Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

キリスト教は邪教です!

2006-02-20 10:09:50 | エトセト等
キリスト教は邪教です! 現代語訳『アンチクリスト』 フリードリッヒ・ニーチェ (著), 適菜 収 (翻訳) 講談社+α新書 (2005).

高校時代から敬して遠ざかっていたニーチェの哲学書がよく売れているというので購入.あっという間に読んでしまった.「超訳」とのことだが.橋本治の枕草子のノリ.そこらのオッサンのご高説をうかがっている感じ.

書いてあることは痛快で,ほとんど共感できる.むかし,死んでも生き返るとか,かたっぽの頬を打たれたらもうかたっぽも打たれやすくしてやれとか,こどもごころに「ばっかみたい」と思ったのを思い出した.ただしニーチェのユダヤ人に対する罵詈雑言はどうかと思う.これではナチに利用されても仕方がない.

原題は「アンチ・クリスト」だが,イエス・キリスト個人に対しては意外に好意的.イエスの取り巻きと後世の僧職者にって邪教に堕ちたいうのだが,よくあるストーリーですな.

本書では仏教は評価されている.宗教とほどほどにつきあっている日本人はなかなか賢明だということになりそうだ.アメリカが空爆したり(現代の十字軍?),京都議定書を無視したりするのも,邪教に毒されているためであろうか.
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カッコウの音程 (2)

2006-02-13 21:13:35 | 新音律
たった5個のデータからカッコウの音程(1)のようなことを言うのは統計的に心許ない.しかし国内のウェブはあさりつくした感があるので,海外のサイトからカッコウの鳴き音を拾ってみた.しかし,あまりない.苦労してサーフしまくってやっと5例.カッコウと鳴くのはcommon cuckooと言うのに限られていることが分かった.

このグラフの2本の数直線のうち,上はカッコウの「カッ」の部分の音程.下は「カッ」と「コウ」の周波数比.各数直線の上の赤丸は日本のカッコウ,下の青丸は欧米のカッコウ.値が近かったときはふたつ以上の丸が重なってしまった.

日本のカッコウが欧米のカッコウより高い声で鳴くことは断言できそうだ.「カッ」と「コウ」の音程も,日本の方が高低差が大きいことも言えそうだが,3度とか4度とかいうのはちょっと早計だったかな.さきに長3度ともちあげた日本の3羽も,図のように短3度・長3度の中間で,音楽の耳で聞けば音痴に近い.

くりかえしになるが,日本のカッコウのほうが派手に鳴いているのは確か.狭い国土で,人間の垂れ流す音楽(雑音?)を聴いているうちにこうなってしまったのだろうか.

ネットで得られる音源は使い尽くしたようなので,この話題はこれでおしまい.

追記
http://blog.goo.ne.jp/ablerail1007/e/5e82fd42ace3e6f087569919a0a90427
に続きます!
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カッコウの音程 (1)

2006-02-11 11:33:46 | 新音律
つくばに就職したとき,東京生まれ東京育ちの母親がやってきて,カッコウが鳴いていると感心した.実は身障者用の交通信号だった.

さて,カッコウが鳴くのを楽譜に書くとどうなるだろうか.ウェブにいくつかある「野鳥の声」サイトから5データをスペクトル解析してみた.

もちろんどの個体でも「カッ」が高く「コウ」が低い.
始めの「カッ」音の絶対音程は770-860Hzに分布していて,GとAの間になる.
スペクトルには高調波がほとんどない.
「カッ」と「コウ」の周波数比は4/3が2例,5/4が3例.

というわけで,相対的な音程は長三度か完全四度.カッコウは(移動ドで言えば)ミドあるいはファドと鳴いている.ちなみに,Johnasson作曲の「郭公ワルツ」の出だしは長三度,ミドだ.

ミとド,あるいはファとドというふたつの音は協和する,すなわち同時にならしたときに響きがよい.ただしこれはそれぞれの音に高調波が存在するからである.しかしカッコウの場合スペクトルに高調波はほとんどない.それに,カッコウの歌?はそもそも単旋律だ.こう考えると,「カッ」と「コウ」の音程が音楽の理論に従わなければならない,物理的な理由はない.
なぜカッコウは純正律を知っているのだろうか.

コメント (3)
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バッハをジャズで

2006-02-07 11:31:10 | ジャズ
MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)のMJQらしい最初の曲はヴァンドームだとパーシー・ヒースが言っていた.バロックのフーガ風のテーマだが,これをまねて,バッハのフーガ風のやさしい曲をいくつかの楽器でやったらどうだろう,というわけでもっかインベンションのジャズ化を画策中.

2声のインベンションはヴァイブとピアノにベースがコードをつける,3声ではそれぞれのパートをヴァイブ・ピアノ・ベースが受け持つのが基本だが,原曲をそのまま弾くとあっという間に終わってしまうので,アドリブパートも加えたいと欲張っている.

バッハの原曲をジャズで演るのはジャック・ルーシェが有名だが,もっぱらピアノが弾きまくるスタイルで参考にならない.MJQのブルース・オン・バッハというアルバムではバッハの4曲をほぼそのままp,vib,bに振り分けて弾いているが,アドリブパートはない.

写真のアルバムではステフォン・ハリス,ケニー・バロン,ロン・カーター,ルイス・ナッシュというMJQ編成のバンドがバッハを演奏している.ただし原曲にコードをつけ,それに従って交互にアドリブするというふつうのジャズのやり方で,フーガっぽい味わいはない.彼らはClassical Jazz Quartetを名乗っていて,MJQに比べると達者だが品格は落ちる.

ジミー・ジュフリー+MJQでほとんどアドリブでフーガ風の曲を演奏したのを聴いた覚えがあるんだけど.

というわけで,ぼくたちはどうやるか,模索中.この曲はブルースにしてしまえとか,あの曲はラテンのリズムで一発コードを途中にはさむ,こいつは短三度で転調を繰り返す,等等,案だけは豊富だが,どうなることか.
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reading

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