九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

戦争の動機 1970

2017年04月18日 17時35分20秒 | Weblog
そもそも何故戦争が起こるか?双方に悲惨な結末が用意されるのが分かっていても戦争が起こるのは何故なのか?
これを考える必要がある。
戦争の動機は概ね次の2つに別れる。①機会を動機とした戦争。②脆弱性を動機とした戦争。①は今このタイミングで戦争をやれば欲しいものが手に入るという動機から始まる戦争で領土問題等に絡む戦争がこれ。②はこの先今の状態が保証されるかどうか分からない、恐怖や不安からくる戦争。今回の米朝はこれになる。アメリカは北朝鮮の核ミサイルにより将来の不安を覚え、北朝鮮は体制が維持出来るのか不安を覚え、双方の恐怖や不安から危機が生まれる。
脆弱性を動機とした戦争には外敵への恐怖や不安以外に、国の内部崩壊への不安から逆転を狙い外に打って出る場合もある。
ではこの①②が極力起こらないように何を考えなければいけないか。共通して言えるのはとにかく会話が成立するチャンネルを持つこと。経済関係は必ずしも効果があるとは言えない。特に脆弱性を動機とした戦争にはさほど効果は発揮されない。代表的なのは第一次世界大戦 。ではこれまでの戦争に関してどんな形であれば会話が成立したのかと言えば互いが一定レベルの軍事力を背景とした形が会話は成立する。互いが被害を想定しやすいので会話は成り立つ。勿論今回のように間に入る国があれば会話は成立するが、その場合も間に入る国にも一定レベルの軍事力があるのが望ましい。但しこれも不調に終わる時もある。
他にも戦争の動機になる要素はあるが大きくは人間の欲望や恐怖、不安を背景にした処が過去から現在至るまでの戦争の動機になる。
となれば会話のチャンネルと軍事力は戦争の動機にも戦争回避の手段にもなる。
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人殺しを減らし、平和を目指してきた人類史(1)   文科系

2017年04月18日 10時37分28秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 「戦争が起こる現実は悲しい」などと言って見せながら、こう語る人も多い。
『現状において軍事力が完全に無い世界の実現というのは、あまりにも実現不可能という意味で夢や幻想、あるいは宗教に属する話題であり、政治や外交に属する話題ではありません』
 現実がこんな風だと語る人には「戦争は悲しい」も夢や幻想にしかならない。つまり、人殺しを減らし、平和を目指す人を夢想家と切って捨てるのである。さらに「戦争は悲しい」も単なるポーズ。
 上の言葉が更に悪いことには「政治や外交に属する話題ではありません」だそうだ。戦争命令が出たら闘うしかない軍人ならいざ知らず、政治や外交にも戦争を無くす視点不要だとは、いやはや・・・。

 そこで、「人類史の現実問題」としての平和論を何回かに分けて書いていきたい。最初がこれ、去年のエントリーだ。これは、「人間闘争本能論」とでも訳すことが出来る「社会ダーウィニズム批判」を含んでいる。明治から大正にかけて日本の戦争連続を肯定する理論にもなったものでもある。なおこういう理論は、これを知らない人でも案外無意識に感覚、感じとして持っているもの。「動物、人間、その国家は、ほぼ永久に闘うもの」という感じだろう。これは誤りと証明されているのだが。
 

【 「人間史において、殺人は劇的に減った」と人類史学者ら   文科系  2016年11月02日

「人間史に戦争は無くならない」というのが誤った俗論であると、ここで何回も批判してきた。明治期の東大総長・加藤弘之の社会ダーウィニズムも既に誤りだとされたのに、入れ替わりここを訪れる右の方々が同様の俗論を未だにどんどん主張してくるからだ。
「動物は争う。人間も動物だから争う。国家社会もこれと同じで、戦争は無くならない」という俗論である。
 
 最近の週刊朝日に、東京大学薬学部教授にして脳研究家とある池谷裕二氏が、期せずして社会ダーウィニズム批判になる文章を書いている。その見事な文章を要約という形で、今回の反論としてみたい。
 今回彼が紹介しているのは、世界的科学雑誌「ネイチャー」に発表されたスペインのある博士らの論文である。

『博士らは哺乳類137科に属する全1024種の生物について、400万件以上の個体の死因を調べました。これは哺乳類の80%の科をカバーしています』
『調査の結果、哺乳類が(同種の)仲間に殺される割合は0.3%でした。300匹のうち平均1匹が同種によって殺されていることになります。肉食獣は草食動物よりも凶暴性が高いのですが、その差はヒトに比べればごくわずかでした。ヒトの凶暴性はなんと2%と推測されたのです。ヒトは平均的な哺乳類よりも6倍も凶暴だったのです。これほど同種を殺し合うのは哺乳類としては異常なことです。
 ところが慎重に調べを勧めてみると、意外な真実が見えてきました。チンパンジーやオランウータン、もしくはその祖先でも同種殺害率は1.8%と高かったのです。つまり、異常な凶暴性は、高等な霊長類に広く共通した現象なのです』

 とここまでは、右の方々が大いに喜びそうな下り。が、ここからの250万年人類史の最近の下りこそ、この論文の真骨頂なのである。

『石器時代以降の全250万年の考古学的証拠を丹念に調べたところ、狩猟採集の時代の殺人はおおむね個人的な動機に基づく小規模な諍いが大半だったのです。ヒトが大規模な抗争を始めたのは、定住を始めた1万年前以降です』

