Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ポーカー・レッスン

2013-12-31 08:40:47 | 読書
ジェフリー・ディーヴァー,池田 真紀子 訳,文春文庫(2013/08).

帯に曰く
これぞ だまされる快感!
ドンデンがえし 16 連発!!

この惹句以上でも以下でもない本.ボク的には期待どおり.

原題は More Twisted で,twisted は「ひねりをくわえた」という程の意味らしい.「もっと」すなわち more というのは,これが2冊目だからで,1冊目も原題 Twisted が「クリスマス・プレゼント」というタイトルで刊行されている.こちらも,読んだのは覚えているが,中身は覚えていない.

16 連発もされると,飽きてくる.表題作「ポーカー・レッスン」は最後から3作目,飽きた頃に読んだせいか,冴えない作品に思えてしまった.
「ウェストファーレンの指輪」は,何でロンドンが舞台なのかと思っていたら,ホームズとワトソンが出てきた.
リンカーン・ライムが難事件に挑む「ロカールの原理」は,この作家のファン向きのサービスらしいが,ファンでない者には 80 ページ弱は長過ぎ.ちなみにこの本は全体で 670 ページなので1編の平均は約 40 ベージ.
解説の署名は「編集部」.他に,著者自身の序文とあとがき (? 「恐怖について」というタイトル) がある.
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「もういくつ寝ると...」をブルースで

2013-12-29 09:29:23 | ジャズ
我が幼少時代は,サンタは「毛唐」の子供だけに来ると聞かされていた.正月はお年玉をもらえるので,「早く来い来い」だった.

先日のクリスマスのライブのアンコールで,滝廉太郎の「お正月」.
12 小節なので,アドリブ部分は F ブルースにした.
歌そのものに使われているコードは,細かいことに目をつむれば,F だけ,と言うわけで,テーマの提示は輪唱ならぬ輪奏で,と思い立った.「かえるのうた」の要領で,4小節ずつずらして,違った楽器が同じメロディを弾くわけ.

この歌でこんなことをして遊べるのは,1年で10日くらいしかない.

演奏後の反省.
最初の4小節と最後の4小節はほとんど同じなので,はじめの8小節だけで輪奏し,最後の4小節はコーダみたいに使うという手もあった.
4小節単位でなく,2小節単位のほうが良かったかも.


「お正月には餅食って 喉に詰まって死んじゃった 早く来い来い霊柩車」という替え歌は,つくばでも広島でも知られているらしい.お年寄りにはリアルにすぎるなぁ,というのがバンド友達の感想. 
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ジャズ研究会 定期演奏会2013

2013-12-27 08:43:59 | ジャズ
去る 12月23日(月).
第1部 4 バンドのコンボ演奏.第2部 ビッグバンド.
異例の 1600 開演.異例の !! 満席と思ったが,第1部が終わったら半減してしまった.何なんでしょうね.

写真はコスプレによる第2部より (コスプレはもともとはアニメ・ゲームの登場人物に扮することらしいが,ここでは広義でつかわせていただきます).このお馬鹿な伝統は,15 年前には確認したが,それ以前は知らない.
例えば,最前列のサックス・セクションのコンセプトは桃太郎で,右から犬,桃を拾ったおばあさん,猿,桃太郎,雉子,空席はソロ中でパンダの左の鬼だそうです.
その,パンダがかじっているのは,笹ではなくフルート.
スマホのカメラはなかなか優秀だ.

配布されたプログラムに,コンボ演奏の曲目が一切なし,であった.
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クリスマスには 古いイギリスの歌

2013-12-25 08:55:44 | 新音律

クリスマスキャロルの中には古いイギリスの歌が多く,たいてい現在主流の長音階とは異なる音階を使っている.われわれが正月にお琴の曲なんかを聴くように,欧米でも古い音楽でリラックスするのだろう.

猿カフェの虎バンドで,とりあえず選んだ5曲のうちの2曲がそうだった (後の3曲は,赤鼻のトナカイ,サンタが街にやってくる,ああベツレヘムよ).

