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スティグリッツ国連(経済改革)報告④   文科系

2020年02月14日 04時39分47秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

【 スティグリッツ国連報告・要約 4  文科系 2015年01月23日 | 国際経済問題

 今回は、『第1章はじめに』の『第2節 危機への多様な対応』の四つのセクションの最後である『いくつかの基本的原則』を抜粋、要約をする。

「いくつかの基本的原則」の最初は、解決のスピード、政府に外国からの新しい悪影響が及ばないようにする認識、保護主義を避けること等が強調されたうえで、各論が述べられていく。

『市場と政府との間のバランスを回復する』
 危機の原因であった「行き過ぎた規制緩和」に対して、国家にそういう金融規制の役割と、国際的金融に対する国家共同行動とを回復、組織することが求められている。

『透明性と説明責任の拡大』
 政府と中央銀行にこれが求められ、「納税者を大きなリスクにさら」すことがないようにと述べられる。

『長期的展望と矛盾しない短期的行動を』
『政府は自分たちの行動が外国に与える悪影響を通して、今日の危機を悪化させてはならない』
『いくつかの国では、「倒産させるには大きすぎる」金融機関が過大なリスクを引き受けすぎたことから発生した危機への対応として、銀行の合併を行った。これは、同じリスクを将来に向けて大きくして行くものである』

『配分への影響を評価する』
 国内でも国際間でもこんな配分への警告が述べられている。『銀行救済とリストラは、所得と富の逆転した配分に特に重要な役割を果たした』。金利低下は退職者を犠牲にしているという例も強調されてあった。

 次の三つほどを飛ばして『知の多様性』に触れてみよう。
 四半世紀続いた規制緩和理論などは、『最良に評価しても、「疑問符付き」というところであった。近代経済学理論は市場原理主義の基礎となる多くのアイディアを疑問視してきた』との問題提起をし、米国に関わってこう結んでいく。
『「国は健全なマクロ経済政策と、透明性を含む強力なガバナンスと、そして良い機関を持たなければならない」というまやかしの標準政策は全く役に立たないこともまた、危機は明らかにした。ベスト・プラクティスのモデルであるとされることを辞退した国は深い欠陥のあるマクロ経済政策と機関を持ち、透明性においても大きな欠陥のある姿をさらした』

(次回、『第3節 発展途上国への影響』へと続く。これが、第1章紹介の最後となるものである)

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マリノスが強い!  文科系

2020年02月13日 04時49分15秒 | スポーツ

 昨日のアジア・チャンピオンズ・リーグの東アジア・グループリーグ戦には、日韓両リーグ・チャンピオン同士の対決があって、テレビにかぶりつくことになった。横浜Fマリノスと韓国の全北現代の対戦なのだ。全北ホームに乗り込んだマリノスが2対1で勝ったこの闘いは、今のマリノスらしい「自分らの闘い」を敵地において見事に見せてくれた。マリノスのどこが強いかというのも、一目瞭然。

①選手の視野が広く、予測が早くて、(高い位置のそれも含んで)コンパクト陣形が非常に上手く機能していた。
②トラップのボールの置き所が良く、逆に相手ボールへの予測・アタックが非常に速い。
③こうして、2対1という得点差以上にシュート数でも圧倒して、遙かに大きな差が見えた。後半の後半に、相手が2人も退場者を出したのは、全北選手らが疲れ切っていたということだ。

④評判の仲川は非常に速いし、強い。流石年間mvpというべきで、とにかく目立っている。

 この横浜と言い、イニエスタの神戸と言い日本代表クラブの「顔」ががらりと変わったが、その分国としては種々色々に強くなったのだと思う。ACL、アジアチャンピオンズリーグの日本代表クラブが、神戸、横浜、FC東京って、鹿島も川崎、浦和もいないって、近年日本としては隔世の感がある。

 今の強豪クラブの監督が、神戸、横浜、FC東京三チームそれぞれ、ドイツ人、ギリシャ生まれのオーストラリア人、日本人というのがまた、面白い。もう、ブラジル人監督の時代ではなくなったのだろう。今のブラジルには、世界的監督が育っていない。たとえば鹿島は、この闘いのプレーオフに参加して敗北って、大丈夫なのかなどと、心配になって来た。

 なお、横浜と神戸とある共通性があるのは、観る人は観ているはずだ。横浜の元GK飯倉大樹が、今は神戸にいるのである。しかもこの彼、非常に異色のGKだ。14年ブラジルW杯大会のドイツGKノイアーさながら、フィールドの味方側半分を守るやり方、勢いを横浜で見せていた。昨日横浜のGK梶川も全く同じで、凄く前に出て、積極的・攻撃的な守りを見せる。こういうゴールキーパーは、ドイツのユルゲン・クロップ(現在のイングランドリーグでダントツのリバプールの監督)が生み出した高位コンパクトプレスの代名詞でもあった。なお、神戸の監督は元ドイツ・バイエルン・ミュンヘンの選手で、監督としてはオーストリアなどからのし上がってきたお方である。神戸と横浜のこの共通性! この戦術に通じていないと、日本でももう勝てなくなっているということではないか。

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スティグリッツ国連(経済改革)報告③  文科系

2020年02月13日 04時43分50秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

標記のことの第三回目です。


【 スティグリッツ国連報告・要約 3  文科系   2015年01月20日 | 国際経済問題


 今回は、『第1章はじめに』の『第2節 危機への多様な対応』を要約をする。この節は4つのセクションに分かれ、それぞれの題名は、こうである。
①機関による危機への対応
②危機への政策対応
③世界的な危機には世界的な対応が求められる
④いくつかの基本的原則 
 この4セクションそれぞれについて、抜粋、要約を行っていく。

①機関による危機への対応

 初めに、各国当面の景気刺激策とともに、危機を起こしたその原因を取り除いていく長期的変革も急を要するとした上で、こう述べていく。
『強力な政治勢力が活動しており、現行の取極めから、或いは最近の変更から利益を得ている勢力が根本的変革に抵抗してくるであろう。しかし、これらの利益を許すことは危機の再発をもたらすことになる。これも、1997-1998年のアジア通貨危機から学んだ教訓である。そこでは比較的早く景気回復ができたために、金融システムがそのまま残されてしまった。そしてそれが今回の危機の舞台になったのである』
 次いで、『(G20などではなく)世界の全ての国によって……
つまりG192』が強調され、国連の下の早急な長期的変革が呼びかけられている。