 そして何よりも『現代社会では同種殺害率は0.01%と著しく低い』と展開され、その理由がこう述べられていきます。
『もちろん私たち人類は、自身に潜む異常な凶暴性を自覚しています。だからこそ、刑法や懲役という公的制度を設け、警察や裁判官という社会的監視者を置くことで、内なる衝動を自ら封じる努力をしてきました。国際的には国連やPKOがあります』
『ヒト本来の数値である2%に比べて200分の1、哺乳類の平均0.3%に比べても30分の1のレベルに収まっています。
 公的制度によって自他を抑圧する「社会力」は、ヒトをヒトたらしめる素です』

 さて、著者がこの社会力で今最も期待しているのが、『国際的には国連やPKOがあります』なのだろう。ここが僕と同じであってとても嬉しかった。また、長い人類史で20世紀になって初めて出来たこの国際平和組織、国連という「社会力」のことをほとんど語らないのが、右の方々の戦争論の最大特徴だとは、ここでも度々確認してきたことである。


 なお、以下は私見だが、以上の人類同族殺害史は、我々の一般的歴史認識にも一致している。
『大規模な抗争を始めたのは、定住を始めた1万年前以降です』とは、奴隷制度が始まった時代を最も古く観た場合に合致している。当時以降の富の源泉である奴隷狩り(戦争)が大々的に行われ始めたということなのだ。『現代社会では同種殺害率は0.01%と著しく低い』のが「社会力」の増進によるというのは、基本的人権思想や、20世紀になって生まれた国連など世界平和組織やの発展によるものである。】

(続く)
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対「北」、米中関与を巡って   文科系

2017年04月17日 13時14分46秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 標記のことで、こんなニュースもあると転載させて頂きます。田中宇の16日、最新の配信ニュースからの抜粋です。


『(前略)
 北が15日の核実験を見送るのとほぼ同時に、米トランプ政権が「米国の目標は、北の政権転覆でない。目標は、北の最大の貿易相手国である中国の助けを借り、北に最大の圧力をかけることで、6か国協議に北が参加するように仕向け、核開発をやめさせることだ」と表明(リーク)した。米国の世界戦略を決める大統領配下のNSC(安保会議)が4月に入り、軍事攻撃や政権転覆から核保有国として容認までの、強硬策から融和策までのさまざまな対北戦略の実現性を検討した結果、政権転覆にこだわらず、圧力は最大限にかけるものの、北が核兵器開発をやめる気になった場合は、融和策をとることに決めたという。
(中略)
 米軍の上層部は「北が核実験やミサイル発射をしても、それに対する報復として軍事攻撃をやるつもりはない」と述べている。つい数日前まで、米政府は「北核問題の解決は、先制攻撃か政権転覆しかない」と言っていた。マスコミもここ数日、トランプが北の政権や核施設を軍事で潰すに違いないと喧伝した(日本の対米従属論者たちは、いよいよかと喜んだ)が、緊張が山場を越えたとたん、トランプ政権は、好戦性と正反対の融和的な戦略を発し始めた。これは、北に対する提案にもなっている。今後、北が再び強硬姿勢をとるなら、米国側も強硬姿勢に戻るが、米国が実際に北にミサイルを撃ち込んだり、キムジョンウンを暗殺するための米軍特殊部隊を北に潜入させることはなさそうだ。
(中略)
 今回初めて米国は、中国を誘い、米中協調で北に最大の圧力をかけ、北に言うことを聞かせようとする策をとった。4月4日にフロリダで行われた米中首脳会談の意味は、トランプがその策を一緒にやろうと習近平を説得することだった。トランプは、晩餐会で習近平と一緒に夕食をとっている最中に、米軍に命じてシリアにミサイルを撃ち込ませ、中国が協力しないなら米国だけで北を攻撃する策に転じるぞと示唆した。習近平はトランプの誘いに乗り、史上初めての、米中が協調して北に圧力をかける作戦が展開され、その結果、北は4月15日の核実験を見送った。

 4月7日には、中国共産党機関紙人民日報の傘下にある環球時報のウェブサイトが「北朝鮮が核実験するつもりなら、中国軍が米国より先に、北の核施設を先制攻撃することがありうる。北と米国が戦争すると、中国北部が一線を越えて不安定になる。中国はそれを容認できない。北の核兵器は、米中と渡り合うためのカードであり、中国が北の核施設を先制攻撃で破壊すると、北はカードを失い、反撃すらしてこないだろう。北は、核施設の破壊を自国民に知られたくないので、破壊されたこと自体を隠すかもしれない(だから、中国による北核施設の先制攻撃は、見た目より簡単に成功する。やっちまえ)」という趣旨の論文を掲載した。この論文は数時間後に削除されたが、中国政府筋が北核施設の先制攻撃を過激に提唱したのは、これがほとんど初めてだった。

 これまで中国は、米朝戦争の再発や北の国家崩壊、難民流出、北政権の暴走を恐れ、北との関係を悪化させる軍事強硬策や経済制裁の発動を避けてきた。だが、そうした中国の自制は最近、急速に薄れている。中国は、北への経済制裁を少しずつ強めている。その一方で中国は、北が核兵器開発を中止し、米韓が合同軍事演習(北敵視)をやめる交換条件で和解策を提案し続けている。

