九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

イラク国会決議に、トランプが恫喝 文科系

2020年01月16日 15時49分26秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 イラクはもはや、アメリカの植民地である。そして、その植民地政策の残忍さは目を覆うようなものと、日本人も世界も知るべきである。そのことが、イラン司令官ガセム・スレイマニ殺害事件と、その後のイラク国会とアメリカとのやりとりとによって、世界に対してこのように、白日の下にさらされたのである。

 スレイマニ殺害に対してイラク国会が「外国軍はイラクから出て行け!」と決議したのは、当然のことだ。自国のバクダッド空港で国賓とも言える人物を堂々と殺したのだから。ちなみに、外国高官殺害は国際法では戦争行為に当たるし、ましてやイスラム教シーア派が中心のイラク国会では同じシーア派のスレイマニは宗教上の同志でもある。正義の自営戦争にさえ繋がるこんな重大な国際法違反・戦争行為などをスレイマニ自身も夢にも思わなかったからこそ、死体もそれと分からぬほどに粉々に打ち砕かれてしまった!

 さて、このイラク国会「外国軍撤去決議」に対して、アメリカはどう応えたか。米英以外の外国軍は撤去し始めたのに、居残ると声明しただけではなく、トランプは、「高価な米軍基地があるのだから出て行くわけがない」と返した上に、こう言ってのけたのである。
「我々は彼らが今まで決して見たことがないような、(イラク)制裁を課すつもりだ。イラン制裁さえ、おだやかに見えるだろう」
「もし敵意があり、彼らが何であれ我々が不適当と見なすことをすれば」

 イラクはもはや、アメリカの奴隷国である。そしてこのことを、「トランプだからできたこと」と捉えてはならないと急いで言い添えたい。今のアメリカの世界戦略がそれほどに他国を無視してはばからないものになっているということだ。21世紀に現れた新たな帝国主義国。こんな国の「自由と民主主義」という叫びって、一体どんな意味があるのか? ということをこそ今、日本も世界も知るべきである。

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 随筆 「回 春」  文科系

2020年01月16日 11時24分51秒 | 文芸作品

(2013年春に同人誌に載せた作品です)

 メーターはおおむね時速三〇キロ、心拍数一四〇。が、脚も胸もまったく疲れを感じない。他の自転車などを抜くたびにベルを鳴らして速度を上げる。名古屋市北西端にある大きな緑地公園に乗り込んで、森の中の二・五キロ周回コースを回っているところだ。たしか六度目の今日は最後の五周目に入ったのだが、抜かれたことなど一度もない。ただそれはご自慢のロードレーサーの性能によるところ。なんせ乗り手の僕は七二才。三年前に二回の心臓カテーテル手術をやって、去年の晩夏に本格的な「現状復帰」を始めたばかりの身なのである。一昨年の二月には、こんなどん底も味わっている。日記を抜粋してみよう。

『突然のことだが、「ランナー断念」ということになった。二月初旬までは少しずつ運動量を伸ばし、時には一キロほど走ったりして、きわめて順調に来ていたが、突然こんなことが起こったのである。十六日水曜日夕刻、いつもの階段登りをやり始めて十往復ぐらいで、不整脈が突発。それもきちんと脈を取ってみると、最悪の慢性心房細動である。ここまで順調にやれて来て、十一日にも階段百十往復を何の異常もなくやったばかりだったから、全く寝耳に水の出来事。青天の霹靂、気分は暗澹。
 翌日、何の改善もないから掛り付け医に行く。「(カテーテル手術をした)大病院の救急病棟に予約を取ったから、即刻行ってください」とのこと。そこではちょっと診察してこんな宣告。「全身麻酔で、AEDをやります」。このAEDで、完全正常にな戻った。もの凄く嬉しかった。前日の「青天の霹靂」、「暗澹」の一日後のことだったから。なのに二五日金曜日、掛り付け医に行き、合意の上で決められたことがこれだったのである。
・年齢並みの心拍数に落とす。最高百二十まで。
・心房細動が起こったら、以前の血液溶融剤を常用の上、AEDか再手術か。
 さて、最高心拍数がこれなら、もう走れない。速度にもよるが百五十は行っていたからである。僕も七十歳。走るのを断念して、細く長く生きる道を選ぶしか無くなったと覚悟した。走るのをほぼやめていて体質がどんどん変化していると感じるが、それも仕方あるまい。ランナーとして年貢の納め時なのである。』

 さて、そんな境地でも未練ったらしい足掻きは続けていた。ゆっくりの階段往復、ロードレーサー、散歩、その途中でちょっと走ってみる。すべて、身につけた心拍計と相談しながらのことだ。そして、心拍数を少しずつ上げてみる。初めはおっかなびっくりで、異常なしを確認しては次第に上げていく。気づいてみたらこんな生活が一年半。一四〇ほどなら何ともないと分かってきた。すべてかかりつけ医に報告しての行動である。そして、去年の九月からはとうとう、昔通りに市立のスポーツジムに通い出した。高齢者は一回六十円で済むが、駐車場代が三百円だから自転車で行く。そして今では、三十分を平均時速九キロで走れるようになった。心拍は百五十以内を目標としているが、気づいてみると時に昔通り百六十になってしまう。それでも何ともないのだ。おかげで平常数も六十と下がり、血流と酸素吸収力が関係するすべてが順調。ギターのハードな練習。ワインにもまた強くなった。ブログで五時間ほども目を酷使しても疲れを感じないし、その他いろいろ文字通り回春である。先日は、十五年前に大奮発したレーサーの専用靴を履きつぶしてしまった。その靴とパンツを買い直したのだが、こんな幸せな買い物はちょっと覚えがない。今度の靴は履き潰せないだろうが、さていつまで履けるだろうか。
 人間、どんなになってもけっこう鍛えることができるものだ。病気に対して、医者の言うままに守るだけではなく、攻める姿勢も時には必要ということだろう。

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南京虐殺の経過と史実

2020年01月15日 11時08分50秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 右の方々の訪問が増えている折、2015年に所属同人誌に載せた旧稿の再再掲ですが、大事なものなので何度でも。


南京虐殺の経過と史実  文科系 019年11月28日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 あんたも無知丸出しかい? 南京市民より死者が多い三十万人などというヨタ話を、ほんとに信じるの?」
 今度の相手も上から目線でこちらを頭から押さえ込んで来た。いつも同様、僕のブログの過去文章を読んでいないことも丸分かり。丁寧に反論する。

 ①虐殺直前に、日本軍がしかけた上海上陸攻防の大激戦が三か月続いた。そこの中国軍三〇万が揚子江すぐ上流の首都・南京城めがけて潰走し、日本軍がこれを我先にと追撃して出来上がったのが南京城包囲である。城の外、付近の住民も首都軍の庇護を求めて逃げ込んだし、膨大な人数に増えていて当たり前なのである。

