Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ブラッドベリ2002年の短編集

2008-11-29 20:36:42 | 読書
レイ・ブラッドベリ,伊藤典夫訳「 社交ダンスが終った夜に」 新潮文庫 (2008/10)

******** 内容(「BOOK」データベースより)********
深夜の路面電車に乗り合わせた男女の会話は、やがて不思議な結末へと…ふわりとした余韻を残す表題作のほか、急場しのぎにでっち上げ、リールの順番さえ間違えて上映した映画がベネチアでグランプリを受賞してしまう「ドラゴン真夜中に踊る」、ゴルフ場で偶然知り合った同名の老人の過去と自分の過去が、徐々に混じりあっていく「19番」など、いずれも“SFの抒情詩人”ならではの25編。
********************

あの「火星年代記」のブラッドベリ.学生時代はブラッドベリに夢中だった.もっとも英文で読もうとしたら歯が立たなかった,ハヤカワ本に比べペーパーバックの安っぽいのにも閉口した,何十年も,すっかり忘れていたのに,この本を衝動買い.
作者は1920年生まれ.これの出版は2002年で80台の作品ということになる,ただし全部が新作というわけではない.解説によれば,専属出版社が変わったことで,ここへ来て一気にブラッドベリの出版が相次いでいるらしい.

昔に比べてやや口当たりが苦いものが多くなったかな...とも思う.表題作は昔のようにロマンチックだが,よくわからない短編が混じっているところは相変わらずだ.訳者の名前も懐かしい.
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半年ぶりのコットンクラブ

2008-11-27 13:02:11 | ジャズ
半年ぶりでライブ@コットンクラブhttp://blog.goo.ne.jp/tbinterface/ffadcd0c352025fe51226c5b55af3b21/70.メンバーは O 川(vo,mc),I 崎(ts,vo),N 村(g),H 川(el.b),O 本(ds),O 方(vib).N 村は初ライブとのこと.

1 Reunion Blues
2 酒とバラの日々
3 お菓子と娘
4 Moon River
5 Spain

休憩

6 Sunny
7 Ellie, My Love
8 Time after Time
9 Georgia on My Mind
10 On the Sunny Side of the Street
11 ぷかぷか
enc. 枯れ葉

1 以外はボーカル中心.3 と11 はぼくの希望曲.7 は「いとしのエリー」の英語版.8 は Cyndi Lauper のかってのヒット曲.7,8 は I 崎がボーカルで参加.卒論が大変なので経験のある曲でいくはずだったのが,けっこうはまってしまった.
主役の vo 嬢とともに,お客さん (といっても7人だった) の注目を集めたのは,ts 嬢.J 子の感想は「やっぱりジャズはサックスね!」.
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CDフレーム

2008-11-25 10:16:15 | お絵かき
CD展示用にフレームを作った.上の写真は背面から撮ったもの.DIY定尺の角材と平材を90度に付き合わせた二組を対向させて,レールにCDを滑り入れるようにしただけである.レール間隔は横位置用と縦位置用の2種類(縦位置というのも描きやすいのだ).横位置では6枚.縦位置では7枚入る.吊り金具もつけたが,2本吊りがよい.

自分で描いた絵を入れるために作ったのだが,好きな同傾向のCDを飾るのもよさそう.

一枚展示用のCDフレームは100円ショップに売っていることがある(売っていないことの方が多い).5枚購入したうちの1枚は工作精度が悪くCDが入らなかったので,カッターナイフでがりがりと削った.

http://album.nikon-image.com/nk/NK_AlbumPage.asp?key=1089407&un=29036&m=2&s=0 Nikon ONLINE ALBUM
の CD 絵と J 子の油絵を入れ替えました.このページでCD 絵と油絵を切り替えるには,右上の「16トン」の文字をクリックして下さい.
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あやめ 鰈 ひかがみ

2008-11-23 09:20:58 | 読書
松浦 寿輝 講談社文庫 (2008/10)

*****出版社による紹介*****
冥府の淵に咲く花“あやめ”。その甘い馥りが妖しく誘う。腐敗していく“鰈”の重さ。酩酊と覚醒のレールを地下鉄は走る。白い肉の深部の“ひかがみ”。その魔がすべてを食らい尽くす。生と死の間に存在する恍惚のエロス。その果てのない闇に迷いこみ、帰途を絶たれた三人の男。
*****

夢をよくみるが,起きると,夢をみたこと・いやな夢だったことしか覚えていない.死ねば楽になると思って自殺したとしても,じつは死ぬということは永久に嫌な夢をみさせられ続けることだったりして...などと考えさせるのが「あやめ」.ここでは死んだ男が「バー・あやめ」に行ったり,賭場に行ったりして,ふつうに遇される.