 トランプ政権が最近策定した前出の対北融和策も、実現するなら中国提案と矛盾しないものになる。トランプと習近平は、北が核開発をやめない場合の強硬姿勢と、やめた場合の融和策の両面で協調している。これに加えて5月9日の韓国大統領選挙でムンジェインが勝つと、米中韓の対北戦略が初めて共振(シンクロ)していきそうだ。あとは北が共振してくるかどうかになる。』
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「よたよたランナーの手記」(194) 去年8月まで調子が戻った   文科系

2017年04月16日 10時23分24秒 | スポーツ
 8日、13日の外走りや、40キロと35キロのロードレーサー転がし2日などで、ちょっと強くなったと分かった。13日の外走りなどは、一時右膝に痛みが走って15分程歩くなど、あんなに苦しい走りだったのに。

 本日15日、ジムの30分2回で8・8キロまで行った。ウォームアップ歩きなどを含めた前半が4・2キロ、後半が4・6キロ。この後半は時速9・5キロもかなりやったから、ちょっとまえに予測したとおりの復調を遂げていると分かる。1時間に8・8キロというと、去年8月の9・1キロ以来のことになる。その後のいろんな病気から、またもう一歩復活できたということで、大変嬉しい。

 脈拍計とGPS付き腕時計の記録によると、今日の走りはこんな風だった。ストライドは82センチで、平均心拍数148。前者はやや広目、後者はかなり高い。ちょっと急に上げすぎで無理したことになると後で分かったのだが、夜10時現在に階段を上る時など心臓がちょっと疲れていると感じた。
 いかん、いかん、「アスリート?は早死にする」をもっと思い出すべきだ。どの程度がアスリートなのかは全く分からないのだけれど、心臓に疲れを感じたら、やはりやり過ぎだろう。


 話は違いますが、昨日まで1週間の累計アクセス、1,748!  
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北朝鮮① 1970

2017年04月15日 18時14分38秒 | Weblog
それにしても今日の軍事パレードは衝撃だった。世界中のSNSでICBMの4文字が飛び交いトレンドワードになってたな。
ついに北朝鮮が固形燃料ICBMを開発した。ほんの1ヶ月前迄は固形燃料ICBMの開発にはまだ暫く時間が掛かるだろうというのがメディアや軍事関係者の予想で、今日のパレードはこれを完全に裏切る形になった。これまで北朝鮮は液体燃料でのロケットは開発していた。しかし、液体燃料の場合は燃料注入に時間が掛かるので偵察衛星から分かること、一度燃料注入を完了したら即発射する必要があることの2点がネックで、兵器としてはガラクタ同然だったんだけどね。燃料注入に時間が掛からず、注入後もいつでも発射可能な状態で保持出来る固形燃料型ICBMの登場は更なる事態悪化を招く。
ここ暫くの間、正恩が強気な言動に終始していたのはこれがあったからなのかと納得させられた。これに小型核弾頭をセットすれば米本土も理論上は射程に入る。昨日迄は仮に武力衝突が起きる場合は、トマホーク等で核実験施設を狙い撃つとされた計画も練り直しになるだろう。勿論悪い方へ。
正恩体制の北朝鮮が最悪なのは、国連の勧告、決議を無視するだけでなく、中国やロシアといった北朝鮮寄りのトップとの会談も今だ無いこと。要するに外交ゼロが続いている状態。そしてその間に新型兵器をここまで開発した。こうなるとアメリカ、中国、ロシア等の対応も変化があるだろう。何処にICBMの照準が向くか分からないから。それほどに衝撃的なインパクトの軍事パレードが行われたよ。
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随筆  76歳のギターレッスン 文科系

2017年04月15日 11時30分11秒 | 文芸作品
 ギターの先生について14年目になる。この歳になると、同世代、同門の仲良しが何人も止めていくのを寂しい限りと眺めている。とても上手な教室のある高弟が止めたとき、敢えてその理由を尋ねたら、こう応えられた。
「もうプライドが許さないから、止めた」

 僕よりも上手い他の1人は、暗譜が持たなくなったから止めたのだろうと推察した。この方は、ギター関係の一切を綺麗さっぱり、すっぱりと手放されるという止め方だった。暗譜中心でやってこられた方のようで、同じ暗譜中心で来た僕には他人事ではなかった。

 というように、70歳過ぎると止めていく人が増えていき、75歳過ぎてなお教室を続けている人はとても少なくなるようだ。職業婦人を続けたあと三味線を習って発表会にもいつも出ていた僕の母のことも、今初めて分かるようになった。80歳前に教室を止めたのだが、三味線そのものも綺麗さっぱり止めてしまったのは、「もうプライドが許さないから」の口だったのだろう。

 さて、なら僕は、今どうして続けられているのかと考えてみた。初見弾き苦手など読譜能力が乏しい暗譜主義の僕だが、まだこんなことができるからだ。まず、以前よりかなり苦労は増えたが新曲を暗譜できる。読譜弾きなど脇に置いて、初めから1小節毎に暗譜するやり方で1週間に楽譜1頁程は暗譜できるのである。現在やっているバイス作曲「ファンタジー」という楽譜3頁の曲も、着手して約1か月のこの10日ごろには、暗譜の通し弾きができるようになった。そして、6月3日の教室発表会にこれを間に合わせようとしているところだ。