 ②次いで、「あんな短期間にそんなにたくさん殺せる訳がない。日本軍はスーパー・サイヤ人か?」とのご批判。これには、こうお応えする。南京城壁は高さ一八メートルで分厚く、一方は揚子江。この城の限られた城門から全軍脱出が敢行されたのが一九三七年一二月一二日の夜から一三日朝にかけて。作戦は完全な失敗。揚子江を渡れた兵はごく少なく、膨大な数の捕虜はその後どうなったか。以降の日本軍中国南下作戦を考えれば、生かして放つはずがない。以降七年半の占領下早い内に、収容施設へ連れて行くように見せかけて秘密裏に殺したと考えるの普通だろう。三一年の満州事変の無法行為で国連を脱退したことを巡る国際的批判と、国内の戦意高揚とのためにも、秘密裏にということが大事だった。

 ③と、僕が返した反論には間髪を入れず、こんなご批判。「それだけ死んだら、死者名簿は? 慰霊祭は? なぜ家族の猛抗議はなかったのか? これらがいまだにないのは嘘である証拠! せいぜい二万人がイーところだな!」。まるで鬼の首でも取ったように勝ち誇って来る。これもネトウヨ本の鸚鵡返しであって、勝ち誇ったこの態度も「自信」の顕れなのである。ただし僕は、一一年ここで闘ってきた勤勉な古参兵。こんなひょろひょろ弾に倒れる訳がない。
 当時の中国政府は、戸籍がないに等しく、兵士は浮浪者が多かった。それも、あの広大な全土から集められた人々。浮浪者が多く、戸籍がないなら、どうやって名簿を創り、家族に知らせるのか。しかも、以降一二年の中国は戦乱と、さらには国共戦争と政権分裂。日本の習慣で思い付いた訳知り顔の屁理屈に過ぎない。現に、中支派遣軍事前教育教科書にこんな記述がある
『三三年に陸軍歩兵学校が頒布した「対支那軍戦闘法の研究」中の「捕虜の取扱」の項には、(中略)「支那人は戸籍法完全ならざるのみならず、特に兵員は浮浪者」が多いので、「仮にこれを殺害又は他の地方に放つも世間的に問題となること無し」と書かれていた(藤原彰『戦死した英霊たち』)』
(岩波新書「シリーズ日本近現代史全10巻」の第5巻『満州事変から日中戦争へ』加藤陽子・東京大学大学院人文社会系研究科教授、220ページ)

 ④すると今度はまた、こう返ってきた。「どんな理屈を語ろうと、死者数二万という学者の有力説もある。三〇万ははっきり嘘として、数をはっきりさせろよな!」。古参兵はこの数字弾のひょろひょろぶりもよく知っているから、こう反論するだけだ。
 確か小泉内閣の時に日中の学者が集まって虐殺数を検討する会議を持った。日本からも一〇名ほどが出たが、北岡伸一など政府系の学者らが多い日本側の結論は、二~二〇万というもの。なぜこんなに開きが出るのか。「虐殺犠牲者」の定義とか虐殺期間・地域などで一致できなかったからだ。特に虐殺に兵士を含むか否か。兵士の戦死は当たり前、虐殺の数には入らないと。が、これにも反論は容易だ。日本は中国に最後まで宣戦を布告をせず、地中あちこちから折り重なって出てきた膨大な若者人骨は捕虜を虐殺した証拠にもなる。以上から、日本の(政府系)学者らさえ二〇万人の含みを否定できなかったのである。


 さて、以下の内容がまた、以上すべてを裏付けるものである。

【 南京大虐殺、一師団長の日記から  文科系 2017年03月09日 

「教育図書出版 第一学習社」発行の「詳録新日本史資料集成 1995年改訂第8版」という高校日本史学習資料集がある。これをぱらぱらと見ていて、南京大虐殺の資料を新たに一つ発見したので、ご紹介したい。408頁に南京攻略軍指揮官の中島今朝吾(けさご)第16師団長日記というのが載っていた。そこの全文を書いてみる。 

『大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ、千、五千、一万ノ群集トナレバ之ガ武装ヲ解除スルコトスラ出来ズ、唯彼等ガゾロゾロツイテ来ルカラ安全ナルモノノ、之ガ一旦騒擾セバ始末ニ困ルノデ、部隊ヲトラックニテ増派シテ監視ト誘導ニ任ジ、十三日夕ハトラックノ大活動ヲ要シタリ。シカシナガラ戦勝直後ノコトナレバナカナカ実行ハ敏速ニハ出来ズ。カカル処置ハ当初ヨリ予想ダニセザリシ処ナレバ、参謀部ハ大多忙ヲ極メタリ。
一、後ニ至リテ知ル処ニ依リテ佐々木部隊ダケニテ処理セシモノ約一万五千、大平門ニ於ケル守備ノ一中隊長ガ処理セシモノ約一三〇〇、其仙鶴門付近ニ集結シタルモノ約七、八千人あり。ナオ続々投降シ来ル。
一、コノ七、八千人、之ヲ片付クルニハ相当大ナル壕ヲ要シ、中々見当ラズ。一案トシテ百、二百ニ分割シタル後、適当ノカ処ニ誘キテ処理スル予定ナリ。』

 高さ18メートルもある分厚い南京城壁の限られた門から一夜にして日本軍包囲網を脱出しようとした中国軍兵は、その多くが捕虜になった事が示されている。どうせ逃げられないから、捕虜になって助かろうという態度にさえ見えるのである。ところが、これを最初からの方針として、全部殺してしまった。あちこちに分けて連れて行って殺し、埋めたということなのである。そもそも冒頭のこの部分が僕がこのブログで強調してきた要注意か所と言える。

「大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ」

 最初から捕虜は殺す方針であったことが明確に述べられている。酷いもんだ。こんな資料があるのに、ネトウヨ諸君の種本論客達は、兵士虐殺を否定してきたのである。一師団長が聞いただけで彼等がよく語る「せいぜい2万人」などは、優に超えている。すべて世界に向けては、いや南京攻略兵にすら秘密の仕業であった。なんせ、上の手記にあるように師団長すら虐殺の全貌は知らないのだから。少し前にあった満州事変に対する国連非難囂々に懲りていたのだろう。また、国民の戦意高揚のためにも、敵への残虐行為は極力秘密にするものだ。実に卑怯、姑息な日本軍である。もっとも命令を出した奴らが卑怯、非道なのであるが・・・。】

