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新聞の片隅に載ったニュースから(84)    大西五郎

2013年03月22日 19時21分57秒 | Weblog
新聞の片隅に載ったニュースから(84)

東電「事故ではなく、事象」 (2013.3.21 中日新聞)

 東京電力は、福島第一原発で起きた停電事故のことを、発生当初から「事象」と呼び続けている。尾野昌之原子力・立地本部長代理は二十日の記者会見で「原子力の世界では、外部に放射性物質が出て、影響を与えるようなら事故だが、そうでなければ事故とは呼ばない」と言い切った。
 ただ、東電は東日本大震災で1、3号機の原子炉建屋で水素爆発が起き、放射性物質を撒き散らした際も「爆発的事象」と言い続けていた。
 「事象」は、原子力関係者が深刻な事態を小さく見せようとする言葉と受け止められることが多い。

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 またもや東電の責任回避体質と反省のなさが表れましたね。
 今回の停電により、使用済み核燃料プールへ冷却水を注入できなくなった事故の原因は、建屋の外に置かれたトラックの荷台に積み込まれた配電盤でショートが起き、ねずみと見られる小動物の死骸が見つかったことから、ネズミが配電盤に入り込んだことが原因と見られています。
 3・11の事故で全電源を失ったため、核燃料冷却用の冷水を使用済み燃料保管プールに注ぐための応急措置としてトラックの荷台に配電盤を設置したというのですが、事故から2年間も応急措置のまま放置していました。しかも配電盤から電気ケーブルが出ているため配電盤の扉が密閉できず、シートを張って雨露を凌いでいたというのですから呆れます。その隙間からねずみが入り込んだのでしょう。
 しかも、事故が起きたてから3時間以上も事実を伏せていました。冷却ができなくなった場合、福島県内のかなり広い部分に避難の必要が生じたかもしれないというのにです。
 「事故」を「事象」と言い換えることも問題です。3・11の直後に原子炉でメルトダウンが起きていたことも直ぐには公表されませんでした。1号機と3号機で「水素爆発があった」と発表されていますが、専門家の間では「即発臨界」という一種の核爆発が起きたのではないかということも云われているそうです。放射性物質も東電が言う以上にかなり拡散したとも言われています。
 「原子力の世界では・・」ということは、原発では「事象」というような「事故」が起きることを前提に考えているということだと思います。いま全国的に「脱原発」の運動が起きているのは、原発が一度事故を起こすと取り返すことのできない被害を広い範囲に及ぼすということが分かってきたからです。先日NHKのETV特集でイギリスの原子炉廃炉作業の実態を報告していましたが、完全に、安全に廃炉を実現するのに100年はかかるだろと廃炉に取り組む公社の責任者が話していました。つまり原発というのはそのような危険なものだという認識を持つべきで、「事故」を「事象」などと言いくるめることは止めるべきです。

                                       大西 五郎
コメント (4)
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