前回のホルモン療法ののつづきです.
やんごとないお方が罹病されたおかげで,尾籠なはなしも恥ずかしくなく広言できる.
前立腺癌と宣言されてからそろそろ3年だが,癌そのものの症状で悩まされたことはない.それまで夜中に2回くらい排尿のために起きていたが,年齢相応と思っていた,その程度である.
前立腺全摘出では,
入院中にはいろいろあった.性機能喪失は宣言され覚悟していたが,尿失禁という症状が残った.尿パッド (おしめ) をしたが,3ヶ月で不要になった.
再発後の
放射線治療では,直腸・肛門・膀胱,すなわち排泄機関が直撃された.蓄積線量は1ヶ月強で
66Gy で,相当なものだ.痔の症状が現れ,照射中から終了後2週間くらい,写真の座薬のお世話になった.
照射後排便回数が1日1回から2回に増えて定着している.
ホルモン療法の副作用については
すでに書いたが,この療法と同期して,一夜に 4-5 回という「夜だけ頻尿」症状が現れている.夏の暑さも関係しているのかもしれないが,眠りが浅いので,尿を促すセンサーに体が過剰に反応しているらしい.昼間は 3-4 時間おきで済んでいるので,放射線で膀胱の弾性が失われたという説は違うように思う.
何ヶ月でどうなったらどうするというフローチャートがあって,お医者さんはそれに従っているらしい.
ひるがえってみると,手術も放射線も消耗であった.このふたつでいっぺんに加齢した気がする.ホルモン療法を続けると,体力が低下し,階段の昇降も不自由になることがあると脅かされている.
腹立たしいことに
放射線は無駄だった.癌が撮影可能な大きさになるまで待って,場所を特定してから行った方が良かったように思えるが,後の祭りである.まぁ物理の実験では似たようなことがよくあるが...
癌になったというのは仮想空間のできごとで,これらの副作用だけが実空間のできごとのように思えることがある.