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日本の右翼の方々に  文科系

2020年01月15日 10時28分20秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 紳士ハム太郎さんという「真実に対して誠実そうな右」のお方を意識して宛てた三つのコメントをまとめて再掲したい。今世界に右翼ポピュリズムが大流行りだが、それはアメリカの望む所。その世界戦略の一部でもある。各国が自国の問題に没頭してくれれば、アメリカが進めている酷すぎる世界戦略を避けて通ってくれるからだ。日本の右翼の方々も同類で、こんな特徴を持つ。
①日本をこんなに急に貧しくしたのがアメリカだと、何も論じない。国民1人当たり購買力平価GDPが31位などと、16位の台湾にとっくに追い抜かれ、32位の韓国にも抜かれようとしているのに。ちなみに、韓国はこれに懲りて、米中等距離外交に入った。
②中国を倒した将来にはさらに日本が酷いことになるなどは、全く考えたことがない。現状維持が続くとナイーブにも考えているのだ。こんなことができるのは、以下のアメリカ世界戦略が全く見えないからである
③嘘の理由でイラク戦争をやったとか、今イランに凶暴な無理策を押し通しているとか、そういうアメリカの焦りは、ここから来ている。物作りがダメになって金融バブルと石油だけ、貿易は大赤字のアメリカが、中国の貿易黒字・やがては金融帝国を看過できないこと。今でさえ、日中の資金が引き揚げられたら、アメリカの経済、GAFAバブルでさえ、お陀仏である。
④イラン、ベネズエラで米が転覆工作に励んでいるのは、中国のエネルギー仲間であり、併せて米石油独占価格世界体制を崩す国だからだ。ベネズエラとイランは、原油埋蔵量1位と4位の国である。


【思考の洗い直しを・・・ (文科系) 2020-01-13 18:22:30
 思考の構図全体の洗い直しを勧めます。話の全てが「・・・だそうです」とか、「・・・・のようです」ばかりで構成されているから。そしてまた、思考の全体像を構成しているいろんな「事実命題」に信憑性のない部分が多すぎるとも感じました。

 これらの韓国政治構図全体を構成している貴方の一つ一つの重要命題を、もう一度吟味し直してみる事を勧めます。日本の一部に流れているだけの、世界には全く通用しないが世界中にはやっている愛国ポピュリズムの一つと感じますね。
 こういう愛国ポピュリズムこそ、アメリカが今世界に勧めているもの。愛国ポピュリズムが実は、自国のことにかまけてアメリカの世界蹂躙を見えなくしてくれるからです。

 日本にとっては韓国のことなど今はさして重要ではありません。アメリカが進めつつある世界・日本政策は、日本国民の生死に関わるようなことです。愚か過ぎる安倍でさえそろそろ気付き始めたようですが、安倍の政治生命ももう、アメリカによって絶たれるでしょう。次が、真の対米日本派内閣ができるかどうかを注視しています。】

【日本の運命をこそ論じよう (文科系) 2020-01-14 06:17:19
 今の日本が置かれた状況では、日韓問題など小さすぎる事。愛国を唱えているつもりの人々が日本核心の問題を論じないから、国民が知らぬうちに米の植民地にズブズブとはまってきたことをこそ、反省して、論じるべきでしょう。愛知県の二つの金持ち大学でも百億近い金をリーマンで奪われたとは、有名な話。
 韓国は既に「米中等距離外交」に堂々と入って行きました。日本もそうしないと、世界31位にまで落ちた国民1人当たり購買力平価GDPは、国民生活の極限まで、もっともっと下がっていきますよ。大量緩和の出口問題が五輪の後に大口開けて控えています。
 日本31位に対して、韓国は32位、台湾が16位だったかな。台湾が今のままなら、せっかく中国との貿易で16位まで上がった国民生活を、やがてはアメリカに根こそぎ奪われるでしょうね。台湾国民は全く世界が見えていないのです。

 もう一度言います。僕は韓国問題など論じている暇はありません。】


【  世界アメリカ帝国 (文科系) 2020-01-12 19:08:49
 最近のアメリカの動きから、標記の「世界アメリカ帝国」の野望が誰の目にも見えてきたと思う。
・イラク国会決議で、米英以外の軍隊はイラクから出て行くのに、アメリカはなぜ「あくまでも出ろというなら、この国を潰す」とトランプが息巻いているか。
・アメリカが潰すのに失敗したシリア政府からも、出ろと言われているのに、出ていかない。
・こうしてアメリカは、中東各国に56000人もの米軍を置いている。なぜか?
・これ全て、イランを潰す戦争の準備なのだと考えれば、理解できること。大統領になってすぐにトランプが「イラン核合意」から抜けたのはこのためであった。
・イラクとベネズエラを潰せば、ロシアの封鎖。すると、中国のエネルギー源を抑えたことになって、米中冷戦に勝利できる。

 以上が、今や米帝国主義の世界制覇の野望なのである。これが実現したら、黄色人種の日本など鼻であしらわれることになる。ここまで中東の人間を150万も平気で殺してきてなお殺そうとしているように。
 だが、核を持った中ロが連携している以上、そしてロシアが石油を持っている以上、これがアメリカ帝国の上記野望の最大の壁になるだろう。

 こうして、今アメリカがやっていることはおそらく、ヒトラーのポーランド侵入電撃作戦以上の酷いことである。野蛮でかつ露骨な、帝国主義的軍事侵略。】

 今回の最後に、アメリカにとってトランプ政治が「例外ではなく、普通のこと」について一言。彼を当選させたのはキリスト教・プロテスタント・福音派。アメリカ国民の四分の一を占める保守本流である。それも「2、3の激戦州で勝ったから当選したに過ぎず、総数ではヒラリーに負けていた」大統領。こんなことぐらい、今のアメリカ支配者らには容易にできることなのだろう。

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森保は退任すべきだ   文科系

2020年01月14日 07時17分52秒 | スポーツ

 森保ではダメだと、ここで何度も書いてきた。昨年11月の18、20日のここに書いたコロンビア戦とベネズエラ戦との戦評では、「森保解任も視野に入れるべき理由」と書き、12月19日の日韓戦には「闘えていない」と書いて、「これは監督の組織作りの問題である」とも批判してきたところだ。中東勢にできている中盤でボールを組織的に奪い合うという最先端の闘いがさっぱりできていないのである。森保のサッカー観が古い繋ぎのサッカーとしか思えないのである。繋ぎのサッカーは現世界最先端の戦術からしたら古すぎるものだとは、スペインの弱化、名古屋・風間の失墜などから明らかである。チーム組織で意思一致したときにはいつでもボールを奪えるという自信があってこそ、繋ぎにこだわらず大胆な攻撃もできるというもの。それがクロップが世界を引っ張りあげた世界水準の戦い方である。

