Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

年賀状ギャラリー

2006-12-31 21:44:04 | お絵かき
あけましておめでとうございます.

ここ30年くらいの年賀状用の版画,イラストなどを

http://www25.tok2.com/home2/atsushi1007ogata/gallery/gallery.htm

にまとめました.
おひまつぶしに,ご高覧いただければ幸いです.

写真は今年の賀状に使った茄子製の猪です.
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古代インドの22音律

2006-12-28 10:58:50 | 新音律
先日有志で,インド文献学?がご専門で,音楽にも造詣が深いO崎先生のお話をうかがう機会があった.

(I)おはなしから,音律に関する部分を要約すると
a) アラブの影響を受ける以前のインドの音律は22である.
b) これから(最低音を0とすると),0,4,7,9,13,17,20,(22)番目の音をひろうとシャドジャという7音階になる.まずこの音階ができた.
c) 0,4,7,9,13,16,20,(22)番目の音をひろうとマッドヤマという7音階になる.シャドジャの5番目の音を1単位下げて,この音階ができた.(ここでは以下ふたつの音階を「シャド音階」「マッド音階」という.)
d) ただし
1) 22分割といっても,1オクターブを分割したものかどうか分からない.また
2) 22分割は等分割かどうか (22音律は平均律かどうか) も分からない...
とのことである.

(II) そこで上記のふたつの疑問には目をつむり,計算機で,1 オクターブを 22 等分割して,そこから 7 音階を抽出して聴いてみた.結果は,
a) マッド音階はほとんど純正律のドレミファ...である,「ほとんど」と言うのは,12音平均律よりも純正律に近いと言う意味である.ただしよほど耳を澄まして聴かないとシャド音階とマッド音階の違いはわからない.
b) ぼくの耳では,22音律の,隣り合う音の高さの違いは定性的にはわかるが,定量的にはわからない.
計算機で曲も演奏してみたので,いずれ公表したい.

(III)まず, (I)d)のふたつの問題に関する個人的見解だが,
22の幅はやはりオクターブであろう.
また22を分割するとすれば,まず平均に分割せざるを得ないだろう.分割幅に大小を付けることは,測定器でもないと不可能に近い...もっとも,昔のひとは平均的に,小生よりずっと音感が鋭かったとすればはなしは別だ.また弦楽器のばあいは,いったん調弦してから,より響きが良くなるように「微調」することはあり得る.

つぎに,トップのシャド音階ではなく,2番手のマッド音階がドレミファ...に合致するというのはおもしろい.O先生のおっしゃるように,シャド音階の方はディスジャンクト・テトラコルドという民族音楽音階に固有の構造を持っている.まずシャド音階ができ,これがマッド音階に改良されたのだろう.ただし,インドではマッド音階のはシャド音階ほど生き延びなかったということである.

音楽ではオクターブを12より大きい数で分割した音律を広義の微分音律という.狭義の微分音律は12音平均律の半音をさらに2分割した24音平均律だ.
いっぽう,ハモることを評価の基準とすると,音律には最低音との周波数比が簡単な整数比に近い音が多く含まれるほうが良いことになる.
22音平均律と24音平均律とを比べると,このハモり基準では22音平均律に軍配が上がる.24音平均律では12音平均律同様,短3度,長三度がきたないが,これが22音平均律ではきれいになる.
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忘年会

2006-12-26 11:29:58 | エトセト等
すでに退職した職場の忘年会にわが家を場所として提供した.もっともやってきた面々は,無聊を慰めてくれるつもりだったらしい.いままで,女子学生とか,秘書嬢とか,奥様とか,ガールフレンドとかすこしは女性が来ていたのだが,今年はゼロ.

屋外で大量の牡蠣・イベリコ豚・ラムなどを BBQした.朝四時に起きて釣ってきたという魚100匹を台所で調理した.近頃のダンシはグルメであって,「にんにくないですか」「とんがらしないですか」「フードプロセッサないですか」などの次々の要求にJ 子はてんてこ舞い.ていねいに骨をのぞいてマリネした小イワシがとくに美味かった.

