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随筆  「あそび心」   文科系

2013年07月18日 07時38分39秒 | 文芸作品
 ここに何度か紹介してきた孫のはーちゃん、この九月で三歳になる。今回は、いろんな言葉を拾ってみた。この観察の焦点は、彼女のあそび心ということになろうか。ただし一言、この年齢の言葉をけっして大人流に一般的解釈をしてはいけない。第一、それでは面白くもなんともない。

 我が家へ駆け込みつつの第一声は、決まって「遊ぼーよ!」。パソコン席から僕が離れそうもないのを確認すると、すぐに駆けだして「ばーばっ、遊ぼーよ!」。「チックン」というのは注射のことだし、「アーン」で口を開けさせ棒状のもので喉を調べたり、検温までするのは、お医者さんごっこ。「チックン」は念入りに時間をかけ、こんな時必ず言うのが「痛いーっ?」。顔をしかめてみせるほどに、その目がにやりと歪んでくる。二つのソファを向かい合わせるのは、このくそ暑い中の彼女には大作業。がそれもなんのその、なんせ出来上がるのはプールである。近くの大人の尻を押した後から、自分も入ってくるのだから、そのプールの熱いこと。遊びに燃えた体で、バシャーンとか、バシャ、バシャとかやっている。プールにはいろんなものを持ち込んでいるが、こんなこともあった。「あっ、亀さんがウンコしました!」。大変大変というわけで、トイレに連れて行ったのを目で追うと、一生懸命紙で拭いている。

 僕がパソコン席から離れない先日、こんなことも起こった。新聞紙を細めに長く丸めて「はい、ビールですよ!」。見れば自分も小さ目のやつを持っていて「乾杯しょ!」と申し込んで来た。僕の好物で僕を遊びに釣り出そうと企んだとしたら、相当な知能犯だが。乾杯してから「後で遊んであげる」と応えると、「楽しみー!」といいつつ離れて行った。
 アソビ心の先にいたずら心があるのも、既に人並と言えようか。家へ飛び込んできたとたんに何を思ったか、「ジイジ、大好きーっ」と脚にしがみついてきた。悪い気はしない。ところが、その三十分ぐらい後に、関連して起こったのが、これ。しばらく離れていてまた向かい合った時に僕の目を見てこう告げる。「好きって言って」。僕は、当然そう言った。と、こんな答えが返ってきた。「あんまり、好き(じゃ)ないの」。この時の「好きって言って」とは、「好きかと質問してくれ」という意味だったのである。この時も例の「イジワル」表情だったのは、言うまでもない。
 僕のお茶専用のお盆を遊び場の方に持って行ったから、貸してと申し出に行った。何度か頼んでも返してくれないどころか、自分の身体の後に「隠している」。と突然、その体勢のままで、こんな返事が返ってきた。「まっ、いいか!」。僕は初め、返してくれるのだと思い、ちょっと待った。が、一向にその気配はなく、お盆は体の後に隠したままで、顔は例の歪んだにやりである。突然僕は気づいた。僕にこう語っていたのだ。「(お前が)『まっ、いいか』と言え」と。つまり、諦めろとイジワルをしているのだ。

 最後に、あそびならぬ大変なリアル語を一つ。机の上に彼女の大好物・さきイカ燻製。ちょうど僕がそれに手を出そうとしたときのことだ。「みんなで、みんなで!」との叫び声。叫ぶ間もあらばこそ、手と体は既にモノを覆っている。彼女の「みんなで」とは、「私こそ欲しい」の意なのである。好物で対立が生じやすい保育園の連絡帳にそう書いてあったこれは、遊びならぬリアル語そのものだろう。「みんなでみんなでと叫ぶ時には、既にちゃっかりと物を握っております」。
コメント (2)
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「規制の虜」の復活(5) 廃炉には、これだけの困難  文科系

2013年07月18日 04時59分04秒 | 国内政治・経済・社会問題
 とんでも無い高濃度な放射能汚染水漏れが続いています。これにできるだけ有効に対処してきたとも思えない深刻な事態です。この対処と並行して進められるべき廃炉への工程は、さらに大変。これを説明した文章にであいました。阿修羅掲示板に載ったラジオ放送の紹介記事です。フクシマの廃炉がどれだけ困難な事か。そのことを、小出さんと広瀬さんが対談で明かしています。

【 ラジオフォーラム 第27回放送
・ラジオ放送日 2013年7月13日(土)~19日(金)
・ゲスト    広瀬隆さん(作家、反原発活動家)
・パーソナリティ  今西憲之(ジャーナリスト)
・テーマ 脱原発・ドイツの廃炉事情レポート

(前略)
小出:いま進行している事故というのは、人類が初めて遭遇した事故なのです。これまでの最悪だと言われていたのは旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故でしたが、そこで溶け落ちたのは、原子炉が一つなのです。今福島では3つの原子炉が溶け落ちてしまって、さらに4号機という、溶け落ちてはいないけれども、建屋が壊れかけて膨大な死の灰を抱えたままの使用済み燃料プールが宙ぶらりんになっているというような、大変な、いま事故が進行しているわけで、簡単に「どうこう」言えるような事態ではないのです。

今西:なるほど。広瀬さんはそのあたりどのように見ておられるでしょうか?

