広大 CARP

大学の広島東洋カープ応援サークル，ではありません．

CARP は大学における原理研究会 Collegiate Association for the Research of Principles の略称．Wikipedia によれば「世界平和統一家庭連合（旧・世界基督教統一神霊協会 いわゆる統一教会）の総裁・文鮮明が提唱する「統一原理」を研究する非営利団体」である．

トップ画像は広大 CARP のホームページより．

この HP からは統一教会臭は感じられないが，「理念」には「統一原理」を活動理念の軸としています，とある．原理と言っても，アルキメデスの原理のようなものではない．教会員のための総合ポータルサイトには「原理講論」がある．ぼくは１分も読まずに止めたけど..

広島大学の公式ホームページ「もみじ」によれば，CARP は大学に Volunteers Union 所属団体としての「届け出」を行なっている．大学当局としては，受理しない理由がなかった ?

この「平和プロジェクトサークル」は核兵器禁止条約に対してはどういうスタンスなんだろうか．

CARP と言えば...

朝日新聞デジタル2022年7月25日版によれば，福岡市は26日，九州大学の非公認サークル「九大CARP」が周辺のごみ拾いを長年続けたとして，2016年と2020年に授与した「福岡市環境行動賞」の奨励賞を取り消したと発表した．理由は『宗教団体は除く』と規定する表彰実施要領に反すると判断したため．

上記 原理講論によれば，家庭協会は宗教団体だが...

前にも書いたけれど，CARP の源流は 1960 年代後半だそうだ．大学院時代に「原理」にかぶれた奴がいたが「あいつは変になった」と言う輪ができて，村八分状態になった記憶がある．怪しい奨学金をもらっていると言う噂も聞いたような．彼はどうしているのだろうか．

夏の 冷たいシチュー

じゃがいも，にんじん，なす，玉ねぎ，カボチャ，ズッキーニなど，なんでもあるものをごろごろと切って，固形スープと圧力鍋で煮るだけ．

動物性タンパク質が欲しいので，牛すじを２-３回茹でこぼしてから一口大に切って，いっしょに煮ることにしている．

食べる間際にトマト，オクラなどを加えると彩りがいい．茗荷もアクセントになる．

冷やしても美味しい．

生クリームかヨーグルトをたらすのもよい．

余ったら，トマトジュースでのばしたり，牛乳を加えたり...

旧統一教会

自民党は旧統一教会との関係について頬被りを決め込む方針．大新聞も NHK もこれを追認らしい．

もと首相射殺犯は精神異常ということにして裁判なし．「臭いものには蓋」を目論んでいるのではないかと心配だ．

三大新聞の中では影が薄い毎日新聞だが，遅まきながらちゃんとした社説を出したので感心している．朝日新聞は...上層部が汚染されているのかも．

大学院時代に「原理」にかぶれた奴がいた．そんなに仲が良かったわけではなく「あいつは変になった」と言う輪ができて村八分状態になった記憶がある．良かったのか，悪かったのか．彼はどうしているのだろうか．

当時の教義では日本はサタンの国であって，天皇はその親玉とされているようだった．そんなことは知っていても知らぬ顔をするところが，自民党の凄いところだろう．

でも，選挙の応援など，ただほど高いものはない．教団トップ氏曰く「数多くの議員を教育した」．改憲案は，自民党が旧統一教会に取り込まれた結果じゃないの．

「十三角関係」

「十三角関係 : 山田風太郎傑作選 推理篇」河出文庫(2022/7)．

この傑作選推理篇は他に「黒衣の聖母」「赤い蝋人形」それに 12 月刊行予定の「帰去来殺人事件」がある．この著者の本は忍法帖を一時期集中的に読んだ覚えがあるが，ミステリは初めて．新聞の書評欄で数行紹介していたので，たいして期待しなかったが購読．結果は大満足．

Amazon の紹介*****

娼館のマダムがバラバラ死体で発見された。夫、従業員、謎のマスクの男ら十二人の誰が彼女を十字架にかけたのか?　酔いどれ医者の名探偵・荊木歓喜が衝撃の真相に迫る、圧巻の長篇ミステリ!

