Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

美術の冬

2008-01-30 11:08:05 | お絵かき
広島県立美術館県民ギャラリーの広島二紀展が終わった.絵画123点・彫刻10点の計133点だったそうです.大家の巡回作と地元の入選作が並んだ.もちろん J 子の先生 (あるいは,先生の夫君) による,この展覧会最高の文部科学大臣賞作品「カスバ(アルジェリア)」もありました.
ご近所さんとか,かってのぼくの勤め先の方とか学生さんとか,多数の方が見に来て下さいました.ありがとうございました.

FAQ
作品の下の同人とか委員とかは何なの?
偉い順に,委員・会員・同人・一般で,会員以上は無審査で出品できる(らしい).
100号の油絵ってどのくらい大きいの?
1621mm x 1303mm です.展覧会場ではたいして大きく見えませんが,クルマに積むのは大変.100号以上が公募の審査の対象(らしい).

写真は二紀会理事の遠藤彰子さんによる作品解説.この方は500号を3枚横につないだ絵を毎年描いておられて,ギャラリーにはクレーンもあるらしい.この展覧会の作品は,エッシャーの建築にミケランジェロの群衆がひしめくというものだった.
初日にはこの遠藤さんの講演があって,門外漢にも楽しめた.作品から作者に「猛女」を連想してしまうが,ウェブ
http://www.akiko-endo.com/
のイラスト入りエッセイそのままのかわいい話しぶりだった.
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「かわす」=「おいこす」?

2008-01-28 08:49:33 | エトセト等
「福士は急に失速し35キロ手前でヤマウチ,森本らにかわされた.」(読売新聞 大阪国際女子マラソンの記事)

このように,スポーツでは「かわす」を「おいこす」の意味で使うが,何時からなんだろう.
ウェブ livedoor の辞書では

かわす かはす 【躱す】(動サ五[四])〔「交(か)わす」と同源〕
(1)すばやくからだを動かして避ける。
「体を―・す」「切っ先を―・す」
(2)(比喩的に)正対することを避ける。そらす。
「追及の矛先を―・す」

であって,追い越すと言う意味はない.
ちょっと違和感.
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あしたのんきサンのカレンダー

2008-01-25 14:14:46 | お絵かき
もう一月も終わり.新年という気分はなくなったが,これは,あしたのんきサン
ttp://www.k2.dion.ne.jp/~a_nonki/
による今年のカレンダー.彼女は拙著のためにカバーイラストを描いて下さった方です.

和紙製.イラストはペンの直筆らしい.おまけにカラーの部分は雑誌の広告か何かを切り抜いて貼り付けたもの.5月のフラフープなんかたいへんだったでしょう.J 子は3月のピンクが好き.ぼくは7月の人魚ちゃんのうろこが,よく見ればお寿司なので喜んでいる.カレンダーの数字もよく見ればみんな違うので,いちいちお書きになったものと思う.

のんきサンはいつも忙しそうだが,忙しいはずである.

油絵などは芸術とかいわれて大切にされるが,こういうものは来年になれば忘れられ,下手をすれば捨てられてしまう.もったいないことだ ← とっておけばお宝になるかも.

今日も,雪
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ポピュラーリズムのすべて

2008-01-22 10:32:35 | 新音律
由比 邦子 「ポピュラー・リズムのすべて―ポップス、ロック、ラテンの分析と奏法 」 勁草書房 (1996/11)

ごらんのようにカバーイラストが楽しい.巻末の著者自身の「おかず」のイラストもかわいい.ずいぶん昔の本だが (その後こういう本が出ていない) ,当時は由比さんもお若かったのでしょう.

楽器演奏の how to ものではなく,音楽学者による学術書.大学の先生によるお堅い本である.「ポップス、ロック、ラテンの分析と奏法」という副題がついている.「BOOK」データベースよりによれば
---豊富な譜例・イラストを駆使し、それぞれのリズムに見合ったパーカッションの奏法や“ノリ”方も詳述。ポピュラー・リズムにおけるドラム・セットの重要性を、ワールド・ミュージックのリズムの特質と対比させて考える。入門者必携の一冊。---

構成は

序章 ポピュラー音楽の原動力『ノリ』
第1章 リズムから見たポピュラー音楽史
第2章 パーカッションの種類と奏法
第3章 ラテン・リズムのいろいろ
第4章 すぐに使えるポピュラー・リズム
終章 ポピュラー・リズムあれこれ

となっている.