 ちなみにU23や日本の若手が弱いかと言えば、全くそんなことはないのである。去年のU22トゥーロン国際大会準優勝を見れば分かることだ。個人技に勝る決勝相手ブラジルとも、その組織力でもって互角に闘っていたからこその、1対1、PK戦敗退。あのときの「組織」は一体どこへ行ってしまったのか。あのときの監督の方が森保よりも遙かに良いと言うことだ。


 森保は、すぐに辞めるべきだ。自分から言い出さないなら、協会が首に縄をつけるべきだ。去年のトゥーロン国際大会の監督が秀でていただけに、そう感じてならないのである。

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米の『「民主化革命」という侵略』③アルゼンチンの場合   文科系

2020年01月14日 06時47分37秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 台湾で親米派候補が圧勝した。国民1人当たり購買力平価GDPが世界16位と、31位の日本よりもいつのまにか豊かになった国だ。歴史的圧勝らしいが、「香港民主化運動」の影響が非常に大きかったと、マスコミも解説している。ここで、改めて眺めてみたい旧稿がある。堤未果がずっと提唱、警鐘してきた『「民主化革命」という侵略』だ。これが、今のアメリカにおいて、昔の植民地戦争に代わるものになっているのではないか。ちなみに、堤未果だけでなく外国のマスコミからも『「香港騒乱」は、米英による戦争も同じ』との論調が出始めている。その一例が、この1月3日の拙稿『香港、もう一つの現地報告』だ。
 なお、アメリカのこの『「民主化革命」という植民地戦争』の歴史は長く、古くは1970年代のチリの政権転覆例があるが、冷戦後の中南米では特に普通のことになった。この経験からアメリカがこれを世界に普及し出したのが、「アラブの春」だったと愚考する。イラク戦争の失敗の後に、中南米の経験を世界に生かし始めたわけだ。ただ、シリアでだけはこれが失敗した。そして今、この中東でシリアとイラン、中南米のベネズエラなどが、この侵略適用国になっていると考える。なお、これら一連の世界戦略最大にして究極のターゲットが中国であるとは、ここでずっと述べてきた僕の現世界史観である。
「なんとしても中国を支配下に置かねばならない。さもないと、米金融帝国の維持さえできなくなっていく。この国が貿易黒字分でもって間もなく作っていく世界金融業によって、米唯一の強みGAFAバブルが維持できなくなっていくからだ。今でも、日中資金がアメリカから引き揚げれば、アメリカは終わりだというのに・・・。」


【 「民主化革命」という侵略③ アルゼンチン、米世界帝国から離脱   文科系
2015年10月19日 

 ここまで読んできて、こういうことがご理解いただけたろう。堤未果がこの本で警告しているのは、「ローマの平和」ならぬ「アメリカの平和」の実現。イラク、イラン問題もアラブの春も、日本などへのTPP押し付けも、全てその一環。実体経済で傾きかけた帝国が、その金融覇権(そして、食料・医療・エネルギー覇権も)で世界を統一しようとする野望の道なのだと。その終局の姿は、世界独占企業をアメリカ金融が買い占めることなのだろう。

 それでは、ここから抜け出す道、それを選択した国はないのだろうか。堤は、その道はあるとして、アルゼンチンがとった方向を解説する。2度の国家デフォルトにもかかわらず、21世紀になっていったん減った中産階級を急激に増やした国なのである。
 日本で言えば、小沢一郎、鳩山由紀夫、孫崎享らが目指そうとした道は間違いなくこれだと僕は観ている。なんとなれば、チョムスキーも述べているように今の世界には「覇権か生存か」という二つの道しかないのだから。

 では、その解説を。堤のこの本の中でこの解説をしているのは、ローラ・ガルシアという人物である。彼女は、国連婦人開発基金で堤未果が働いていたころの同僚で、アルゼンチン人。

『(2003年5月)ネストル・キルチネルが大統領に選出され、〈IMFがもたらした新自由主義の呪縛〉から抜け出ることを最優先事項とした。彼は対外債務をデフォルトし、IMFの下で民営化された企業と年金基金を再国有化し、銀行に介入した。貧困撲滅のために予算を投じ、経済再生に向けて社会的支出を倍増し、製造向けの投資を拡大することで一般の消費拡大を狙ったのだ。
 また、ネストル大統領は一連の緊急公的就職プログラムを開始し、労働人口の約半数を占める失業者への支払いを確約したのだ。さらに、軍の権限を弱め、軍事予算を削減し、基礎年金を倍増させ、税収を雇用増大プログラムや教育、社会福祉、生産的投資を通した経済成長プログラムにあてた。
 その結果、2003年末までにマイナスからプラス8%に成長したアルゼンチン経済は、2011年までに90%の成長を遂げた。貧困撲滅プログラムへの大規模な支出によって、2001年に50%だった貧困率は、2011年の時点で15%以下へと減少した』

『2007年、クリスティナ・フェルナンデス大統領(前記ネストルの妻です)は一般教書演説でこう述べている。
「海外の債権者たちは、しきりに『負債を返済するためには、IMFと協定を結ばなければだめだ』と言ってくるが、アルゼンチンはこう答える。『我が国は主権国家だ。負債はお返ししたいが、金輪際、IMFと協定を結ぶつもりはない』と」』

『同時期、南米ではアルゼンチンの後に続く国が続出した。ブラジルはIMFとの融資協定更新を拒否し、ベネズエラはIMFと世界銀行の両方からの脱退を宣言し、ニカラグアはIMFからの脱退交渉を開始した。
 ボリビアのモラレス大統領は、多国籍企業が自らの利益を守るために各国政府を提訴することの出来る世界銀行傘下の国際投資紛争解決センターからの脱退を、こんな風に発表している。「ラテンアメリカ諸国、そして私の見るところ世界中のどの国の政府も、ISFD条項における裁判に勝ったためしはない。勝のはいつも多国籍企業の方だ」』

 以上は、180~183ページからの抜粋であるが、別の所にはこんな記述もあった。
『1990年代のアジア危機で、IMF介入を受け入れた韓国、インドネシア、タイといった国々は、金融機関をはじめ国内の主要セクターが民営化され、総数2400万人の失業者とともに2000万人が貧困層に転落したからだ。同地域から中産階級を消滅させたのは、危機そのものではなく、IMFによる介入だった。
 韓国では企業による大量解雇を禁じる「労働者保護法」がIMFに撤廃させられ、国民の6割以上いた中産階級がわずか3年で4割以下に激減した』(171ページ)