 次いで、僕の場合こんなこともある。定期的に弾き回してずっと暗譜を保ってきた「暗譜群」を20数曲持っていること。この弾き回しが僕のギター生活をどれだけ楽しくしてくれたことか。同じ曲でも、山場の和音を弾き変えてみるなど日によって弾き方を変えてみたり、同じ曲をその日の気分に合わせてしっとり弾いてみたりばんばん弾いてみたり。というように、暗譜弾きは、読譜弾きでは出来にくい音楽そのものの自由な楽しみ方が出来るのである。この暗譜群の生まれ方は、こんなふうだった。折角暗譜した曲のなかでその都度特に好きな物を忘れたくなかったから。時々出し入れもあったこの暗譜群曲集ファイル、これは僕のギター生活の宝物である。

 さて、こういうやり方に比べれば、一つづつ読譜弾きで済ませては、次に進むというだけのやり方は、老人にとっては継続につながる楽しさ作りにも、力の維持にも効果が薄いのではないか。
 60過ぎた文化活動には、楽しさの維持に特別な工夫(の準備)が必要なのだと思う。他にやっているランニングでもそうだが、継続の道が案外あるのにそれを求めてこず、「もう年なのだ」という早過ぎる諦めが案外多いような気がする。

 一つ忘れていた。70過ぎてギターを継続するには、相当の体力が必要だ。あの不自然な姿勢ゆえ、皆が身体を痛めるのである。それで断念する人も多い。僕のギター生活に、僕のランニングがどれだけ役立っているかと、今の日々痛感しているところだ。1時間走れる身体なら、ギターを2~3時間弾き通すぐらいは何ともないのである。ランとは別に、握力の維持、強化も必要なようだ。握力が弱くなると左手押弦に難が出てきて、これに抗うことから肘や肩を痛めることが多いように思う。
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陰謀と陰謀論   文科系

2017年04月14日 15時34分25秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 どうも標記の言葉が、巷に安っぽく出回りすぎているように思う。使っている人がその意味を分かっているのかどうか、そこがあやふやなものが多すぎると観てきた。
 
 先ず、陰謀とはこういう意味だ。「密かに企むはかりごと」とか「犯罪の相談」とか。ちなみに、こういう使用法で言えば、ある国家が違法な行動を企む時には、普通事前から公然とはやらないから全て陰謀になる。最近例えばシリア爆撃が起こったが、その前には陰謀があったのは明白である。ということを指摘した所で、陰謀論でも何でもないだろう。

 この陰謀に論を付けた陰謀論の方は、どうだろうか。普通に使われている意味はこういうことだろう。『「陰謀でもないものを、あるいは、根も葉もない煙以下の事をあいつが図った、あるいは図りつつある」と述べている論』ということだろう。

 さて、この二つを比較しながら、先に述べたこのことを合わせて考えてみて欲しい。「ある国家が違法な行動を企む時には、普通事前に公然とはやらないから全て陰謀になる」。するとどうだろう、国際法違反行動が多いアメリカは常に陰謀をやってきたことになるはずだ。違法確信犯行動の前段階を公然と行ってさえ、公然の前の世論作り下準備段階の謀も含めて。アフガン、イラク、シリア、ソマリアなどなど、全てにおいてそうだろう。アメリカは事前から公然と国際法的違法行為をやる場合もあるようだが、その場合は世論を調べるアドバルーンの意味があるのであって、そういうアドバルーンを上げる場合には、アドバルーンをやる前の段階で陰謀があるということだ。つまりどう転んでも世界で違法行為が一番多いアメリカは、陰謀ばかりやっているということだろう。

 こうして、結論。アメリカ批判に絡んで、これに対して「陰謀論」等と言い返してくるのは愚かな行為以外の何ものでもないと言える。アメリカは常に陰謀を企んできたし、これからもそうだろう。そして、アメリカ以外の世界の軍事力を合わせた以上の軍備を備えていて、だから腕力任せにやっているこの超大国の陰謀は、どの国のそれよりも世界を揺るがし、「世の中はこんなものだ」という感じで世界を腐敗させ、多くの民衆の不幸せを呼んでいくのである。
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「よたよたランナーの手記」(193) 他が忙しくて、停滞   文科系

2017年04月13日 20時16分34秒 | スポーツ
 4日のジム1時間8・6キロ以降、こうなっている。
 8日には時間がなかったので45分ほどで6キロを走り、9日はロードレーサーを転がしがてら花見に行ってきた。田代から山崎川を下り、天白川岸菅田近辺の桜、北に上って平和公園、猫が洞池と廻ってきた。3時過ぎから6時ほどまでのことで、合計35キロほど。風も強かったから良い運動になった。僕のこの季節の行事みたいになっているライドだが、毎度のことながら楽しい。猫が洞西岸にあるたった1本の山桜の古木が何と見事だったことか! 花自身は薄墨桜のような色で、ソメイヨシノよりも葉の芽生えが早いのでこれが満開の花と一体になった美しさ。

 そして、13日は外走りを7キロ、1時間かけたLSDである。鶴舞公園のグランドが工事で入れなくなったので、この日は千種公園に行ってきた。公園まで2キロ、その外周が約1キロ、内部にも曲がりくねったラン・コースがあって、その最大1周は約800メートル程だ。
 最近ちょくちょくと外走りをやるが、外だと心拍140程で走っても疲れるようになっている。多分トレーニング不足のせいだ。年寄りランナーはちょっと気を抜くとすぐに遅くなる。心臓と脚筋とでさぼった時にどちらの弱化が速いかと言えば、問題なく脚筋のほうだ。GPS腕時計に記録として残り、出てくる歩幅が狭くなるから分かるのである。そして、脚筋の衰えを外って置くと心臓に不可逆的な衰えが生まれると、そういう理屈までが分かってきたようだ。
 中三日が多くなっているのだが、これは、ギターと、新学期に入って学童保育のために越境入学せざるを得なくなった孫のお迎えなど、他事で少少忙しくなっているから。春の庭の手入れもしなければならないし。4メートルある分厚い木犀を刈り込んで、梅の選定・整枝、そして何よりも伸び放題になっている庭草取りだ。
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アメリカの行動原理 ② 1970

