まず、以下は1月17日の拙稿『何重もの国際法違反スレイマニ殺害』に付けたコメントである。「和平交渉のためにスレイマニをイラクに呼んでほしい」とイラク首相をだましてiイラン司令官スレイマニをイラクに呼び寄せさせ、イラク・バグダッド空港を出る地点で彼をドローン攻撃で粉々にして、「殺害してやった」と世界に堂々と公表したという事件である。カンカンに怒ったイラク首相がこの事件の事実経過全てをイラク国会で明らかにした上で、「全ての外国軍はイラクから出て行け」と国会で決議してしまったから、こういう事実全てが明らかになったのである。もちろん、米軍はイラクから出て行かないどころか、トランプがこんな声明を出したうえでイラクにずっと居座っている。
『高価な金がかかった米軍基地を放棄するわけにはいかない』
【 真に怖いのはこのこと (文科系) 2020-01-18 12:08:21
上の恐ろしい事件の舞台裏告白で、真に恐ろしいのはこのことだ。アメリカはこういうペテン、外国元首ですらを嘘に引っかけて彼に呼ばせた国賓を殺してしまうなどというようなことを無数にやってきたのだろうということ。アフガンでも、イラク、シリアでも。だまされた相手はもう金輪際アメリカを信用しないどころか、「今の世界外交はそういうもの」と考え、自分もそう染まっていくかも知れない。つまり、世界政治がどんどん堕落していくその先頭にアメリカが立っていると示されたことである。それも世界の至る所でのこういう「世界政治には何でもあり」、人間不信の伝播こそ、世界が戦争に至るしかないという情勢になりつつあるということではないのか。
外交の人間的腐敗こそが、世界に戦争を呼んでいくのだと思う。】
【 米に、国際法を語る資格はない (文科系) 2020-03-20 13:12:34
このことを通じても、全くはっきりとしたことがある。米が国際法を使って他国を批判する資格など、全く消え失せたということである。
本来なら、国連にいる資格さえない国に成り果てているはずだ。その暴力野放しを恐れて、他国が黙っているだけで、なんの国際的権威も信用も自ら放棄した戦前の日独並みの国である。
ただ、戦前の日独と違って、アメリカが自ら国連を出ていかないのは、それだけ国連組織の大義名分が大事になったという世界史の流れを示しているとは言えて、このことの人類にとっての世界史的意味は計り知れないものになっている。
世界金融支配を狙ったこの帝国はもう、その夢は消散してしまった。この国はどこへ行くのだろう。マッチョ・ワスプらの自暴自棄が怖くなっているが、ドイツ・メルケルが今こう語り出したのは、以上のようなアメリカを睨んでのことなのかも知れない。
『世界史は今、第二次世界大戦以来という挑戦、試練を受けている』 】
さて、ここまで反社会的勢力ならぬ反国際社会的国家に落ちぶれたアメリカ政経・生計をかろうじて支えてきた二つの虎の子が、今崩壊した。一つが、ドイツGDPを超えたと喧伝されてきたGAFA株式時価総額バブル。今ひとつが、米を原油生産量世界一にまで押し上げて来たシェール原油。これが当分売れるはずがなくなったのだが、これはロシア、サウジの大量生産による1バレル20ドルを切るという18年ぶりの値下げ攻勢によるものだ。
こうして、今のアメリカは何でもあり、危なすぎる国になっている。日本に対して「オリンピック止めろ」とトランプ自ら先頭に立って大音声を始めたのも、世界一現金を持っている日本の官製バブルに、なんとか「官製バブル・日本売り」が仕掛けられないかという狙いなのだと僕は観ている。