 アジア通貨危機は、空売りによって累積貿易黒字などを日米が強引に収奪した事件として知られているが、それに加えてさらにIMFによる「緊縮財政プログラム」で借金返済を巻き上げやすくして結果的にもっと疲弊させると、そんな仕組が見えてくるのである。今では、同じ事が話題になったギリシャによって、既に世界お馴染みになっているやり方である。金融競争で敗者を作って借金漬けにした上に国家の社会資本まで奪うと、こんな事を世界あちこちで繰り返せば結局世界の購買力は落ちていく一方であろう。今の世界主流戦略の一体どこに、人類の未来があるかと思う。

 さてそれにしても、ここで僕としては、アルゼンチンなどの上記巻き返し経過とその現在とを詳しく調べてみようという宿題が新たに生まれたわけだ。
 
(終わり)】

 

 この記事を今読むと、その後の中南米激変に驚く。アメリカの「民主革命という植民地戦争」のなすがままのようにも。このアルゼンチンでもその後二転三転があったし、ボリビアのモラレスはアメリカ主導クーデターにあって、国を追い出され、現在は70年代のチリのように旧政権派の虐殺が続いているはずだ。ベネズエラは相変わらず、イランと並ぶアメリカ当面の政権打倒目標であり続けている。

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米の『「民主化革命」という侵略』②リビアの場合   文科系

2020年01月13日 13時11分12秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 台湾で親米派候補が圧勝した。歴史的圧勝らしい。「香港民主化運動」の影響が非常に大きかったと、マスコミも解説している。ここで、改めて眺めてみたい旧稿がある。堤未果がずっと提唱、警鐘してきた『「民主化革命」という侵略』だ。これが、今のアメリカにおいて、昔の侵略戦争に代わるものになっているのではないか。ちなみに、堤未果だけでなく外国のマスコミからも『「香港騒乱」は、米英による戦争も同じ』との論調が出始めている。その一例が、この1月3日の拙稿『香港、もう一つの現地報告』だ。
 なお、アメリカのこの『「民主化革命」という侵略』の歴史は長く、古くは1970年代のチリの政権転覆例があるが、冷戦後の中南米では特に普通のことになった。この経験からアメリカがこれを世界に普及し出したのが、「アラブの春」だったと愚考する。イラク戦争の失敗の後に、中南米の経験を世界に生かし始めたわけだ。ただ、シリアでだけはこれが失敗した。そして今、この中東でシリアとイラン、中南米のベネズエラなどが、この侵略適用国になっていると考える。
  なお、この戦略の最大ターゲットが中国であるとは、ここでずっと述べてきた僕の現世界史観である。
「なんとしても中国を支配下に置かねばならない。さもないと、米金融帝国の維持さえできなくなっていく。この国が貿易黒字分でもって間もなく作っていく世界金融業によって、米唯一の強みGAFAバブルが維持できなくなっていくからだ。今でも、日中資金がアメリカから引き揚げれば、アメリカは終わりだというのに・・・。」


【 「民主化革命」という侵略② リビアの場合  文科系 2015年10月18日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)

 前回15日の①に引き続いて、堤未果著『政府は必ず嘘をつくーアメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること』の内容紹介です。

1 「アラブの春」、孫崎享(うける)の解説

 アメリカウオッチャー堤未果のこの著作「政府は必ず嘘をつく」にも、元外務省国際情報局長・孫崎享の分析、談話が出てくるから面白い。彼による「アラブの春」の解説はこんなふうだ。

『元外務官僚で「日米同盟の正体」の著者でもある孫崎享氏は、〈アラブの春〉の背後にいたアメリカの存在についてこう語る。
「日本の報道を見ているだけでは決してわかりませんが、市民運動という形で他国の政権を転覆させる手法は、すでに米国の外交政策のひとつとして過去何度も使われています。今回は、それにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)という新技術が加わったから目立ったに過ぎません」
 今回〈アラブの春〉を成功に導いたと言われる、世界最大のSNSである「フェイスブック」は、アメリカの企業だ。孫崎氏はまた、アメリカが事前にアラブの若者を招き、フェイスブックやツイッターなどのSNSの技術指導をした事実にも言及する。
「ロシアの反プーチンデモも、米国が関与している可能性が高いでしょう」』(109ページ)

2 リビア、カダフィ殺害の場合

『2011年10月、リビアのカダフィ大佐が殺害されたニュースを聞いた時、何とも言えない違和感を覚えた。同年5月に報道された、米国特殊部隊によるウサマ・ビンラディン殺害と重なったからだ。両方ともハーグ国際刑事裁判所で裁かれる代わりに、拘束直後に殺害され、真相は闇に葬られている。
NATO軍は3月に「カダフィ大佐の反政府軍に対する容赦なき弾圧から人民を救うために、あらゆる措置を容認する」という国連安保理決議を受け、以来2万回以上の出撃と8000回近い爆撃を行った。これはどう考えても、不自然な決定だった。国際社会は強権的な政権であっても、自治国家に軍事介入することを許していない。中国やロシアやブラジルはNATOの「無差別攻撃」は安保理決議の枠を越えていると批判したが、爆撃はそのまま続けられた』

『大家族の食料費は固定相場、全てのローンは無利子でガソリンは格安。農業を始めたい国民には土地、家、家畜、種子まで全て国が無料で支給、薬剤師になりたい場合も必要経費は無料だ。42年前、カダフィが権力の座につく前に10%以下だった識字率は、今は90%を越えている。これらの政策を可能にしていたのは、アフリカ最大の埋蔵量を誇る石油資源だった』

『リビアは144トンもの金を保有していました。カダフィはその金を原資に、ドルやユーロに対抗するアフリカとアラブの統一通貨・ディナの発行を計画していたのです。そこにIMFや世界銀行の介入から自由になる〈アフリカ通貨基金〉と〈アフリカ中央銀行〉の創設も含まれていました。
 統一通貨であるディナが実現すれば、アラブとアフリカは統合される。だが、石油取引の決済がドルからディナに代われば、基軸通貨であるドルやユーロの大暴落は避けられないだろう。これについて、フランスのサルコジ大統領もまた、リビアを「人類の金融安全保障への脅威」と叫び、危機感をあらわにしていた』

(以上の2は109~122ページから抜粋)

(続く) 】

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対イラン、米英の「民主革命戦争」の地政学的本質  文科系

2020年01月12日 12時08分22秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 直前の本日エントリーは、米英によるイランへの「民主主義革命という戦争」の真っ最中というアメリカ外交策を示したもの。以下の記事も全てその一環と僕は観測している。イランとベネズエラをこのままにしては、米の対中延命策「原油独占と金融によって中国を支配下に」が崩れていくからである。この2国の「民主主義革命(という戦争)」に勝利すればもう、ロシアは滅ぼしたも同然。アメリカは対中ロの帝国維持策のためにこそ、イラン、ベネズエラの現政権転覆を世界戦略としているのだと観測してきた。