②危機への政策対応

『危機に対し持続可能な形で対応して行くためには、危機を分析してその要素を特定し、なぜこれほど早く世界中に拡がったのか、その理由を特定していく必要がある。そこにはミクロ・マクロ双方での政策的誤りがあった。緩慢な通貨政策、不適切な規制、弛緩した監督、これらが相互に作用し合って金融の不安定がつくり出された』
『世界的レベルでは、いくつかの国際金融機関は金融部門の規制緩和や資本市場の自由化といった、今では危機をつくり出し拡散した原因と認識されている政策を、今尚勧告している』
『不適切な金融規制の原因の一部には市場メカニズムの限界について不適切な理解があった。経済学者のはやり言葉で、「市場の失敗」と呼ばれているものである。「市場の失敗」はいろいろなマーケットで起こるが、金融市場での失敗は特に重要で、一旦、実体経済活動に影響が及ぶと不釣り合いなほどに大きな影響を与えることになる』
『今回の危機は、経済政策や金融規制を越えたところにある問題を反映している。それは、市場機能について理解するに当たって幅広い誤りにさらされていたことにある。「自由な市場は、自分自身ですばやく軌道修正ができ、かつ効率的である」という信念が広く信じられていた。
 このことは、IMFや世界銀行、地域開発銀行、そしてWTO等の国際金融機関により今日支持されている政策を見直す必要があることを示唆している。また、これらの前提に基づく多くの国際的取極めについても同様である』

③世界的な危機には世界的な対応が求められる

 このようなことが述べられている。
 大国の金融市場の失敗が、世界や特に中小国の実体経済と雇用とを損なったこと。その大国に対しては経済政策調整の努力がされず、中小国の資金の流れをよどませる調整になってしまったこと。G-20が率先して保護主義的政策に走って、危機からの回復の妨げになっていること。大国の競争的通貨切り下げ、関税、補助金などには、途上国は全く太刀打ちできないこと。ここから、こんなことが強調される。
『危機の原因となった国際的格差を拡大するリスクがある』
『発展途上国の銀行システムを救済し、貿易与信を含む信用を供与し、社会保障を強めるための資金が供与される必要がある』 
『発展途上国を支援するために国際金融機関からしばしば課せられるコンディショナリティーは非生産的である』
 これらの指摘の最後は、『国際経済機関のガバナンスの変革』で結ばれている。 
(『④いくつかの基本的原則』に、続く)】
 

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スティグリッツ国連(経済改革)報告②  文科系 

2020年02月12日 10時09分20秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 「スティグリッツ国連報告」連載要約の再掲第二回目です。ジョセフ・スティグリッツは、アメリカのノーベル経済学賞学者。この国連文書は、彼を代表者とする委員会が当時の国連総会議長によって選ばれて、2008年に起こった「世界100年に一度の経済危機」・サブプライムバブル破裂・リーマンショックの総括を依頼されたもの。今やアメリカでも論議されはじめた「中産階級の没落」など「株主資本主義は誤っていた」との反省に関わって、その改革方向を10年も前に探求した国連文書です。
 ちなみに、当時アメリカはこの文書の作成経過全てに対して異議を唱え、妨害してきたものでした。5回ほどの連載になるだろう。なお、『 』は、報告文章抜粋を示している。
 
【 スティグリッツ国連報告・要約 2  文科系 2015年01月18日 | 国際経済問題

 前回に引き続いて『第1章はじめに』の『第1節 危機:その原因、影響、そして世界的な対応の必要性』の要約を続ける。以下この節の終わりまでのキーワードは、こんなところであろうか。

 まず、金融危機・(実態)経済危機・社会危機。危機からの回復をめざす短期的景気刺激策と、長期的構造変革。全ての国が参加したより良い地球のための国際経済システムというグローバルな観点。10数年前に起こった同じようなアジア通貨危機に対して国際機関が全く何も出来なかったということから、支配的経済理論の再評価と、より公平で安定した世界金融システムの必要。

 『ILOによれば、危機の影響に対抗する行動がすばやく行われない場合、2億人ほどの労働者が貧困に追いやられるという。いくつかの先進国では、何百万もの持ち家保有者が家を失い、職を失い、健康保険を失う脅威に直面している。経済の非保障と不安が高齢者の中に拡がっている。資産価格の暴落で、彼らが一生の間に蓄えた預金が消えてしまったのである。ILOの予測によれば2009年の失業者数は、2007年比で3千万増加すると見込まれている。そして引き続き状況に改善が見られない場合には、その数が6千万人近くに達することもあり得るという』
『先進国は事態に対処し、景気を刺激し、倒産しそうな金融機関を救済し、信用を供与し、社会保障を強めることのできる財政の弾力性を持っているが、多くの途上国は厳しい財政支出削減を行っており、危機の影響を相殺するための予算は開発目的の予算から振り替えられている。拡大する社会保障のために使用される資金は将来の経済成長を犠牲にして行われているとも言えるのである』
『国際的システムを将来の危機を回避するのにふさわしいものにして行くために、その構造変革に取り組むことは重要なことである。しかし、現在の危機から回復するための短期的施策をかなり実施しないと、これらを実現することはできない。これらの短期的手段は、できる限り、長期的構造改革の推進に資するように行われるべきである』
『先進国と発展途上国の繁栄は相互に依存している。変革プロセスに全ての国が参加することの重要性を認識し、真に民主的な対応を作り上げる以外に世界経済の安定性は回復できない』
『国際システムの変革が目指すものは、国際経済システムをより良い地球のために、より効率的に機能するものにして行くことである。例えば持続的で公平な経済成長としての雇用の創出、天然資源の責任ある利用、グリーンガス排気量の削減や、解決が急がれる関心事(食糧・金融危機そして世界各地での貧困への対処等)である』

『10年以上前、アジア金融危機の頃、再び大きな危機が起こるのを避けるためには世界金融の仕組みを急速に変革していく必要がある、と言う議論が盛んに行われた。しかし変革はほとんど実行されなかった。いや、今となっては、全くされなかったことが明らかになった。(中略) 目標は、将来の世界的危機を回避することである』

『グローバル化に伴い繰り返し発生する危機は、一国での問題がすぐに溢れだし他の国に問題を発生させ、国際金融システムの変革の必要性を示唆している。ますます相互依存的になってきている世界経済のニーズに対応できる国際金融機関が必要になっているのである。これらの危機の影響の大きな部分が貧しい人々と発展途上国に向けられていたという事実は、世界市場と非市場メカニズムに金融リスクを管理する上で問題があることを明らかにした』
(続く)】

