「ハーモニーの不在」に関連して.日本人はハーモニーが苦手で,カラオケでハモることは想定外と言うけれど...
1950-60年代には,ダークダックス,デュークエイセス,ボニージャックスなど,コーラスグループが存在した.4人いたのでドミソを出してもまだ余裕だった.ぼくがハモることを認識させたのもこうしたグループの歌唱だった.
彼らはあちらの黒人霊歌やドゥワップの模倣から出発したが,日本語による日本人の歌を歌うことで,紅白にも進出した.しかし彼らのヒット曲は,ハーモニーが苦手な日本人に迎合すしたものが多かった.「山男の歌」も「おさななじみ」も,大部分は斉唱と,個々のメンバーによるリレー歌唱である.彼らの名誉のために加えると,リサイタルではちゃんとハモる曲も歌っていた...と思う.
芸能史に詳しいわけではないので,間違っているかもしれないが,斉唱+リレー歌唱の系譜は SMAP,嵐へ,また AKB48 などの大グループ歌唱へと繋がった.
ハモリ派には,タイムファイブ,ゴスペラーズ,男女混成のサーカスなどがあるが,衰退気味.
ソロ+バックコーラスという系譜もあり,Ink Spots 辺りが元祖かもしれない.マヒナスターズ,クールファイブ,東京ロマンチカ,ロスインディオス等々,日本では歌謡ムードコーラスとして人気が出たが,しかし,あまりハーモニー の妙味は感じられない.
正統ハモリ派・タイムファイブが結成五十年を越えたそうだ.
楽器の演奏となるとハーモニーと無縁ではいられない.ピアノを習い始めればすぐ両手で弾きたくなるが,その時がハーモニー開眼の時だろう.歌謡曲にもバックのオーケストラがちゃんとハーモニーをつけて,音楽らしくしている.
自分的には,ギターを始めて友達にいいとこを見せたいが為に覚えたコードがハーモニー実践につながった.義務教育の音楽の授業はお付き合いにすぎなかった.音楽も(美術も,たぶん文学なども)自発的に始めなければ意味がない...なんちゃって.