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新自由主義経済がこう破綻した、と   文科系

2020年02月27日 19時29分42秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

  今、グローバル経済(学)は破綻した。この四〇年ほど世界を席巻してきた新自由主義経済に対して、世界の専門家らの間で重大な反省が巻き起こっている。まず、去年の八月二〇日夕刊に 小さな記事だったが、分かる人には分かる重大な出来事が報じられた。「株主最優先を米経済界転換」、こう見出しされたこの中日新聞記事の書き出しはこうだ。

『米主要企業の経営者団体「ビジネス・ラウンドテーブル」は一九日、株主の利益を最優先する従来の方針を見直し、従業員や顧客、地域社会など全ての利害関係者の利益を尊重する新たな行動指針を発表した。これまで米経済界は「株主利益の最大化」を標榜してきたが、大きな転換点となる』

 こういう反省が真摯なものか否か、実行などする気もない何かの策略かどうかなどは置いておいて、次は、一二月三日の米政治週刊誌「ニューズウイーク日本版」が組んだ特集「宗旨変えしたノーベル賞学者」。二人の世界的経済学者らの反省を載せている。まず、アベノミクスの論客とも言えるポール・クルーグマンは、こう反省しているのだそうだ。

『アメリカの製造業を支えてきた中間層が経済・社会的な大変動に見舞われることに気付かなかった。中国との競争でアメリカの労働者が被る深刻な痛手を過小評価していた』  

 他の経済ジャーナリストなども、経済学者らの過去理論をこう批判しているとのこと。『多くの経済学者が福祉を犠牲にし、効率性を最優先して「高賃金の雇用を切り捨て、低コストの技術産業に未来を託した」というのだ』
 という「反省」から、このニューズウイーク論文の末尾まとめはこういうものになっている。こちらは、もう一人のノーベル賞経済学者・ジョセフ・スティグリッツが九〇年代から指摘し続けてきたグローバリゼーション反省、批判をまとめた文章でもあるようだ。
『最大の負け組はやはり、アメリカの労働者だ。経済学者はかって、好況下では労働者は自分たちの賃金を引き上げる力を持つと考えていた。だが最近の見方はちょっと違う。多国籍企業が全世界を自らの縄張りに収めて四半世紀がたち、グローバル化した資本は国内に縛られたままの労働者よりも優位に立った。』

 さて、こう言った反省は、日本の誠実な経済学者達の間ではもうとっくに起こっていた。中谷巌(三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長、多摩大学名誉学長、一橋大学名誉 教授)とか水野和夫(三菱UFJモルガン・スタンレー証券、法政大学教授)らがその代表者と言えるはずだ。中谷が「中産階級を没落させたのが、新自由主義経済政策最大の誤りだった」と反省したのだし、水野はこう述べている。「もう長い間金融バブル経済しかないというのは、既に資本主義の寿命が尽きたということだ」。それでさて、英米日などの政府は、どういう理論でもって今後の経済政策を行っていけるというのだろう。

 アメリカは「GAFA時価総額バブル」で、日本は「官製バブル」経済? その下には五〇歳まで結婚もできない低所得男性の群れ。日中への飴と鞭を続けざるを得ないアメリカ。もしアメリカから日中資金が逃げ出したら、米GAFAバブルなど即沈没だからである。日本の主流経済学者らの声も、今是非聴きたいものだ。曲学阿世でなければの話だが。

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