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グランパス、3分の1を終わって(1)  文科系

2008年05月20日 10時07分02秒 | スポーツ
1 新たな下克上的発展の時代

今期Jリーグは3分の1を終わって、中断期間に入る。各チームは当然、中期総括をして今期の今後への対策、修正の作業に入る。そんな今、レッヅと同じ勝ち点で2位と健闘しているグランパスの、総括をしてみたい。
第13節の札幌戦で、「今期の躍進を象徴するようなゲーム結果」を出して、直前の落ち込みをも持ち直したグランパス。以下に観るような下克上の集団ボールゲーム界で何よりも大切なのは監督の力量、ゲーム毎の調整能力。最後は、ストイコビッチのキャパシティーに焦点を当てて観るということになるのだろうと思う。

さて、今期はとにかく大混戦、ちょっとした下克上の時代と言って良い。レッヅの首位は予定通りに近いとしても、前年度優勝の鹿島が6位、ガンバが8位、マリノスが9位。長谷川監督の下、去年まで躍進を重ねてきた清水にいたっては実に15位である。逆に、FC東京が3位で、柏が4位なんて、誰が予想できただろうか。グラの2位も当然、後者であって、「予想外の健闘」に入るはずだ。

こんな下克上のような時代を例えばセルジオ越後氏は「低迷の団子状態」のように語る。が、僕は全く違う見解だ。この15年で世界最大の伸びを示したJリーグが、『団子』であるわけはない。新に質的な発展をとげ直している時期なのだと観たほうがよい。
僕に言わせればセルジオ越後氏は、視野が狭いというか、せっかちに日本を、ブラジル、アルゼンチン、西欧列強と比較しているのかと評するしか術を知らぬ。アジア・クラブチャンピオンに日本、浦和が初めて座った。日本の国別順位が、アジア・アフリカで4位になった。セルジオ氏はなぜか、こういう事実を見ていないのである。さもなければ、ご自分の生誕地・ブラジルに早く追いついて欲しいと、せっかちすぎるのだと言うしかないだろう。

さて、集団ボールゲームは相手のあるもの。とにかくまず、グランパスの得失点を他チームと比較してみることにする。

得点は、①浦和24、②川崎22に次ぐ3位で、鹿島、FC東京と並んで20。失点は、①浦和、大分の11点に次ぐ3位で、鹿島と並んで12点。得失点差では、浦和の13がダントツであって、それに次ぐ2位、これも鹿島と並ぶ8点である。これは次が4点の3チームであるから、かなり高いものだと言えよう。

さて、上の数字だけ見れば浦和、そしてグラ、鹿島が抜けている。同じ得失点の鹿島よりも名古屋が4つも順位が上なのはなぜかとか、グラを筆頭にFC東京とか、大分とか、柏とか、聞かない名前が何かで好成績を残しているという特徴もあって、非常に面白い。個性的な下克上時代とも言えるのである。すべてのチームが自分の個性を最大限に生かして、ゲームごとに相手の長所を分析し、それを打ち消す対策を立てる。下克上に相応しい番狂わせが続くのはそういうことでもあろう。

かってない監督泣かせの時代なのである。

(続く)
コメント (1)
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