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新聞の片隅に載ったニュースから(82)    大西五郎

2013年03月18日 09時16分35秒 | Weblog
新聞の片隅に載ったニュースから(82)

「自衛隊を攻めない、内部で合意」駐留時のサドル師派(2013.3.17 朝日新聞)

 自衛隊の宿営地には2004年1月から2年半の(イラク)派遣期間中13回の砲撃があったが、死者は出なかった。スンニ派武装勢力の犯行声明などがあったが、反米強硬派のサドル師派の犯行との見方もあった。
 06年から08年にサドル師派のムサンナ州支部長を務めたカリーム・ハッサン氏(36)は取材に「駐留に反対はしていたが、武装部門による攻撃はしないことを当時、内部で合意していた」と明かした。
 サドル師派は当時「自衛隊は占領軍ではないように装っているが、米軍主導の多国籍軍に(組織上)加わっており、占領軍であることは明白」として、駐留に抵抗する立場をとった。武装闘争を主張する幹部もいたが、「州での活動は我々に敵対的ではない」「(かって米軍と戦争した)日本とは共有すべきものがある」とする意見が大勢を占め、デモで反対はするが、武力攻撃の対象としないことで合意していたという。
 ハッサン氏は「武装部門が組織的に攻撃していれば、自衛隊員に死者が出ていただろう」と語った。

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 アメリカのイラク攻撃開始(2003年3月)から10年、朝日新聞の記者がかつて日本の自衛隊が駐留したムサンナ州サマワに入って現状を取材しました。4月に地方議会の選挙が行われるため、ポスターが街にあふれ、商店街は夜遅くまで買い物客らで賑わっていたと、17日朝刊1面で「イラク戦争から10年 選挙前サマワ安定の街」というレポートを掲載しました。
 それとの関連で、自衛隊が駐留したムサンナ州の反米武装勢力の責任者とのインタビューも行って報告したのが上の記事です。
 日本はアメリカに“Show the Flag”“Boots on the Ground”と嗾けられて、自衛隊をイラクに派遣することにしましたが、憲法九条との関係で軍事行動には参加せず、「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」(イラク特措法)を作って陸上自衛隊を戦闘地域ではない(比較的治安が安定していた)サマワに派遣しました。現地では給水、医療支援、学校等公共施設の復旧・整備、復興関連物資の輸送などに当たりました。
 つまり、武装勢力には「敵対的ではない」と思われたのです。だから武力攻撃を受けなかったのです。ハッサン氏の云うように「戦闘を行う部隊であったなら、武装勢力の攻撃を受けて死者も出ていたでしょう。まさに憲法九条の輝きです。
 なお、航空自衛隊も派遣され、イラクの隣のクエートのアリ・アルサレム空軍基地に駐留して国際部隊(事実上イラク占領軍)の物資輸送に当たるとされていましたが、武装した部隊を輸送していたことも明らかになり、戦闘行為の一環であるとして、名古屋高裁で航空自衛隊のイラク派遣は憲法9条に違反するという判決が出ています。

                                       大西 五郎
コメント (2)
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