Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

イニシエーション・ラブ

2007-11-29 13:57:05 | 読書
文春文庫(2007/4).
「必ず2回読みたくなると絶賛された傑作ミステリー」と書かれた裏カバーに惹かれて手に取った.

なんだか未熟な小説だなと思いながらも,ミステリーとあったので,我慢して最後まで読んだ.前半で主人公が内定した会社と,後半で彼が勤める会社の名前が違うのには気づいたが,著者が雑なんだろうと思ってしまった(これは読む方が雑だった! ゆっきサンのコメントのように,就職先が違うのには、複線的な意味はなく,ちゃんとB面の最初に,内定していた大企業を蹴って地元企業に就職したという一文があった).最後まで行って「なんだこりゃ」とはあいなったが,続けて解説(大矢博子)中の用語辞典,とくにゴチの部分を読んでナットク.しかし再読する気にはならなかった.

前半がA面,後半がB面と名付けられた構成.「乾くるみ」というペンネームがかわいいので,いちど読んでみたいと思っていた作家だが,年齢が気になった.今の人は知るまいが,CDの前にはLPという媒体があった.A面B面それぞれに何曲か入っていた.この小説ではこのA面B面にならんだ懐メロの曲名が章の名前になっている.ここではA面B面という名付けかたにも意味がある.
カバーをチェックしたら乾さんは1963年生まれの静岡出身とあった.なるほど.

「葉桜の季節に君を想うということ」や「不連続殺人事件」を連想した.
この2冊は不可解な現象が起こるという点でミステリーだが,「イニシエーション...」はミステリーといえるのだろうか.
ま,いいか.
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Mac mini

2007-11-27 10:56:58 | エトセト等
数年来使っている Windows (e machines) が PowerBook に比べてあまりにとろいので,Mac mini を導入.ブートキャンプで Mac と Windows の相乗りを試みた.

写真に積み上げた一番下のグレイの大きいのが e machines (ここに複数形はへんだが,会社の名前です),その上のは場所がないので横置きにされたスピーカー,その上のが Mac mini.小さいことは良いことだ.静かで動いていても分からない.ただし電源は別置きで,左下に一部隠れた白い箱.
ご覧のように,e machines のキーボード,マウス,ディスプレイのコネクタを Mac mini に差し替えて使っている.しかしパソコンのコネクタ類が背面にあるのは不便.e machines 撤去後も Mac を横向きに使うことになりそう.

Mac の OS は Leopard にしたが,あまり新鮮に感じられない.もう一台の PowerBook も Leopard に入れ替えれば,連携して威力を発揮するかもしれない.Windows で載るのは Vista か XP だが,いままで使っていたソフトのしがらみで XP とした.

ブートキャンプそのものはすぐ動いたが,いくつか問題も.

Mac のワイヤレス・キーボードが,Windows では動かない.
e machines のキーボードを使うと,微妙に配列が違う.Alt/Option Back/Delete あたりの対応はわかってきたものの,カナ配列は,いまだによく分からないところがある.

Mac の Mail では SMTP が何度やっても設定できなかった.Thunderbird にしたらこちらはさくっと設定できたので,Mail がおかしいのだ.というわけで,現在メールに Mail は使っていない.

立ち上げはMac のほうがずっと簡単.加えて,Windows のファイルを必要なものだけ e machines から mini に移すのに,Win ではどこになにがあるのかわからなくて四苦八苦した.

Windows を必要とした最大の理由は,富士のデジカメ Finepix と,シャープのプリンタ(見楽るという複合機)が,ふたつとも Windows しかサポートしていないためだった.しかしデジカメのファイルを読みこむだけなら,Mac でも何の問題もない.プリンタも HP のドライバをダウンロードして
http://dotmb.netwalk.in/?eid=47611
に従って設定したら,Mac にあっさりつながってしまった.外見はシャープでも中身は HP らしい.

Windows なんか要らない...と言いたいところだが,年賀状のための住所録は Win のソフトなので,やっぱり必要.CrossOver Mac のほうがすっきりしたかも,と反省.
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バスジャック

2007-11-25 21:51:59 | 読書
三崎 亜記「バスジャック」集英社 (2005/11)
2 年前に出版されたものを今になって図書館で借りて読んだ.まえの「となり町戦争」が長編だったのに対し,短編集.一種の不条理な状況を前提に展開するところは共通している.アイデアが勝負みたいな組み立てなので,この作家には短編のほうが向いているかもしれない.