 日米などに相対的貧困者が急増して来たときとは、中進国以下の国はその開発費までもむしり取られてきた時代だということが示されています。これは、先進国の世界有効需要がどんどん少なくなったということ。こうした世界経済の悪循環の中で、世界的金融だけが太ってきて、投資先がない金の金転がしバブルを形成しているということでしょう。

 

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スティグリッツ国連(経済改革)報告   文科系

2020年02月11日 13時58分07秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 以下は、ここ何回かのエントリーで触れてきた「スティグリッツ国連報告」連載要約の再掲第一回目です。ジョセフ・スティグリッツとは、アメリカのノーベル経済学賞学者。この国連文書は、彼を代表者とする委員会が当時の国連総会議長によって選ばれて、2008年に「世界100年に一度の経済危機」と呼ばれたサブプライムバブル破裂・リーマンショックの総括を依頼されたもの。言わば、今やアメリカでも論議されはじめた「中産階級の没落」など「株主資本主義は誤っていた」と言う反省に関わって、その改革方向を探求した国連文書です。

 ちなみに、当時アメリカはこの文書の作成経過全てに対して異議を唱え、妨害してきたものでした。5回ほどの連載になると思います。

 

【 スティグリッツ国連報告・要約 1  文科系 2015年01月17日 | 国際経済問題

 この報告の正式名称は、『国連総会議長諮問に対する国際通貨金融システム改革についての専門家委員会報告──最終版2009年9月21日』。言うまでもなく07~08年に起こった「100年に1度の世界経済危機」を国連の英知を集めて分析し、今後世界の改善策を提案したものである
 委員会メンバーは20名で、米、独、仏や、南アフリカを除いたBRICS諸国代表など、日本からは榊原英資が参加し、総会議長特別代表も2名加わっている。当委員会委員長がノーベル経済学賞受賞者であり、クリントン政権の大統領経済諮問委員会委員長などを経て1997年~2000年に世界銀行の上級副総裁およびチーフエコノミストを勤めたジョセフ・スティグリッツであるところから、この文書が彼の名前を冠してこう呼ばれている。

 全6章がA5版本文240頁ほどで、目次はこういうものである。
①はじめに 
②マクロ経済学的問題と視点
③国際的規制の改革により、世界経済の安定性を高める
④国際機関
⑤国際金融の革新
⑥結論

 全てが具体的内容なので、要約がとても難しい。リーマンショックによる世界的危機の分析と今後の対策という実務的な報告であるから、こうならざるを得ないのであろう。第1章「はじめに」(21頁)だけでも先ず紹介したい。これは「導入章」とも呼ばれた総論に当たるもののようだが、3つの節から成っていて、それぞれタイトルは
『1危機:その原因、影響、そして世界的な対応の必要性』
『2危機への多様な対応』
『3発展途上国への影響』
 細かい抜粋文章という形で少しずつ紹介していく。先ず初めは、第1章第1節の『1危機:その原因、影響、そして世界的な対応の必要性』を2~3回に分けて抜粋、要約する。この部分は、表題が示す通りに最も大切な部分なので特に要約が利かないのである。

 初めにお断りしておくが、100年に1度という世界的経済大事件の分析、対策国連採択文書が日本ではこれだけ話題になってこなかったということに驚く。むしろこのこと自身にこそ、この国連総会決議に対する日本政府・官僚たちの立場が示されているのだと思う。日米が共謀して、マネーゲーム、金融グローバリズムの暴力的利益をなお享受していたいという立場なのではないか。そう考えれば、日本の民主主義的人士は「アベノミクス」をこう見なければならないはずなのだ。世界の弱小国を犠牲にした世界的誤りの上に、さらに大きな誤りを積み上げていくものと。   

 第1章第1節「危機:その原因、影響、そして世界的な対応の必要性」

『米国に始まり、欧州に拡がった今日の金融危機は、今や世界的なものとなった。少数の先進国から発した金融危機が急速に拡がり世界経済を飲み込んでしまった。このことが、21世紀に入っての変化に対応した国際貿易・金融システムへの大きな改革が必要となっていることを示している。今回の危機は金融に影響を与える国内監督システム、競争やガバナンス(企業統治)の分野だけでなく、国際機関と、金融・経済の安定を確保するための取極めといった、基本的問題を明るみにだした。これらの機関は、危機を回避できなかったばかりでなく、適切な対処方針を企画、実行することにおいても遅れてしまった。まさに、これらの機関が進めていたいくつかの政策は世界の危機を拡げて行く要因ともなったのである』

 冒頭のこの文章に次いで、日本ではほとんど話題にならなかったリーマンショック最大の悪影響、今後長きに渡る後遺症が述べられていく。この日本ではもう、日米の高株価を前にして、リーマンショックの後遺症など語られもしないのに。
『危機は中心部で発生し、外周の最も遠いところまで行き着いた。発展途上国と、特にそこに住む貧しい人々は、その危機の発生に何の役割も果たしていないにも拘わらず、危機の犠牲者の中でも最も悲惨な目に会うことになった。(中略) 危機のコストを負担するには貧しすぎる人々が、危機が去ってからも長くその結果に苦しめられる。栄養失調の子どもたちは一生の間、成長阻害に悩まされるであろう。学校を退学した子どもたちは恐らく復学はしないであろう。そして彼らは、潜在寿命まで生きて行けないであろう。もし小企業が倒産に追い込まれたら、将来の経済成長と雇用見通しは弱められよう。経済政策は特にこれらのヒステリシス効果(非線形的で不可逆的であること)に対して気をつけなければならない』

(続く)】

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喜寿ランナーの手記(281)新走法で最長ストライド  文科系

2020年02月10日 11時44分48秒 | スポーツ

 昨年末から膝を前には出さず、ほとんど蹴り足中心で走るやり方に変えてから、昨日最長ストライドが出た。それも、風邪を引いて中5日置いて走ったから、随分セーブした積もりだったのに、気付いてみたら吹上公園最後の一周は過去最少のピッチ数だった。それで意識して記録を調べ直してみて、こんなことに気付いた。
 この走法は、膝も前に出すやり方よりもかえってストライドが長くなるのだ。前にも書いたが、以前の走法よりも、同じスピードの呼吸が苦しくなくって、ストライドも伸びるとあれば、合理的な走り方に決まっている。この走り方をもう一度まとめつつ、新たに気付いた事を加えてみる。

