「音楽」を習っている幸せを、また新たに味わいなおしている。この秋から最近にかけて好きな曲が二つ見つかって、これを日に何度も何度も弾いている。一つは、有名な「ウェルナーの野ばら」で、ギタリスト、ジークフリート・ベーレントが編曲した楽譜一ページの小品。もう一つも、著名なギター作曲家タレガの「ゆりかご」という小品だ。定年後に先生について習い始めて八年の間にたくわえてきた「暗譜群」が僕の「音楽」の財産になっているのだが、この二つもそこに加えた。弾いている自分に特に気持ちよかったという曲ばかりを集めたリストなのだが、それぞれ少なくとも十日に一度程度は弾いて今なお温め直し続けているものばかりである。年月の積み重なりとともに、そして、記憶力の衰えとともに取捨選択を繰り返した末に、今は特に大事なものばかり二十数曲がここに生き残っている。もっともここには、暗譜で一応は弾けるのだけれど僕の技量では難しすぎて人前では弾けない曲も入っている。つまり、モノになっていない曲ということだ。まー死ぬまでの、あるいは弾ける間の宿題みたいなもんだろう。
ベーレント編曲の「ウェルナーの野ばら」は、和音連続奏法の上に旋律を乗せていく曲だ。ギターの和音を知り尽くしていると思われる和音の響き・流れが、とにかく気持ちいい。いつも旋律だけを際立たせつつ弾くというのではなく、ある部分では低音を、ある時には中音をと、曲の流れとその日の気分に応じてそれぞれの和音を鳴らし分けて弾く。こんな鳴らし分けにともなって、あるいは壮麗に、あるいは優美になどと、部分部分の表情がいろいろに変化するのが面白くって、楽しめる。和音をよく聞きながら演奏を良くしていく練習にもなっている。和音楽器をやっていても、案外和音を聞いていないということも身に覚えがあったりするから、良い練習なのだ。
「ゆりかご」の気持ちよさ、楽しさは、どう表現したらよいのだろう。「アルハンブラ宮殿の思い出」とか「ラグリマ(涙)」とかなどのタレガの名曲も暗譜群に入っているが、彼らしく優美で、愛らしく、粋な曲というだけではなく、「ゆりかご」に感じるプラスアルファは何なのだろう。意外な作り方が優しさ、愛らしさを特に増幅しているように感じるのだと思った。二部構成の後半が特に変化に富んで、弾いていてとても面白く、気持ちがいい。
さて、この暗譜群を作ってきたおかげで、老年期に始めたギター・「音楽」にこれほどのめり込めて来たのだと思っている。ある曲を弾けるということと、それを楽しめるということは別のことなのであって、この暗譜群こそ僕の「音楽の幸せ」を育んでくれたと振り返ることが出来る。多い頃は日に平均三~四時間も、半年ほど前に右手薬指を痛めてセーブし始めて(そういう年齢になったのだと観念して)以降でも二時間は弾いている。ここのところの一日の練習パターンは、こんなふうに決まっている。初めは、基本的分散和音(アルペジオ)で指を慣らす。これには三種の楽譜があって、そこにセーハ練習というのも一つ入っている。ギター六弦全部を左手人差し指で同時に押さえ、それを移動しながら他指を操っていく押弦練習だ。その日二番目は、その時々のレッスン曲。次が、暗譜群から日により一~六曲ほど。一度の通し弾きで終わる曲も、その日気づいたことがあって部分練習に入り込む曲、場合もある。最後にもう一度レッスン曲に返って、終わりだ。
来新春のギタースケジュールはこんなふうになっている。一月十八日に、友人二人と一泊ギター旅行。もちろん、三人とも愛用ギターを抱えていく(注1)。二月には「ギター遊びの会」(注2)。春夏秋冬と年四回ずつ開いてきたギターパーティーで、今回は七人参加、上ちゃん宅でやる。拙宅でのと違って、多くの料理が出るから楽しみだ。ちょっと良いワインを持って行こう。三月は、先生のホームコンサート。ギター遊びの会の常連たちで発案、後援して去年から始まったものだが、今年はこじんまりとしてオシャレなある貸し会場で二部構成と、ちょっと規模が大きくなった。後援者たちによるワイン・チーズ・コーナーをはさんだ、美味しい会でもあり、ますます盛況になっていくことだろう。