2017年04月12日 19時07分00秒 | Weblog
互いの経済依存が理由で戦争の抑止が成立することは殆ど無いだろうね。第一次世界大戦からそれが理由で戦争が抑止されたことはあまりない。

アメリカが北朝鮮を叩くとして中国が何を恐れるか?
大きいのは何百万人に登るか不明な北からの難民だろう。間違いなく大混乱になる。それに乗じた反中央勢力の活動も勢いにのる。こうなると習近平体制は足元から崩れる。中国の恐怖はこれが一番だろうね。
この事は当然アメリカも想定するから、今回、中国に圧力をかける。
しかし、問題は中国と北朝鮮の関係が以前のような蜜月状態なのか?ということ。特に正恩になってから中国との関係は?
北朝鮮の外貨獲得の手段として、化学兵器を含む武器輸出、麻薬等があるが武器輸出に関してはイランや中東地域が専らで先日のシリアアサドとの関係も以前から強い。イランには核技術の輸出も疑われている。こういう流れから正恩体制では中国よりもロシアとの関係が強いと語るメディアも多い。
中国の恫喝がどこまで正恩の耳に届くかは不明。核の小型化に成功し、後はICBMの開発に成功すれば理論上アメリカ本土への攻撃は可能になる。正恩体制からすれば、中国やアメリカからの圧力に屈する姿を国内に見せるのは死に等しい。恐怖政治が外国からの恐怖にビビったら洒落にならないからねw
衝突回避の鍵を握るのはロシアだと思うが、ロシアにしても極東での影響力を強化する為には中国の力を削いでおく選択を取る可能性は十分ある。正恩からすればロシアは頼みの綱だが、プーチンは分からない。アメリカは今回、北が核実験等実行すれば本気で叩くだろう。シリアへの空爆理由よりも北朝鮮への攻撃理由は明解だから。正恩体制崩壊後は中国かロシアに委ねる。そういうシナリオで進むと思うね。
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ハリル・ジャパン(92) 昨夜のACL、浦和首位   文科系

2017年04月12日 09時41分32秒 | スポーツ
 昨夜のアジアチャンピオンズリーグ・グループ地区予選において、いわゆる「死のグループ」で浦和が首位に立った。

 浦和・上海上港戦は白熱、本当に良いゲームを観ることができた。上海とは、勝ち点9で並んで、2ゲーム得点も3対3で並んだが、アウエイ得点で2対0と差を付けた。最近の中国屈指のこの強豪相手に、浦和の方が強かったということだ。韓国とオーストラリアの首位チームも入ったいわゆる「死のグループ」でのこの首位抜けは、浦和の本当の力を示したと言える。

 上海では、イングランドのチェルシーから確か80数億円で移籍したばかりのオスカルがゲームでも大活躍。が、柏木がオスカルを止めに行って与えたPKで、オスカル対西川の名場面! 西川がこれを止めた超美技によって、ゲームが決まったのは、何とも皮肉に見えたもの。
 PKに対して左に跳んだ西川。オスカルのキックは左に跳んだ西川の右肩のかなり上からゴールに吸い込まれそうになった瞬間、西川の右腕が真上に精一杯伸びてきて、ぱーんと辛うじて弾いたボールはすぐ上のゴール・バー下方を叩いて前に落ち、お仕舞い。凄い西川のプレーだった。この他にも、あわや得点というシュートを、3本ほどは止めていたはずだ。
 槙野のハンドでオスカルにもう一度あったPKがゴール上に逸れて行ったのも、この西川をオスカルが警戒しすぎたのかも知れない。キーパーとしては小さい方に属する西川を代表に選び続けたハリルがこのゲームを観ていたが、さぞニンマリと笑っていたはずだ。

 とはいえ、ゲーム後のオスカルもこう述べている。「日本は組織された良いチームが多いが、今日の浦和は特に良かった。前半は互角、後半は我々がちょっと良かったのだが・・・」。と、これはまー、西川中心の守備にやられたと述べているのだろう。

 それにしても、流石のオスカル、80数億円! 上手いし、あの細い体なのに強い。バイタルエリアでさえ、日本選手がボールを取れないのだ。2人掛かりでも、なかなか。ディフェンダーとの距離の取り方とボールの置き所が良いからなのだが、突っ掛ければ身体を入れたりしていなされるし、距離を置くとゴールに向かって切り込まれる。本当にやっかいな選手である。
 
 また、このゲームで1得点した浦和のラファエル・シルバは必ずヨーロッパに引き抜かれる。若手の世界的敵将ビラスポアスがゲーム後に彼と話していたが、あんなプレーを見せられてはそうなるのが運命。上海自身が大金出して引き抜く可能性も高い。名高い敵FWエウケソンよりもよいと思う。
 すぐ前に敵DF3人に詰められながら、その隙間を柔らかく射貫いたあのシュート! 