もっぱらフロント担当でバンドをやっていると,ドラマーの苦労はじつはあまり分からない.千手観音みたいだなあと思うだけであった.そこで第4章は (本で読んでも仕方あるまいと思ったのだが) 読んでみるとなるほどと思うことしきりだった.このリズムはこの曲と具体的に例も挙げてある.
第2-3 章でも,ラテン・パーカッションについて知っているつもりで実は何も知らなかったということがわかった.終章ではワールド・ミュージックについてもふれている.

索引もあり,最後の注が役に立つが,見出し語とともに小辞典ふうになっていたらと思う.どこの図書館にも備えて貰いたい本.
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Don't Mean A Thing: 津軽三味線コンサート

2008-01-21 09:14:53 | 新音律
昨年に引き続き雪の中を津軽三味線を聴きに行った...というと,青森みたいだけど,広島のはなし.
田岡隷山さんと川重竹遥さん.高橋竹山の系列の人は名前に「山」か「竹」がつくのだそうだ.

ごらんのように,第一部は田岡さんのソロ.難曲ばかりだそうだが,ご自分がいかに未熟であるかを強調するようなMC人格を反映しているのかな.休憩時間には甘酒サービス.後半は女流の三味線が加わり,音量も倍増.唄も混じった.

聴衆は3歳?から100歳?までの数十人.どの曲にもほとんど休止符というものがなく,スローな曲もないところが凄い.
3歳のお嬢さんは声を出したり,手拍子を打ったりで凄くスイングした.これが演奏側にもプラスに作用したようだった.

田岡さんの動画を発見!
http://www.flipclip.net/clips/inoacakemi/c8f44cf6ccaccb2b631b4cfb39eea892
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100円スタンド

2008-01-19 16:33:39 | お絵かき
苺をCDケースに描いて100均で買ったスタンドに飾ってみた.

毎朝この皿でパンを食べているのだが,苺より皿のほうがうまく描けた.
絵の具に色数がないので,あの絵の樹も,この苺のへたも,同じ緑になるのがつまらない.
苺をかたよって並べたのは,熊谷守一の卵の絵のまね.赤いバックは,たまたまテーブルクロスが赤かったから. 
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ジャケ買い quiet dance

2008-01-17 13:16:31 | ジャズ
ダンスのステップの教科書の図とおぼしきジャケットに惹かれて,タワーレコードで the fascinations の quiet dance を購入.昨今はもっぱらダウンロードで,CD 購入は何ヶ月ぶりだろうか.

キャップには
クラッシュの『ロック・ザ・カスバー』、マイケル・ジャクソン『ロック・ウィズ・ユー』そして、フリーソウルの超名曲、アリス・クラークの『ネヴァー・ディド・アイ・ストップ・ラヴィング・ユー』をカバー!
と謳ってある.自慢じゃないけど知らない曲ばかり.唯一聞き覚えがあったのは But Not for Me で,チェット・ベイカーみたいに力が抜けた歌い方.じつはこれじゃない曲のほうが良い.
編成はvib, kb, guit, b, ds プラス曲によって vo と管楽器.これが「ヴィブラフォンの美しい響きとパンクさながらの熱い演奏が同居する,クラブ・ジャズという枠を越えた唯一無二のサウンドというものだ

単調なベース・パターンに乗ったテーマの提示とか,一見(一聴)ミルト・ジャクソンの影響なんか全然感じさせないヴァイブ・ソロとかで,ぼく的ベストは,モードっぽい Next Step.
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大人の科学のテルミン

2008-01-15 06:02:09 | 新音律
大枚2300円を投じ大人の科学のテルミンを購入.
小さいねじなどがあって,老視にはめんどくさそうなので,遊びに来たモト学生さんに組み立てて貰った.