ひとつは Greensleeves.なぜこれがクリスマスに? と思われる歌詞がついている.Wiki によれば
*****歌のなかのレイディ・グリーン・スリーヴスは、非常に高い確率で、性的に乱れた若い女性であり、恐らく娼婦であったろうことが広く認められている。彼女の袖(スリーヴ)の色が緑であることは、恋人との情事が草のなかで行われ、草の色が染みついたことを示唆している。*****

しかし「御使いうたいて」という,クリスマスらしい替え歌もあるとのこと.

この曲は,Paul Desmond と Jim Hall の First Place Again という LP に入っていた. Youtube で探したがみつからなかった (かわりにほぼ同じパターンの,Paul Desmond and MJQ はあった).

もう1曲は,God Rest You Merry, Gentlemen で,こちらはディッケンズの「クリスマスキャロル」にも出てくる.MJQ Last Concert でのヴァイブ,ピアノにからむベースが絶妙.

動画は Springtime Manteleth Every Bough (春の日はすべての枝にマントを着せ) と言う 16 世紀イギリスの曲.これもリストに追加されそうだったが,没になった.演じ慣れた曲のようにフレーズが4小節単位で切れず,途に迷って崩壊しそうだったため.いま思えばテーマだけオープニングに使うこともできた。練習してリベンジしたい...ひとりで練習しても面白くも何ともないが,バンドで練習するのは本番より楽しいと思うようになった.
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「小方順子 油彩画展」ちゅう

2013-12-23 08:08:11 | エトセト等



こちらはギャラリーは留守にして,好きなことをしていればよかろうと思っていたのだが,J 子の絵描きさん仲間から「そう言うもんじゃない」とお説教されたりで,ほとんど毎日出勤.家から近いので助かっている.
階下のカフェのお客さんがのぞいて下さるので,けっこう忙しい.老若幼取り混ぜ約 9 割女性.こんなふうに写真を撮ったり.
J 子は絵を描くより おしゃべりの方が楽しいらしい.
手前にごしゃごしゃと並んでいるのが 16 トンの作品で,こちらも「カワイー!」と,可愛がられている.

カフェは開店なん周年とかで,毎日ライブをやっている.ユーフォニウム,馬頭琴,ピアノデュオなどと多彩.演奏家とお話しするチャンスもあった.

穴が空くとかで,トラをつとめることになった.デュオで出演のはずが,いつの間にかクインテットに!!
12/24(火) 1230- です.
この日は特別に開業だけれど,ふだんの火曜日は休業だそうで,お店としては集客に不安のようす.お近くでお暇な方はどうぞ.メニューはこちら.
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承前 「アインシュタインとヴァイオリン - 音楽のなかの科学」

2013-12-21 08:34:17 | 新音律
西原 稔, 安生 健,ヤマハミュージックメディア (2013/12/21発売予定).
写真は本書とは関係なく,16 トンがウェブで拾ったもの.本書の表紙は一昨日紹介しました.

科学史の視点からの音楽史といった本.「アインシュタインとヴァイオリン」はイントロにすぎない.アインシュタインは趣味としてヴァイオリンを弾いただけで,とくに音楽に貢献したわけではないのだし,むしろ「科学者列伝」としてコラム的に扱われている,ピュタゴラス,ケプラー,ヘルムホルツ,田中正平の4人の業績が本質的.本書のタイトルは,著者のアインシュタインへの敬愛の現れなんだろう.

この本では,著者おふたりの分担部分が明記されている.
多少なりとも存じ上げているのは安生 健氏のほうで,東京芸大と東大教養学部を卒業され,ヘルムホルツの大著をドイツ語の原本から完訳されておられる.訳本は出版はされていないが,東京文化会館の音楽資料室に1冊を寄贈されたとのことである.

安生氏の「はじめに」は「正直に申し上げます.本書を読んでも,かならずしもよい演奏ができるわけではありません」で始まっている.氏の文章には独特のスタイルがあり,この本はそのスタイルがかなり抑制されているようだが,それでも読んでいてニヤリとしてしまった.たとえば,冒頭の「アインシュタインとヴァイオリン」は 24 ページほどだが,その 1/3 は注釈で,ここだけ読んでも面白い.「なんとなくクリスタル」みたい と言ったら,叱られそうだが.

