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随筆 僕の「人生とスポーツ」  文科系

2021年12月02日 08時33分36秒 | スポーツ

 スポーツを体育とか運動とか訳すのは、今や余りに日本的な誤り。適当な日本語訳語がないのだが、スポーツとは身体(感覚)を鍛え、その喜びを求める芸術と解するのが良い。視覚の芸術や聴覚の芸術があるように、身体感覚の芸術がある、と。全身の神経を協調、集中させた脚(の感覚)でボールを自由自在に操る楽しさ。筋肉、身体感覚を鍛え、全身協調したフォームで剛速球が急に伸びてゆく時の痛快。もっと誰にも身近なものでは、ちょっと老いてきたころに少々鍛えてみた後、階段上りなどでふっと気づく脚の軽さ、その爽快感。こういう喜びを追求した結果が、体育になっていくのだ。音楽が楽しいからその楽器技術を習うのであって、これはスポーツも同じ事。身体を上手く使える楽しさを追求した結果、身体もできていくということだろう。

 さて、適度な有酸素運動は人の活動年齢を著しく延ばすものだが、この有酸素運動能力こそ脂肪を落とし、均整の取れた身体を作り、どんなおしゃれよりもおしゃれの力。これは、万人が認めるところだろう。ボディビルダーの身体に好き嫌いはあるだろうが、あれにしてもそのコンクール入賞者に走れない人は居ないのである。走れなければ、コンクール前に脂肪が落とせず、脂肪を落とせないと筋肉が浮き出ないのである。筋肉を鍛えるほどに、中年が近づいて走れない人は筋肉の上に被さった脂肪が落とせなくなって、ただ太っている人になる。ウエートトレーニングをやっている若者はすべからく一時間近くは走れるように、ということだ。
 また、身体の科学が発展するにつれて、「身体によくないスポーツ」も分かってきた。ちょうど古い宗教が科学の発展によって修正を加えられて来たように。無酸素運動のスポーツがそれで、これ専門のプロなどは確実に活動年齢を短くするし、早死にする。これの予防法は、有酸素運動能力を鍛えて、走れる身体を維持するしかない。
 ただし、酸素を多く吸収してきたスポーツ好きがポリフェノールなどファイトケミカルと呼ばれている物質を摂らないと、それはそれでスポーツが最悪の習慣に替わってしまう。スポーツでいっぱい吸い込んだ酸素量に比例して身体に取り込む活性酸素が最兇の人間細胞老化物質だからだ。これを中和してくれるのがこのファイトケミカルなのである。有酸素運動とファイトケミカルがセットになってこそ、人の細胞の若さが保たれていく。

 この有酸素運動能力は、老人になると特に大きな差を生むことになる。拙稿からで恐縮だが、
【 『 ⑥最後になるが、高齢者のどんな活動でも最後は体力勝負。そして、活動年齢を伸ばしてくれる体力こそ、有酸素運動能力。酸素がよく回る身体は若いのである。80になってもギターやパソコンの3、4時間ぐらいなんともないというように。ランニングが活動年齢伸ばしにこんなに効力があるとは骨身にしみて感じてきたことであるが、これは今では世界医学会の常識になっている。その証言がこのブログのいたるところにあるが、一例がこれ。『「よたよたランナー」の手記(222)走る、歩くで活動年齢が伸びる 2018年05月10日』 】 
 僕は大学時代からずっとサイクリングをやってきた。そして今は、10キロ走れる間は100キロサイクリングが十分可能と考えている。このランニングの方は、2000年ちょうど、59歳の現役時代に勤務先があるスポーツクラブ法人会員になったのをきっかけに覚えたもので、その時意図したとおりに今の僕の諸活動の原動力になっているということだ。

 年寄りが太るのは走れなくなるからだ。そのことを僕は今の今、痛感している真っ最中である。ここ数年の僕は、ウォームアップの時間が20分以上も必要になっている。それだけゆっくりと長く走って初めて、全身の血管が開き、酸素を運び疲労物質を吸収、汗として排泄する能力が全開してくるのである。アップの初めは8キロ時でも疲れてしまうのが、循環機能が全開し始めると10キロ時超えてもちゃんと走り続けられるのである。年を取るほどこの差が激しくなって、スポーツをしない人はこのことがわからないから、ウォームアップの段階で「もう走れない身体になった」と誤解する。あるいは、アップの段階から昔のように走って膝を痛め、やはりランニング断念。すると今度は逆に、循環機能がそういう生活に慣れてしまって、心拍数120以上には上げられない身体になっていく。
 自分が走れるようになるかどうかは、こうやってみれば分かる。先ず速歩きでも何でもやってとにかく20分身体を温める。次いで、それより遅く10分走ってみる。この30分が週3~4日で何日か繰り返せれば、走れる身体(が潜在している)ならば次第に10分が延びていくはずだ。ただし、この10分が30分ほどに延びていかぬ間は、スピードは上げないことである。この繰り返し量によってだけ、上がるものならばスピードは自然に上がっていくものだから。
 ちなみに、僕の一定持続最高心拍数は165ほどだが、老人のこの最高心拍数という数字にこそ、その人の有酸素運動能力、つまり健康能力が現れてくる。そして、老人の場合のこの数字には、非常に大きな個人差があるものだ。

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