広瀬:ま、いま今西さんがおっしゃった燃料をね、メルトダウンした燃料がそもそも、ま、最悪の場合コンクリートの下にめり込んでいます。原子炉を突き破ってね。それはもう、これは取り出すとか取り出さないとか、そういうような話じゃないです。それと原子炉の、おそらく壁の中にもへばりついたような形で、いろんな形で、まァ細切れになっている可能性も非常に高いし、そんなものをですね、仮にロボットをつくったからって取り出せませんよ。

今西:そうですよね。それにメルトダウンしたその燃料というのはですね、私も実際原発で作業しておられる専門家の方にも聞いたんですが、「かなり重いんだ」というふうに聞いたんですが、
広瀬:そりゃ重いですよ、ウランですから。ね。
今西:感じとして100kgとか200kgとかそういう単位なんでしょうか?
広瀬:いえいえ、これは小出さんに聞いた方がいいです。
今西:小出さん、いかがでしょうか?
小出:ウランの塊は100トンあります。
今西:100トンですか…すみませんキロじゃなかったですか。
小出:それも、セトモノ状に焼き固めてあって、もともとはあったのですが、そのセトモノは比重が20というモーレツに重たい物なのです。ウランというのはもともと重金属の一種で重たいもの。だからこそ、劣化ウラン弾という形の、超優秀な砲弾にもなるわけですけれども、その重たいものが100トンも溶け落ちてどこへ行ってしまっているのか、今でも分からないというそういう状態なのです。いま広瀬さんもおっしゃって下さったけれども、それがもう、塊になっているというだけではなくて、もうそこらじゅうにあちこちにへばりついてしまっているという状態にありますので、それをいずれにしても全量回収するなんていうことはできませんし、わずかな物でも回収しようと思えば大変な被ばくになってしまいますので、私は多分、作業自身が実質的にできないと思っています。

今西:なるほど。けどいまの廃炉作業のやり方をみておりますとですね、まぁまぁ建屋を一定のところまで潰しまして、その上に覆いをかけ、そしてメルトダウンした燃料を取り出すという方向で首尾一貫やっておるんですけれども、これが、そうすると、全く無駄な作業に終わってしまうという可能性もあると言う事なんでしょうか?

小出:今やっているのはまずは使用済み燃料プールの底に眠っている、これ以上燃やせない、つまり核分裂生成物が目いっぱいたまったという使用済み燃料が、プールの底に眠っているのですが、それを少しでも危険の少ないところへまずは移さなければいけないという作業をしているのです。私はその作業は絶対にやらないといけないと思いますし、東京電力にも急いでやってほしいと願ってもいますが、その作業自身が大変困難な作業で、これから何年かかるのか、それすらが分からない。

今西:そうするとあれですね、溶け落ちた燃料を取り出す以前の問題ということになりますね?

小出:そうです。溶け落ちた燃料は広瀬さんが今おっしゃって下さったように、そんなものをつかみだすことはまず「出来ない」のです。でも、今のところまだ溶け落ちていない使用済みの燃料というものは、どうしてもプールから移さなければいけないという仕事があるわけで、それをいま何とかやろうとしている訳ですが、それだけでも大変な作業で、10年かかるか、20年かかるか分からないという、そういう仕事なのです。

今西:それでまァ、日本より前にですね、チェルノブイリ原発で大きな事故が起こりました。その際にはコンクリートで原子炉自体を固めてしまう「石棺」という方法がとられました。福島第一原発の時も、今回の事故でも、当初そういう方法を取るのではないか?
というような話もあったのですが、現状のところは燃料を取り出す所にかなり固執しているような気がするのですけれども、

小出:燃料を取り出さない限りは石棺で覆う事が出来ないのです。石棺で覆ってしまうと、使用済み燃料プールの底に今眠っている使用済みの燃料を取り出すことすらできなくなってしまいますので、まず、作業の優先順位としては使用済み燃料プールの底に眠っている使用済み燃料をまずは移す。その次に国や東京電力が言っているように、溶け落ちた燃料を何とか掴み出せるかどうかという作業が、始めて考える事ができるようになるのですが、
それは私は多分出来ないと思いますので、その段階で諦めて「石棺」というものをつくるという事になるとおもいます。

(中略)

今西:そうなんですね、小出さん、そういう現場をよく分かっておられない方が陣頭指揮をとり、いま、廃炉作業が進んでいるという現状を聞くとですね、もう言葉もないんですけれども、いかがお感じになられますでしょうか?

小出:確かに広瀬さんがおっしゃったように、今はとにかく日々悲惨な作業を続けるという事に追われているのですね。でもやはり仕方がないのです。もう事故がここまで来てしまっていますので、とにかく何とかこれ以上汚染をひどくさせない。事故をこれ以上進行させないという事をやらなければいけませんので、それに追われているという状態なのです。私が心配しているのは、若い人たちも含めて、殆ど被ばくに対して知識のない人達が、下請け孫請け構造。1次、2次3次…何か10次にまで及ぶというような、そういう下請け構造の中で、毎日被ばくを強要されて働いているという、そういう事が一番心配です。

今西:わかりました。小出さんありがとうございました。 
コメント (11)
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