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「大日本帝国」が闊歩する日本  文科系

2017年03月05日 14時39分49秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 森友さんが日本会議大阪支部長と知った。ここを評して、安倍首相が「良い教育をしている」と述べてきたことも。これが良い教育だというのは、途方もない頭と評するしかない。
 どんなに良い「教育徳目」を数多く掲げていても、これら全てが末尾のこの目的に収斂されるからこその、教育勅語なのである。

『以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ』

 こんな物を掲げて世界に打って出た日には、あるいは内心にこれを持っていてさえ、「大日本帝国賛美者」の看板を掲げていると見られて当然である。日本の恥と言うべきだろう。
 問題提起として、二つの拙稿を上げさせて頂く。

【 今のアメリカ (文科系)2017-03-04 11:09:11
 今のアメリカを素直に観たら、エントリー(進藤榮一著作、第3回目の書評のことである)の姿しか見えないはずだ。
「冷戦が終わっても、戦争にばかり更に多くの金を使って、デトロイトやハリケーン・カトリーナによる荒廃地やは、荒れ果てたまま」
 なのに、日本のマスコミは一体、この何分の1を日本人に知らせているだろう。ちゃんと知らせたら、デモクラシーなどまったく機能していない国と分かるはずだ。
 政治家への企業献金に制限が無くて、大統領選挙で流れる金が1兆円。首都には何万という政治ゴロがごろごろ屯し、国家予算を食い物にしている。だからまた、ゴールドマンやモルガンなど金のある連中の声だけが政治を動かして、民間戦争請負業が大繁盛で、金のない大学卒業生が無数に人生をダメにしていく・・・。少数者による完全な悪循環国家ではないか。
 この国に付いていくよりも、この国に距離を置くことこそ、日本国民の幸せというものであろう。 】

【 ネトウヨ諸君はトランプのお先棒担ぎ (文科系)2017-03-04 17:12:06
 今ここで要約中の本の内容からしたら、日本はアジアと共に生きていけということにしかならない。「アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界」(進藤榮一・筑波大学名誉教授著)のことである。ヨーロッパでさえそういう狙いから、AIIB(アジアインフラ開発銀行)にいち早く加盟した。
 中国、インドなどでアメリカ以上にレクサスなど高級車がどんどん売れていく時代が、もう来ているのだから。現に、購買力平価では中国GDPはアメリカのそれを抜き、IMF報告のGDP数値も、G7合計が新興G7に追い抜かれたのである。2014年のことだ。
 さらにまた、自然に増えているような輸出を妨げたくない中国は、これを途絶えさせて世界恐慌を招くような戦争などするわけがないと思う。
 戦争屋・米国に付いていっても、「もっと軍拡を」と言われてきただけではなかったか。現にトランプもそう叫んでいるではないか。そんなことから日本が、アメリカが中東を敵に回したように、アジアを敵に回すなど、愚の骨頂である。

 南京虐殺とか慰安婦とか、この問題を蒸し返す人々はこうして、客観的にはアメリカのお先棒を担いで「アジアを敵に回せ」と叫んでいるも同じことだ。つまり、ネトウヨ諸君とは、意識しようとしまいと、アメリカに踊らされている人々である。】(随筆 南京大虐殺史実のまとめ 文科系 2017年02月27日。これに付けたコメント)


 なお、こういう知性らが政治を握ると言論は通用せず、すぐにこう言い放つから嫌なのだし、もう怖い怖い。「問答無用!」「行動の時だ」。ネトウヨ諸君の言葉、ネット表現などにすでに人間、その理性を馬鹿にしたような特徴が満ち溢れている。

コメント (6)
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書評、「アメリカ帝国の終焉」④  文科系

2017年03月05日 13時22分36秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など

 「アメリカ帝国の終焉 勃興するアジアと多極化世界」の要約、書評第4回目だ。
 今回要約部分各節の表題を上げておく。第3章「勃興するアジア──資本主義の終焉を超えて」全3節のうち、1節「ジャカルタの夏」、2節「勃興するアジア資本主義」の二つだ。と言ってもこの部分はこの書全220頁ほどの内40頁程を占める。次の第3節「太平洋トライアングルからアジア生産通商共同体へ」とともに、「アメリカ終焉」と並んで、本書のもう一方の「アジアという柱」なのである。
 ちなみに、「資本主義の終焉を超えて」というのは、近ごろこの終焉が語られるのを意識して、「どっこい、こう続いている」という意味である。「知名のエコノミスト、水野和夫教授や榊原英資氏は、・・・『資本主義の終焉』を示唆し強調する」(P137)という問題意識なのである。さて・・・・