メインは黒豚のしゃぶしゃぶ.イベリコ豚と牛も少々.だしと称して,昆布のみならず鰹節も山のように入れたので,汁は茶変.まずいわけがない.さいごはOB差し入れの水沢うどん.おまけはケーキ.

写真のように台所は大男で満員.少子化というが,ひとりひとりは大子化しているなあ.
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夏季限定トロピカルパフェ事件

2006-12-23 11:30:12 | 読書
おとなにはちょっと恥ずかしいカバー(片山若子)だが,堂々
『2007 本格ミステリ・ベスト10』/国内ランキング第4位
『このミステリーがすごい!2007年版』国内編ベスト10 第10位
を獲得した作品.じつは「このミス」ベスト10中文庫本はこれだけだったので,車中で読むために買った.
米澤穂信著,創元推理文庫 2006/4.

本には早く読める本と早く読めない本がある.速読術というものもあるようだが,量子力学の教科書に速読術は通用するまい.ミステリーに限っても,速読可能なものとそうでないものがある.「黒死館殺人事件」などは後者である.

カバーから侮って「夏季限定...」は速読するつもりで買ったし,確かに速読した.半分くらいまではいかにもこども向きミステリーだった.出だしは,3個のケーキのうち1個を先に食べてしまって,いかにはじめから2個しかなかったようにカモフラージュするかというネタなんだもの.

しかし最後まで読むと,かなりマニアックな作品だと言うことが分かった.女子高生のヒロインもいままでにないキャラクタだ.よく考えれば無理なストーリーだが,そこを感じさせずに読ませる腕力が作者にそなわっている.解説(小池啓介)がすべてを言いつくしている.すでに「春季限定」が刊行されていて.あと2冊は期待できる.手が込んでいるのに速読できるという,うれしいカテゴリーに入る作品でした.
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茄子の猪

2006-12-19 11:15:20 | お絵かき
ワタクシご幼少のみぎりには,盆には茄子とキュウリで馬だか牛だかをつくってお供えしたものである.ご幼少のワタクシには,四本足の茄子は豚としか思えなかった.なお,画像は「素材工房まさん房」さんのフリー和風素材です.

来年は猪どし.豚の先祖は猪.というわけで,茄子で猪を作って,デジカメで撮影し,年賀状に使おうと思い立った.スーパーに高知産の5cmくらいのかわいい茄子を売っていたので,割り箸で短い足を植えた.へたの根本でちょん切って,鼻に見立て,鼻の穴をふたつ描いた.目玉をはりつけ,紙を突き刺して牙と耳と尻尾とした.色はもちろん茄子紺で,猪らしくはないが,猪どしの年賀状という偏見でみていただければ,立派な猪だ.庭で風景を遠景としたり,J子の油絵の上に置いたり,新聞広告をバックにしたりして写真を撮った.

ほっておいたら,数日で皮膚にはしわがより,目玉ははがれ落ち,牙も抜けた.老化現象を短縮して目の当たりにしたようで,複雑な思い.

では,年賀状をお楽しみに.
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ファックス複合機

2006-12-14 10:25:21 | エトセト等
ファックスもプリンターも不調なので,年賀状作りを控えたこの季節に,一台二役のシャープの「見楽る」を導入.この手のものの数年の進歩は凄い.コピー,スキャナなどに加え,デジカメのプリントなどという機能もある.できあがりも綺麗.

以下は悪口.
 親機からは電話ができない.
 プリンターとして,Macをサポートしていない.Macでつくったら,いったんWindowsに転送しないとプリントできない.
 Windowsからも素直に動かないことがある.ケープルをいったん引き抜いてまた差し込むと認識する...これはWindowsの問題かもしれない.
 計算機で作った文書をそのままファックスできない.このための既成のソフトも受け付けない.いったんプリントアウトして,これを取り出してまたファックスするという手順が必要.バカみたい.
 インク(HPのもの)がフォト・カラー・モノクロの3種類だが,スロットはふたつしかない.フォトとモノクロは同時に使えない.
 当然のことながら,インクがどんどんなくなる.

