶとい」感じのレコードが、それなりにゴロゴロしていたのが昭和50年代の中古盤屋だった気がしております。

現代では、ネットによって、様々なブツに邂逅するのも容易になりましたが、足で歩いて、実際に現物を手に取るという作業 ~ 儀式が、今でもサイケおやじの「性に合っている」なぁ~~ (^^;

そんな基本姿勢は、これからも大切に維持して行きたい!

と、心に決めているのでした。

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美しき流れの中の彼女

2022-09-12 17:47:39 | 歌謡曲

おもいで / 川口礼子 (日本コロムビア)

売れるために、歌謡曲シンガーが数度の改名をするのは昭和芸能界の定石だったので、本日掲載のシングル盤で歌っている川口礼子にしても、幾つかの芸名で活動していたのは歌謡曲マニアの研究報告によって明らかになっています。

中でも、一番有名(?)なのが、昭和48(1973)年前後にアイドルを演じていた時の「里美ゆり」だと思いますが、おそらく「川口礼子」は、それ以前にベタベタの歌謡曲を聞かせていた頃の芸名でありましょう。

なにしろ、ここにA面収録された「おもいで」は作詞:なかにし礼&作編曲:川口真という、輝かしいクレジットが入った正統派歌謡曲であり、ミディアムテンポの泣きメロという展開は、発売された昭和46(1971)年の流行邦楽サウンド!?

如何にも川口真らしい欧州ポップス系のストリングスの用い方や幾分勿体ぶったメロディ展開は、ちょい前の弘田三枝子、あるいは同時期の由紀さおり???

みたいな別れの歌謡ポップスがド真ん中であり、もちろん、なかにし礼の綴った歌詞の世界には具体性と抽象性の不思議なバランス感覚があるもんですから、川口礼子の歌いっぷりも真っ向からネチネチと節回しつつ、生真面目なフィーリングが、それを中和している感があるんですが、いかがなものでしょう (^^;

そして彼女の歌唱力は、なかなかに秀逸だと思うんですが、微妙に時代にアクセスしていないところも散見される様な……、それはジャケ写デザインが既に当時としてもキッチュなアナクロニズムと申しましょうか、失礼ながら、そんなふうにサイケおやじは眺めてしまうんですが…… (^^;

しかし、もしも、これが2~3年前、例えば昭和44(1969)年前後に発売されていたとしたら、相当にウケたんじゃ~なかろうか?

なぁ~んて、不遜な想いが確かにあるんですよ (^^;

それでも告白すれば、サイケおやじが掲載盤をゲットしたのは当然ながら中古であり、それも昭和50年代前半の某日でありましたから、結局のところ、昭和歌謡曲の美しき流れの中に作られた裏名曲という印象で聴いておりましたですよ (^^;

う~ん、だから、昭和歌謡曲は魅力と面白さが不滅なんでしょうねぇ~~♪

ということで、「川口礼子」について、本日はここまでとさせていただきますが、改名後の彼女、例えば「里美ゆり」のシングル盤もゲットしてありますので、近々ご紹介させていただく所存です <(_ _)>

そして、このあたりの音源も復刻されれば嬉しいかぎりではありますが、あんまり売れない気もしますんで、中古市場の活性化に繋がれば?

そんな気分のサイケおやじであります。

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それでも、やっぱり歌謡曲

2022-09-11 17:15:38 | 歌謡曲

涙がほしい / 朱由美子 (エレック)

本日の掲載盤で歌っている朱由美子(あけゆみこ)は、フォーク系のシンガーだったと云われているんですが、サイケおやじは彼女について、知るところも僅か……。

しかし、このシングル盤の歴史的価値は、それなりに高いんじゃ~なかろうか?

そんなふうに思っているのは、制作発売したのが昭和40年代後半に吉田拓郎や海援隊、丸山圭子古井戸、そして泉谷しげる等々をブレイクさせ、歌謡フォークの大ブームを牽引した我が国の元祖インディーズレーベル「エレック」発足当時の1枚であり、しかも内容がベタベタの歌謡曲という、最初に聴いた時の驚きがあるからなんですねぇ~~!?!

つまり、件の「エレック」は昭和44(1969)年に設立され、当初は通信教育用の音源制作をやっていたところから、初めての公式流通盤が文化放送の人気DJだった土居まさるの歌手デビュー作「カレンダー」で、これが深夜放送をメインにヒット!

それが昭和44(1969)年初夏~秋頃でしたから、いよいよ土居まさるがフリーとなってテレビでも活躍する様になったのは皆様ご存じとおりですし、そんな勢いから「エレック」も深夜放送という新しい若者文化に着目したのでしょう、そこで人気を集めていたアングラ&歌謡フォーク、そしてGSからの流れで胎動し始めた日本のロックを制作し始め、前述した人気シンガー&グループを世に出したのですが、さて、その狭間に公式デビュー作と云われる本日掲載のシングル盤を吹き込んだのが朱由美子(あけゆみこ)であり、カタログ番号「EB-1002」から類推すれば、件の土居まさるに続いて昭和44(1969)年の「エレック」制作による第二弾という事になりましょうか。

で、作詞:佐藤京子&作曲:青山哲男、そして補作曲:高部伸夫とクレジットされた気になるA面曲「涙がほしい」は既に述べたとおり、同時期の黛ジュンの諸作を想起させられるミディアムテンポの歌謡曲で、それを山屋清のアレンジの所為もありましょうが、ちょっぴりジャジーなフィーリングを滲ませて節回す朱由美子(あけゆみこ)は、なかなか上手い歌手という印象が残ります。

特にマイナー調のベタベタしたメロディ展開を必要以上の泣き節で演じておらず、慎みが感じられる情熱を表出させていると思ってしまうのは、サイケおやじだけでしょうか。

ジャケ写ポートレート、そして全身ポーズのショットからも彼女はルックスも相当にイケていたはずですし、それでも残念ながら、サイケおやじはライブギグやテレビ出演等々に接した記憶が皆無という現実は、悔しくも、せつないところ (^^;

もしかしたら、所属レコード会社の方針から、他に出したシングル曲に歌謡フォーク系の音源があるんじゃ~なかろうか?

てなことを妄想しながらの猟盤活動も、なかなか楽しいとはいえ、良い出会いは……、ありません (^^;

ということで、結局のところ、サイケおやじが掲載盤を中古ながらゲットしたのは、ジャケ写の魅力と発売したのが「エレック」という、インディーズの名門(?)だったが故の事でして、もちろん丸山圭子みたいな歌と演奏を期待して、実は中身は本物の歌謡曲だったという、その落差に愕然とさせられた思い出の1枚なんですよ、これは (^^;

でも、それも楽しいと思ってしまうのが、猟盤活動の魅力のひとつであります。

止められませんねぇ~~♪

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