 2014年のIMF報告によると、「新興G7」のGDPは37兆8000億ドル、いわゆるG7のそれ(34兆5000億ドル)を追い越したと言う。前者は、BRICs4国に、トルコ、メキシコ、インドネシアを加えたものだ。ちなみに後者は、米日独英仏伊加である。なお、2011年には南アが加わって、BRICsはBRICSと5か国になっている。この国連合が2015年に作ったのがBRICS開発銀行、同年12月にはアジアインフラ開発銀行(AIIB)も設立された。発足時加盟国57,17年度には82か国になる見込みだ。因みに後者には日本の鳩山由紀夫氏が国際顧問に就任したとあった。
 この「南北逆転」にかかわって、2012年の日本エコノミスト誌「2050年の世界」は、有名なアンガス・マディソン(フローニンゲン大学)の資料に基づいて、「アジアの隆盛、欧米の沈滞」という予想をしている。また同じことを、近ごろ有名なユーラシア・グループ代表イアン・ブレマーの言葉を採って「Gゼロの世界」とも呼んでいる。このグループは、世界政治の危険因子研究などを通して、企業の世界戦略策定への売り込みを糧にしようとした企業と言って良い。

 次に出てくるのが先述の「資本主義の終焉」論争である。「金利生活者の安楽死」を予言したケインズを採って、利子率の長期的低下からこの終焉到来を述べてきた水野和夫氏らの論に対して、著者はこんなことを語る。先進国はゼロ金利でも、新興G7はずっと5%金利であると。ただし、中国だけが16年にやや下げたと、断りが付いている。こうして、プラント輸出なども含めて日米の金も、水とは違ってどんどん高い所へ流れていったと。なお、国際銀行の貸付金にこの逆流が起こったのは04年のこと、アメリカなどのゼロ金利政策が固定化され始めた頃であるのが面白い。また、08年のリーマン後は、アジアへのこのお金の流れが激増した。こうして、
「資本主義の終焉ではなく、資本主義の蘇生だ」(p141)

 次にアジア資本主義の勃興ぶりだが、情報革命が物作りを換えたという。資源労働集約型から知識資本集約型へ。次いで、東アジア単一経済圏という「地理の終焉」。東京・バンコック間は、ニューヨーク・ロス間と変わらないのであって、「早朝東京を発てば先方で重要な商談をやって、その日のナイトフライトで翌朝東京本社へ」という解説もあった。

 さらに、EU統合などと比較して、こんな特徴も語られる。EUは法優先の統合だったが、アジアは事実としての統合が先に進んでいると。これについては、ある製品を面、部分に分けていろんな国で作ってこれを統合するとか(モジュール化)、その単純部分は後発国に先端部分は日本になどと発注してコストをどんどん下げるとか、後発国の所得水準をも上げることに腐心しつつ一般消費市場を拡大していくとか、等などが進んでいる。この結果としての、いくつかの製品、輸出などの国際比較例も挙げてあった。

 先ず2015年の自動車生産シェア(%単位)。アジア・北米・欧州の比率は、51・2、19・8、20・2であり、アジアの内訳は、中国27・0、日本10・2だ。
 結果として例えば、インドが、新日鉄住金を2位に、中国企業を3~5位に従えた鉄鋼世界一の企業を買い取ったというニュースも、何か象徴的で面白い。ルクセンブルグの本社を置くアルセロール・ミッタル社のことである。
 
「東アジア主要産業の対世界輸出における各国シェア」という資料もあった。電気機械、一般機械、輸送機械三区分の世界輸出シェアで、1980年、2000年、2014年との推移資料でもある。三つの部門それぞれの、1980年分と2014年分とで、日中のシェアを見てみよう。電気は、日本69・7%から11・1%へ、中国は、0・7%から42・8%へ。同じく一般機械では、日本88・6から19・1と、中国1・5から51・7。輸送機械は日本が最も健闘している部分でそれでも、97・4から44・8、中国0・2から18・5。なお、この最後の輸送機械については韓国も健闘していて、0・6から20・8へと、日本の半分に迫っているとあった。


(最終回へ続く ただし、次回はちょっと間を置きます)
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