Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

Jazz Spot After Dark

2025-01-17 19:32:57 | ジャズ

Xxxx After Dark  のXxxx にジャズスポットの名前を入れると,ジャズの名曲,ジャズメンが職場を描いた作品である.

岐阜には "Jazz Spot After Dark" の名を冠したジャズスポットがあったが,昨年3月に閉店したとのこと.岐阜は J 子の故郷でもあり,コロナやイレウスがなかりせば,お邪魔できたのに...

Five Spot After Dark は Curtis Fuller (tb) が定盤.Jimmy Garrison (b), Al Harewood (ds), Tommy Flanagan (p), Benny Golson (ts).ずっと Fuller と思っていたが,作曲は Benny Golson.言われてみれば,やっぱり,だな.

ボヘミアと聞いて中欧に思いを馳せるのもいいが,Bohemia After Dark ではジャズスポット.Oscar Pettiford のオリジナル版だろうが,ここに敢えてアップするのは山本玲子さん(vib) 版.やわらかい音色とヴィブラートなしが好ましい.皆川 太一 (guit),小美濃 悠太 (b),松尾 明 (drums).2014年録音の寺島レコード.

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核燃料サイクル という迷宮

2025-01-17 10:03:56 | 読書

山本義隆「核燃料サイクル という迷宮 - 核ナショナリズムがもたらしたもの」みすず書房 (2024/5).

出版社による紹介*****
日本のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。本書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日本の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。

日本では、戦前から続く「資源小国が技術によって一等国に列す」という思想や、戦間~戦中期に構造化された電力の国家管理、冷戦期の「潜在的核武装」論など複数の水脈が、原子力エネルギー開発へと流れ込んだ。なかでも核燃料サイクルは、「核ナショナリズム」(疑似軍事力としての核技術の維持があってこそ、日本は一流国として立つことができるという思想)の申し子と言える。「安全保障に資する」という名分は、最近では原子力発電をとりまく客観的情勢が悪化するなかでの拠り所として公言されている。

著者はあらゆる側面から,この国の「核エネルギー」政策の誤謬を炙り出している。地震国日本にとって最大のリスク・重荷である原発と決別するための歴史認識の土台、そして、軍事・民生を問わず広く「反核」の意識を統合する論拠が見えてくる労作。*****

1/13 日付で紹介した「プル子よさらば」の序文で,著者は反語的ではあるが,愛国心を標榜している.その底にあるのは,核ナショナリズム...疑似軍事力としての核技術の維持があってこそ,日本は一流国として立つことができるという思想であろう.

この「核燃料サイクル...」には石破茂の発言が紹介されている.「原発を維持すると言うことは,核兵器を作ろうと思えば一定期間のうちに作れると言う <核の潜在的抑止力>になっていると思います.逆に言えば,原発を無くすということはその潜在的抑止力を放棄することになる」2011 年 10 月「SAPIO」.ノーベル賞を受賞した被団協代表が首相との面会で,核禁条約への姿勢を批判していたが...

このように本書の論拠は,誰にも手に入る新聞雑誌記事である (ただし戦前にまで遡る例もある).特に新しいことが書いてあるわけではない.でも地球温暖化への原発の効用 (がないこと) あたり,教科書的にも役に立ちそう.
核エネルギーという沈没必至の泥舟に日本が乗っていることについて,具体的な解決策が示されていないことに共感した.

学生時代に 16 トンが薫陶を受けたのは,高木仁三郎,水戸巌,古川路明 (敬称略) といった方々であって,山本氏は優秀なアジテータという認識であった.それ以来氏の著書も敬して遠ざけていた.もっと読みたいかと聞かれると,読みやすくはないな と躊躇する.文章に往年のタテカンを思い出させる部分があるのがご愛嬌.

ひさびさの みすず書房の本はやはり美しい.

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マグニチュード暫定値に誤差棒を !

2025-01-15 10:17:19 | 科学

1/15 朝日新聞朝刊.

この記事によれば,最初の値 6.4 は震源近くの観測点データに基づく自動推定,次の 6.9 は波形を用いる計算,最後の 6.6 は全国の振幅データを反映させた値だそうだ.しかしこの 6.6 も暫定値とされている.

