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私の戦争体験⑩  中野寂音

2008年09月30日 17時04分00秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
戦後の軍隊生活


玉音放送

昭和二十年八月十五日正午。
私は中華民国、河北省石家荘、陸軍病院の廊下にいた。
この時から戦後の軍隊生活が始まった。

当時私は、支那派遣軍、第一航空教育隊第六区隊に配属されていた。
この日は部隊の医務室に入室中。
定期診断日のため、朝から市内の陸軍病院に出かけていた。
昼の休憩時間、静かな病院の廊下に待機していた私達の耳に、
拡声器のスピーカーから雑音に混じってラジオの声が聞こえて来た。
これが玉音放送であった。
病院からは放送の説明は何もなかった。

この日部隊では正午に、全員が営庭に整列。
壇上に置かれた短波放送ラジオを聞いたが、雑音が多く何もわからない。
夜遅くなってから、戦争終了の重大放送で、天皇陛下の声であったと伝わってきた。

私の手元に一枚の軍服写真がある。
私は昭和十九年十二月一日から翌年十二月十三日家に帰るまでの
一年間軍隊にいた。
入営時から何枚かの軍服写真は持っていたが、
中国から帰還した時には私の手元には一枚もなかった。

たった一枚の軍服写真は誠に数奇な運命をたどっていま机の上にある。
中国から帰還した時、東京まで同行した戦友たちと「石門会」という
戦友会を戦後六十年間続けてきた。

戦後三十年の戦友会で、戦友の梅原から突然一枚の写真が私達に配られた。
私達は誰もこの写真のあったことは覚えていなかった。
この写真には確かに我々戦友会のメンバーすべてが入っている。
当時の第六区隊の集合写真である。
場所は中国河北省石家荘(日本軍占領により石門と改名)
当時の支那派遣軍第一航空教育隊の兵営内である。

昭和二十年十二月、中国天津からアメリカのリバテイ船で帰還するとき、
すべての書類写真は持ち帰ることは出来ない、現地で全部焼却した。
それが何故ここに現れたのか。
この写真を中国から持ってきたのは、写真に写っていない
同じ第六区隊の北海道出身、畠山氏であった。
中国帰還の時靴底に折り畳んで持ち帰えったという。
十文字の「白いしわ」が靴底に小さく折りたたんだ傷である。

畠山氏は戦後の忙しい生活に追われ写真を忘れていたが、
戦友会の梅原に出会い思い出した。
なぜ自分の写っていない写真を、危険を冒してまで日本に持ちかえったのか。
私達は石門会で話を聞きたいと考えたが、まもなく病気のため亡くなられた。
私達には青春の記念として理解はできる。
この写真の白いしわの中に、私達の体験した戦争のすべての物語が
つまっている。

私達に写真が渡ってからさらに十年後、写真は新しい物語をひとりで作り始める。
写真の真ん中にいるのが私達の区隊長、石松中尉当時二十四才である。
当時の印象は紅顔の颯爽たる若武者であった。

入営前は師範学校卒業の教師であったが戦後追放となり、
九州直方市に住み、教育出版関係の仕事をしていた。
年賀状の往復はあったが、戦後四十年会う機会は一度もなかった。
戦友の荒関が、所用のため九州に行き、
そのとき石松区隊長に電話、写真を送ることを約束した。
暫くして私達戦友会全員に、三十七年ぶりの丁重な手紙と、
写真の複製が送られてきた。
軍隊時代の写真は一枚も持っていないので驚いたとのこと。
写真に区隊員の思い出した名前まで添えられてあった。
その後、石松区隊長から自分の写真と戦中戦後の思い出という
小史も送られてきて戦後四十五年の歴史の重さを考えさせられた。

平成三年病気のため亡くなられ、戦後一度もお会いすることは出来なかった。

つづく
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「麻生首相の所信表明演説は飛んで火に入る夏の虫だ!!」     天木ブログより

