雑誌「文芸」に発表された純文学 (らしい).著者は藤沢周平とは別人の芥川賞作家...ということにも無知なまま図書館で借用.
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****迷いと悔いに揺らぐ宮本武蔵の、もうひとつの巌流島。芥川賞作家が迫る、殺人剣の真髄!****
吉川英治の「宮本武蔵」を読んだのは半世紀以上前のこと.重苦しい精神訓話みたいだと思いながらも,若かったのでかしこまって読んだ.あの小説の延長上にあるように思えたが,むしろアンチテーゼというのが適当かもしれない.
ときどきドストエフスキーに話が飛んだりするが,新感覚とは言いかねる.
巌流島の前日からはじまり,小次郎との決闘のおわりまで.武蔵は一乗寺で吉岡伝七郎を切ったことがトラウマになっている.それをネタに,やはり武蔵が撲殺したはずの老僧が,蟻にのりうつったり女にのりうつったりして,武蔵を翻弄する.しかしなんだかわからないうちに夜が明ける.最後の決闘場面には迫力があった.
吉川英治の佐々木小次郎はプレイボーイで,求道者武蔵との対比が鮮やかだったが,こちらの小次郎は脇役に徹していて影が薄い.エンタメと純文学の違いというものだろうか.
著者は剣道4段とのこと.
goo 辞書によれば,「無常」とは,「仏語.この世の中の一切のものは常に生滅流転 (しょうめつるてん) して,永遠不変のものはないということ.特に、人生のはかないこと.また,そのさま.」だそうだ.
いっぽう「無情」は,「いつくしむ心がないこと.思いやりのないこと.また,そのさま.」だそうだが,この小説のタイトルとしては,どちらでもよさそう.
Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****迷いと悔いに揺らぐ宮本武蔵の、もうひとつの巌流島。芥川賞作家が迫る、殺人剣の真髄!****
吉川英治の「宮本武蔵」を読んだのは半世紀以上前のこと.重苦しい精神訓話みたいだと思いながらも,若かったのでかしこまって読んだ.あの小説の延長上にあるように思えたが,むしろアンチテーゼというのが適当かもしれない.
ときどきドストエフスキーに話が飛んだりするが,新感覚とは言いかねる.
巌流島の前日からはじまり,小次郎との決闘のおわりまで.武蔵は一乗寺で吉岡伝七郎を切ったことがトラウマになっている.それをネタに,やはり武蔵が撲殺したはずの老僧が,蟻にのりうつったり女にのりうつったりして,武蔵を翻弄する.しかしなんだかわからないうちに夜が明ける.最後の決闘場面には迫力があった.
吉川英治の佐々木小次郎はプレイボーイで,求道者武蔵との対比が鮮やかだったが,こちらの小次郎は脇役に徹していて影が薄い.エンタメと純文学の違いというものだろうか.
著者は剣道4段とのこと.
goo 辞書によれば,「無常」とは,「仏語.この世の中の一切のものは常に生滅流転 (しょうめつるてん) して,永遠不変のものはないということ.特に、人生のはかないこと.また,そのさま.」だそうだ.
いっぽう「無情」は,「いつくしむ心がないこと.思いやりのないこと.また,そのさま.」だそうだが,この小説のタイトルとしては,どちらでもよさそう.