Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

O先生とジャズ研

2024-11-26 09:20:53 | エトセト等

広大名誉教授O先生がご逝去.ぼくより3歳歳上のはず.大動脈解離?
少し腰は曲がっていたがお元気だったと思う.羨ましいピンコロ死.こちらはこれから慢性イレウスの手術…生に執着しているつもりはなく,単なる成り行きだけど.

4半世紀前,大学に赴任したときに割り当てられた公務員アパートの階段を挟んだ向かい側同士で,家族ぐるみのお付き合いが始まった.こちらはジャズ研の顧問になった.前からやってみたかったジャズ演奏のために,ジャズ研スクールに入学したようなものだった.しかしO先生は,ぼくがジャズ研を指導していると,しばらくは勘違いしておられた.

我が家に学生さんが集まったときに見聞されて,ジャズに興味を持たれた…音楽ではなくジャズ研という人間集団が対象だったようだ.ライブにはマメにおいでいただき,写真をたくさん撮って下さった.Facebookに「広大ジャズ研クラブ」というページを作って下さり,Line隆盛までは盛況を呈した.

同じ出身校だったが,こちらは大学闘争逃走分子であり,真面目な先生とは話が行き違うこともあった.でもぼくの心情を理解していただいていたと思う.こちらが病気がちになって以来,あまりお会いできていないのが残念だ.

ご冥福をお祈りいたします.

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病院にUターン

2024-11-24 16:15:37 | 病気

退院して2泊しただけ.3日目の朝から腹痛がつのり入院.イレウスは翌朝自然に治ってしまったが,発症間隔が短くなる一方なので手術することに.

11/26(火)執刀.腸閉塞状態が解消してしまったので,いまいち患部の同定が難しいらしいが,まあ造影CTなどもあるし…

肺炎炎症の指標CRPは,測定開始から 19 日目で2に低下.

体力的に耐えられるかどうか心配.これまでの絶食入荷続きの結果,手術前の体重 40kg とは!

カットはお見舞いにいただいた お花.

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やっと退院

2024-11-18 18:59:45 | 病気

CRPは4.目標の1以下まではまだまだだが,美味いものを食べてぶらぶらしていれば時間が解決してくれるはず.心配は肺炎完治前に次のイレウスに襲われること.

右は最後の午餐.

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太宰治「おさん」

2024-11-18 12:58:01 | 読書

また青空朗読で太宰治「おさん」.

どうしようもない夫と健気な妻の組み合わせは「ヴィヨンの妻」と同じ.おさんの名は,浄瑠璃「心中天の網島」の貞淑な妻から,らしい.
この夫は妻と3人の子どもを残し,どこかの女と心中する.

1947(昭和22)年10月号「改造」に発表.太宰の玉川上水での情死は翌 1948 年6月13日.情死は予定の行動だった?

小説のラスト(妻の一人称)を引用すると
*****気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえ出来たら、何のむずかしい問題もない筈です。自分の妻に対する気持一つ変える事が出来ず、革命の十字架もすさまじいと、三人の子供を連れて、夫の死骸を引取りに諏訪へ行く汽車の中で、悲しみとか怒りとかいう思いよりも、あきれかえった馬鹿々々しさに身悶みもだえしました。*****

本文中で「革命」を示唆するのは,ラジオから流れるラ・マルセイエーズを聞いてダメ夫が涙する場面.でも,妻も読者もなんのことか解らない.

とにかく自己を客観視し,妻の眼をとおしてクールに自己自身の卑怯ぶりを描いているのは確かだが,ここまで解っているのになぜ?

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太宰治「ヴィヨンの妻」

2024-11-17 16:44:46 | 読書

有名作品を青空朗読で初読,ではなく,初聴.

梗概*****
大谷は外で飲み歩き何日も家に帰らないことが多く借金を重ね、その妻である「私」と幼い子供に貧乏暮らしをさせていた。
彼は入り浸っている小料理屋の金を勝手に持ち出す.「私」は小料理屋で働くことになり,大谷は店に顔を出し続ける.そして私は次第に幸せを感じるようになる。
*****

大谷の正体が,一応の詩人・文筆家らしいことを読者は,大谷が書いた文章を掲載した電車広告を「私」が見ることで知る.文章のテーマは15世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨン.
ヴィヨンが犯罪的放蕩詩人という点で大谷と共通する.そこで作者は大谷の妻のことを「ヴィヨンの妻」に喩え,タイトルとしたらしい.

意外に明るい結末でほっとした.
ぼくの時代すでに「走れメロス」は教科書に出ていた.太宰とはああいう作風と摺り込まれたと思う.「ああいう作風」と大きく離れてはいないと思った.

カットは新潮社公式文豪グッズのひとつだそうだ.550 円!

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江戸川乱歩「一人の芭蕉の問題」「一人二役」

2024-11-17 11:25:24 | 読書

また青空朗読より,江戸川乱歩の2作.

「一人の芭蕉の問題」は 1947 年の評論.1935 年ごろの甲賀三郎と木々高太郎との探偵小説芸術論争とやらがまくらにされている (この論争はぼくにはよく解らない).
この「…芭蕉…」では乱歩は次のように言う.

*****私は一應普通文學と探偵小説とを分けて考へてゐる。人生の機微に觸れんとする時には探偵小説に之を求めないで、普通文學に親しむ。探偵小説に求むる所のものは普通文學に求め得ない所のものである。これを假りに謎と論理の興味と名づける。探偵小説に求むる所は謎と論理の興味であつて、人生の諸相そのものではない。探偵小説にも人生がなくてはならない。しかしそれは謎と論理の興味を妨げない範圍に於てゞある。*****

ここでは芭蕉は最後のページに登場する.芭蕉がその業績で俳諧を文学と認めさせたように,誰か優れた探偵小説家が出て、探偵小説を文学と認知させてくれ!ということ.
今では書店でのミステリの存在感は俳句をはるかに凌駕しているが,これは乱歩の期待に沿ったものだろうか?


