九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

随筆 戦争報道が正気と思えないから   文科系

2022年04月24日 03時42分32秒 | #ウクライナ戦争#マウリポリ陥落#アゾフ大隊

 気づいてみれば、二月から僕の心が大騒ぎを始めていた。過去に二度ほどやった精神疲労性の鬱病の症状さえ出ていたのだが、そう気づいたのはやっと最近になってから。初めはただ「もう八一歳、おかしくもなる年だ」とだけ、このおかしさを自分一身に引き受けていた。が、これは勘違いと二か月も時が経って気づいた。地球の一角で始まった大変な殺し合いを見せられているからだ、と。それよりも何倍も強く、この殺し合いの双方がともに極悪人どうしと分かったからであり、またこの周辺にいてこれを報道しているその世界大元の人々がこれまた戦争の当事者で嘘まみれ、大本営発表ばかりと知ったからだと、やっと自覚できるようになった。ちなみに、大本営発表とはこういうものだ。「身方はすべて正義。敵はすべて凶悪でこんなにも残酷」。

 「ブチャで大量殺人」「マウリポリの製鉄所地下の人々の運命は!?」。馬鹿じゃないか。戦争になったら当然、必然のこと。戦争は何でもありと誰でも知っているだろう。イラク戦争のアメリカについて、米軍ヘリコプターからイラク一般人群衆を機銃掃射しまくる映像さえ流れたぞ。スパイやスナイパーが混じっている可能性があれば、あるいは軍隊が一般人を防衛の楯のように同居させ、前面に出すこともあるのだから、こんな機銃掃射も戦闘の中では日常茶飯事のはずだろう。ただこの映像をやっとつかんで流した「自由と民主主義の女神のような人」は、合衆国重大国家反逆者として終生獄に繋がれ、米史上から抹殺されることになった。そしてこんどはそんな機銃掃射のような何でもありをただ映しはじめたのだが、マスコミは一体どうなっている、何が言いたいのだ? それもバラエティー番組の中に組み込んだような企画で、これじゃただの火事見物、野次馬(番組)じゃないか。

  戦争嫌いの僕は例によって、この戦争を起こしたプーチン・ロシアを今でも、どれだけでも非難する。だからこそそれだけでは済まず、一般マスコミ物の他にもここまでの詳しい経過などをいろいろ読まざるをえなくなった。そこで出会ったのが「プーチンもウクライナも英米によってこの『あまりにも愚策』へと追い込まれた」論なのである。すると、これを傍証するようなものをどうでも探したくなって、やっと一つ見つけた証拠が、これだ。

『「ヤツェニュクには政治と経済の経験がある。クリチコが入るとうまくいかないだろう。国際的に信頼されている人物を招いて一役買ってもらえるといいが・・・」
 政変のさなか、アメリカのヌーランド国務次官補とキエフ駐(ちゆう)箚(さつ)のパイアット大使のふたりが、この政変を支持し、暫定政権の人事について電話で話し合う様子がリークされたエピソード(BBC、二〇一四年二月七日)も、いまでは忘れられた感がある。
 果たしてその後、ふたりが描いた筋書きどおり、クリチコはキエフ市長になり(プロボクシングの元世界チャンピョンで、ロシア軍と戦う現キエフ市長である)、ヤツェニュクはマイダンで開かれた勝利集会で〝革命〟政権の暫定首相に指名される。』

 この文章の出典は、月刊誌「世界」四月臨時増刊号「続・誰にウクライナが救えるか」。二〇一四年マイダン革命当時のウクライナ政権人事をアメリカが握っていたと示されている。筆者はエコノミスト・西谷公明氏。早稲田の大学院を出て、長銀総合研究所、ウクライナ日本大使館専門調査員、その後トヨタロシア社長という経歴の東欧専門家である。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする