この18日、ついに、リバプールが敗けた。近年特に世界の強豪揃いのイングランドプレミアリーグにおいて勝利数に関わる歴代記録をいろいろに塗り替え、今期リーグでも無敗を誇っている強豪が、ヨーロッパ・チャンピオンズ・リーグの本戦前リーグ戦において破れた。破ったのは、スペインのアトレティコ・マドリッド。スペインにおいて資金力で他を圧倒するレアルとバルサの間に、ちょっと前から割って入ってきた強豪である。今でこそ、強くなって資金力もあるこのチームをここまで育て上げてきたのは、アルゼンチン人のディエゴ・シメオネ監督。気付いている人は少ないと思うが、現在の世界の監督の中で最高給を取るお人だ。それだけのチーム実績を長く作り上げ、維持してきたということだろう。守備指導と選手のモチベーション維持の名指導者と言われている。
ちなみに、1対0でリバプールを破ったこの闘いこそが正に彼のチームの真骨頂であって、序盤4分に奪った1得点を最後まで守り切ってしまった。それも、ボールポゼッション率28%に加えて、コート半分をリバプールに譲り渡しながら、その攻撃力で世界を震え上がらせてきたリバプールを枠内シュート0本と完全に抑え切ったのである。
今でも世界5指に入るだろう名監督モウリーニョと同じ、守備とカウンターの極地を見せたということである。ちなみにこのシメオネは日本とある縁がある。中田英寿を司令塔として日本が初めてワールドカップに出た1998年フランス大会で戦った相手がアルゼンチンで、その狡猾な名ボランチが、シメオネ。FWにあのバチストゥータがいたチームだ。