ナンバーウェブに山中忍というライターのこんな記事が載った。どうやら、メッシやクリロナ以上の値がつく選手が現れたらしい。この選手に画竜点睛を付したのは、名監督アンドレ・ヴィラス・ボアス。その次第を以下の文章から読み取って欲しい。イングランドのトットナム・ホットスパーというチーム名をご記憶願いたい。再来年からは、チャンピオンズリーグ・ベスト4,8の常連になるはずだ。
【 ナンバーウェブ 山中忍文 「200億円の男 ベイルが残留濃厚」
7月18日
そもそも、ベイルは地に足の着いた若者として知られる。ベイルを「純朴」と評したハリー・レドナップ前監督がその後、「メッシとロナウドに次ぐ世界ナンバー3」と称するまでに成長しても、現キャプテンのドーソン曰く、「17歳で移籍してきた当時と変わらない」のだ。名声に浮かれるタイプではないベイルであれば、いかにレアルとは言え、海外からの誘いに飛びつくよりも、24歳で迎える来季はトッテナムで更なる成長を期すべきだと理解していると思われる。
磨くべきは戦況への適応能力だ。ずば抜けた身体能力とテクニックを持つベイルだが、その威力を発揮するためには、まだ監督の指示を必要とするケースが少なくない。そのガイダンス役として、戦術眼に長けたアンドレ・ビラスボアスは打ってつけだ。例えば、ベイルが1ゴール1アシストを記録した、4月のマンチェスター・シティ戦(3-1)。劣勢で終えた前半、トップ下で先発したベイルに存在感は薄かった。中央突破に固執したためだ。両サイドの味方が中に流れてきても、かわりに外に開こうとはせず、チームの攻撃は、中央の人込みに飲み込まれた。だが、後半の動きは違っていた。それはハーフタイム中の指示を窺わせる動きで、右に開いてパスを受けてアシストを記録し、右サイドから回り込むようにしてゴールを決めているのだ。
昨季全体に関しても、序盤戦のベイルは、10月末までのリーグ戦で3得点のみと大人しかった。最終的な21得点は、当初の左サイドから、時にFW、そして“フリーロール”に近いトップ下と、ベイルの起用法を変えてきたビラスボアス采配の恩恵を受けている。レアルのような欧州最高峰のクラブでレギュラーを張るには、試合中のピッチで、自らの感覚と判断で、仕事が出来るスペースを見い出す能力が必要だ。ビラスボアスの助けを必要としなくなった時こそ、ベイルは真のワールドクラスへの飛躍に挑む用意ができたと言える。
クラブ史上最高額でパウリーニョを獲得。
加えて、来季のトッテナムでは、得点面の負担が軽減された状態で自己を表現することができそうだ。経営陣は、ビラスボアスのチーム作りを積極支援する姿勢を見せている。アーセナルとの4位争いには1ポイント差で敗れたものの、クラブ史上最高の72ポイントを奪った、就任1年目が評価されているのだ。
その証拠が、クラブ史上最高の移籍金約26億円を要したブラジル代表MFパウリーニョの加入だ。昨季のトッテナムは、センターハーフ陣の得点面での貢献が皆無に等しかった。サンドロの故障後にダブルボランチの一角で起用されたムサ・デンベレは、類希な攻撃センスの持ち主でありながら、リーグ戦30試合出場で1得点のみに終わった。ゴール前に顔を出すタイミングの感覚とスタミナを持つパウリーニョは、貴重な中盤の得点源になれる新戦力。昨季はオプションだった3センターの採用が増えれば、サンドロの両脇から、パウリーニョとデンベレが上がり、個人技でも、前線のベイルやアーロン・レノンとの連係でも見応えのある攻撃を展開してくれそうだ。(以下略) 】
この監督、そろそろ繋ぎのサッカーに換えていくはずだ。それが元々得意なのだし、そうでないと世界ベスト4クラブのような強豪をキープできないからである。全盛を謳歌したバルサ、そのバルサを進化させたドルトムント、ドルトムントに張り合ってここまで強くなったバイエルン、みな繋ぐサッカーである。あのマンUでさえが繋ぐサッカーを目指して来たから、香川を採った。新監督デビッド・モイーズがそういうチームを作れないなら、ファギーの後継者にはなれないと断言しておきたい。モイーズがバルサのセスクを欲しがっているのは、これが理由であるはずだ。ナニやバレンシアではもう、マンUのレギュラーは務まらないと思う。
