和田誠「物語の旅」フレーベル館(2002/1).書きおろしだそうだ.
画像はカバーと表紙.
*****子どもの頃に初めて読んだ「かちかち山」から、現在に至るまでの読書体験の数々。本好き・装丁好きの和田誠さんが選りすぐった 54 作品についてその思い出を振り返る。1つ1つに挿絵も入れた楽しい読書案内。*****
54 作品は多岐にわたる.
カチカチ山,ライオンのめがね,クマのプーさん,...
ビルマの竪琴,杜子春,月夜のでんしんばしら,...
豹 (ジャガー) の眼,血の収穫,...
813,黄金虫,そして誰もいなくなった,...
半七捕物帳,甲賀忍法帖,最後の仇討,...
これらが順不同に現れる.
松本清張の「点と線」を再読したくなった.あらすじの書き方が雑誌やプログラムでの映画のストーリー紹介を思わせた.
著者は「ぼくが面白がった物語は,挿画を描きたくなった物語」と書いている.
意外にも「旧約聖書」の挿絵は宮殿をぶっ壊すサムソン.高校時代に映画部にいたせいもあるらしい.ヴィクター・マチュアの「サムソンとデリラ」はぼくも観た.
「麻雀放浪記」の俯瞰図も和田さんには珍しい.
和田さんは1936生,ぼくは1941生なので,けっこう読書体験も映画体験も重なっている.
和田さんが「ビルマの竪琴」を読んだのは雑誌「あかとんぼ」上だったそうだが,ぼくは完結編までを雑誌「少年少女」上で読んだ.大学院時代 竹山道雄の右翼的 ? 発言に「ビルマの竪琴」との食い違いを感じた.でもこの本にはそんなことは書いてなかった.
「トム・ソーヤーの冒険」は,和田さんにとってはスリラーだったそうだが,ぼくが覚えているのは塀にペンキを塗る場面だ.でも,「ハックルベリー・フィンの冒険」のほうが印象が強い.トム...は単に子供向きだが,ハック...はそうではない.今考えると,前者は小学,後者は中学時代に読んだので,それを感じることができたのだと思う.
古書で購入したが,持ち帰るのが重かった !!