つぎの「鰈」では地下鉄に閉じ込められる.
学生時代,田舎出の友人が,地下鉄が永久に闇の中を走り続けたらどうしようと思うことがあると言った.馬鹿にして笑ったものの,それ以来地下鉄に乗ると,ときどき闇の中を走り続けないかなとなかば期待するようになってしまった.
もうひとつ田舎から都会に出て驚くことは電車が異様に長いことだ.この小説では無人に近い地下鉄が永久に走り続けるように思われ,車両から車両へと渡り歩いてもきりがないように思われる.

「ひかがみ」は膝小僧のうしろのへこんだところ.この短編では初めから存在しない妹が幽霊になって寝ていたりする.場所ははつぶれかけたペットショップで,蛇しかいない.この本の帯の宣伝の「エロス」は違うんじゃないの...と思うが,強いて言えばこの「ひかがみ」がエロスっぽい.
以上の三つの短編からなるのだが,三つに登場する人物にはどこかしらに接点がある.

純文学にしてホラー小説.
自堕落にくらして転落したいという意識下の願望に応えてくれる小説のようでもある.なんだか分からないが,しばらくしたら再読したい.
ブックデザインも良い.ブックカバーは北野謙「溶游する都市」から.東京が懐かしい.
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翼の折れたエンジェル

2008-11-21 22:01:41 | ジャズ

中村あゆみさんのこのうたを4ビートでジャズしたら,と思っていたのだが,実現しないうちにキリンのコマーシャルでリバイバルしてしまった.YouTubeで新旧のバージョンが比較できる.かってのチンコロ姐ちゃん(失礼! そういう漫画がありました)も,すっかり「いいをんな」になってしまった.なりすぎて近寄りがたい感じ.かっては出ない声を振り絞っていた感じだったが,今は余裕で,そのぶんスリルが少なくなったかも.

もともとは1985年リリースで高橋研作詞作曲.
Thirteen, fourteen, ...というフレーズの頭がド・シ・ラ...と下がるところはさすが作詞作曲と思うし,「もし俺がヒーローだったら」のA「だ」の半音がおいしくてCM向き.
歌詞がストーリーを暗示しているところ,「五番街のマリー」「懺悔の値打ちもない」以来の阿久悠の流れだろう.ロックの顔をした歌謡曲だったので当時ヒットしたのね.

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千々にくだけて

2008-11-19 10:22:28 | 読書
リービ英雄 講談社文庫 (2008/9)

**********
出版社 / 著者からの内容紹介
アメリカ人日本文学作家が、9・11体験の核心から現代世界の変容と危機を鮮烈に描きだす「ノンフィクションを超えたフィクション」。
「9・11」に対峙する、新しい文学の誕生!
南の塔が崩壊したあとに、北の塔も、たやすく、流れ落ちた。見ているエドワードの耳に、音が響いた。ちぢにくだけて、broken,broken into thousands of pieces
2001年の夏の終わり、20年来定住している日本から母国アメリカへと旅立った主人公は、同時多発テロ発生により経由地カナダで足留めされる。すべての国境が閉鎖され、アメリカへも日本へも帰ることができない状況の中、砕け散った世界のおぞましくも新しいイメージが襲いかかる……。国境を越えて日本語の可能性を開拓してきた作家が、「9・11」後の世界に提示する傑作小説。
**********

主人公エドワードは作家の分身らしい.生国アメリカを離れ日本で作家として生活している.アメリカに帰ると,聞こえてきた英語が日本語に翻訳されて頭の中に響く.
私自身アメリカで生活したことがある.1年半ほどで長かったとは言えないが,その間ほとんど日本語を喋らなかった.帰国直後は周囲の日本語が,映画をみているような感じだったのを思い出す.

このエドワードは,アメリカでの現実を逃避し,日本に来て日本語で文筆活動しているものの,日本人としては認められていない...と書かれてはいないが,そう暗示されててはいる.こうした視点から,9・11体験を書いている.意外に淡々とした描き方でかえって印象的.
主人公はニコチン中毒でもあって,このことも意味があるらしい.

短編集としての「千々にくだけて」は3編からなるが,2編目は後日談.3編目は解説のようなおもむき.ほかに「国民のうた」という短編が収められている.こちらでは9・11以前の一時帰国が描かれる.障害を持つ弟が登場するために,小説的な起伏は「千々にくだけて」よりも大きいかもしれない.
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この絵何の絵? 忍野八海

2008-11-17 18:38:24 | お絵かき
これも,二人展会場で,なにこれ? と聞かれるので疲れる絵.