『 【ロンドン時事】英外務省は、マケアー駐イラン大使が11日、テヘランでイラン当局に身柄を一時拘束されたと発表した。

 ウクライナ旅客機撃墜に抗議する反政府デモを扇動したと疑われたもようだが、ラーブ英外相は「理由も説明もない拘束は明白な国際法違反だ」と非難した。

 イランのタスニム通信によると、テヘランの大学前でこの日、政権批判のデモがあり、大使がその場に居合わせたことから「急進的な行為の引き起こしに関与した」疑いが持たれた。

 一方、英紙テレグラフ(電子版)によれば、大使は撃墜された旅客機の乗客ら犠牲者を追悼する集いに参加。集会がデモに発展したという。大使の拘束は約3時間で解かれた。

 ラーブ氏は声明で、イランが国の進路を左右する「岐路に立っている」と強調。国際社会の中で政治的にも経済的にも孤立の道を歩むより、緊張緩和へ踏み出し、外交的な解決の道を模索するよう呼び掛けた。

 ジョンソン英首相はこれに先立ち、イランがウクライナ機の誤射を認めたことを「重要な第一歩だ」と評価していた。』 


 『【ベルリン時事】20日からのロウハニ・イラン大統領の訪日を前に、イラン人が多く在住するベルリンの日本大使館前で19日、イラン反政府団体が抗議デモを行った。数十人が「安倍晋三は恥を知れ」と叫び、「独裁者」であるロウハニ氏との首脳会談はやめるべきだと訴えた。
このまま「中東派遣」で自衛隊は大丈夫か
 デモを行ったのは「イラン国民抵抗評議会(NCRI)」。イラン各地で先月、市民らによる反政府デモが行われ、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、政府の弾圧で少なくとも304人が死亡したと推計している。NCRIは、犠牲者は1500人に上ると主張した。
 NCRIドイツ代表のジャバド・ダブリアン氏は「ロウハニは独裁者だ。会談が取りやめられないなら、安倍氏は人権侵害を会談で明確に批判すべきだ」と求めた。NCRIメンバーのマハムード・マホウチヤン氏は「日本は人権意識や民主主義が進んでいる国のはず。なぜ安倍氏がロウハニと会うのか疑問だ」と批判した。』


 『 【ワシントン時事】トランプ米大統領は11日、イランがウクライナ旅客機撃墜を認めたことを受けてテヘランなどで発生した抗議デモについて、ツイッターに「注視している」と投稿した。その上で、昨年11月にイラン全土で起きた抗議デモで多数の犠牲者が出たことを念頭に「平和的なデモ隊の虐殺を繰り返すこともインターネットを遮断することもあり得ない」と警告した。
イラン、英大使を一時拘束 追悼集会がデモに発展か
 トランプ氏はペルシャ語でも同様の内容をツイートした。
 ポンペオ国務長官もツイッターで「イラン市民の声は明確だ。政府のうそや汚職、革命防衛隊の蛮行にうんざりしている」と強調。デモを撮影したとされる動画も投稿した。
 また、米政府高官は「(撃墜は)大惨事で、イランは恐ろしい過ちを犯した」と指摘した。「イランの無謀な行動が再び壊滅的な結果をもたらした」と述べた上で「無謀な野心を捨て、普通の国のように振る舞うことがこれまで以上に重要だ」と訴えた。』

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米の『「民主化革命」という侵略』①   文科系

2020年01月12日 10時27分52秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 台湾で親米派候補が圧勝した。歴史的圧勝らしい。これについて、「香港民主化運動」の影響が非常に大きかったと、マスコミも解説している。そういう情勢柄、改めて眺めてみたい旧稿がある。堤未果がずっと提唱、警鐘してきた『「民主化革命」という侵略』だ。これが今のアメリカ外交において、大国の横暴としての侵略戦争に代わるものになっているのだから。ちなみに、堤未果だけでなく外国のマスコミからも『「香港騒乱」は、米英による戦争も同じ』との論調が出始めている。その一例が、この1月3日の拙稿『香港、もう一つの現地報告』である。
 なお、アメリカのこの『「民主化革命」という侵略』の歴史は長く、古くは1970年代のチリの政権転覆例があるが、冷戦後の中南米では特に普通のことになった。この経験からアメリカがこれを世界に普及し出したのが、「アラブの春」だったと愚考している。イラク戦争の失敗の後に、中南米の経験を世界に生かし始めたわけだ。ただ、シリアでだけはこれが失敗した。そして今、この中東でシリアとイラン、中南米のベネズエラなどが、この侵略適用国になっている。
  なお、この戦略の最大ターゲットが中国であるとは、ここでずっと述べてきた僕の現世界史観である。アメリカが、こう考えているのは自明である。
「なんとしても中国を支配下に置かねばならない。さもないと、米金融帝国の維持さえできなくなっていく。この国が貿易黒字分でもってやがて作っていくだろう世界金融業によって、米唯一の強みGAFAバブルが維持できなくなっていくからだ。今でも、日中資金がアメリカから引き揚げれば、アメリカは終わりだというのに・・・。」

 

【 「民主化革命」という侵略①  文科系 2015年10月15日 

 現在アメリカ・ウオッチャーとして次々と本を書いている堤未果。アメリカのニューヨーク市立大学で修士号を取得。アムネスティ・インタナショナルや、9・11の時には米国野村證券を経て、ジャーナリストになった人。その人が書いた『政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること』(角川新書)から、「アラブの春」といわれたものの虚飾を暴いた部分を中心に4~5回ほどに分けて連載紹介したいと思います。

 第1回目は、標記の「やり方」の総論と、シリアの現下大混乱の源を辿った部分です。今のロシアの「イスラム国」?爆撃などに見られる攻勢は、まさに標記のことをよく知っているからという、同じ穴の狢。

1 『「民主化革命」という侵略』その原理

『アメリカによる〈民主主義〉を装った新しいタイプの侵略手法を研究する、オーストラリア出身の作家マイケル・パーカーは、レーガン政権下のアメリカで、国務省と諜報機関が多くの慈善団体やNGOに何億ドルもの予算を投じた事実を指摘する。
 1980年代以降、米国は非協力的な外国の政権を不安定化し転覆させるために、従来のような軍事力ではなく「人道主義・民主主義」というソフトパッケージに包まれた手法を採用しているという。
 まず、ターゲットになった政府や指導者を、CNNやBBC率いる国際メディアが「人権や民主主義を侵害している」として繰り返し非難する。そして、水面下で米国が支援し、時には訓練した市民団体がツイッターやフェイスブックを通じて人を集め、反政府運動を起こすのだ。
 彼らは暴力的な行動で政府を挑発し、国際メディアがそれを「独裁者に弾圧される市民」というわかりやすい図に当てはめてイメージを広げていく。無防備な市民を救うという理由でNATO軍の武力介入が正当化され、最終的にターゲットになった政権は「民主革命」という崇高な目的のために、内部から自然に崩壊したことにされるという仕組みだ』(104~5頁)

