「マスコミに載らない海外記事」に3日付けで転載された、イランによるイラク米軍基地への報復攻撃の詳報を紹介しよう。スレイマニ司令官殺害に対する報復攻撃の被害が、今後の米軍中東駐留にとってどのように深刻なものになったかを示すものだ。初めトランプが「被害はなかった」と発表し、数日後に国防総省がこれを大きく訂正したあのニュースである。
【 2020年2月 3日 (月)
アメリカの中東での姿勢:大惨事の準備
2020年1月29日 The Saker
[本記事はUnz Reviewビューのために書かれた]
ウソ、ひどいウソと数値
トランプと国防総省がウソをついていたことが分かる。またしても。今回はイラクのアメリカ軍に対するイラン反撃の本当の影響について。最初に彼らは負傷したアメリカ人員はいなかったと主張したが、結局最終的に、34人の兵士が外傷性脳障害を負ったと認めなければならなかった(トランプは「頭痛」と「分類し直した」)。それから彼らは、本当は34人ではなく、実際は50人だったと認めざるを得なかった!
一部の情報源によれば、全てのアメリカ要員が掩蔽壕に隠れていたわけではなく、一部が基地周辺を守るために配備されていた。何が事実だったにせよ、これはイランの反撃が、当初帝国が報告したよりずっと強烈だったことの更なる証拠になる。実際、イランの情報源が、攻撃後、多くの負傷した犠牲者が、イスラエル、クウェートとドイツに飛行機で搬送されたことを示している。その夜何が起きたかについて、我々はおそらく決して完全な真実は見つけられないだろうが、今二つ確実なことがある。
イラン攻撃は極めて効果的で、今や地域の全てのアメリカ/NATO/イスラエル軍は、次のイラン攻撃を待つ格好の標的のようになっているのは否定し難い。
アメリカ合州国政府はイランによる反撃の本当の規模と性質を劇的に過小報告せざるを得なかった。
アメリカ要員が得ていた警告の質をはっきりさせよう。今我々は少なくとも以下の警告を受けていたのを知っている:
(イランが彼らの意志について概要を説明した)イラク政府を通しての警告。
(イランでアメリカの利害関係を代表しており、イランが彼らの意志について概要を説明した)スイス当局を通しての警告。
地上、航空、宇宙でのアメリカ偵察/諜報能力による警告。
それにもかかわらず、これらのほとんど理想的な条件にもかかわらず(防衛という見地から)、我々はイラン・ミサイルの一発も迎撃されず、ミサイルが高精度で命中し、アメリカ軍基地が(破壊されたヘリコプターや無人飛行機を含め)大損害をこうむり、多数の負傷者が出たのを目にしている(攻撃後の画像詳細については、この記事を参照)。
もしこの攻撃を「概念実証」作戦として見れば、イラン側としては、素晴らしい精度と、弾道ミサイルの強力な能力が証明されており、一方、米国側としては、この攻撃の唯一の効用は、地域のアメリカ軍が全て、イラン・ミサイル攻撃の被害を極めて受けやすいことの証明だったの明らかだ。イランがアメリカ人犠牲者を最大にしたいと望んでいた場合、彼らが、いかなる警告も与えなかった場合を想像願いたい。一体どのような結果になっていただろう?! もしイランが、例えば燃料庫や火薬庫、アメリカ要員が住む建物、(CENTCOMの主要兵站ノードを含め)産業施設、港や飛行場に目標を定めていたらどうだろう?イランが基本的に無防備な施設に対して放っただろう地獄を想像できるだろうか?!
(以下略) 】
イランの攻撃能力について、去年もこんなことがあった。サウジの油田に大被害を与えてその輸出数十%をしばらく停止させたり、アメリカの偵察ドローンを何機か打ち落としたり・・。イエメンへの長期にわたるサウジ遠征軍を、イラン系のイエメン・フーシ派が粉砕したのも、去年の夏ごろのことだったか。
トランプ政権スタート時に「撤退する」と公約した中東米遠征軍は、まだ6万人だかが残っている。関連死を含めてイラクで50万人、シリアでは100万人が亡くなられたという米本国から遙かに遠いこの地域で、アメリカはそもそも一体!何をしているのか。