「濁り水の底の、秘密の宝玉。
その妖しくも蠱惑的な輝きに酔う。」 ――綾辻行人氏、陶然

鬼才生誕100年
名探偵荊木歓喜、ついに復活!*****

昭和と言われて思い浮かべるのは，ぼくの場合 幼・少年時代を過ごした昭和 20-30 年代．この小説の刊行は 1956 (昭和31) 年，売春禁止法 公布の年．探偵役は売春婦の堕胎を生業とする闇医者 荊木歓喜．

この文庫本のカバー画も本文に負けず悪趣味で，書店のレジで恥ずかしかった．下半分の容貌魁偉なのが歓喜である．どこかで見た画風と思ったら， 描いた藤田和日郎さんは少年サンデーに連載を持っていたそうだ．

解説によれば，この藤田氏はミステリベスト 10 というインタビューで，Y の悲劇，獄門島，大誘拐といった名作とともに，この十三角関係を挙げているそうだ．ぼくも獄門島よりは上だと思う．

解説には，昭和 20 年代は原稿料が現在に比べ格段に高かったそうだ．そのためこうした よく練られた作品が生まれたのだろう．

読者をおちょくり，多少の論理の飛躍も勢いで読ませるところは，1947 年 坂口安吾の「不連続殺人事件」を思わせる．この時代の典型的文体かもしれない．

疫病短編小説集

R.キプリング, K.A.ポーター ほか, 石塚 久郎 監修「疫病短編小説集」平凡社ライブラリー (2021/3)．

図書館で借用．

目次*****
疫病 : 「赤い死の仮面」エドガー・アラン・ポー
天然痘 : 「レディ・エレノアのマント」ナサニエル・ホーソーン
コレラ : 「見えざる巨人」ブラム・ストーカー
　「モロウビー・ジュークスの奇妙な騎馬旅行」ラドヤード・キプリング
　「一介の少尉」ラドヤード・キプリング
インフルエンザ : 「蒼ざめた馬　蒼ざめた騎手」キャサリン・アン・ポーター
疫病の後 : 「集中ケアユニット」J・Ｇ・バラード
解説 : 石塚久郎*****

すでに同じ編者により同じシリーズから「病短編小説集」「医療短編小説集」が出版されているが，疫病ものは編者の好みにより「病短編小説集」から敢えて排除されていた．しかし逼迫した状況が訪れ，個人的な好みに拘泥している場合ではなくなった．本書は目下の状況に対する文学の世界からのひとつの応答である...というのが編者の言葉である．

しかし，編者も言うように，疫病をテーマとする短編は少ないらしい．この本ではポー，ホーソーン．ストーカー (ドラキュラの著者) の３編は寓話的であまりに古典的．キプリング (16 トンにとってはジャングル・ブックの著者) の２篇のうち，「一介の少尉」は個人的には面白かったとは言えず，読み応えがあったのは半分以下， (と，強いて言えば論文みたいな解説)．

天然痘，コレラなどの分類はあまり意味がないように思う．

「モロウビー...」 はコレラから生き返った患者たちを閉じ込める蟻地獄みたいな場所でとても怖い．いちばん長い「蒼ざめた馬...」はよく言えば読み応えがあり，悪く言えば読みづらい．ぼくのベストは 1977 作の「集中ケアユニット」で，コロナ時代を先取りている．ここでは夫婦生活も家庭生活もリモートで，敢えてこのルールを破った一家が陥る事態が...

「疫病短編 SF 集」を編集したらおもしろいものができそう．

モノクロ写真のカラー化

一昨日の CD ケース絵は，一種のモノクロ写真のカラー化だが，咋今はここに AI 技術が応用されている．

「白黒画像を AI がカラー化」

https://tech-lagoon.com/imagechef/gray-to-color.html

というサイトに左の写真をアップロードしたら中央のようにカラー化して帰ってきた．

グレイスケールを，小学生のようにヒトの皮膚は肌色系 (ここにはないが木々は緑，海は青) などと判断することから始めるのだろう．衣服やパラソルの色などはいくらでも自由度があるのに，ずいぶん地味だ．

この写真を絵にしたくなるのは 16 トンだけではなかった !