注1、2 当ブログの以下をご参照ください。08年12月19日「新しい友の話」。また、11年10月16日「音楽感動疲れかな」など、です。それぞれ、こう出します。右欄外最下段の方に年月の欄がありますから、それをスクロールして当該年月を出してそれをクリックします。すると欄外最上段の方のカレンダーがその当該年月のものに入れ替わっているはずですから、そこの当該日をクリックします。するとエントリー画面そのものが、その日のエントリー全部に入れ替わります。求める原稿を出して、お読みいただけます。
ベーレント編曲の「ウェルナーの野ばら」は、和音連続奏法の上に旋律を乗せていく曲だ。ギターの和音を知り尽くしていると思われる和音の響き・流れが、とにかく気持ちいい。いつも旋律だけを際立たせつつ弾くというのではなく、ある部分では低音を、ある時には中音をと、曲の流れとその日の気分に応じてそれぞれの和音を鳴らし分けて弾く。こんな鳴らし分けにともなって、あるいは壮麗に、あるいは優美になどと、部分部分の表情がいろいろに変化するのが面白くって、楽しめる。和音をよく聞きながら演奏を良くしていく練習にもなっている。和音楽器をやっていても、案外和音を聞いていないということも身に覚えがあったりするから、良い練習なのだ。
「ゆりかご」の気持ちよさ、楽しさは、どう表現したらよいのだろう。「アルハンブラ宮殿の思い出」とか「ラグリマ(涙)」とかなどのタレガの名曲も暗譜群に入っているが、彼らしく優美で、愛らしく、粋な曲というだけではなく、「ゆりかご」に感じるプラスアルファは何なのだろう。意外な作り方が優しさ、愛らしさを特に増幅しているように感じるのだと思った。二部構成の後半が特に変化に富んで、弾いていてとても面白く、気持ちがいい。
さて、この暗譜群を作ってきたおかげで、老年期に始めたギター・「音楽」にこれほどのめり込めて来たのだと思っている。ある曲を弾けるということと、それを楽しめるということは別のことなのであって、この暗譜群こそ僕の「音楽の幸せ」を育んでくれたと振り返ることが出来る。多い頃は日に平均三~四時間も、半年ほど前に右手薬指を痛めてセーブし始めて(そういう年齢になったのだと観念して)以降でも二時間は弾いている。ここのところの一日の練習パターンは、こんなふうに決まっている。初めは、基本的分散和音(アルペジオ)で指を慣らす。これには三種の楽譜があって、そこにセーハ練習というのも一つ入っている。ギター六弦全部を左手人差し指で同時に押さえ、それを移動しながら他指を操っていく押弦練習だ。その日二番目は、その時々のレッスン曲。次が、暗譜群から日により一~六曲ほど。一度の通し弾きで終わる曲も、その日気づいたことがあって部分練習に入り込む曲、場合もある。最後にもう一度レッスン曲に返って、終わりだ。
来新春のギタースケジュールはこんなふうになっている。一月十八日に、友人二人と一泊ギター旅行。もちろん、三人とも愛用ギターを抱えていく(注1)。二月には「ギター遊びの会」(注2)。春夏秋冬と年四回ずつ開いてきたギターパーティーで、今回は七人参加、上ちゃん宅でやる。拙宅でのと違って、多くの料理が出るから楽しみだ。ちょっと良いワインを持って行こう。三月は、先生のホームコンサート。ギター遊びの会の常連たちで発案、後援して去年から始まったものだが、今年はこじんまりとしてオシャレなある貸し会場で二部構成と、ちょっと規模が大きくなった。後援者たちによるワイン・チーズ・コーナーをはさんだ、美味しい会でもあり、ますます盛況になっていくことだろう。
注1、2 当ブログの以下をご参照ください。08年12月19日「新しい友の話」。また、11年10月16日「音楽感動疲れかな」など、です。それぞれ、こう出します。右欄外最下段の方に年月の欄がありますから、それをスクロールして当該年月を出してそれをクリックします。すると欄外最上段の方のカレンダーがその当該年月のものに入れ替わっているはずですから、そこの当該日をクリックします。するとエントリー画面そのものが、その日のエントリー全部に入れ替わります。求める原稿を出して、お読みいただけます。