 昨日ACLもう一方のガンバは、何ともだらしない。韓国のチェヨンス(かって千葉などにいた、元韓国代表FW)が監督をしている中国江蘇に0対3で敗れて、最下位である。多分、ACLの闘い方について勘違いをしているのだと思う。ACLは、パスで繋いで交わすなどという、小手先では勝てない。なによりも、身体を張らないといけない闘いである。
 今夜のACLは、浦和よりも強い鹿島と、川崎だ。ガンバがほぼ予選落ち確実だから、この二つには頑張って欲しい。ただ、川崎のやり方は、今の世界では通用しにくいと思う。バルサの世界戦苦戦を見てもパスで繋ぐやりかたは、ボール奪取技術進化の前には必ず隙ができるようだ。ガゥアルディオラが苦戦している理由もそこら辺りだと観ているのだが。


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ハリルジャパン(91) 今夜、浦和・上海上港戦   文科系

2017年04月11日 11時00分28秒 | スポーツ
 今夜アジアチャンピオンズリーグ予選で標記の戦いがある。浦和の相手は、フッキやオスカルなど世界で名を知られた実力選手も多い。のみならず、監督が良いから組織が非常にしっかりしている。ヨーロッパでも名を馳せたビラスポアスが、このチームの監督なのだ。去年からこのチームを見て来た僕としては、広州恒大以上に今期ACL優勝候補の筆頭にあげたい。

 そしてこの相手が、日本一の攻撃力を誇る浦和だから、今夜のゲームが楽しみなのだ。前回第1戦目は2対3で浦和が敗れただけに、余計楽しみが増す。浦和としても、昨年末のこの戦いの頂点、世界クラブ・チャンピオンズリーグ決勝に、アジア勢で始めて出ることができた鹿島が、スペインはレアルマドリッド相手に素晴らしい戦いを演じただけに、燃えない訳がない。浦和が苦手な守備も、鹿島を見ているからきっちりと修正してくるだろうし。浦和としても、このチームにきっちりと勝てば優勝も見えて来ると考えているはずである。

 日テレニュース24と日テレ・ジータスで放映することになっている。 
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改めて「アメリカ没落」いろんな数字   文科系

2017年04月10日 10時29分23秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 はじめに

 シリア急襲のような「一見強気なこと」が起こると、僕はいつも標記の世界現状認識に立ち戻ることにしている。7日エントリーの「ヤクザ国家論」にも書いた2碩学による世界情勢認識を、お二人が示した多くの数字などで補強、解説してみたい。

【 『アメリカは、その経済力の名残がその強大な軍事力として残っている内に、中国を冷戦に引きずり込もうと決意したのだろうか。あわよくば、ソ連を潰したように・・・』
 この予想内容は、最近ここで紹介した2冊の本の2人の著者なら、同意するだろうとも考えこんでいたものだ。
『詳しく論じる余地はなかったが、3、40年も経てば、西太平洋における覇権国家は中国になっているだろう』
 こう語ったのは、「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」における伝統的政治経済学者ロナルド・ドーア。
「アメリカ帝国の終焉」で進藤榮一は、新自由主義の罠、軍事化の罠、ナショナリズムの罠の三つを上げて、こう語っていた。
『それら三様の方策を進めれば進めるほど、成長が鈍化し、社会が衰えて分断され、衰退を強めざるをえない。トランプのアメリカがそれを象徴する』 】

1 アメリカの累積赤字 

 何よりも先ず、アメリカの累積赤字。アメリカの会計検査院の元院長デイブ・ウォーカーは2015年に、政府の未払い金などを含めると65兆ドル近くになると公表した。リーマンショックで雲霧消散した政府積立金なども含むのだろうが、政府公式発表は18兆ドルだから3倍を優に超え、これが自動的に増えていく金額だとも。何故こんなことになったのかは、日本と同じはずだ。
 まず「景気さえ良くできれば・・・」として赤字予算を組み続けた。冷戦が終わっても米軍事費は倍増して、年間60兆円。というような借金財政下で、マイナス金利なども日本よりずっと早くから始めてきた。金融グローバリゼーションで外貨を稼ぐ必要から、1%金持ち層への課税をどんどん下げてきた。同じ理由から、ケイマンやパナマ(を使った脱税体制)も見逃してきた。
 その分大衆課税を強めたし、以下のこともあるから一般消費は沈滞しただけである。ロナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済」の要約である。

2 アメリカ中の金が金融へ

【こうして、こういうギャンブル市場がどんどん膨張していった。政府も国際競争力強化と銘打って証券文化を大いに奨励した事も預かって。各国年金基金の自由参入、確定拠出年金・・・。これらにともなって、機関投資家の上場企業株式所有シェアがどんどん増えていく。1960年アメリカで12%であったこのシェアが、90年には45%、05年61%と。そして、彼らの発言力、利益こそ企業の全てとなっていった。
「経営者資本主義から投資家資本主義へ」
そういう、大転換が英米圏で起こり、日本はこれを後追いしてきたと語られる。
 この大転換の目に見えた中身は語るまでもないだろう。企業から「金融市場への支払い」が、その「利益+減価償却」費用とされたキャッシュ・フロー全体に占める割合の急増。アメリカを例に取ると、1960年代前半がこの平均20%、70年代は30%、1984年以降は特に加速して1990年には75%に至ったとあった。
 彼らの忠実な番犬になりえた社長は彼らの「仲間」として莫大なボーナスをもらうが、「企業の社会的責任。特に従業員とその家族、地域への・・」などという考えの持ち主は、遺物になったのである。
「証券文化」という表現には、以上全てが含意されてあるということだ。企業文化、社長論・労働者論、その「社会的責任」論、「地域貢献」論、「政治家とは」、「政府とは・・?」 「教育、大学とは、学者とは・・?」、そして、マスコミの風潮・・・。】