いまのところ快調だが,はがきに印刷するときがたがた言うのが気になる.いつまでも元気でいて欲しい.余った先代ファックスの感熱紙がもったいないなー.
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エコール・ド・パリ展

2006-12-11 09:59:22 | お絵かき
兵庫県立美術館.会場のコンピュータから,「お好きな絵を選んでメールできます」というサービスがあったので,ルソーのネコの小品を自分宛に送った.

この展覧会はパリ市立近代美術館の学芸員がこの日本の展覧会のために企画構成したとのこと.ほとんどか初めて見る絵で新鮮だった.「プリミティシズム」がひとつのキーワードらしく,だからルソーの絵も.でも圧巻は最後の部屋の,キスリング,モジリアニ,藤田などの人物画だった.

同じ時期,神戸市立博物館ではオルセー美術館展もやっていて,こちらは有名な作品中心.個人的には,「エコール...」のほうが良かった.だいいち,空いていた!

神戸はルミナリエとかでごった返していた.
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楊琴

2006-12-05 10:56:53 | 新音律
ヤマハ銀座店が建て直されるとのこと.その店内で楊琴のデモ演奏を聴いた.

楊琴の先祖はダルシマーというイランの楽器で,ハープを平らに置いてハンマーで叩いて音を出すと思えばよい.原理はピアノとおなじ.演奏家は金亜軍という方で,HP (www.youkin.com) もある.この日は青木弘武さんによるピアノ伴奏つきで,第3の男,曲名は忘れたが聴いたことがある中国の曲,真白き富士の嶺,荒城の月(アンコール,ソロ演奏)等.

中国の曲を聴くと中国の音色だなと思うが,西洋音楽を演奏されると,ホンキートンクのように聞こえる.音の伸びはマリンバくらい.トレモロが必須.実際にどんな音色かは,
http://okina.biz/ongaku/sicho/index.htm
を聴いていただくのがはやい.ただし奏者は金亜軍氏ではなく,薇薇という女性.

店頭で楽器をいじらせてくれた.竹の棒のさきにゴムが付いた「ハンマー」を両手に持って演奏する.ハンマーは弾力があり,1 打2音も可能なくらい.ヴァイブやマリンバのように4本持ちも可能だろう.ハンマーの柄のほうで,琴やギターのように弦をはじく奏法もあり.
西洋の鍵盤楽器は低音が左だが,これは90度回転されて低音が手前.12音平均律に調律されているが,黒鍵にあたる弦が変な場所に配置されている.スライドさせて半音ずらしたりするらしいが,よくわからなかった.1 音に対して2-5本の弦がある.調弦は難しくはないと言われたが,ぼくの感想は ???.

楽器もヤマハで売っていて,定価239,400円のものと99,750円のとの2種類.楽器の通念からいくと割安感.ジャズもできそう.
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ねたばれ シンセミア

2006-12-03 16:26:35 | 読書
阿部和重「シンセミア」I-IV 朝日文庫.2006年10-11月.

文庫本四冊だが,一冊ずつはあまり厚くはない.どの巻にも解説がついている.
腰巻きIIの「現代ミステリーの超絶傑作」はうそ,これはミステリーではない.
腰巻きIVの「戦後史の謎がついに暴かれる」もうそ.田舎町のある事件が明るみに出るだけのこと.
ソフトフォーカスの牧歌的なカバー写真には,深遠な意味があるらしいが,ぼくには分かりません..
「芥川賞受賞後に書かれた最初の長編小説」だそうだが,芥川賞が乱発されたおかげで,作家の名前も初耳のような気がする.
本作は伊藤整文学賞・毎日出版文化賞 W 受賞作だったそうです.ちなみに,ハードカバーは2003年刊行.

計算されつくした小説で,まことしやかな地図とか年表とか系図とかが付いている.だれが主人公と言うことはないのだが,著者はパン屋一過に以上を持っているように感じられる...と思ったら,著者の実家がパン屋らしい. 登場人物たちのネガティブなエネルギーには辟易すると同時に圧倒される.いつの間にか登場人物と読者が一体化して,読者は自分のこころの闇をほじくられているような気分になる.不快だがおもしろい.でもこの作家の小説はこれで最後にしたい.

最後の数十ページでみな次々と死んでいくところが小気味よい.
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reading

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