①前へ進む力は蹴り足で生み出し、蹴った足は、蹴った反動で前に出す以上には、無理して前に振り出さない。
②「蹴り方」の感じは、着地時に膝を伸ばして足裏全体で地面をつつく。自分のストライドに合わせて一番軽く地面をつつく。
③上半身の運びは「へそから前へ」という表現が良い。蹴った足の反動でその付け根の腰骨を高く保ったまま前へ運ぶ。その同じ側の腕・肘を強めに後ろへ突き出すと腰骨が自然に前にやれるという要領なのだと思う。
④この走り方は「(推進力としての)蹴りが一瞬のこと」だから、左右の脚連係が案外難しい。「後ろ脚を蹴った瞬間に、前脚の腰骨・その膝下が自然に前に延びている」感じが掴めないと、スピードを殺すことになるからだ。これがまずいと、ストライドが狭くなったり広すぎたりして、脚のいろんな筋肉にもどこかに無理が出てくることになる。


 膝を前に出す意識をなくしたのに自分の最長ストライドが出ると気付いたのは、大変嬉しい事だった。昨日の平均心拍数は151だったが、ほとんど同じスピードで走った前の月曜日は148だったから、上記の④に慣れていけば、心拍数ももっともっと減っていくはずだ。  

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米の「3年連続平均寿命短縮」、日本の人口急減  文科系

2020年02月10日 09時54分31秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

  昨日は、アメリカの「絶望死」・平均寿命減問題を、その中産階級没落問題から説き起こしたニューヨークタイムズ記事の朝日新聞転載記事を紹介、要約した。リーマンショック以降の日本も先進国としてはアメリカと並んでギリシャ並みの相対的貧困者の多さ。ギリシャ、スペインは、西欧でもこれが多くて有名な国なのだ。
 ではアメリカの「絶望死」に当たるような現象は日本の何だろうと考えてみた。いくつもある。

・まず、5人に1人以上になった「50歳まで一度も結婚したことがない男性の群れ」。これは「給料が低く、職業も不安定で、結婚相手に選んでもらえない男性」と言われ続けてきた。
・さらに、ここ130年の日本国になかった少子化、人口急減問題がある。その激烈さは、「日本の小国化」が確実と見られているほどだ。
・では、その数少ない子どもらはと言えば、大変な児童虐待が世を騒がせている。就職氷河世代の不安定労働に忙し過ぎる共働きで、子育てに余裕もないという事ではないか。

 新自由主義経済、株主資本主義の弊害としての「中産階級の没落」という社会悪は、アメリカ経営者団体によってもすでに公然と「悪いものだった」と認められ、「是正方針」が出された。が、これを一体どう改善していくというのだろう。特にアメリカに習ってきただけのこの日本は。

 当面必要な改革方向・方針としては、国連から出た「国連スティグリッツ世界経済報告」がある。1929年の世界恐慌に次ぐような『100年に1度』と言われた恐慌状態・サブプライムバブル破裂・リーマンショックを総括したもので、時の国連総会議長の諮問による専門家委員会がまとめた文書である。このブログではこの文書を再三紹介してきたが、国連におけるこの文書作成までを、アメリカ政府がどれだけ妨害してきたことだったか。この文書が示した改善方向をアメリカ政府が認め、改善を進めていくという形跡はいまだ皆無なのである。それでいて、「株主利益最大化方針は誤っていた」という去年8月の米経営者団体の声明はて信じられるのかどうか? それを示すように、アメリカの戦争立国状態は、対イラン、ベネズエラなど、激しくなるばかりだ。 

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米国で増える「絶望死」  文科系

2020年02月09日 04時33分08秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 朝日新聞2月7日に表題のコラムが紹介されてあった。ニューヨーク・タイムズ1月18日付け電子版に載った2000字を超える相当長いコラムニスト記事である。僕なりに学んできた今のアメリカについて「なるほど、さもあろう!」と読んだこの内容を、記事中に挙げられたいくつかの数字などから紹介してみたい。なお、以下の『 』は、記事そのものの文章である事を示している

① 『彼らのような労働者階級の男性と女性は、肌の色を問わず、薬物やアルコール、自殺といった「絶望死」で死ぬ人が増えている。米国の平均寿命がこの100年で初めて3年連続で短縮したのはそのためだ』
② 『貧しい黒人が多いフィラデルフィア北部で生まれた新生児の平均寿命は、4マイルしか離れていない、白人が多く住む市中心部の新生児より20年短い。これは一方の赤ちゃんが「弱い性格」だったからではない』
③ 『変わったのは、いい職を得る機会が減り、人的資本へ投資する公約が少なくなり、依存性のある薬物が蔓延し、取り残された人たちを中傷する無情な社会の声が高まった事だ』

 さて、以上から記事の内容はほとんど推察できるだろう。このコラムニストがその著作などを通じて告発し続けてきた「絶望死」について、広く巻き起こった反論への反論なのである。『自業自得だ』『性格が弱いからだ』とか、『生存に適さない人たちがふるい落とされる自然淘汰だ』という『自己責任論』批判が多かった事に対して、実証的数字を挙げて反論したコラムなのである。『自然淘汰だ』などは、僕が当ブログで再三批判してきた『社会ダーウィニズム』の用語とそのものだなと、興味深かったもの。こういう「思想」でもって戦争を肯定する人々が日本にも多い事を考えれば、なるほど、いかにも嘘の理由から起こされたイラク戦争に熱狂し、トランプを支持する人も多い今のアメリカ人らしい、そう思うばかりだった。

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公憤、メガロス水泳教室に②  文科系

2020年02月08日 18時28分15秒 | その他

 野村不動産が全国展開しているメガロス水泳教室に孫二人目の五歳児も通うようになった。一人目を見学し続けてきて思うところがあって、こんな質問メールを12月初めにメールした。近く返事を送ると返信してきたのに、1か月経っても来ない。ここに拙文を掲載する。これは一種の社会問題だとも愚考するからである。子どもらの社会教育施設とい言う役割があることでもあるし。以下は一種の公憤と、受け取っていただきたい。