7編のうち2編はショートショートと言っても良い長さで,なぜか星新一みたいと感じた.最後の「送りの夏」がいちばん長く,これだけが常識的な落ちが付いている.「バスジャック」がいちばんハードだが,読後感は概してさわやか.特に最後のはロマンチックと言おうか,センチメンタルと言おうか.

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イカに描く

2007-11-23 11:59:25 | お絵かき
コウイカをさばいたら,ひらべったい骨?が出てきた.コウイカのコウらしい.きれいなので絵を描くことにした.アクリル絵具が半分はじかれ,半分すいこまれる感じ.G藤さんからいただいたラディシュです.
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調律曲線@数学セミナー

2007-11-20 10:25:29 | 新音律
オー先生に数学セミナー12月号に「ピアノ弦の性質と調律曲線」という解説があると教えていただいたので,この雑誌を何十年ぶりかで買った.

法則通りにピアノの調律を調律すると,図では水平線になる.しかし実際の調律は図のように,低音側ではより低く,高音ではより高く調律することになっている.そうしないと音楽的でない(のだそうだ).従来の説明では,人間の耳は低音側・高音側では音高に対する感度が低いので,音高を誇張することでこれを補正するとされてきた,と思う.

この太田高正氏(東芝情報システム(株))の解説によれば,ピアノ弦の2倍波,3倍波...とされる波の周波数が2倍,3倍...からややずれているという.このために杓子定規に調律すると,重音を弾くと高調波同士がうなりを生じる.このうなりをなるべく小さくしようという妥協の結果がこの調律曲線となる,という.なるほど.
整数倍波のずれは,ピアノ線を弦ではなく太さのある棒として高調波の周波数を計算できるかもしれない.

この号の数学セミナーは偶奇性にみる数学が特集だが,門外漢の私には,「二千円札の数理的価値...」,「英語のセンター試験の統計グラフ問題...」などの記事がおもしろかった.
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女王の瀧と瀑雪の滝

2007-11-18 15:53:40 | エトセト等
みなが仙人さまに教わった三原市本郷の女王の瀧(上の写真)に出かけた.ふつうの沢登りと異なり,上流から滝に近づくことになる.途中に堰があって洗濯後みたいな白濁した水を見ると興ざめ.おまけに「まむし注意」の看板が乱立していて不気味.滝そのものは,NHK大河ドラマのバックに使われたそうで,期待を裏切らなかった.


日を改めて,瀑雪の滝(下の写真).女王の滝は沼田川に南から流れ込む支流にかかっているのだが,こちらは北側の支流にかかっている.国道に瀑雪の滝駐車場があり,そこから300m.水量は少ないが,高さがあってこれこそ滝という感じ.水もまぁきれい.このあたりには大きな一枚岩が多いようだ.2 枚の写真は J 子撮影.
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ねこ受難ソング

2007-11-16 21:31:04 | ジャズ


ニコ動 にダークダックスが歌う「山寺の和尚さん」を発見.

「まりはけりたし まりはなし ねこをかんぶくろにおしこんで ぽんとけりゃ にゃんとなく .....」
という,「ねこふんじゃった」よりも,もっと積極的な動物虐待ソングである.

この和尚さんは行基創建の筑後三大古刹のひとつ,臨済宗妙心寺大生寺の第八世蔦道和尚がモデルという言い伝え (http://snkcda.cool.ne.jp/mame/1ukiha/12itinose.html).
ただし「まりを蹴る」といっても,サッカーではなく,もっと優雅な蹴鞠遊びのこと.

いま知られているのは服部良一作曲.コロムビア・ナカノ・リズム・ボーイズというコーラスグループにより1937に発売とある.自然短音階と和声短音階が混じっていてなかなかモダンなかんじ.でも,「ダガジクダガジク」とかいうスキャット?は何だろう.久保田育二による詞
http://www.d-score.com/ar/A06120208.html
の二番三番がオリジナルらしくおもしろい.

YouTubeのはシヤープス・アンド・フラッツとの共演.ダークもまだ若くて元気.でもハーモニーは単純.ベースのゾーサンは終始ブンブンとベースの真似をしているが,このとき #&b のベースはどうしてるんだろう...などという,へそまがりなきき方も一興.
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正調 ねこふんじゃった

2007-11-14 19:34:34 | 新音律
拙著「音律と音階の科学」の中で,「ねこふんじゃった」をラレドミミと間違えてしまった.そこで正誤表ではラソドミミとしたのだが,それも違う,ラソミドド(ドは上のド)と指摘された.

ねこふんじゃったを初めて聴いたのは,今を去ること五十数年前,終戦後の貧しい時代だったが,それでも50人くらいのクラスでひとりふたり,ピアノがある家の子がいて,この曲を黒鍵だけで弾いて見せた.手が小さいので,ラソミドドの運指が難しく,ラソドミミになったのだと思う.その後その女の子が左手と右手がクロスしたりしたので,あっけにとられた.

