正直に言うと,このテーマへのぼくの関心は年々薄れつつある.
5年前の PAN 音階の計算が最後になりそうだ.周波数比1と3の間を13分割する音階で,閉管楽器向き.下の動画はパンフルートらしき音色を PureData でつくった.
12 音平均律でジャズを演奏するのは相変わらず好きなんだけど...
1/15 朝日新聞朝刊.
この記事によれば,最初の値 6.4 は震源近くの観測点データに基づく自動推定,次の 6.9 は波形を用いる計算,最後の 6.6 は全国の振幅データを反映させた値だそうだ.しかしこの 6.6 も暫定値とされている.
初期の値が拙速値であることは理解できる.
これがどのくらい信用できるかを,担当者は示すべき.例えば 6.42 ± 0.5 と言うふうに.この ± 0.5 が誤差棒,エラーバーである.
エラーバーなんかつけたら混乱する ? そんなことはない.すでに天気予報で導入されている降水確率も予想の信用度を数値化したもので,受け入れられているではないか.ここでは何十 % という確率が,どのくらい信用できるか (できないか) を担当者が自ら示しているのだ.
左写真は https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240928/k10014591561000.html から.この記事の内容は,9月29日(日)おはよう日本で放送されたそうだが,ぼくが知ったのは昨日の朝のラジオから.右トップ画像の論文 Science 384 217-222 (11 Apr 2024) の9番めの著者 Kyoko Hagino が話題の人 萩野恭子さんである.
この NHK の記事によれば,萩野さんの業績は,Braarudosphaera bigelowii 通称ビゲロイなる,窒素を直接自身に取り込む能力を持つ藻の培養法を確立したことである.
ご自身は高知大学客員講師だが,大学からの研究費を受けていない.家族のの理解を得て私財で自宅6畳に研究環境を整えてきたそうだ.
省みると,自分は核融合とか加速器とかの巨大科学のなかで サラリーマン的に過ごしてしまった.定年時には卓上加速器に入れ込んだが,それとても巨大加速機と言うテーゼあってのアンチテーゼにすぎなかった.
萩野さんの行き方・生き方がすこし羨ましい.
彼女のパートナー・富岡尚敬さんは地球惑星科学の研究者で,広島大学の客員でもある.たぶんサラリーマン科学者であろう.
夫婦別姓がかっこいい ! ぼく的には,おふたりの家庭生活に興味津々.
約 60 年前の一丸節夫先生による「プラズマ工学基礎論」の講義ノートを発掘,左はその一部.青焼の試験問題も挟んであった (中).講義は1コマ半年で,タイトルの「工学」の文字は原子力工学科で行われたためと思う.内容は
***** 1 序論,2 プラズマ中の衝突現象,3 電磁流体力学的なプラズマの扱い,4 近似的な粒子軌道運動論,5 連続媒体としてのプラズマ,6 プラズマの安定性 *****
大学の力学や電磁気学の講義の内容はほぼ決まっているが,(たぶん今でも) プラズマ物理となると その内容は先生次第.ちなみに,F. Chen "Introduction to Plasma Physics (and Controlled Fusion)" は,現在 網羅的・標準的な教科書のひとつとされているが,その初版出版は 1974 年である.
たぶん 1965 年のこれは,少々駆け足ながらプラズマ物理全般を見渡したバランスのとれた内容と思う...とか言って,実はぼくは先生の板書を訳もわからずせっせとノートに写すだけのことだった.
卒論も大学院も化学関係だったが,大学院を中退してプラズマの研究所に就職し,高エネルギー物理の研究所ではプラズマ加速をテーマとした.でもプラズマで飯を食うとなると,プラズマ物理のほんの小さい領域をつつき回すことになり,プラズマ物理全体には目が及ばなかったと,ノートを見て実感している.
この講義のとき一丸先生は講師だったが,ぼくが卒論を書いた研究室の秘書さんを射止められ,一緒にイリノイ大学に行ってしまった.という訳で,奥様とは親しく ? お話したことはあるのだが,先生とは講義を拝聴しただけでおわった.
丸善に一丸先生の著書「高密度プラズマの物理」日本評論社 (2020/5) があった.先生は 2014 年にチャンドラセカール賞を受賞されたが,授賞理由 - 「強結合プラズマ理論の構築と適用に関する貢献」に関連する内容で,英文からの翻訳らしい.特に「第4章 プラズマに入射された荷電粒子やX線」に興味を惹かれたが,高価なので買え (い) ませんでした.
瓢箪木. J 子が挿し木にすると枝をいただいてきた.金銀木とも言うが,右写真のように黄白の2色の花をつけるため.いずれにせよ映える植物だ.
美味しそうな実だが有毒で,「嫁殺し」の異名がある.牧野和漢薬草大図鑑には,イリドイド化合物として果実にモロニシド,キンギシド,脂肪油,ペクチン,若葉にスベロシド,ロニケロシドを含む.果実は苦い,果実による小児の中毒症状として嘔吐,下痢,痙れん,昏睡などを起こすことが報告されている,とあるそうだ.
牧野富太郎の朝ドラで思い出したのは,50 ナン年前の高校の生物の先生の言.小中学生の植物採集を批判され,
「植物を集めて名前をつけるだけでは科学でもなんでもない」
そりゃそうだ ,と思うのは大人になってからの私.
庭の紫陽花を花瓶に生けた,その葉の裏に,お客様がとっくりバチの巣を発見.
「いきもの大図鑑」から転載させていただくと*****
スズメバチ科ドロバチ亜科の狩人蜂であるトックリバチには,泥でとっくり型の巣をつくること からこの名前が付けられました。家の壁や枯れ草の茎などに泥をこねてとっくり状の巣をつくります。巣ができると中に卵を1つ産みます。そのあとイモムシに麻酔をかけ、動けなくしてから巣に たくさん詰めこみ、巣の入り口を泥でふさぎます。孵化した幼虫はイモムシを食べて成長し、羽化して成虫になってから巣を出ていきます。*****
でもこのページの目的は,とっくりバチのディスプレイを売ることらしい.
とっくりバチは蛾の幼虫を退治してくれる益虫とする見方もあるそうだ.画像右の福音館の2冊の絵本は,とっくりバチの味方らしい.図書館で眺めてみよう.
うちの庭では,巣を見失ってハチが困っていることだろう.