ドビュッシーといえば印象派 !  右の LP ジャケットはスーラ風・点描である．プロのデザイナーはここまでやるんだな !

丸善 追悼・安倍コーナー

丸善よ お前もか ! と思ったが，並んだ本たちに書店員さんの心意気を感じた．ウェブには，果たしてこれを叩く輩が存在している．

売れなかった本を在庫から 感は否めないが，そんなもんでしょう．

「宗教と政治の転轍点」を，と思ったが，厚くて高い．当市の図書館にはない．

7/26　追記*****

YAHOO ニュース 7/25(月)17:54 配信によれば，

丸善本店は、1階入口の話題書コーナーに政治・経済関連本が並ぶ構成となっている。 安倍元首相に関しても、1階入口の一番目立つコーナーには、安倍元首相の対談本である『安倍晋三 時代に挑む！』（ワック）や『日本よ、咲き誇れ』（ワック・百田尚樹氏との共著）、『安倍晋三が日本を取り戻した』（ワック・阿比留瑠比著）など、安倍元首相と近しい著者の本も並んでいた。 「追悼　安倍晋三元首相」と銘打った特別コーナーは、3階の人文書など専門書を扱う場所に設置されていた。つまり、1階と3階を合わせてバランスを取った配置がなされていた。

7月24日には、「追悼コーナー」にあった宗教関連本は、元あったジャンルの棚に戻された。*****

なんだ...つまらない．

暑い ! ドビュッシー氏

右は，へんなおじさんが小さすぎるパラソルをさしている へんな写真だが，ドビュッシー氏だそうだ．これをCD ケースに内側からアクリル絵の具で．

後の祭 : 足先まで写っていないので適当に描いたが，やっぱり変だ．バックももっと考えて丁寧に塗ればよかった．

右の作曲者自作自演の CD は 

https://youtu.be/W3NX_TrxfVk

として Youtube 化されている．

音楽の肖像

堀内誠一，谷川俊太郎「音楽の肖像 LA MUSIQUE EM PORTRAITS」小学館 (2020/10).

書店で気になっていた本を図書館で借用．

堀内誠一 1932-1987 は Wikipedia によれば，グラフィックデザイナーにしてエディトリアルデザイナーにして絵本作家．

巻末の令嬢・堀内花子さんの文章によれば，ヤマハのPR誌「ピアノの本」の表紙がこの本のもと．ピアノを絵に入れるというリクエストが，作曲家シリーズという形になった．途中からエッセイも連載するようになった．

だからエッセイがない作曲家もある．この場合は当時の写真や肖像画をもとにしたらしいスケッチがエッセイのページを埋めている．

絵のタッチはさまざま．ベートーヴェン，チャイコフスキーなど，ときどきピアノ不在の絵もある．僕が好きなのはこのガーシュイン．

谷川俊太郎の詩は，ぼくの好みではない．この抱き合わせがなければ，買って本棚に並べるのだが...

朝日川柳炎上

１週間弱前の朝日新聞掲載のこれらの川柳が非難の矛先らしい．

ここには一般論が書いてあるだけで，安倍，岸田，自民党，日本などの固有名詞は一切ない．これを見て何を想像するかは自由であり，怒るのは疾しいところがあるから，というのが江戸時代からの約束．現代の文化は江戸時代より後退している．

今日の西木空人選の川柳欄をみたら，残念ながらトーンダウン気味．しかも

　紳士服AOKIが奥の手袖の下

は固有名詞を使っていて，前言撤回．でも五輪組織委もと理事の名前はない．

この句は柳多留の「役人の子はにぎにぎを能く覚え」からの連想だな．もう一句

　スケートは引退してからプロになる

はファンにより炎上，てなことにならないのかな．

でもスケートのプロは謎である．プロレスみたいなもの ?