3 世界貿易、米日の衰退

 進藤榮一が上げる米国経済衰退の数字も見ておこう。主としてIMF等国連関連機関発表の資料である。
・2014年のIMF報告によるGDP比較。「新興G7」のGDPは37兆8000億ドル、いわゆるG7のそれ(34兆5000億ドル)を追い越したと言う。前者は、BRICs4国に、トルコ、メキシコ、インドネシアを加えたものだ。ちなみに後者は、米日独英仏伊加である。

・2015年の世界貿易シェアは、EU5兆3968億ドル、東アジア4兆8250億ドル、北米2兆2934億ドルである。

・世界からの直接投資受入額で言えば2013年既に、中国・アセアンの受入額だけで2493・5億ドル。EUの受入額2462・1億ドルを上回っている。北米は問題にならない。

・中国への各国直接投資額が、2011年から2015年にかけてこう換わったと指摘される。増えたのが、韓国、フランス、ドイツ、EU4か国などからの投資額で、それぞれ58・0%、58・4%、38・0%、24・4%の増加。減ったのがアメリカ(11・8%減)と、日本に至っては49・9%減なのである。これは、中国、アセアンが世界最大の工場兼市場になったことの現れなのだ。日米がマイナス金利なのに東南アジア諸国の利子率が高いから、世界の金が集まるとも言える。

・「東アジア主要産業の対世界輸出における各国シェア」という資料もあった。電気機械、一般機械、輸送機械三区分の世界輸出シェアで、1980年、2000年、2014年との推移資料でもある。三つの部門それぞれの、1980年分と2014年分との比較で、日中のシェアを見てみよう。電気は、日本69・7%から11・1%へ、中国は、0・7%から42・8%へ。同じく一般機械では、日本88・6から19・1と、中国1・5から51・7。輸送機械は日本が最も健闘している部分でそれでも、97・4から44・8、中国0・2から18・5。

4 結論

 こうして結論。米英日の物作りは、過去の自動車のような画期的新商品の開発など余程のことができない限り終わった。物作りを金融の食い物にすることによって、失業者、不安定労働者を自他国に溢れさせ、世界の内需を荒らしてきただけだから。その分を国際金融収支で取り返す戦略を採ってきた訳だが、リーマンショックによって金融の世界的信用は既に地に落ちている。先に見たように日米の対中国直接投資が著しく減っているというのは、会社乗っ取りやデリバティブ、アジア通貨危機など過去世界でやって来た遣り口が嫌われているのだろう。折角東アジアには利子率の高い世界があるのに。
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シリア、田中宇の情勢論  文科系

2017年04月09日 09時54分55秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 本日付の標記の議論を抜粋する。対してすぐに名無し君がやってきたようなこういう批判が出うるだろうから、あらかじめ牽制しておく。
「田中はダメだ」と論者を貶めて文章全体を批判できたと済ますようなことは無意味であるから、論議内容自身に触れること。「日本のマスコミは全部ダメだから」と語ってあるマスコミの「実証関係」議論を正当に否定できたような気になるのと同じ論法である。
 元共同通信記者で、国際ニュースを今でも集めるのを仕事としている人物であって、こんな経歴もある。『マイクロソフト社に誘われMSN事業部へ。MSNニュースの配信業務に従事、コラムサイト『MSNジャーナル』を立ち上げた』と。


『 トランプは4月4日以来「化学兵器で子どもたちを殺したアサドが許せない。武力で転覆してやる」と息巻いている。だが実のところ、米軍がアサドを殺すことは不可能だ。アサドは、ロシア軍に守られている。米軍は今回、ミサイル発射前にロシアに通告し、ロシアは防御や対抗手段をとらずミサイル攻撃を批判しつつも看過した。だが、次に米国がシリア軍の施設をミサイル攻撃するなら、ロシアはもっと強い態度に出て、防御や対抗手段をとる。米軍機が勝手にシリア領空に入ってきたら、露軍が迎撃するかもしれない。米露の戦闘は、一歩間違うと人類破滅の核戦争になる。米軍の上層部は、ロシアを敵視するだけで、ロシアと戦争する気がない。シリア上空はロシア軍が抑えている。米軍は、そこに入って行かない。トランプはアサドを倒せない。
(中略)
 露政府によると、アルカイダは、村に貯蔵した化学兵器(塩素系?)を、イラクのモスルなどで戦うISに売っていた。同様の化学兵器は昨秋、アルカイダが占領するアレッポでも使われ、シリア政府軍に濡れ衣が着せられた。またアルカイダは2013年にも、シリア南部で化学兵器(サリン?)を散布して住民を殺し、米マスコミなどがそれをシリア政府軍の犯行だと喧伝していた。アルカイダに化学兵器の原料や製造技能を与えたのは、米国とトルコの諜報機関だ。13年に濡れ衣をかけられたシリア政府はその後、国連決議を受けて化学兵器を全廃し、その後も国際的に監視されている。廃棄を手掛けたのは米軍だ。シリア軍は化学兵器を持っていない。
(中略)
 ネオコンやネオリベラルといった政治側の人々は、無責任に無茶苦茶な戦争をやりたがるが、軍人は、失敗するとわかっている戦争をやりたがらない。だからトランプは、NSC議長や国防長官といった地位に、マクマスターやマチスといった軍人を就かせている。戦争できない、どうしよう、と騒いでいるうちに、4月4日の化学兵器事件の真相が国連などの調査で暴露されていき、アサド政権は悪くないという話になる。ロシアと戦争したくない軍人たちが、アサド政権を濡れ衣から救う可能性が、すでに指摘されている。おそらくマスゴミは従来の濡れ衣戦争と同様、この真相をほとんど報じないだろう(マスゴミは全部つぶれた方が良いと言ったバノンは正しい)。しかし、外交官や軍人といった関係者たちは、濡れ衣を認めざるを得なくなる。米国の信用が低下し、トランプが正攻法でやった場合と似た結果になる。』