初期の値が拙速値であることは理解できる.
これがどのくらい信用できるかを,担当者は示すべき.例えば 6.42 ± 0.5 と言うふうに.この ± 0.5  が誤差棒,エラーバーである.
エラーバーなんかつけたら混乱する ?  そんなことはない.すでに天気予報で導入されている降水確率も予想の信用度を数値化したもので,受け入れられているではないか.ここでは何十 % という確率が,どのくらい信用できるか (できないか) を担当者が自ら示しているのだ.

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プル子よさらば

2025-01-13 21:02:40 | 読書

山中与三郎「プル子よ さらば : プルトニウムとともに生きた男の戦いと挫折」牧歌舎 (2010/3).

著者は大学サークルの先輩で,先日訃報に接した.6年の差があり,著者の謦咳に直接 接する機会はなかった.山中...はペンネーム.軽水炉プルトニウム燃料の国産化のいきさつを,現場の技術者の立場で書いている.企業名や登場人物の名前は変えてあるようだが,ぼくには判らない.プルトニウムはプル子と表記されていて,Tさん,Q子などと本書に現れる女性たちと同列に扱われている.予期に反し全体量の 1/3 くらいは女性と家庭の話であった.

著者は「もの作り」すなわちブルとニウム燃料を製造することで,日本のエネルギー自給の推進に挑戦する.この戦いの結果は,途中までは勝ち,最後は負けであった.これは,日本からその得意とする製造技術を取り上げ,国際競争力を低下させようとする世界戦略に負けた結果である...と説く.

主な舞台は動燃であって,著者に代表される職人主義・現場主義と,それを憎悪するお偉い (著者がいうところの) 評論家軍団の対立がテーマと言っても良い.後者がプルトニウム燃料の国産中止のお先棒を担いだのだ.こうした例は,日本のあらゆる分野で見られ,現代の技術の空洞化と地盤沈下を招いたのだろう.

下世話だが,動燃内部の出世競争と足の引っ張り合いが面白い.東大対京大,大学出対高卒も対立軸である.
全体に自慢話が鼻につくが,そこがご愛嬌でもある.
高速増殖炉の可否,各エネルギー利用の可否といった高邁な議論には無縁.プル子という芯がなかったら,単なるサラリーマン小説に終わっていたところ.

大先輩の著書に勝手なことを申し上げました.お許しください.

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書き初め

2025-01-10 08:36:29 | エトセト等

右 新春の喜びに溢れているでないか ! 書き初め かくあるべし !

左 夏目漱石 晩年の漢詩 (無題) より.「まばゆい梅の花は 濃い薄いのたぐいを超え おぽろな月の色は 有ると無いのあわいに在る」.
手が震えて,いかにも病後の書だが,ま 今年の出発はこんなものか.

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体重増加食品

2025-01-08 11:23:29 | 病気

なかなか体重が回復しないと言ったら,スポーツ好き (ジャズも好き) な友人たちが勧めてくれた.

左のプロテインは牛乳1カップに大匙4杯が標準というが,朝晩大匙1杯くらいで勘弁してもらっている.ぼくの感覚では,これは きな粉である.

右の飲料は少なくとも8種類の味がある.どれも後味は同じでよろしくないが,そんなもんでしょう.おやつの時間にときどき飲む.「医師・管理栄養士・薬剤師等の専門家の指導に基づいて使用してください」と書いてあるが,まぁ飲みすぎなければ大丈夫だろう.

体重への単独効果は,よくわからない...

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Jazz on Boulevard 2025

2025-01-07 11:17:54 | ジャズ

1/5(日) Jazz on Boulevard にはジャズ研 OG でプロとして活躍中の太田朱美(fl)さんと,そのご夫君 土井徳浩(cl)さんご夫妻が,お子様とに参加された.さらに OB でプロの松本安生(ds)さんも参加され,後輩とセッションして下さった.
今さらながら,初心者もベテランもカウントですぐに一緒に始められるのがジャズのよいところ.
でも東京組は午後早い人時間に退席され帰京された.かく言う小生もスタミナ不足で,同じ頃失礼してしまいました.申し訳ありません.

ジャズ研関係だけでなく,地域のジャズ好きなかたにも参加していただいている.でも地域のジャズメンの出番が終わると,地域の固定ファンはお帰りになってしまうのも少し残念.

Jazz on Bolevard はこれで3回目.幹事さんの大活躍のおかげで大盛会であった.トップ画像は第1回と第3回のポスター.第2回はポスターを作らなかったらしい.

動画は おぎゃたバンドによる「糸」.ただし狸 (た抜き) です.