【 ナンバーウェブ 山中忍文 「200億円の男 ベイルが残留濃厚」
7月18日
そもそも、ベイルは地に足の着いた若者として知られる。ベイルを「純朴」と評したハリー・レドナップ前監督がその後、「メッシとロナウドに次ぐ世界ナンバー3」と称するまでに成長しても、現キャプテンのドーソン曰く、「17歳で移籍してきた当時と変わらない」のだ。名声に浮かれるタイプではないベイルであれば、いかにレアルとは言え、海外からの誘いに飛びつくよりも、24歳で迎える来季はトッテナムで更なる成長を期すべきだと理解していると思われる。
磨くべきは戦況への適応能力だ。ずば抜けた身体能力とテクニックを持つベイルだが、その威力を発揮するためには、まだ監督の指示を必要とするケースが少なくない。そのガイダンス役として、戦術眼に長けたアンドレ・ビラスボアスは打ってつけだ。例えば、ベイルが1ゴール1アシストを記録した、4月のマンチェスター・シティ戦(3-1)。劣勢で終えた前半、トップ下で先発したベイルに存在感は薄かった。中央突破に固執したためだ。両サイドの味方が中に流れてきても、かわりに外に開こうとはせず、チームの攻撃は、中央の人込みに飲み込まれた。だが、後半の動きは違っていた。それはハーフタイム中の指示を窺わせる動きで、右に開いてパスを受けてアシストを記録し、右サイドから回り込むようにしてゴールを決めているのだ。
昨季全体に関しても、序盤戦のベイルは、10月末までのリーグ戦で3得点のみと大人しかった。最終的な21得点は、当初の左サイドから、時にFW、そして“フリーロール”に近いトップ下と、ベイルの起用法を変えてきたビラスボアス采配の恩恵を受けている。レアルのような欧州最高峰のクラブでレギュラーを張るには、試合中のピッチで、自らの感覚と判断で、仕事が出来るスペースを見い出す能力が必要だ。ビラスボアスの助けを必要としなくなった時こそ、ベイルは真のワールドクラスへの飛躍に挑む用意ができたと言える。
クラブ史上最高額でパウリーニョを獲得。
加えて、来季のトッテナムでは、得点面の負担が軽減された状態で自己を表現することができそうだ。経営陣は、ビラスボアスのチーム作りを積極支援する姿勢を見せている。アーセナルとの4位争いには1ポイント差で敗れたものの、クラブ史上最高の72ポイントを奪った、就任1年目が評価されているのだ。
その証拠が、クラブ史上最高の移籍金約26億円を要したブラジル代表MFパウリーニョの加入だ。昨季のトッテナムは、センターハーフ陣の得点面での貢献が皆無に等しかった。サンドロの故障後にダブルボランチの一角で起用されたムサ・デンベレは、類希な攻撃センスの持ち主でありながら、リーグ戦30試合出場で1得点のみに終わった。ゴール前に顔を出すタイミングの感覚とスタミナを持つパウリーニョは、貴重な中盤の得点源になれる新戦力。昨季はオプションだった3センターの採用が増えれば、サンドロの両脇から、パウリーニョとデンベレが上がり、個人技でも、前線のベイルやアーロン・レノンとの連係でも見応えのある攻撃を展開してくれそうだ。(以下略) 】
この監督、そろそろ繋ぎのサッカーに換えていくはずだ。それが元々得意なのだし、そうでないと世界ベスト4クラブのような強豪をキープできないからである。全盛を謳歌したバルサ、そのバルサを進化させたドルトムント、ドルトムントに張り合ってここまで強くなったバイエルン、みな繋ぐサッカーである。あのマンUでさえが繋ぐサッカーを目指して来たから、香川を採った。新監督デビッド・モイーズがそういうチームを作れないなら、ファギーの後継者にはなれないと断言しておきたい。モイーズがバルサのセスクを欲しがっているのは、これが理由であるはずだ。ナニやバレンシアではもう、マンUのレギュラーは務まらないと思う。