『 16クラスが30クラスになったのは(最近上達していくグレイドに16クラスあったのを、30クラスと倍ほど多くなる区分けをした)、極めて不愉快。調べてみたら、入門段階と古い1級で多く枝分かれしていた。この前者は、一挙に三つ上がることもあるようだから、大差あるいろんな子に合わせて丁寧に分けたと、まー理解できる。
 が、後者は全く理解不能。1級卒業者(今までは一級が通常の一番上だった。それが6クラスほどに枝分かれした事を指している)をつなぎ止める策としか思えない。こんなことをやるくらいなら、「タイム測定の選手クラス」とでも言うものを設けておくか、従来クラスと違う「それ以降のクラス」を新たに設けるべきではなかったか。1級になった子が4級って、その気持ちを考えなかったのか。子どもの気持ちをちっとも尊重していないという意味で、本当に馬鹿馬鹿しいやり方である。

 もう一つ、質問。クロールの教え方がおかしい。呼吸時に真上以上に、90度を通り越した反対側まで顔が行ってしまっている子も居るほどだ。これでは、身体がいろいろにぶれても来るから、水に抵抗がない身体の使い方にはならない。25メートルクロールクラスが長くかかるのには、このことが関係していると観てきた。悪い癖を直すのに熱心でないスクールと思うばかりだ。

 そして、もう一つ。あるクラス泳法習得卒業時にはその課題が上手く泳げていた子が、以降のクラスで悪い癖をつけることが目立っている。身体に染みついた癖を子どもが直すのは大変。もうちょっとこの対策を考えて欲しい。友人の子らがちっとも進級できない原因はそこにあると観てきた。』


 ちなみに、僕の5歳の孫は、去年11月に僕が教えて「25メートル板キック」完泳をやり切っている。それが、今のクラス分けでは「板キック12・5メートル」クラスの二つ手前のクラスにいる。つまり、あと4か月を全く無駄に過ごすわけだ。その子が何ができるかを試す仕組もないのである。

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名古屋市・河村市長と南京虐殺  文科系

2020年02月08日 16時08分08秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 昨日7日の中日新聞に、「南京市に友好のマスク」「歴史問題で交流停止 名古屋市が送付打診」という見出しの記事が載った。南京市は受け入れるかどうか検討中とのことだが、この交流停止は、河村市長の南京虐殺否定論議に端を発している。

『2012年2月、同市からの訪問団に対して名古屋市の河村たかし市長が「いわゆる南京事件はなかったのではないか」などと発言し、公的交流が停止・・』

 これが、原因なのだ。河村市長のこういう発言は一体以下の文献などをどう読んでいるというのかと詰問したい。

 

【 南京大虐殺資料、一師団長の日記から  文科系 2017年03月09日
 
「教育図書出版 第一学習社」発行の「詳録新日本史資料集成 1995年改訂第8版」という高校日本史学習資料集がある。これをぱらぱらと見ていて、南京大虐殺の資料を新たに一つ発見したので、ご紹介したい。408頁に南京攻略軍指揮官の中島今朝吾(けさご)第16師団長日記というのが載っていた。そこの全文を書いてみる。 

大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ、千、五千、一万ノ群集トナレバ之ガ武装ヲ解除スルコトスラ出来ズ、唯彼等ガゾロゾロツイテ来ルカラ安全ナルモノノ、之ガ一旦騒擾セバ始末ニ困ルノデ、部隊ヲトラックニテ増派シテ監視ト誘導ニ任ジ、十三日夕ハトラックノ大活動ヲ要シタリ。シカシナガラ戦勝直後ノコトナレバナカナカ実行ハ敏速ニハ出来ズ。カカル処置ハ当初ヨリ予想ダニセザリシ処ナレバ、参謀部ハ大多忙ヲ極メタリ。
一、後ニ至リテ知ル処ニ依リテ佐々木部隊ダケニテ処理セシモノ約一万五千、大平門ニ於ケル守備ノ一中隊長ガ処理セシモノ約一三〇〇、其仙鶴門付近ニ集結シタルモノ約七、八千人あり。ナオ続々投降シ来ル。
一、コノ七、八千人、之ヲ片付クルニハ相当大ナル壕ヲ要シ、中々見当ラズ。一案トシテ百、二百ニ分割シタル後、適当ノカ処ニ誘キテ処理スル予定ナリ。』

 高さ18メートルもある分厚い南京城壁の限られた門から一夜にして日本軍包囲網を脱出しようとした中国軍兵は、その多くが捕虜になった事が示されている。どうせ逃げられないから、捕虜になって助かろうという態度にさえ見えるのである。ところが、これを最初からの方針として、全部殺してしまった。あちこちに分けて連れて行って殺し、埋めたということなのである。そもそも冒頭のこの部分が僕がこのブログで強調してきた要注意か所と言える。
「大体捕虜ハセヌ方針ナレバ、片端ヨリ之ヲ片付クルコトトナシタレドモ」
 最初から捕虜は殺す方針であったことが明確に述べられている。酷いもんだ。こんな資料があるのに、ネトウヨ諸君の種本論客達は、兵士虐殺を否定してきたのである。一師団長が聞いただけで彼等がよく語る「せいぜい2万人」などは、優に超えている。すべて世界に向けては、いや南京攻略兵にすら秘密の仕業であった。なんせ、上の手記にあるように師団長すら虐殺の全貌は知らないのだから。少し前にあった満州事変に対する国連非難囂々に懲りていたのだろう。また、国民の戦意高揚のためにも、敵への残虐行為は極力秘密にするものだ。実に卑怯、姑息な日本軍である。もっとも命令を出した奴らが卑怯、非道なのであるが・・・。】

 なお、戦争だから兵士が死ぬのは虐殺ではないという反論があろうから、一言。上記のような周辺事情から、逃げられないと観念して自ら進んで捕虜になった大多数を当初からの規定方針によって皆殺しにしたというのは、戦争で兵士を殺すのとは訳が違い、明らかな虐殺である。

 こんな事情から両市の交流停止とあらば、それは河村市長に全責任があることになる。友好のマスクさえ受け取りを躊躇しているその責任も含めての事だ。

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永久戦争中のアメリカ(2) 文科系

2020年02月07日 02時24分22秒 | Weblog

 以下は、3日のエントリー「永久戦争中のアメリカ」に付けたコメントをやや詳論したもの。いかなる理由でアメリカがこうなったかを分析して、その本質を書いたつもりだ。アメリカはもはや、戦争によってしか大国維持を図れなくなっているのだと。

 