本書の構成は
第0部? アインシュタインとヴァイオリン
第1部 音と数の秘密
第2部 天体と音楽
第3部 平均律と純正律
詳細はアマゾンのページで見ることができる.第2部の,当時の天体と音楽の議論は,現代人の目では袋小路に入っていたように見えるが,本当にそうなんだろうか.第3部では標準イ音や絶対音感も言及される.絶対音感なんか有害無益と歯切れが良い.

以下は本書に書いてあるわけではなく,本書から勝手に連想したこと.

量子力学と異なり,相対性理論はアインシュタインが独力で構築した.でも,アインシュタインが居なかったとしても,相対性理論は早晩われわれが知るところになったと思う.一般的・普遍的な原理とはそう言うものだ.しかし音楽に「原理」はあるのだろうか.ドレミ...は世界各地で自然発生的に出てきたようだ.そこから発生した 12 音技法にも,シェーンベルクが居なくいも,だれかがたどり着いただろう.しかし,モーツァルトが居なかったとしたら,誰かがモーツァルトと全く同じ音楽を作っただろうか.そうは思えない.ダ・ビンチが居なかったら,誰かがモナリザを描いたとも思えない.
いっぽう,技法としてではなく,楽曲としての 12 音音楽は影が薄いなあ...など.

縦書きの本に数や式や横文字が挿入されるのに違和感を感じたが,文科系の本とはそう言うものなんだろう.
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「アインシュタインとヴァイオリン」という本

2013-12-19 08:31:29 | 新音律
西原 稔, 安生 健 「アインシュタインとヴァイオリン ~音楽のなかの科学~ 」ヤマハミュージックメディア (2013/12/21発売予定)

この帯の惹句「ピュタゴラス、ヘルムホルツ、アインシュタイン。科学と音楽の数千年のうねりを実感できる。」は 16 トンの作文.こんな推薦文が売り上げに寄与するとは思えないが,逆に「視て聴くドレミ」にフィードバックする可能性なきにしもあらずと考え「売名」した.

その「視て聴く...」の成立過程をネタに「学生とマルチメディア入り電子書籍を作る」と題する文章を日本物理学会誌 (Vol.68, No.12, p.832 2013) に書いた.
「視て聴く...」は売れていないが,「音律と音階の科学」は今なお売れていて 18 刷りが出た.

「アインシュタインと...」の内容については,日を改めて.
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ひさびさのジャズ・ライヴズ

2013-12-17 08:03:09 | ジャズ


lives と複数形なのは2日続けてだったため.

1日目土曜日は川尻公民館ロビーコンサート.T田(vln),M井(kbd),N村(b),O田(ds) プラス vib.
Bemsha Swing, Lawns, Windows, Jingle Bells, Our Little Town, Bag's Groove(enc).
保育所のこどもたちが 20 人も来た.演奏中眠る子もあれば,踊り回る子もあったが,選曲が不適当だったかなと反省.
終了後はT田がバイオリンを弾きながら歌唱指導.ビブラフォンもこの通り,例によって大人気.

「そうそう.君たち,オンガクは聴くものではなく,演るものなんだよ」.

2日目日曜日はカフェ・サルデーニャリゾート.T田(vln),O方(p),N村(b),O田(ds),S田(vo) プラス vib.メンバーも曲目も一部重複していて,
第1セット Bemsha Swing, Jingle Bells, Our Little Town, Windows,ベルベット・イースター,雨の街を,Bag's Groove(enc).
第2セット My Little Suede Shoes, Lawns, Tango pour Claude,明日は晴れかな曇りかな,すてきなホリディ,枯葉(enc).

第1セットの終りでアンコールを催促され,かなり狼狽した.


