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祝、ボルトン解任  文科系

2019年09月12日 08時18分20秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 一昨日夕刊から表記のことが伝えられて、僕は本当にほっとして、同時に嬉しくて仕方ないのだが、その次第、心中を描いてみたい。

 ボルトンはトランプ政権2年半で3人目の国家安保担当大統領補佐官。去年の4月就任以来まーなんと世界を荒らし回ってきたことか。その逐一をここにもエントリーしてきたが、こんなやり方であった。

 まず「世界一多量の石油があるから」と彼自身公言までして、ベネズエラに対して「武力介入もあり得る」! その上、これと並んで二つの大作戦まで敢行してきたのだった。一つは「隣国コロンビアから米援助物資を搬入するから、その日に国民は立ち上がってくれ」大作戦。今ひとつは、「何月何日にベネズエラ軍が反乱を起こすから、国民は立ち上がってくれ!」。これは軍人部隊が走り回る予告編映像の流布とか、間には、失敗に終わった対ベネズエラ武力介入有志国募集のための中南米会議招集とかもあった。もっとも、コロンビア、ブラジルでさえ反対して、武力行使連合はご破算になったのだが。
 なお、これら舞台がいずれも、アメリカが勝手に決めたファン・グアイド大統領を押し立てた公然たる反乱呼びかけだったが、すべてグアイドがピエロに成り果てて終わっている。

 次が、イスラエルやサウジと連んだ対イラン戦争工作。ベネズエラに対してと同様に、ここでも「参戦有志国募集の国際的呼びかけ」まで執拗に努めてきた。イラク戦争の時と同じあの有志国連合創りである。日本タンカーへの攻撃だとか、「シリアへの石油輸送はEU制裁違反だからと、イラン・タンカー没収」事件から、米、イラン双方の無人飛行機の撃墜などなど次々ときな臭さを演出しつつのことだった。この数々の戦争準備、動機創りに至っては、まるで中学生の学芸会演出かという感さえ持ったものだった。なお、イラク戦争には参戦した日本が、今回は体よく参加を断ったのには心底ほっとしたものだ。

 そして最後が、9・11以降アメリカ最長期間に及ぶ戦争を続けているアフガニスタンである。停戦、米軍撤退を巡って、ボルトンが大反対。結局このアフガンのボルトン独断専行が、大統領選挙を控えたトランプの目に「いくら何でもやり過ぎ!」と映ったようだ。

 というようにこのボルトンは、自ら敵視した国に対しては過去イラクやアフガンに対したように「体制転覆」戦争をいつもちらつかせてきたのだった。単なる制裁を踏み越えた嘘の理由をでっち上げてまでの戦争工作とは、さすがにイラク戦争時のラムズフェルド直下の部下だっただけのことはある。そういつも思っていた僕から見た彼は、「マッチョ・アメリカの威信のためにはいつでも戦争」という狂気の筋肉男だ。ちなみに、アメリカの前国防長官マチスは就任の遙か前から長く「狂犬」と呼ばれて来た将軍である。

 さて、そんな彼が退けられた。ベネズエラ、イラン、アフガニスタンなどなどに関連する各国で彼と連んで来た人物が、今後力と信用をなくしていくにちがいないのも、嬉しい。嘘の理由で開戦したイラク戦争や トランプがすぐ終えると公約しながら未だに続いているアフガニスタン戦争も含めてそんなことが重なってきたのだから、今後アメリカの誰を信じたらよいのかという疑心暗鬼も、アメリカ同盟国などにさらに深まっていくだろう。これだけ閣僚が替わるトランプ政権とは、結局そういう政府。そういう信頼のなさも、トランプ政権誕生からすでに分かっていた、アメリカ斜陽の一環、象徴と言える。
 この9月下旬には国連総会もある。総会パフォーマンスを大統領選挙に結びつけたいという今のトランプの最大関心事も、これでおそらく成功はなくなった。 

ベネズエラ、イラン、アフガニスタン、シリア、カタール、そして韓国のみなさんにも、心からお祝い申し上げます。
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