戦争を始める国は、常に「その正当な理由」を内外に大音声する。本当の利己的な理由を隠すためにそうするのだろう。「大量破壊兵器から周囲の国を救うために」とマスコミも国民も熱狂して始まったのが、イラク戦争。結局、大量破壊兵器はなかった、つまりこれは嘘であった。
太平洋戦争では「大東亜共栄圏」が、直前に捻り出されたその大義名分であった。なのに今更、この嘘の理由を復活させるような議論がまたぞろ数々蒸し返されている。
「大東亜共栄圏は日本の本心だった。現に、アジアの戦後に、植民地解放がどんどん進んだではないか」
「ぼろぼろの日本がなぜ降伏しなかったか」
「大戦で得したのはどこか」
「太平洋戦争についてハルノートは重要。なぜ国民がこれを知らないのか」
「太平洋戦争開戦で、英米はなぜ狂喜したか」
これら全て、第二次世界大戦の本質的性格に関わっては、くだらない問題設定ばかりである。戦争の歴史的・人間的本質と結果の評価とは無関係なものばかり。その証拠は・・・
①なによりも、国際法を無視して戦争を始めたのは日本とドイツだ。国連に断罪されてここを脱退した事件・満州事変や、その後の中国南下侵略と、ポーランド侵入、侵略などのことである。
②33年には両国とも国連を脱退している。国連法無視を宣言した無法者国家になったということだ。その上で、①をやっているのである。①と②が重なった無法国家が、今更何を言うのかという問題だ。
③アメリカが参戦するまで、ドイツはロシア以外の大陸西欧諸国を征服して、イギリスへの空爆も始まっていた。つまり、アメリカ参戦がなければ民主主義国が征服されて、全体主義世界になっていたはずだ。こうなれば、その後アメリカも征服されていたというのは、間違いない。こうして、アメリカが参戦したのは、自らを守るためでもあった。
④③が実現していたら、ユダヤ人、身障者などは(密かに)皆殺し、アジア人は皆「日本国天皇の臣民」である。こんな世の中を、世界の普通の人の誰が望んだか?
以上があの大戦の本質的なことであって、こういう歴史の諸事実に比べれば一番上に書いたような右の方々の大戦への問題設定がどれだけくだらないものかと分かるのである。争点そらしというか、誤魔化しというか、とにかく、何とかひねり出した自己正当化、屁理屈。いや、それにさえ届いていない論議である。
戦前から人も替わり、記憶も薄れた今になって、こんな恥ずかしい嘘の羅列をよくできるものだ。もっとましな、例えば世界全体を遡った、政経全てをもっと広く見た正当化論ならあり得るかもしれないが、そういった論議は聞いたことがない。小手先の思いつき的思考、弁護論ばかりである。
太平洋戦争では「大東亜共栄圏」が、直前に捻り出されたその大義名分であった。なのに今更、この嘘の理由を復活させるような議論がまたぞろ数々蒸し返されている。
「大東亜共栄圏は日本の本心だった。現に、アジアの戦後に、植民地解放がどんどん進んだではないか」
「ぼろぼろの日本がなぜ降伏しなかったか」
「大戦で得したのはどこか」
「太平洋戦争についてハルノートは重要。なぜ国民がこれを知らないのか」
「太平洋戦争開戦で、英米はなぜ狂喜したか」
これら全て、第二次世界大戦の本質的性格に関わっては、くだらない問題設定ばかりである。戦争の歴史的・人間的本質と結果の評価とは無関係なものばかり。その証拠は・・・
①なによりも、国際法を無視して戦争を始めたのは日本とドイツだ。国連に断罪されてここを脱退した事件・満州事変や、その後の中国南下侵略と、ポーランド侵入、侵略などのことである。
②33年には両国とも国連を脱退している。国連法無視を宣言した無法者国家になったということだ。その上で、①をやっているのである。①と②が重なった無法国家が、今更何を言うのかという問題だ。
③アメリカが参戦するまで、ドイツはロシア以外の大陸西欧諸国を征服して、イギリスへの空爆も始まっていた。つまり、アメリカ参戦がなければ民主主義国が征服されて、全体主義世界になっていたはずだ。こうなれば、その後アメリカも征服されていたというのは、間違いない。こうして、アメリカが参戦したのは、自らを守るためでもあった。
④③が実現していたら、ユダヤ人、身障者などは(密かに)皆殺し、アジア人は皆「日本国天皇の臣民」である。こんな世の中を、世界の普通の人の誰が望んだか?
以上があの大戦の本質的なことであって、こういう歴史の諸事実に比べれば一番上に書いたような右の方々の大戦への問題設定がどれだけくだらないものかと分かるのである。争点そらしというか、誤魔化しというか、とにかく、何とかひねり出した自己正当化、屁理屈。いや、それにさえ届いていない論議である。
戦前から人も替わり、記憶も薄れた今になって、こんな恥ずかしい嘘の羅列をよくできるものだ。もっとましな、例えば世界全体を遡った、政経全てをもっと広く見た正当化論ならあり得るかもしれないが、そういった論議は聞いたことがない。小手先の思いつき的思考、弁護論ばかりである。