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病み上がりのジャズ

2025-01-06 12:26:42 | ジャズ

1/5(日) Jazz on Boulevard.ふたつのバンドに続けて参加した.楽器 (ビブラフォン) の解体も組み立ても運搬も自力ではできず,まことに傍迷惑なことであった,
花束をいただいた.
朱美さんのご子息がホートレートを描いて下さった.

セットリスト

SYJQ (Still Young Jazz Quartet)  
西村 薫(cl),大原清志(bs),池田憲治(gt),小方 厚(vib)
1 All of Me, 2 The Entertainer, 3 Topsy, 4 東京ヴギウギ

おぎゃたバンド 
小川ひとみ(vo),大塚雅弘(gt),菊谷 舞(pf),丸山 操(ba),丸山暁人(dr),小方 厚(vib),
太田朱美(fl, ゲスト)
1 Sandu, 2 I've Grown Accustoed to Her Face, 3 Fly Me to the Moon, 4 糸 (中島みゆき), 5 On the Sunny Side og the Street


退院から3週間.体力は付きつつあるるつもりだったが,30 分立って演奏すると体力は尽きるようだ.ちなみに体重は,家の体重計が正しいとすれば,依然として 40kg に達していない.


SYJQ はたいした破綻なく終了.動画は最初の All of Me, the Entertainer の2曲.
All of Me での無言歌「春の歌」のミームはどこかのライブでだれかが演っていたのを思い出してのぱくり.

おぎゃたバンドは,2曲目でバックが聞こえない・気がついたら周りの音がすべて聞こえていない,あるいは音を聴こうとしていない ? ことに気がついた.唾を飲み込むと回復するがすぐダメになる.でも手足は動いていたらしく,おふたりが「そんなに変なプレイでもなかった」と言って下さったので慰められた,
動画を見たらこわごわ弾いている.勘定もおかしい.皆さんお許しください.

帰宅後8度弱に発熱.食欲あり.神経性?軟便だが,さいわいイレウスの気配はない.

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ぶりカマ と デベラ

2025-01-04 08:50:12 | 食べる

スーパーが元旦から営業.安い食材は年金生活の強い味方.

左のぶりカマが 300 円の半額で 150 円.酒をふって塩焼き.きのこ,ピーマン,大根などもいっしょで,美味かった.老夫婦には量的にも十分.

翌日 右のタマカンゾウヒラメが2匹で 190 円.聞いたことがない魚だが,かっこして (デベラ) とある.デベラなら尾道に売っている干物である.ぼくは.スルメは知っているがイカは聞いたことがないヒトみたいな存在?.
昨日に続いて塩焼きは芸がないと,酒みりん醤油などで煮てみた.肉が薄くてボリュームはないがまぁ美味しい.イレウスの身としてはエンガワの骨がちょっと怖い.
ネットによれば,新鮮なら刺身,そうでなければ丸揚げにして骨ごと食べるのが正解.

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梅崎春生ミステリ短編集

2025-01-02 20:58:58 | 読書

「十一郎会事件」梅崎春生ミステリ短編集,中公文庫 (2024/12).

梅崎春生,梅が咲いて春というペンネーム?が好きだが,本名はわからない.

4部構成で,第1部はシリアス系の短編.冒頭の「失われた男」は,16 トンが苦手とするジャンルで閉口したが,残り5篇はそれほどでもなかった.「師匠」は江戸川乱歩に請われて雑誌「宝石」に発表された作品.著者は会心のできとは反対で,評判も良好でなかったと言っているが,乱歩はサキなどに一脈通じる「奇妙な味」と持ち上げている.

第2部はユーモア系.表題作「十一郎会事件」を含む.ぼくが過去に読んだことのある梅崎作品は「ボロ屋の春秋」だが,あの系統.本書の「ミステリ短編集」というサブタイトルはちょっと違うが,第2部はそれでも広義のミステリと言えなくもない作品が集まっている.純文学者のミステリはつまらないものが多いが,梅崎の目指すところはちよっと方向が違い,それゆえ成功したようだ.でも4篇を続けて読むと同工異曲の感無きにしも非ず.

第3部は奇妙な味/実録物.見方によってはこの本で一番面白いかも.池上冬樹の解説によれは,ここに収められた「不思議な男」の主人公による「柾它希家の人々」なる長編があり,竹本健治・皆川博子が称賛しているとのことだ.
他に「コラムより」として 1-2 ページのエッセイがまとめられている.

 

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