ネットの midi を漁ってみると,やはりほとんどがラソミドドだった.ミドドとドミミをハモらせているのも多い.ラソド(これは下のド)ド(こんどは上のド)ド(同)というのもあった. ここにあげた画像はまた違う.まぁ ドミソのどの音でも良いと言うことか.
(移動ドで書きました.固定ドではレ#から始まりすべての音に # がつきます.)

当時は「ねこふんじゃった」ではなく「ねこ死んじゃった」だった.死んじゃったではかわいそうというので,どこかのおとなが歌詞をもじって,ふんじゃったにしたのだと思っている.
その後悪ガキたちの歌詞は
「ねこふんじゃった ねこふんじゃった ねこふんづけたらしんじゃった」
となりました.

http://www.geocities.co.jp/MusicHall/2623/html/faq.html
に,ねこふんじゃった研究会という HP があります.画像の楽譜はそちらから借用しました.
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となりのアインシュタイン

2007-11-12 09:21:05 | 読書
福江 純 著, 長崎 訓子 絵 「となりのアインシュタイン 」PHPエディターズグループ (2004/08)

あとがきに,相対論や量子論は大学でも物理にでも進まない限り習うことはないだろうとある.まったくそのとおり.ぼくは工学部だったが,相対論は教養学部でノガミ先生に教わっただけ.ちなみにこの先生のお母さんはノガミヤエコさんだそうだった.
光速不変という仮定のもとで初等的な数式をいじるだけで,手品のようにE=mc^2という結果 (原子力と核兵器のモト) が出てきた!!

その後粒子加速器を作ることを仕事にしたが,特殊相対論だけで十分だったので,一般相対論は知らない.

というわけで,この本は相対論に縁のない人のための解説書.先生と生徒ふたりの問答プラス・ナレーションで進められる.問答体というのは書く側にとっては恥ずかしいものだが,生徒は太郎と花子ではなく星斗と明理 (ほしととあかり,星斗はねこの名前から借用したそうだ) という文学的な名前するなどして,著者は気を紛らわせているようだ.しかし先生役のアル (アルバート?) は「わしは...じゃ」と,お茶の水博士口調.
「光のきもち」「たましいの重さ」...などの章のタイトルのつけかたもうまい.

ぱらぱらと見たら絵がきれいなので図書館で借用.この本の魅力は絵の魅力だな.絵のモチーフは紙飛行機らしいが,本文との関係はわからない.絵の星斗と明理は幼すぎるとも思うが,まあ,可愛いからいいでしょう.「不思議の国のトムキンス」のような感動がなかったのは,こちらの歳のせいだろうか.

技術系にはすらすら読めるが,そうでないひとにはどうだろうか.逆に言えば,この本がすらすら読めるくらいなら,本格的に勉強したほうが良い.特殊相対論までなら,すらすらとはいくまいが,高校数学で十分理解できるように書いた本も多いはず (と,思うけれど,具体的にどの本ということはできません).
まぁ すらすら読めない本は読みたくない人のためにこういう本があるわけだけど.
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浜松にて

2007-11-10 08:46:13 | エトセト等
光産業創成大学院大学シンポジウム,「スーパーレーザー(超高密度ホトン)産業創成 -レーザー粒子加速が拓く新技術・新産業-」というのの司会を仰せつかったので,浜松に行ってきた.
たまには...とネクタイをぶら下げていったのだが,電車に乗ってから,したはGパンだったのに気がついた.

大学まではバスで40分くらい.途中おかめ坂とか,狸坂とか,おかしな名前のバス停があるが,なんのことはない住宅街だった.
半日のシンポ.ぼくはこのところ眠り病なので,講演を聴いていて居眠りをするのが心配だったが,さいわいどの講演もおもしろく,杞憂に終わった.前半は大学・法人研究所系の方のお話が多い.たいていの方のはなしが長く,時間が伸びてしまった.後半はメーカーの方がほとんどで,時間通りに進んだと思ったが,結果的には予定より15分も早く終わってしまった.

昼食に浜名湖畔で鰻の味噌焼き定食なるものをいただいた.ケー先生が昼食後,龍譚寺(臨済宗妙心寺派)に連れて行って下さった.彦根藩主井伊家代々の菩提寺で,鶯のように鳴く廊下,左甚五郎の龍など,目玉は小堀遠州の手になる庭園 (写真右の裏庭,左の前庭はなんでもないらしい) であった.
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