写真左は先日の新年会.彼の大きな手の内の赤い小さな箱がそれ.拡大すると右.垂直に立ったアンテナに手を(顔でも良い)近づけると音が高くなり,遠ざけると低くなり,もっと遠ざけると音が消える.
これは,むこうではジャズのセッション中で彼はそれに合わせて奏でているところ...と言いたいが,もっぱらリズム楽器兼ノイズ発生器として使っていたようだ.

ホントのテルミンには音高調整用・音量調整用の2本のアンテナがあるが,これには音高調整用だけしかない.音量は水平の棒を出し入れして,なし・小・大と切り替える.ただし,アルミフォイルでアースを作ってみたところ,アースを触れる・離すで音をオンオフ出来ることが分かった.

ただしいかにも音に魅力がない.このテルミンを練習するなら,その時間で手持ちの古典的な楽器を練習したほうが良い...というのが目下の結論.
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五音階のモード

2008-01-13 09:34:15 | 新音律
ドレミファソラシドをドではなくレから始めるとドリアンになり,ラから始めるとエオリアン(短音階)になる.どの音から始めるかによって,7音階には7つのモードがある.

ドレミファソラシドの7音階から第4音と第7音を除いたのが,ドレミソラからなるヨナ抜き5音階である.この5音階にも5つのモードがあり得る.ちなみにヨナ抜き5音階は,童謡・演歌ばかりでなく,スコットランド民謡などでも使われている,普遍的な音階である.

日本の音階には,民謡音階・都節音階・律音階・琉球音階の4つがある.ヨナ抜き5音階をドではなくソから始めると律音階になり,ラから始めると民謡音階になる.音楽の教科書には左のようにCを最低音として書かれることが多い(拙著「音律と音階の科学」でもそのように書いてしまった).しかし,右のようにピアノの鍵盤で眺めると,ヨナ抜き5音階・民謡音階・律音階の違いはモードの違いにすぎないとことがわかる.
ちなみに,レから始まるモードも良い感じ.こんどアドリブするときにさりげなく試してみようか.

この図には示していないが,都節音階は,ラシドミファラという,短調のヨナ抜き5音階をミから始めたモードである.

琉球音階は,この枠からはみ出した音階ということになる.また拙著では日本の音階がテトラコルドで説明できるとしたが,明治以降受け入れられたヨナ抜き5音階はテトラコルドではない.なかなか一筋縄ではいかない.
こういう(屁)理屈など野暮にして無意味と言われれば,それまでだけれど.

以上,大塚正元先生 (「楽譜の数学」早稲田出版(2003)の著者) から,東川清一「日本の音階を探る」音楽之友社 (1990)に書いてあるよと,教えていただいたことの受け売りでした.ただし私はまだ東川本は読んでおりません.この記述に間違いがあったら私の責任です.
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連作のこだわり 「心臓と左手」

2008-01-11 11:11:36 | 読書
石持浅海「心臓と左手」光文社 カッパノベルズ (2007/9)

7編の短編集だが,パターンが決まっている.まず2ページほどで事件が示され,一転して警視と「彼」が新宿の大型書店で落ち合い,飲食店の個室に移動し,そこで彼が安楽椅子探偵ぶりを発揮する.事件もたいてい過激派とか新興宗教とかが絡んでいる.しかし彼が指摘した犯人が逮捕されることはない.
このように,パターンにこだわった連作,大好き.

最後の作品だけがこのパターンを踏襲していないところもよい.ただし,この最後のはミステリとしてはものたりない.

この連作は,長編
石持浅海「月の扉」光文社 カッパノベルズ (2003/8) ...昨年文庫化
で良いところをみせた座間味くんが「彼」である.月の扉そのものは,SFあるいはファンタジーっぽい部分が中途半端だったが,座間味くんはかっこよかった.すこし老けてしまったが,再登場してくれて嬉しい.作品としてもこんどの短編集のほうがずっと良かった.

しかし警察官というのはしょっちゅう新宿であんなに美味そうなものを食べているのだろうか.
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