単なる暴力団、暴力国 (文科系) 2020-02-06 12:02:27
 このエントリーの意味は、アメリカが、国際法の外の単なる暴力国に落ちぶれたということ。すでに、嘘の理由で国民を熱狂させてイラク戦争に突入した2003年からそうなっているのだ。なぜ、ヒトラーや東條のようなこんな暴力国になってしまったか。それも、国連ができ国際法も完備されて、戦争が違法となったこの21世紀に。

 ヒトラーや東條は29年の恐慌以来国民を喰わせられなくなってきたけど、2008年のサブプライムバブル破裂以来アメリカも中国などに生産競争でどんどん負けて、中西部の白人労働者らさえも含めて国民を喰わせられなくなったからだ。日本と同じで、相対的貧困者が圧倒的に多い先進国になってしまった。さらに、生産競争で中国に負けた事、その原因である株主資本主義の根本的弊害を、米当事者さえもが認めているのである。

 まず、ここまでの日米経済をリードしてきた経済学者、ノーベル経済学賞のクルーグマンが、今はこんな反省を述べている。「アメリカの生産、その労働が、こんなに早く中国に移っていくとは、思いもしなかった。これは、我々の誤算だった」

 また、アメリカ大企業の経営者団体「ビジネス・ラウンド・テーブル」が昨年8月こんな重大反省を表明した。「従来の株主利益最大化方針は誤りであったから、ステークホルダーの利益も考えるように、経済方針を修正したい」

 さて、経済理論家と経営者自身にこんな反省を促したような全米労働者の不満がトランプを当選させからこそトランプは形振り構わず保護貿易主義に走ったのであるが、これはヒトラーを当選させた家庭の主婦らと同じ事。家族を喰わせるためという事で、こぞってヒトラーに投票した。そしてヒトラーは、軍需生産と軍隊増強とでもって、国民を喰わせたように見えた。だが、経済の軍事化と呼ばれたこの道が、国家破綻の道であったのは明らかである。

 滅び行く大国は、ジタバタと悪足掻きをする。それも暴力的な悪足掻きを。さらには、ちょうど今のアメリカのように国粋主義に国民を巻き込んで。これは、「大国の(興)亡」の一つの典型ということだ。

 2015年に公表された元会計検査委員長の試算によれば、アメリカの国家累積赤字は当時のGDPの4倍。2倍の日本のさらにその倍であった。さらにその後足かけ5年で、この赤字はどれだけ増えた事だろう。アフガン戦争、シリア戦争、イラクの治安問題に、イランとの緊張・・・マッチョ・アメリカはもう、ヤケクソとさえ、僕には見える。加えるに、トランプがこのヤケクソをさらに進めている。公約したようには海外の米軍撤退ができないどころか、軍事費をどんどん増やしている。そりゃ、トランプがその大統領職に就いた初めからイスラエルをあれだけ押したのでは、中東の軍事費は鰻登りになるはずだ。トランプの「海外撤退」公約とは、日本や韓国に思いやり予算を何倍にもさせる策略であったのかとさえ、訝っているのである。

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随筆紹介 「箸」  文科系

2020年02月06日 08時08分56秒 | 文芸作品

  箸   K・Kさんの作品です
                                  
 結婚して四十五年で、幾つの箸を使ってきたのだろうか? 初めは夫婦箸だった。その後は、先が折れたり擦り減ったりして買い替え、別々の箸になっている。
 昨年秋、夫とツアーで新潟、福島地方へ出掛けた。地震から暫く経つのに、屋根工事も進まないようで、まだブルーシートが掛けられたままの家が見られた。日本海に近い庄内地方の宿で夕食後、「災害で観光客が少ないのに、よく来てくれました」とお礼の意味で、ツアー会社を通して、三千円の返金があった。「それなら、寄付します」、封筒を返そうとしても受け取らない。「地元に還元してください」添乗員は応える。他のツアー客も収めている。
 それならばと、土産を買ってささやかに応援する事に。宿で食事の時に使った箸が使いやすかった。今までの宿では使い捨ての箸が多かったが、この宿は違う。立派な塗り分け箸だった。握り部分が細く手に馴染む。先も細く四角になっているので、豆類もつまみやすい。先角箸は麵類も滑りにくいので気に入っている。宿の売店の箸コーナーは彩り豊で迷う。夫は藍色と黒、私は桜色と黒の塗り分け箸を選んだ。
 箸の事が気になり調べてみた。箸は縁起物らしい。人と人を結びつける橋渡し。ご縁を結ぶに繋がる。橋と箸にかかっているようだ。箸は二本で一組、どちらかが欠けても使えない。ピタッと合わないとうまくいかない。夫婦を連想させるとか。年明けに使い初めた。明るい色合いがいつもの食卓に彩りを添えている。箸一つだが新たな気持ちになった。

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対スレイマニ殺害・イラン報復攻撃の精度  文科系

2020年02月05日 07時06分16秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 「マスコミに載らない海外記事」に3日付けで転載された、イランによるイラク米軍基地への報復攻撃の詳報を紹介しよう。スレイマニ司令官殺害に対する報復攻撃の被害が、今後の米軍中東駐留にとってどのように深刻なものになったかを示すものだ。初めトランプが「被害はなかった」と発表し、数日後に国防総省がこれを大きく訂正したあのニュースである。


【 2020年2月 3日 (月)

 アメリカの中東での姿勢:大惨事の準備
2020年1月29日 The Saker
[本記事はUnz Reviewビューのために書かれた]