2 シリア騒乱の場合

『「シリアの反政府運動を煽っているのは、アルジャジーラ、アル・アラビヤ、BBCアラブ、フランス24などの欧米メディアです。暴力を起こしているのは武装勢力と騒乱分子であり、一般の国民ではありません。リビアの時と同じパターンです」
 ロンドンのIT会社に勤務するシリ人、イサム・アリー・カトゥラミーズは、シリアで起きている反政府デモと、リビアの政権転覆の共通性を指摘する。(中略)
「いったい反政府軍とは誰なのか? どこまでが本当に民衆の反乱なのか?(中略) 西側メディアやアルジャジーラは、以前からシリア内の反政府勢力に対し、政府側が強権的な弾圧を行い数千人の死者が出ていると言って騒いでいますが、高性能の武器を使い武力行動をする武装グループに対し、通常の政府なら鎮圧を行います。〈平和的なデモを血祭りに上げる政府〉というフレーズを訳知り顔で言うジャーナリストは、まず現地を直接取材するべきでしょう。しかも、その武器を供給しているのは他国なのです」』
『2011年4月19日、ワシントンポスト紙にシリアの反政府デモに関するスクープが掲載された。米国務省が2006年以降、総額6000万ドル規模の資金援助をシリアの反政府グループに対して行っていたという、「ウィキリークス」から出た公電内容だ。』

 なお、反政府勢力デモ映像には、こんな工作もあるそうです。政府機関を装って、「職に就いていない母親には8000円あげるから、この時間この場所に来るように」とフェイスブックで流す。実際にはお金はもらえず、何が何だか分からないうちに解散ということなのですが、「平和な中年女性反政府デモ(または集会、の映像)」の出来上がりということなのでしょう。そんなデモ、集会写真をよく見ると、けっこう偽物もあるみたいだそうです。

(以上、123~128頁にかけて)

(続く)】

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旧稿「イラク戦争と国連」   文科系

2020年01月11日 07時51分37秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 米・イランの戦争雲行きが怪しく、フェイクニュースも飛び交っている今、世界が過去の重要な歴史的事実を思い出す必要がある。旧稿を再掲したい。

【 イラク戦争と国連  文科系  2016年07月07日 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 イラク戦争開戦前後に国連でどういう論争があったか。そこを振り返っておきたい。次に、この時のアメリカが従来表明してきた国連への立場を大幅に変えたということも観てみたい。近年の日本マスコミからはアメリカ政府の声、立場は大量に発信されるが国連のことはなかなか論じられないと感じてきたので、強調したいことだ。
 以下の出典は、「国連とアメリカ」(最上敏樹・国際基督教大学教授 2005年刊)である。

開戦時の国連総会の立場
『「私たちはいまや大きな岐路に立たされています。国連が創設された1945年にまさるとも劣らない、決定的な瞬間かも知れないのです」
 2003年9月23日、第58回国連総会開会日の冒頭演説で、アナン事務総長はそう述べた。その年の3月にイラクで戦争を始めたアメリカを、名指しではなかったものの厳しく批判した直後である』
『「今日に至るまで、国際の平和と安全に対する幅広い脅威と戦い、自衛を超えた武力行使をすると決める際には、唯一国連だけが与えることの出来る正当性を得なければならないという理解でやってきました」。にもかかわらず、先制攻撃の権利といった根拠で武力を行使する国が現れた──。
 それは「いかに不完全であれ、過去58年間、世界の平和と安定のために頼りにされてきた大原則に根底から挑戦するものなのです」と彼は言う。つまり、「単独主義的で無法な武力行使の先例を作ってしまうもの」なのだと言うのである。アメリカにとっては厳しい批判だが、総会議場は長い拍手に包まれた』
『この事務総長は次第にアメリカに嫌われるようになっていた。特に対イラク戦争への否定的な反応に対してである。開戦時にもあの戦争が国連憲章に合致しない(つまり「国際法違反」ということである)と明言したし、イラクの復興になかなか国連を関与させないアメリカのやり方も批判した。(中略) 機構の原理原則はあくまでも多国間主義なのだから、単独行動主義を阻止することは、むしろ事務総長の(正確には「国連のあらゆる部署の」)責務になるからである。実際、加盟国の単独行動主義にこれほど正面から向き合うことになる事務総長は、これまで例を見なかった』
   
殺されたケネディ大統領の国連観
 以下は、同上書から抜粋したケネディ大統領の国連演説である。1961年9月25日、第16回国連総会におけるものだ。なお、彼が暗殺されたのはこの演説の2年後のことである。
『戦争にとって代わる唯一の方法は国連を発展させることです。・・・・・・国連はこのあと発展し、われわれの時代の課題に応えることになるかもしれないし、あるいは、影響力も実力も尊敬も失い、風と共に消えるかもしれない。だが、もし国連を死なせることになったら──その活力を弱め、力をそぎ落とすことになったら──われわれ自身の未来から一切の希望を奪うに等しいのであります』 】

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米・イラン、どちらかが嘘(2) 文科系

2020年01月11日 07時30分11秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 中東派遣が決まった自衛隊員の家族は、この新聞ニュースを懸命に読んでいることだろう。

 昨日見たウクライナの旅客機墜落事件を巡る両国主張の食い違いが今朝の新聞でも大きく扱われている。中日新聞では『イラン ウクライナ機撃墜か  米欧「ミサイル誤射」 イラン否定』と見だしされた1面記事である。内容をよく読むとアメリカ報道には昨日と同じ「イランがイラクの駐留米軍を攻撃した直後の誤射だった可能性がある」という表現を使っている。誤射と言っても、イランの報復ミサイル発射の5時間後のことだから、ウクライナ機を米反撃と間違えたが誤射ということになるようだ。他方でこんな強い表現も現れた。
『米欧各国は9日、イランのミサイルで同機が撃墜されたとの見方を強めた』

 一方イランの発表はこうだ。
『イラン航空当局は10日、同機はなんらかの異常発生後に60秒~70秒飛行し、空港に戻ろうとしたと説明。「ミサイルが直撃したら、その場で爆発している」と誤射を否定』

