吉永 南央「青い翅」双葉社(2014/12).
Amazon の内容紹介*****
天才的な版画家が美しい蝶の木版画を残して失踪した。作品を託された友人は、「この一枚しか刷らない」という版画家の言葉を信じていたが、18年たって複製の存在を知る。大きな衝撃を受けた友人が依頼した調査から、思わぬ人物へと波紋が広がってゆく――。大好評「紅雲町珈琲屋こよみ」の著者が贈る長編ミステリー。*****
目次には「ユリシス」「リトープス・フーケリ」... とカタカナが並んでいて硬質なミステリを期待させるが,読み終わるとホームドラマっぽい感動! というわけで,なかなかのエンタメである.
月刊誌に連載されたもので.はじめの 1, 2 章は独立して読めるのかなと思ったが,始めから結末を決めて書かれた長編だった.ミステリアスに登場する人物が,後半で女房子供に手を焼きながらも生きていると判ったりする.悪人は登場しない.悪女のはずの娘に入院した独居老人を見舞いに行かせたりする,うまいものだ.
著者は群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒.惹句からも美術ミステリを期待したが,それは外れた.
おばあさん探偵が活躍する「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズは最初の「萩を揺らす雨」を読んだきりだが,もっと読んでみようか.
図書館で借用.
Amazon の内容紹介*****
天才的な版画家が美しい蝶の木版画を残して失踪した。作品を託された友人は、「この一枚しか刷らない」という版画家の言葉を信じていたが、18年たって複製の存在を知る。大きな衝撃を受けた友人が依頼した調査から、思わぬ人物へと波紋が広がってゆく――。大好評「紅雲町珈琲屋こよみ」の著者が贈る長編ミステリー。*****
目次には「ユリシス」「リトープス・フーケリ」... とカタカナが並んでいて硬質なミステリを期待させるが,読み終わるとホームドラマっぽい感動! というわけで,なかなかのエンタメである.
月刊誌に連載されたもので.はじめの 1, 2 章は独立して読めるのかなと思ったが,始めから結末を決めて書かれた長編だった.ミステリアスに登場する人物が,後半で女房子供に手を焼きながらも生きていると判ったりする.悪人は登場しない.悪女のはずの娘に入院した独居老人を見舞いに行かせたりする,うまいものだ.
著者は群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒.惹句からも美術ミステリを期待したが,それは外れた.
おばあさん探偵が活躍する「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズは最初の「萩を揺らす雨」を読んだきりだが,もっと読んでみようか.
図書館で借用.