邦題はボーカル入り.武満 徹の「明日は...」は,ドボルザークのホンキートンク調 (?) p イントロで始まった,ボーカルの間にキーを変えて p, vib, vln のアドリブを挟んだ.
ユーミンの2曲は彼女のデビューアルバムから (この LP,持っていたんだけど).「雨の街を」の,最近のユーミンの弾き語り動画を YouTube で見つけたが,キーが低くなっていた.

目玉はバイオリンが活躍する Tango. T.T 田が卒業するとヒロシマにジャズ・バイオリニスト (フィドラー?) がいなくなってしまうなぁ.
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Experimental Jingle Bell Jazz - ジングルベルを実験ジャズで

2013-12-15 20:43:28 | ジャズ
しだいに曲を盛り上げるには

1 しだいに音量を上げる
2 しだいにテンポを上げる
3 しだいに音高を上げる

の3つの方法があるだろう.1 の例はラベルのボレロ,2 の例と言えるかどうか分からないが,学生のジャズではかってに盛り上がって 最後にはずいぶんテンポが速くなっていることがある.3 は,よく分からない.

クインテットで演奏する機会があったので,1,2,3 をすべてひとつの曲でやってみようということになった.題材は,時節柄ジングル・ベル.

しだいに音量を上げるために,ボレロにならって,ピアノソロ,ピアノトリオ,カルテット,クインテットと,しだいに編成楽器を増やしていくことにした.

テんポの上げ方はドラマーに任せる...とか言ったくせに,やってみるとドラマーへの注文がすごく多かった.

この歌は
dashing through the snow....
で始まる部分 A と,
jingle bells, jingle bells, jingle all the way...
の部分 B の AB 構成.
アドリブでは B の部分を繰り返し,16 小節毎にキーを全音ずつ上げることにした.「音高を上げる」の具体化である.

結果として,ピアノソロとピアノトリオによる key in C のテーマの後,アドリブは 16 小節毎に B 部分を,
ベースソロ(C),ピアノトリオ(D),カルテット(E),カルテット(Gb),クインテット(Ab),クインテット(Bb),ドラムソロ
となった.その後はクインテット全員合奏による AB を通した後テーマ.
テンポは最後は最初の数倍となる.

公民館とカフェと,2回この曲を演奏する機会があった.どちらでも喜ばれたが,2回目の方がこなれた結果,うまくいったと思う.もう一度くらいやりたいところ.

写真は,ブログの内容とあまり関係がありません.
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Jim Hall

2013-12-13 08:34:42 | ジャズ


真夏の夜のジャズ Jazz on a summer's day に出ていた...とずっと思っていた.しかし Youtube で見直したらもっばら写るのはジミー・ジュフリーで,ジム・ホール (JH) は最後にちょっとだけ.このドラムもベースもいないバンドで苦労したので,彼は頭髪を失ったのだそうだ.
半世紀以上前のジャズ祭の記録映画だが,こんな人が出ていたのか,当時は誰がスターだったのか,という目で見るとこのタイトルは面白い.

水戸にロメインというライブハウスがあって,JH 氏自筆の Romain の楽譜が額装してあった.店主は中牟礼貞則氏の直弟子にして渡辺香津美の兄弟子とのことだったが,本業がうまくいかなくなったらしく閉店してしまった.
学祭で Romain を演ったことがある.終わってからベーシスト氏が「暗い曲だ」と言った.そう思ったことはなかったので,へぇーと思った.

前世紀末に大枚をはたいて東京ブルーノートに行った.当時駆け出しのクリス・ポッターを含むカルテットだったが,緊迫した雰囲気で,JH氏がにこりとしたのは終わったときだけだった.

JH 氏がジャズファンに認められたのきっかけは Undercurrent だと思うが,ソニー・ロリンズやポール・デスモンドのサイドも良い.アート・ファーマーとのカルテットでは To Sweden with Love というアルバム,ふつうの曲では Something Special,変態っぽい曲では Careful あたりが 16 トンの好み.白人にはバップ曲がきらいな人やうまくできない人が多いが,彼はどんどん演った.でも,Skylark がいちばんお好きだったらしい.
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