 なお、イラン大統領と合同調査を約束し合ったウクライナ大統領の発言はこうだ。
『誤射の可能性は排除しないが、現段階で確証はない』

 さて、イラクと言えば真っ先に思い出すのは、嘘の理由をでっち上げて開戦されたイラク戦争。その結果関連死含めて50万人が亡くなられたというある国際調査結果も出ている。嘘の理由を感づいていたやの国連の懸命な制止にもかかわらず、欧米を中心とした有志国で強行されたものだった。なのにまた、アメリカのニュースを日本でも第一に流すというやり方はいかがなものか。アメリカのイラン司令官暗殺という戦争行為への世界の反感を反らす狙いだと、そんな動機も十分に考えられるのである。

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米・イランまたどちらかが嘘  文科系

2020年01月10日 19時14分49秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 イランの報復ミサイル被害でも両国マスコミ報道の食い違いがあったが、もう一つイラン関連で重大な食い違いが起こっている。10日夕刊によれば、ウクライナの旅客機墜落事件をアメリカはイランの報復ミサイルが原因だと、以下のように言い始めている。その際日本マスコミがいつもアメリカのニュースを第一に大きく掲げるが、これは昨今疑問に思わざるを得ない。だって、地球の裏側の中東に56,000だかの軍隊を送り込んで勝手な暴力三昧。その上、こんな乱暴狼藉を働くなら出て行ってくれと今回イラク国会決議が出ると、直前のエントリーのように暴力団のような脅しを掛ける始末! これをおかしいとマスコミが考えないのが不思議で仕方ない。

 ちなみに新たな食い違いはこれだ。テヘラン空港近くで「墜落」したウクライナ機を、アメリカは早速こう発表した。
「イランの報復ミサイル2発が当たった可能性がある」
 対するイランはすぐに こう応えている。
「ミサイル攻撃なら、飛行機は空中で爆発している。墜落は技術的な問題だろう。合同調査団を作って『墜落した』原因をウクライナとともに究明していくよう申し入れた」

 一方はワシントン発の記事、他方はうんと小さい「テヘラン発」の記事である。なお、公器としての新聞報道は、当該国の政権がその国に近いか否かで報道の差をつけるのは誤ったやり方ではないか。今のアメリカ・トランプのイラク政府に対する恫喝は目に余るものがある。元はといえば、国連の制止を振り切ってイラク戦争に踏み切り、この国を滅ぼして自分らの都合が良い政権を作り上げた上に、その政権にさえ「イラクでのスレイマニ殺害はイラク国権の無視である。米軍撤去を要求する」と出された国会決議であったはずだ。

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イラク国会の外国軍撤去決議に、トランプがド迫力恫喝  文科系

2020年01月10日 16時25分16秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 本日の「マスコミに載らない海外記事」サイトに、とんでもない記事が載っている。本日の朝刊新聞にも載っているのと同じトランプ発言だが、生で読むとド迫力の大変な脅迫である。その記事の冒頭部分だけを抜粋した。

『 外国軍隊を国から追い出すというイラク議会での投票後、アメリカ大統領は報復としてイラク経済を破壊し、軍事基地に要した何十億ドルもの経費が支払われなければ撤退を拒否すると脅した。
 「もし彼らが我々に、非常に友好的な基盤ではなく、撤退するよう依頼したら」日曜トランプは報道機関に語った。「我々は彼らに、今まで決して見たことがないような制裁を課する。イラン制裁さえ精彩を欠いているように見えるはずだ。もし敵意があるなら、彼らが我々が不適当であると思う何でもする、我々がイラクに制裁を、イラクに非常に大規模制裁を課するつもりだ。」


 「我々は現地に途方もなく高価な空軍基地を保有している。建設には何十億ドルもかかった。私のずっと前に」ともトランプは言った。「彼らが我々にその経費を返済しなければ我々は去らない。」』

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イラン報復 発表に食い違い? 文科系

2020年01月09日 13時28分19秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 アメリカの戦争行為に対するイランの報復行動を伝えて、両国報道に重大な食い違いがある。こういうときに日本マスコミなどは、アメリカの発表を受け入れる習性があるようだが、調査報道をきちんとしないのだろうか。最も重大な食い違いを見てみよう。アメリカは二つの基地に12発以上の弾道ミサイルが撃ち込まれたとし、被害をこう発表している。
『死者は確認されていない』
 対してイランの発表は、
『計22発のミサイルが発射されたと発表。・・・多数の無人機やヘリコプターを破壊したと伝え、米側の80人が死亡、200人が負傷したと主張したが、』

 もしも「80人が死亡」が事実としたら、この方々や、その家族の方々らが可哀想すぎる。大統領の気まぐれによって殺されたようなものなのに、その死は隠され、別の理由によるものとされたりするのだから。こういう報道はおろかにせず、後になっても良いからきちんと裏を取るべきである。そういう調査を重ねてこそ、良貨が悪貨を駆逐し、「頼りになる報道機関」が出来上がって行くはずだ。偽情報が飛び交う対立激しいネット世界では、マスコミの重大任務ではないだろうか。

 トランプは「テロリスト・スレイマニを殺した」と呼号したが、そもそもこの中東各国に56,000もの兵を配置しているアメリカこそ非難されてしかるべきではないのか。アフガニスタン戦争以来多くの人を殺してきて、散々な恨みを買っているのであるし。

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「緊張が今世紀最大レベル」と国連事務総長  文科系

2020年01月08日 02時18分58秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 アメリカによるスレイマニ暗殺事件が今後にもたらすものに関わって、NATO緊急の大使級会合が6日に開かれた。そこでグテレス国連事務総長が語ったのが、表記のこの言葉。
『地政学的な緊張が今世紀最大レベルに高まっている』
 次いで、こうも語り継いだと報道された。
『より多くの国々に予測不能な結果や、深刻なリスクを伴う予測できない決断をさせようとしている』

「これに相当する報復をやって見ろ」

 これは、この戦争行為に当たる大事件を引き起こしたアメリカ自身が直後にスイス大使を通じてイランに通告してきた挑発言辞なのだそうだ。これは、イラン高官が世界に明らかにしたニュースである。

 アメリカは一体何を考えているのか? そして、こんな地域に、今、自衛隊を出す日本?

 イラクとシリアだけで関連死含めて既に150万人以上を殺しているアメリカにとっては、特に親イスラエルの米国キリスト教福音派の人々にとっては、イスラム教徒の死など何の痛痒も感じないのだろう。だからこそ、こんなバクチのような戦争挑発ができるのだ。が、絶対に戦争はいけない。イランを巡って戦争が起これば、イラク戦争の何倍の死者と、その数の数倍の悲劇がこの地上に生まれる。考えてみただけでぞっとする。

 アメリカは、今時、どうしてこんなことができたのだろう。一昔前の時代で言えば、ヒトラーによるポーランド電撃侵入か東條の仏領インドシナ侵入さながらの「やりたい放題の暴力」、驚くべき所業に見える。

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