 ウソ、ひどいウソと数値

 トランプと国防総省がウソをついていたことが分かる。またしても。今回はイラクのアメリカ軍に対するイラン反撃の本当の影響について。最初に彼らは負傷したアメリカ人員はいなかったと主張したが、結局最終的に、34人の兵士が外傷性脳障害を負ったと認めなければならなかった(トランプは「頭痛」と「分類し直した」)。それから彼らは、本当は34人ではなく、実際は50人だったと認めざるを得なかった!
 一部の情報源によれば、全てのアメリカ要員が掩蔽壕に隠れていたわけではなく、一部が基地周辺を守るために配備されていた。何が事実だったにせよ、これはイランの反撃が、当初帝国が報告したよりずっと強烈だったことの更なる証拠になる。実際、イランの情報源が、攻撃後、多くの負傷した犠牲者が、イスラエル、クウェートとドイツに飛行機で搬送されたことを示している。その夜何が起きたかについて、我々はおそらく決して完全な真実は見つけられないだろうが、今二つ確実なことがある。
 イラン攻撃は極めて効果的で、今や地域の全てのアメリカ/NATO/イスラエル軍は、次のイラン攻撃を待つ格好の標的のようになっているのは否定し難い。
アメリカ合州国政府はイランによる反撃の本当の規模と性質を劇的に過小報告せざるを得なかった。
 アメリカ要員が得ていた警告の質をはっきりさせよう。今我々は少なくとも以下の警告を受けていたのを知っている:
(イランが彼らの意志について概要を説明した)イラク政府を通しての警告。
(イランでアメリカの利害関係を代表しており、イランが彼らの意志について概要を説明した)スイス当局を通しての警告。
 地上、航空、宇宙でのアメリカ偵察/諜報能力による警告。
 それにもかかわらず、これらのほとんど理想的な条件にもかかわらず(防衛という見地から)、我々はイラン・ミサイルの一発も迎撃されず、ミサイルが高精度で命中し、アメリカ軍基地が(破壊されたヘリコプターや無人飛行機を含め)大損害をこうむり、多数の負傷者が出たのを目にしている(攻撃後の画像詳細については、この記事を参照)。
 もしこの攻撃を「概念実証」作戦として見れば、イラン側としては、素晴らしい精度と、弾道ミサイルの強力な能力が証明されており、一方、米国側としては、この攻撃の唯一の効用は、地域のアメリカ軍が全て、イラン・ミサイル攻撃の被害を極めて受けやすいことの証明だったの明らかだ。イランがアメリカ人犠牲者を最大にしたいと望んでいた場合、彼らが、いかなる警告も与えなかった場合を想像願いたい。一体どのような結果になっていただろう?! もしイランが、例えば燃料庫や火薬庫、アメリカ要員が住む建物、(CENTCOMの主要兵站ノードを含め)産業施設、港や飛行場に目標を定めていたらどうだろう?イランが基本的に無防備な施設に対して放っただろう地獄を想像できるだろうか?!  
(以下略) 】

 イランの攻撃能力について、去年もこんなことがあった。サウジの油田に大被害を与えてその輸出数十%をしばらく停止させたり、アメリカの偵察ドローンを何機か打ち落としたり・・。イエメンへの長期にわたるサウジ遠征軍を、イラン系のイエメン・フーシ派が粉砕したのも、去年の夏ごろのことだったか。

 トランプ政権スタート時に「撤退する」と公約した中東米遠征軍は、まだ6万人だかが残っている。関連死を含めてイラクで50万人、シリアでは100万人が亡くなられたという米本国から遙かに遠いこの地域で、アメリカはそもそも一体!何をしているのか。

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『永久戦争中のアメリカ』    文科系

2020年02月03日 10時28分30秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

 2月2日の「マスコミに載らない海外記事」サイトのある論文を転載する。筆者ポール・クレイグ・ロバーツは、アメリカ政府の元財務次官補。今は、いろんな所のコラムニストを務めてきた。この記事内容は「日本人には全く見えていないアメリカ」「日本マスコミが伝えないアメリカ」が書かれている。が、これは真実だと僕は確信したところだ。


永久戦争中のアメリカ 2020年1月31日 Paul Craig Roberts


 映画監督のオリバー・ストーンは彼の映画でアカデミー賞を12獲得した。だが彼がアメリカの戦争の一つに批判的な映画の資金調達をしようとすると、この卓越した実績は役に立たない。
「そういう種類の内容をしようとすると、それはできない。」戦争支持の言説に彼が従わないため"経済検閲"されているのだとストーンはいう https://sputniknews.com/us/202001311078189951-oliver-stone-united-states-is-the-evil-empire/
 ハリウッドは、戦争を擁護するCNNやニューヨーク・タイムズや、その他の売女マスコミと同じ検閲をしている。ロシアや中国や北朝鮮やイランやベネズエラのような「脅威」というレッテルを貼られた国の見解を、我々は決して聞けないとストーンは指摘する。
 民主党も共和党も戦争大賛成だ。彼女は戦争支持者ではないので、民主党員はトゥルシー・ギャバードには、ニューハンプシャー大統領候補対話にさえ参加させるまい。
 ストーンはヒラリー・クリントンやジョー・バイデンなどの民主党幹部連中は、ディック・チェイニーやシオニスト・ネオコンと同じぐらい戦争賛成だという事実が「アメリカが、どれだけ身動きがとれない状態かを示しています」と言う。ストーンのインタビューで、プーチン大統領が言った通り「誰がアメリカ大統領になっても変わらない」。ワシントンの政策は、戦争によって実現する覇権なのだ。
 トランプは、アメリカを戦争から脱出させたいと言った。トランプは、ロシアとの関係を正常化し、ジョージ・W・ブッシュとオバマが、米軍や「自由の闘士」と呼ばれる代理部隊で侵略した国から米軍を撤退させると言った。だが「ロシアゲート」や「弾劾ゲート」で圧力をかけられて、トランプは強力なイスラエル圧力団体による保護を求めたが無駄だった。トランプ弾劾で最も積極的な連中は、下院多数派の民主党ユダヤ人議員で、トランプに対する、わざとらしい虚偽の証言証人の大半もユダヤ人だった。
 それにもかかわらず、トランプは彼の大統領職をイスラエルに捧げている。トランプは最近、イスラエルが彼がそうするよう望んだので、イランが兵器に利用可能なウラン濃縮をやめて遵守していたイランとの充実した多国間合意を離脱すると言った。2020年1月28日火曜日に起訴された重罪犯イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフとのワシントンでの共同記者会見でネタニヤフにへつらう言辞を弄しているが、これは全てのアメリカ人を当惑させ、心から恥ずかしく思わせる、アメリカ大統領による演技だ。
 「皆知っているように、私はイスラエルのために多くのことをした。アメリカ大使館をエルサレム[アラビア語でアル・クッズ]に移転させ、ゴラン高原を承認し、率直に言って、おそらく最も重要なことは、イランとの酷い核合意から離脱した」とイスラエル擁護の大声をあげる聴衆にむけて、ホワイトハウスでアメリカ大統領が述べた。
 トランプが国連見解に違反するまで、エルサレムへのアメリカ大使館移転というトランプの動きは、世界の他の国々や、それまでのワシントンの見解に矛盾している。国際法によれば、イスラエルには併合できない、イスラエルが占領したシリアのゴラン高原を、トランプは所有しておらず、「力は正義である」以外に、イスラエルにシリア領土を与える権限や法的権限を持っていない。だがトランプはそうした。