さて「一人二役」は 1925 年の乱歩の小説.後年はもっぱらエログロ変格小説と少年探偵団の乱歩だがこの頃は「2銭銅貨」などの,歴史に残る本格物を次々と書いていた.
妻との生活に飽きた放蕩高等遊民 T は,別な男Sとして妻の前に現れ,ついには T を社会的に抹殺し S として妻と幸福な新生活を始める.男は妻を騙しおおせたと信じているが,妻は実は最初からお見通しだったというストーリー.

T は一度も妻と同衾したことがなかった? 小説の前提ではそうではない.さすれば別人として妻を騙しおおせることなど不可能に決まっているから,結末は意外でもなんでもない.独身男の考えること?もしかしたら乱歩は執筆時独身だった?調べたら既婚だった.
あるいは,当時の読者は礼儀?として書かれたことをそのまま受け入れたのだろうか?

ぼくはこの小説は謎と論理の探偵小説としては大愚作と思う.でも普通小説の素材と見たらどうだろう.T の視点からは S すなわち自分自身に対する嫉妬など,おもしろく書かれている.妻の視点から見たら,馬鹿みたいな夫にどこまで付き合うか,どこで知っていると勘付かせるか…人生の機微に触れることばかりのはずである.「妻と夫はお釈迦さまと悟空のようなもの」で,あっさり終わりはもったいない.
でもこの素材で普通小説を書くことは,乱歩にはできなかったのだな!

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低残渣食 etc

2024-11-15 16:10:09 | 病気

誤嚥性肺炎の,肺の炎症の指標CRPは漸減中.横軸は入院からのおよその日数だが,とにかく減るにも時間がかかる.
歩くと息が切れたり,会話が咳で続かなかったり,肺病患者ぶりは板についてきた.体温は7度台前半で,ここ4日ほどは8度まで上がったことはない.うがい薬,トローチなどの町医者的処方はここでは期待できない.

食事は低残渣食.胃腸に負担をかけないように調整されている.食物繊維を制限し,負担をかけやすい脂肪の多い物・刺激の強い物・極端に冷たい物なども控えてある.消化器は極めて快調.何時間か経つと順序よく排出されている.
しかし,この食事で胃腸がスポイルされないか,ふつうのものを食べて大丈夫かどうか 心配だ.
美味しくはない!しかし絶食期間を思えば,ありがたく思うべきか.毎食が無彩色で,ビタミン不足が心配.

点滴はスルパシリンを8時間おきに1日3回.
*****ペニシリン系抗生物質で、細菌の細胞壁合成を阻害して細菌の増殖を阻害することにより抗菌作用を示します。
通常、肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎の治療に用いられます。*****
とのこと.

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陰翳礼讃

2024-11-13 12:42:33 | 読書

病室の友,青空朗読.試しに長いのもと思って,2時間強の谷崎潤一郎「陰翳礼讃」.何度も寝落ちしては聴き返した.

この作家は苦手で小説もほとんど読んだことがない.「陰翳…」も聴く前には,小説か評論かエッセイか,知らないつもりだったが,聴き出したら聞いたことがあることばかりと思ってしまった.あちこちで原文が引用されてるせいだろう.
でも,達意の文章で,聴いただけでよくわかった.リズムがよく,確かに朗読向き!

和洋の比較例としてトイレと浴室が優先して取り上げられる.でもトイレという言葉は,当然だが使われない.西洋式腰掛便器はもちろん蚊帳の外.しかし陶磁器(プラスチック)と肉体に囲まれた陰空間で動作するウオッシュレットは,執筆が現代だったら礼賛の対象になりそう!

 

もう一編.太宰治「メリイクリスマス」が収穫だった.戦争をはさんで再会した母娘,と思ったら,母は広島空襲で亡くなっていた.原爆という字が出てこないところが太宰らしい? それとも 1947 年という発表の時点では,広島 イコール 原爆 という短絡が今ほど一般的ではなかった?

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明日からです

2024-11-12 18:59:07 | お絵かき

J 子も出展しております。

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ラジオで落語

2024-11-10 19:32:22 | エトセト等

誤嚥性肺炎,肺の炎症の指標 crp は減少に転じたようだ.しかしいつになったらゼロ mg/dl 付近まで下がるのかな.

昭和の常識では,肺病は美味いものを食べてぶらぶらしていればいいのだが.
現在は抗生物質の点滴を1日2回.微熱と咳が取れない.

病室での娯楽のひとつは,小学生時代に戻って,NHK ラジオで落語.

柳家さん喬「ゆめの酒」@真打ち競演.福井県南越前町.
初めて聴いた噺.ナンセンスにして楽しかった.
遠峰あこ のアコーディオン漫謡もあった.

金原亭馬生「船徳」@小痴楽の楽屋ぞめき.
終了後の若手落語家たちの「ぞめき」がうるさいのが難.聞かなければいいだけだが…
途中から聴いて,志ん生の録音かな,しかし状態がいいし表現が現代的だなと思った.彼の晩年,ぼくくらいの年齢で,ラジオから流れた志ん朝の放送を自分のものと思ったとか…逆だったかもしれない.ちなみに馬生が長男,志ん朝が次男だったと思う.

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