2008年09月30日 13時47分11秒 | 国内政治・経済・社会問題
 29日に行なわれた麻生太郎首相の所信表明演説について、野党が一斉に批判している。

  確かにあの演説は異例だ。

  所信表明の場を借りて野党民主党を質問攻めにするなどということは、やはりおかしい。

  しかし民主党は、批判するばかりではいけない。

  あの麻生演説を逆手にとって、政権交代を国民に訴える絶好のチャンスであると心得るべきだ。

  あの演説に正面から答え、国民の支持を一気にもぎ取るべきである。

  これからの国会審議ではその事に全力を集中すべきである。

  麻生首相の所信表明演説もそうであるが、これまでの自民党による民主党攻撃の中心は、財源を示せ、といういうものであった。

 そしてメディアもその片棒を担ぐかのように、財源を示さずにいいことばかり言うのは無責任だと繰返していた。

 ふざけた話だ。

 財務官僚主導で作られてきたこの国の予算編成の実態を自民党は一度でも国民に説明したことがあったか。

 官僚と結託して税金をほしいままにしてきた自民党がよくもそのような事が言えたものだ。

 そんな事も気づかずに自民党の片棒を担ぐメディアは、よほどの不勉強か、自民党に加担した反国民的情報操作機関に成り下がっているか、どちらかである。

 30日の朝日新聞は一面トップで民主党のマニフェストを乗せていた。

 これは極めてタイムリーなスクープだ。

 そこにはっきり財源が明記されている。

 麻生首相はそれをよく読んでこれからの質問を行なうべきだ。

 麻生自民党はそれに対応する予算編成案を国民に示さなければならない。

 民主党のマニフェストにははっきりと書かれている。文字が読める国民であれば誰でもわかる。

 特別会計の積立金を6.5兆円活用すると。

 これはいわゆる埋蔵金のことだが、埋蔵金などという無責任な言葉遣いはやめるべきだ。

 その財源はれっきとした血税である。その血税を特別会計として一般会計から切り離し、国会審議を避けていた予算に過ぎない。官僚たちが食い物にしていた血税である。

 マニフェストは他にも財源を明記している。

 政府資産を売却して0.7兆円の財源をつくる。

 予算を厳格に査定し、税制を見直して4.8兆円の財源をつくりだす。

 独立行政法人、公益法人を抜本的に見直し、補助金を削減して4.3兆円を節約する。

 その他
  天下り全面禁止、談合廃止で1.8兆円
  国の直轄事業予算半減で1.3兆円
  国家公務員人件費総額の2割カットで1.1兆円
 
 財源を捻出する。

  どうだ。これ以上の明確な答えがあるというのか。

 増税をするしか能のない自公政権のマニフェストと民主党のマニフェストとどちらを選択するか。

 それを今度の選挙で国民に問いたい、と民主党は国民に訴えればいいだけの話だ。

 メディアは、その主張を、単純かつ中立的に、国民に報道すればいい。一切の解説は不要だ。

  繰返して書く。

 民主党は堂々と受けて立てばいい。

 麻生総理の所信表明演説批判を繰返す愚は避けよ。

 そのかわり政権をとれば、このマニフェストを実現する、増税で財源を作ろうとしている自公政権とどちらがいいか、その事を繰り返し、繰り返し、愚直なまでに国民に問いかければいい。

 民主党が政権をとれば約束は必ず実行すると公約すればいいのだ。

 やっと日本もここまできた。

 財務官僚に握られてきた国民の血税の使い道を、初めて国民が決めることになることだ。

  それが今度の選挙なのである。

★全面的に支持する内容だ。 (ネット虫)
コメント (2)
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是非見たい「非戦を選ぶ演劇人」の「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」

2008年09月30日 12時59分16秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
★風仲間の井垣さんより平和演劇紹介のメールがありました転載します。 
                           (ネット虫)
*****************************         「非戦を選ぶ演劇人の会」の「9条は守りたいのに口ベタなあなたへ…」非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.11というのを観ました。
 400という観客席は満席でムンムンしていました。

 登場する俳優さんも”超”一流、台本手に立ち稽古スタイルです。

 そのおもしろいことったらありませんでした。
憲法論争の理論武装のためのテキストを劇にした、という喜劇です。

まぁ、下記のあらすじを読んでみて下さい。

「あ、そうそう、そう言って反撃してくる改憲派っているいる」
「その論には、なかなか反論しにくいなぁ」と思うことばかり。

 最後のドタバタは、改憲論ってやっぱり国を滅ぼす悪魔の
仕掛けなのかも?と思わせるみごとな筋書きです。

改憲論の切り口を次々展開。
登場人物も多彩で、街の人々総動員という感じです。

 この劇はホームページで台本が公開されています。
 全国各地でどんどん活用したら、旋風を起こすかもしれない。
 原子力航空母艦のことなど、次々と創作して付け加えていったらインパクトも大きいんじゃないか、と思います。
                  (ホームページの注意書き参照)

 重苦しい原子力潜水艦を吹き飛ばす力は、実に弱いように見えますが、大笑いさせながら、心をぐいぐい一つに引き込むこんなおもしろい事から力が生まれるかもしれない、と思います。
 我々は何しろお金も権力もないんですが、知恵がある、
無欲だから強い、という月並みながらそんなことを感じさせてくれる
公演でした。
 せりふの中に「アメリカ」、「アメリカ」 ってたくさん出てきます。
「中止!」と声がかからない今の時代が「中止」にならないようにと思わず願ってしまいました。DVD出来れば良いのですが。


<あらすじ>
 舞台は現代の日本。ある町内に、不思議な一団が潜入した。
彼ら・彼女らは未来の世界からタイムマシンでやって来たテレビクルーと「世間話研究家」。ある主婦の行動を未来に向けて実況中継することが目的らしい。その主婦が選ばれた理由は、「憲法を世間話で語りまくった」大変貴重な例として歴史に残っているからだ。彼女は「憲法九条を守りたい」と当然のように考えていた。

 ところがある日、通っているパッチワーク教室で、改憲派の生徒に詰め寄られてタジタジとなる。
「北朝鮮が攻めてきたらどうするのか」「自衛隊がいらないということは、自分の家に鍵をかけないのと同じことだ」……等々。

 こんな時にどう反論したらいいのだろう? 悩んだ彼女は、自分の家族や「横丁のマダム」に相談したり、行きつけの美容院、風変わりな「改憲バー」などで、立場も考えも異なる様々な人たちとこの問題についての「お喋り」を重ねながら、次第に自分なりの考えを深めていく。その様子が、未来のテレビで生中継されているとは夢にも思わずに……。

憲法九条をめぐる問題を、日常会話の中でとらえた「目からウロコ」のディベート劇、待望の再演!!

作・構成:永井愛
演出:永井愛、西川信廣

出演予定者(五十音順):明樹由佳、麻丘めぐみ、石川武、板倉光隆、大沢健、大塚道子、小杉美香、坂口良子、沢田亜矢子、鈴木弘秋、関根信一、長山藍子、根岸季衣、平幹二朗、毬谷友子(25日のみ)、丸尾聡、みやなおこ、宮沢亜古、深山洋貴、山川恵里佳、山口馬木也、蓉祟、ラサール石井(26日のみ)、流山児 祥(25日のみ)、渡辺えり(26日のみ) 他

                    「非戦を選ぶ演劇人の会」

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