 田中氏は、トランプ政権内部に早くも分裂が起こっていると指摘している。従来の最高側近バノンが一歩退いて、娘婿のクシュナーや軍人が表に出てきたと。トランプ政権の最近のいくつかの急変はここから起こっていると指摘している。何の準備もなく大統領になっただけのトランプがそれだけ、アメリカ政治力学の現実を学び始めたということなのだろう。


 昨日まで1週間の累計アクセス数は、1、451。これは、昨年12月11~17日の1、749以来のものでした。悲しい出来事が起こると人は社会を見つめ、学ぼうとしだす。喜んで良いのか、悲しむべきなのか。このブログの場合、多分両方必要なのだと、そう思うことにした。
コメント (9)
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琉球新報より  らくせき

2017年04月08日 15時18分24秒 | Weblog
外国軍の基地運用に関し、地元の意向の反映と国内法の適用は、主権国家として当然の権利だ。

 翁長県政は、米軍の運用や米軍関係者の身分を定めた日米地位協定に関し、2000年の稲嶺恵一県政による11項目の改定要求に新たな要求内容を加えた独自の改定案の素案をまとめた。
 第一に、米軍機墜落などを想定し、基地外で起きた事件・事故で米軍の財産でも日本側が捜査、差し押さえできることや、事故現場を日本側が統制する仕組みを求める。04年の沖縄国際大ヘリ墜落や、昨年の名護市安部のオスプレイ墜落の際、米軍が基地外で規制線を張り、日本側当局の捜査を拒んだことを受けて盛り込んだ。
 イタリア国内の全米軍基地は、イタリア軍司令官の下に置かれている。米軍機事故の検証もイタリア側が主導権を持つ。これが主権国家としてあるべき姿である。米国を上位に置く日本はイタリアを見習うべきだ。主権侵害を許してはならない。
 第二に、基地内でも用途の変更や埋め立て、大規模な工作物新設などの計画があれば、関係自治体と協議し、その意向を尊重することも新たに求める。
 県知事選、名護市長選、国政選挙で繰り返し名護市辺野古の新基地反対の民意が示されているにもかかわらず、新基地建設が進められていることなどを踏まえた要求である。
 第三に、返還跡地から汚染物質が出て、跡地利用が滞る事例が相次いだことから、米軍が基地の使用履歴を日本側に提供することも要求する。
 米専門家によると、日米地位協定は環境に対する認識が薄かった1960年に結ばれた。米国では基地内の環境汚染が確認されると、政府、州政府、地方自治体の環境担当者と軍の4者でつくる四者協議会が浄化作業の内容について協議する。原状回復が十分と判断できるまで相互で厳しく監視し徹底させる。米国内の基準に合わせた改定要求は妥当である。
 ドイツの米軍基地に適用するボン補足協定は、米軍の原状回復義務を明記している。ドイツで認められているのに、日本で認められないはずはない。
 日本政府は、自国民を守るため主権を行使して県の地位協定改定要求を実現すべきだ。
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「化学兵器」も、「ポスト真実」?   文科系

2017年04月08日 08時28分51秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
「シリア化学兵器」、記事をよく読むと、こんなことに気付く。

 シリアへのミサイル攻撃の原因になった今回の「化学兵器使用」問題の新聞をよく読むと、こんなことが分かった。今朝の中日新聞全ての記事を対象とした。ポスト真実とか言ってテレビなどで「印象操作」が多すぎる現在、要注意点だと思う。

①今回「使用された」のが、化学兵器かどうかもまだ確定していない。これを化学兵器と断定した管官房長官に記者団から質問が出たほどである。サリンとか、塩素ガスとか伝えられているが、その内容さえ確定していない。

②ましてや、これを使ったのがシリア政府軍だとは、管官房長官さえ断定できていなくって、「国連調査を待つ」と語るだけだった。ただし、トランプはシリアがやったと断定している。断定しなければ、今回の爆撃はできなかったはずだ。こういう点からも、国連という機関が凄く大事なものだと分かるのである。

③前回13年のこの同じ問題発生の時でも「シリアがやった」との国連発表はできなかった。アメリカ大統領オバマが、ネオコンの挑発、指弾を跳ね退けて軍事行動に出なかったのも、これが理由だったのだろう。この時のオバマは「弱腰過ぎる」と猛烈に批判された。この時の「弱腰」を、今のトランプもそう語ってきた。

④独仏首脳は、アサド政権を今回も批判はしているが、アメリカの攻撃を支持はしていない。
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