忍野八海は富士五湖のうちの,山中湖と河口湖の中間にある八つの池.
ただしこの絵の池は八つのうちのひとつではなく,人工池らしい.小さいくせに深い池で,魚がたくさんいる.これを手すり越しに覗く人たちの水面に映る影を撮るところが有名なカメラスポット.というわけで,八つの池のどれよりも賑わっているとか.

昔この付近で買った赤絵の馬舞杯型の珈琲カップはまだ健在.

CDの前面と後面に前景と後景を振り分けて描いてみた.
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この絵何の絵?

2008-11-15 20:41:12 | お絵かき
二人展会場で,なにこれ? と聞かれるので疲れる絵.

こども時代は世田谷だったが,特定の石塀の前を通ると,頭の上から怒られた.
大谷石のすき間の窓から身を乗り出して怒っている.
どんな種類か忘れたので,白い北海道犬にした.タイトル「お父さん」Soft Bank勤務・白戸家の所帯主のつもり.
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核融合の50年

2008-11-13 07:58:21 | 科学
プラズマ・核融合学会と核融合50周年記念事業ということで,「我が国における核融合の歴史と展望」という特集号が送られてきた.表紙は核融合研究発足当時の湯川秀樹以下伝説的な学者7人の写真.内容は6つの座談会が中心.「歴史を遺す座談会」黎明期・揺籃期編には故伏見康治先生も登場.締めくくりの座談会は「若い世代は核融合研究の将来をどう描くか」で,助教・准教授クラスが登場.

私がこの分野で給料をもらっていたのは30年くらい前からの十数年で,座談会の出席者にも存じ上げている方が少なくない.発言の微妙なニュアンス,発言間の微妙な食い違い・すれ違いが楽しめた.
印象に残る発言は多々あるが,欧米露では研究所の工場で装置を作ったが,日本では産業界に発注した.大型装置の建設がとぎれた現在,産業界の技術者は四散した状態にあるということ.当初から言われていたことだ.このあたり,加速器の建設の方が産業界への依存度(丸投げ度)が少なかった分だけましのようだ.

核融合は大きな分野だが,だれひとりノーベル賞をもらった人がいない.プラズマ物理学にまで対象範囲を広げてもAlfvenだけではないかと思う.ノーベル賞のセンスでは核融合は物理ではないのだろうか...そうかもしれないな...なんちゃって.

等々,自分としては加速器あるいは素粒子原子核の分野と比較したくなる.
特集の内容は閉じこめ方式が中心で,慣性核融合は付けたり程度,常温核融合はそう言う字さえ出てこない.学会誌の性格上,仲間内のうちわにむけた・うちわのはなし,なのだろうが,もっと外部にも発信したほうがいいのではないだろうか.
この座談会でも,地球温暖化対策は話題になるが,その解決策としての核融合はほとんど相手にされていない,という認識が再三登場するが,善良な市民には温暖化と核融合の関連など思いもよらないことかもしれない.
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個?展の準備

2008-11-11 08:45:56 | お絵かき
個展をやりたいと思うときは,画廊に絵が並んでいるところしか思い浮かべないが,いざやるとなると,準備が大変.

J 子はそこらへんのあまり布や板っぺらに描くこともあるので,額らしいものをどうやって作るかが問題.例えばこの絵が入る額を特注したら大変.作っても思ったようには出来ないから,出来ちゃったものをどうごまかすか...塗装してみたり,皮を貼ってみたりしなければならない.どうぶら下げるか,も考えないと.
CD用の額は前回はプラダンで作ったが,今回は木工.

案内はがきをつくって発送したり.
絵のタイトルを名詞カードにプリントしたり.ご芳名帳を買ってみたり.

かれこれ3回目だが,今回は運搬だけは画材屋さんに運送を頼んだ.そうなると,ちゃんと梱包するという手間が増えてしまった.

会場に行ったら,絵をどう配置するかに悩み,脚立に昇り降り.

昔々の学園祭を思い出す騒ぎ.学園祭になら最近も関係したが,教員になって以来学生さんに全部やってもらって,そこに乗るだけというのに慣れてしまった.でもこのたびは老妻とふたりきり.相手はこちらに命令するのに慣れている.

練習しないとライブが出来ないのと同様,絵を描かないと展覧会が開けない.ライブ直前まで音を出すように,直前までちょこちょこ色を塗り足したりして...

広島市中区紙屋町2-2-2 ウエストプラザビル階段ギャラリー.082-504-3131 11/12-18 10:00~18:00.最終日は17:00まで.乞ご来場.
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