 注:トランプは彼を弾劾する理由を提供したのだが、それには、彼らが決してするはずのない行為、民主党が反イスラエル姿勢をとる必要がある。共和党もそうはするまい。両党の何から何まで、イスラエル圧力団体が所有しているのだ。

 それゆえに、イスラエルのための中東でのアメリカ戦争は続くだろう。イスラエルは南レバノンの水資源を欲しており、二度失敗したイスラエルの試みが実証している通り、イスラエルは自身の力では、これを実現することができない。
 イスラエルは地域を占領するため自慢のイスラエル軍を二度南レバノンに派兵し、自慢のイスラエル軍は、二度のヒズボラ民兵により、命からがら逃げ出させられた。
 ヒズボラはシリアとイランに資金供給され補給されており、これが、イスラエルが、シリアとイランと戦って、アメリカ人が死ぬための条件を作り出し続けるために、ネタニヤフが、彼の操り人形、アメリカ大統領ドナルド・トランプを利用している理由だ。

 トランプは意固地にネタニヤフの指示に従うだろうが、ロシアが邪魔だ。
 我々にとっての疑問は、ロシアが、欧米に受け入れてもらえるために、腐敗した政治的、社会的な機能障害の欧米への加盟と引き換えにシリアとイランを売るかどうかだ。
 エリツィン時代のアメリカによるロシア乗っ取りによって豊かになったオリガルヒ、ロシアの重要な大立て者連中の欧米の権益を考慮すると、ロシア政府は欧米への加入と引き換えに、中東での大イスラエルを受け入れることがあり得ないとは言えない。
 ロシアは、欧米に毒されることに対し、非常に脆弱だ。共産主義下での生活、あるいはそれにまつわる言説が、ロシア青年の多くに、ロシアに対する偏見を持たせている。アメリカは道路が金で舗装された涅槃だという信仰がある。アメリカ・プロパガンダの成功は全世界におよんでおり、これはロシアにとって大きな弱点だ。現在ワシントンから資金提供されるNGOは、何千人ものロシア青年を、プーチン抗議行動にかりたてることができ、それはアメリカで見出しになり、プーチンはロシア民主主義を抑制する独裁者だというワシントンのプロパガンダを裏付ける。ロシア政府が、この第五列の活動を認める理由はロシア政府の確信の欠如を示している。ワシントンは、このロシアの確信の欠如につけこんで、圧力を強化している。
 ワシントンとそのヨーロッパの家臣が、毎分、毎日、毎週、毎月、毎年ロシアに対して作戦行動をしている状態で、1991年にそうしたように、ロシア政府は再び倒れかねないのだ。ロシアは悠々とした気分からはほど遠い。ロシア主権はまだ保証されていない。

 ワシントンは戦争の根源だ。ワシントンは他の国々を侵略し、爆弾を投下し、悪者にし、脅かす唯一の国だ。戦争の脅威はワシントンにのみ存在している。
 招待されたイラクへの民間旅客機で平和使節におもむいたイラン政府高官ソレイマーニーをトランプは殺したのだ。これは犯罪と戦争行為の両方だ。ロシアがイランの反撃を抑制したので、今ワシントンはソレイマーニー後継者を殺すと脅している。
 世界は見て見ないふりをしている。アメリカ人は、ロシアや中国や北朝鮮やベネズエラのように、イランを敵として見るよう洗脳されている。だから殺されるイラン人が増えれば増えるほど、洗脳されたアメリカ人は益々が幸福になるのだ。
 ヨーロッパと日本はワシントン属国で、イスラエルに奉仕する世界覇権のためのワシントンの衝動を阻止する上で、いかなる抑制も知性も、全く貢献できない。

 戦争が我々の未来だというのが結論だ。コロナウイルスが、鳥インフルエンザや、SARSや、豚インフルエンザのような世界的大流行の誇大宣伝ではないと想定しても、核兵器より遥かにわずかな人々しか殺さない。
 本当に、ワシントンと、その戦争は、惑星地球の生命に対する脅威だ。世界がワシントンとイスラエルの野心で捕らわれの身になっている。ロシアと中国が断固とした態度を取るのを拒絶して、愚かにも、アメリカの干渉や、おそらく生物兵器攻撃にも両国を開放し続けているので、戦争は我々の未来だ。ボタンが押された時、我々は存在するのをやめるだろう。動物、鳥、植物や樹木もそうなるだろう。
 ワシントンがもたらした荒廃だけが残るだろう。

 Paul Craig Robertsは元経済政策担当財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスとクリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。

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コロナウイルスに夢想する   文科系

2020年02月03日 10時21分03秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 世界政財界指導者が結集するダボス会議がこの1月下旬にあった。このブログでも最近よく話題にしてきた事だが、そこでもこんな反省が連発されたのだそうだ。
「株主利益最大化方針は誤りであったから、是正する」
 僕はこの話題を、去年8月にあったアメリカ・経営者団体「ビジネス・ラウンド・テーブル」の同じ重大反省・是正方針発表以来ずっと重大視してきたのだが、本心からのものとは全く観ていない。冷戦終結以来世界中で打ち続いた通貨危機で評判が悪くなりすぎたこれが、今中国元や日本円に最後の大がかりな空売りを掛けようとする嵐の前の静けさ、米金融世界支配前の策略なのだと観ている。
 たとえば、今のコロナウイルス、日本の五輪後。こんなことがいくつか続き、中国に現金がなく、安くなった時などには、元空売り、円空売りにいつも不安な気持ちが募るのである。アメリカは中ロ、日本に必ずこれを仕掛けてくる。そして、世界の物経済、人間のほとんどの職場というものを米金融でもって支配しようと目論んでいる。これに成功しないと、GAFAバブルを作っている意味も絶えて、米金融(バブル)帝国が必ず崩壊するからだ。

 ちなみに、アメリカがその世界石油戦略にこだわるのも、このことと密接に結びついている。ベネズエラ、イラン、ロシア以外の大石油国の売上代金は全てニューヨーク連銀決済なのである。つまり、アメリカは今いつでも、GAFA時価総額とともにこの大金を一時借用できる、そういう立場なのだ。アメリカがイラン、ベネズエラ潰しに血道を上げるのは、石油独占価格利権と同時にここにも一つの訳があるということではないか。

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